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(1) |
事業展開の状況 |
○ |
自主開発原油の確保には、一定の成果(輸入原油総量の約15%) |
○ |
探鉱事業のリスクは高く、昭和63年度以前に設立の探鉱会社の半数以上が解散 |
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- 自主開発原油の確保という政策の下、21世紀初頭に 120万バーレル/日を目標
→ 実績:輸入原油総量の約15%(67万バーレル/日)と、一定の成果
- 投融資は2次のオイルショックを経て増加するも、投融資先会社の解散が増加
→ 昭和63年度以前に設立された探鉱会社のおおむね半数以上が解散

- これまでの損失処理は、4,081億円、引当金残高は、1,179億円(平成8年度末)
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(2) |
投融資等の現状 |
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ア 公団財務の状況(財務諸表の分析) |
○ |
資金の回収可能性について注意深く見守っていく必要がある債権4,245億円
=投融資等(1兆600億円弱)の約4割
・利息が棚上げられている債権: 3,550億円 (平成8年度)
・長期未収金 : 696億円 ( 〃 ) |
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- 投融資等の残高約1兆4,100億円中、相当部分について回収の見込みが立っていないものは、3,500億円強(∵投融資先会社が解散予定)
↓
- 公団の財務内容(1.の3,500億円を除いた1兆565億円について、財務諸表等からその内容の分析)
(ポイント)
○ |
財務分析の結果では、資金の回収可能性について注意が喚起されている状況 |
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イ キャッシュフロー分析からみた損益(通産省による見通し) |
○ |
通産省のキャッシュフロー分析は、出融資先会社の将来の損益の見通しを立てるもの |
○ |
分析では、最終的な損益は▲2,490億円〜3,760億円との結論 |
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- キャッシュフロー分析は、油価・為替に一定の前提を置き、石油の埋蔵量を元にした生産見通しに基づき、投融資先会社から公団へ将来支払い可能な金額を分析
- この分析対象は、当庁の財務諸表分析の対象となる出融資先と概ね一致
- 通商産業省による損益見通し
(金額:平成9年度ベース)
分析に際しての設定条件
(油価、為替) |
回収
不能額 |
収益の
見込み |
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最終損益
の見込み |
16.1ドル/バーレル、110円/ドル |
▲6,870
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4,380
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▲2,490
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20.7ドル/バーレル、145円/ドル |
▲5,140
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8,900
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3,760
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→油価・為替の変動により左右 |
(ポイント)
○ |
分析の前提条件である油価・為替の変動に注意を払いつつ、適時適切に損益の動向を見通し、出融資先会社について的確な措置を講ずることが必要 |
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(3) |
投融資効果と今後の課題 |
○ |
自主開発原油の輸入量や投融資先からの配当は昭和40年代設立会社からのものが多い |
○ |
投融資先会社の探鉱開発コストがメジャーと遜色なしとの通産省試算は精査の要あり |
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- 投融資額と原油輸入量の比較では、昭和40年代前半のものの効果が高い
- 配当収入は、昭和40年代に設立された会社からのものがほとんど

- 通産省による探鉱開発コストの比較結果(出融資先会社≒メジャー)
→ 比較期間や手法に差異 / コスト算出方法の共通化が必要
(ポイント)
○ |
自主開発原油の輸入を確保する上で、投融資の重点化を検討することが必要 |
○ |
投融資効果の検証を進めることが必要 |
○ |
多額の公的資金に依存する事業であり、今後ともディスクロージャーの一層の推進が必要 |
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