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労災保険事業は、被災労働者の負傷等に対する必要な保険給付を行うとともに、社会復帰の促進、援護等のための労働福祉事業を実施し、労働者の福祉の増進に寄与することを目的 |
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保険加入事業数: |
約 270万事業(約 4,844万人) |
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保険料収入額 : |
1兆 5,486億円 |
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保険給付の額 : |
8,464億円 |
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労働福祉事業費: |
2,574億円
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政府は、平成9年12月、労働福祉事業団(労災病院)について、「(1)勤労者医療の中核的機能を高めるため、労災指定医療機関や産業医等との連携システムを含め、その機能の再構築を図る。(2)労災病院の実態(労災患者入院比率8パーセント)にも照らし、その運営の在り方につき、統合及び民営化を含め検討する。(3)毎年度損失が生じている経営状況を改善し、労災保険からの出資金の縮減を図る。」ことを閣議決定 |
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本監察は、このような状況を踏まえ、労災保険の適用、徴収等保険業務の実施状況、労働福祉事業の実施状況等を調査し、関係行政の改善に資するため実施 |
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調査対象機関: |
労働省(労働基準局(18)、労働基準監督署(19))、厚生省、労働福祉事業団、都道府県(18)、関係団体等 |
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担当部局 : |
行政監察局、管区行政監察局(7)、四国行政監察支局、行政監察事務所(10) |
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労災病院は、昭和20年代後半から30年代に集中的に設置。現在、39病院 |
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○ |
被災労働者の大幅な減少、労災指定医療機関の増加などから労災病院の労働災害の「専門病院」としての役割が低下 |
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被災労働者 : |
昭和43年度 1,717千人 |
→ |
平成9年度 649千人
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労災指定医療機関 : |
昭和40年 13,805機関 |
→ |
平成9年 27,538機関
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労災患者に対する医療供給体制は労災病院の設置当初と比較して格段に整備充実 |
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労災病院における労災患者の割合は低下 |
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区 分
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入院患者数
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うち労災患者数(割合)
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外来患者数
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うち労災患者数(割合)
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昭和40年度
平成9年度 |
3,128 千人
5,418 千人 |
1,168 千人(37.3%)
323 千人 ( 6.0%)
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2,455千人
10,352千人
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302千人(12.3%)
353千人 ( 3.4%)
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○ |
メンタルヘルス、深夜業・VDT作業による健康障害等労働環境の変化に伴う新たな健康問題への対応が課題 |
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個別の労災病院の配置状況をみると、同一の二次医療圏等に複数設置されているものが4地区9病院あり(北海道、愛知、北九州及び首都圏)、これらの病院はいずれも出資金に見合う減価償却費を含めた損益で3年連続して損失を計上 |
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労災病院全体の損益は、毎年度損失を計上 |
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昭和63年度から平成9年度までの10年間の施設及び機器等の整備費は約 3,640億円。このうち労災保険からの出資金は 3,302億円(90.7%) |
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10年間の損失金累計は約 1,370億円 |
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利益を計上している病院あり |
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平成7年度:2病院、8年度:2病院、9年度:1病院 |
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