政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会議事録



1. 日時  平成15年10月30日(木)15時30分から17時30分

2. 場所  中央合同庁舎第2号館 第1002会議室

3. 出席者
分科会所属委員)
村松岐夫委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、竹内佐和子の各委員
黒川行治、黒田玲子、新村保子の各臨時委員
稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清の各専門委員

総務省)
田村行政評価局長、柚木官房審議官、橋口総務課長、讃岐評価監視官 ほか

4. 議題
(1 ) 「平成14年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見(案)」について
(2 ) 「独立行政法人教員研修センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(案)」について

5. 参考資料(PDF)
(1 ) 平成14年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見(案)
(2 ) 平成14年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての政策評価・独立行政法人評価委員会の意見の概要(案)
(3 ) 独立行政法人教員研修センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(案)
(4 ) 独立行政法人教員研修センターの研修事業の見直しの考え方(文部科学省)
(5 ) 「十月一日に設立される独立行政法人の中期目標等について」(平成15年8月1日閣議 石原行政改革担当大臣発言要旨)、「独立行政法人の今後の中期目標等について」(平成15年8月1日閣議 小泉内閣総理大臣発言要旨)

 




○富田分科会長 
  本日は2つ大きな議題がございまして、「平成14年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見(案)」および「独立行政法人教員研修センターの主要な事務、事業の改廃に関する勧告の方向性について(案)」について審議を行い、分科会としての案を決定したいと思います。それでは始めに事務局からこれまで集中的にワーキング・グループにおいて審議が進められてきた状況につきまして、そして「平成14年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見(案)」についての説明をお願いします。
○讃岐評価監視官 
  それでは、お手元にお配りした資料に沿いまして、ご説明したいと思います。まず始めに分科会長からもございましたけれども、9月、10月の間に3つのワーキング・グループを6回ずつ、計18回、財務研究会を1回行っておりますので19回、集中的な審議をいただきまして、大変ありがとうございます。それを踏まえまして、案文をまとめましたので、「平成14年度における独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見(案)」に沿って説明したいと思います。
  全体の構成は2枚めくっていただきますと、最初に村松委員長から各府省評価委員会の委員長宛てのかがみを付けてございます。最初の段落でございますけれども、今回2回目の評価でありまして、それぞれごとに改善が認められたということを述べています。
  2つ目のパラグラフ、これは昨年に引き続いて、同様な観点で評価を行うとともに、また昨年2次に亘る意見を述べたところでございまして、特に昨年の2次意見を踏まえて今年の評価作業が行われたことを述べています。
  そして次のページですが、昨年2次意見を出した後、委員長懇談会などで各方面からいただいたコメント、各府省の評価委員会、その委員長あるいは評価の関係者の方からの意見もございましたけれども、その中に、評価自体が過度の負担をもたらすことにならないか、評価疲れということにならないのかということと、また、あまりぎちぎちと評価をすると、かえって独立行政法人の自主性を損なうという疑念は生じないのかとの声もありました。この委員会は、各府省の評価委員会に対して意見を申し述べるわけですけれども、そのような各方面の声も勘案しつつ、評価作業に取り組んでまいりました。しかしながら、この委員会の考えとしまして、データをなぜこんなに把握して評価を行わなければならないのかというような疑問に対しては、まず第一に、やはりこれらのデータは評価のためのデータ以前に法人のマネジメントのために必要なデータであるはずのものであり、そうしたデータを把握することを評価を通じても推進すれば、独立行政法人の効果的な運営にもつながる、という認識であることを表明しています。
  また、もう1つ当然のことでありますが、法律・財政上の特別の地位を与えられている独立行政法人としては、例えば、運営費交付金等国民の税金を財源として業務に要する費用を賄われている等の立場にある法人である以上、事後的に業務、財務全般にわたる実績を評価を通じて明らかにするのは当然だろうとの認識を表明しています。これらの認識は、改めてワーキング・グループの議論の過程を通じて委員の間で共有できたと思いますので、その旨を各府省評価委員会委員長宛てのかがみの中で書くのが適当だと思い、ご用意させていただきました。
  最後のパラグラフですが、来年からは、特殊法人等からの移行独法が評価の対象となりますが、これらは規模も大きく業務の内容も多岐にわたりますので、評価に当たって是非とも一層のご努力をお願いしたいということを述べております。
  続きまして内容ですが、昨年の意見と同様に各府省、法人ごとに列挙する形でございます。個別に細かい説明はいたしませんが、まず構成を見ていただきますと、3頁からの内閣府の国立公文書館ですが、最初のパラグラフとして、「以下の点を踏まえつつ」とございますが、以下の点というのが、この評価委員会で述べる意見で、内閣府評価委員会の評価の結果に対する意見です。当委員会の意見を踏まえつつ、内閣府評価委員会で行われた評価結果を活用して業務の質の向上と効率化を引き続き効果的に推進していくよう評価委員会としても対処してもらいたいと述べております。
  各法人共通にこの3行を付けてあります。特に当委員会として個別に述べる意見がない法人については「以下の点を踏まえつつ」という文字は書いていません。
  内閣府の国立公文書館について当委員会が述べる意見ですが、これはワーキング・グループでも議論をしていただきましたけれども、中期目標期間中に公文書1冊当たりの処理経費の10%削減という目標がありましたが、公文書の種類によって経費に大きな違いがあるため、経費削減の状況をはかるためには、公文書の種類ごとに指標を設定して見ないと分からないということが分かったにもかかわらず、具体的な指標はまだ整っていないということで、それを適切に整えていただきたいという意見が第一番目です。また、次のパラグラフでは、中期計画等の定量化と具体化を一層進めていただきたいということを述べております。
  次は駐留軍等労働者労務管理機構ですが、個別に述べる意見は4頁にありまして、本文3行目にあります。本部・支部を通じて業務量、業務内容と要員の配置状況などに着目して、効率化を進めていくとの計画は立っておりますが、評価に当たって、本部・支部ごとに定量的、具体的なデータによってその計画がどれだけ進められているのかを明確にし、見てもらいたいということを述べております。
  以上が内閣府の所管法人について述べている意見ですが、その下は、各所管法人共通の事項ということであります。この部分の構成は、各府省評価委員会共通となっています。
  まず第一にフォローアップというものを行ってくださいということを述べております。
  二つ目のパラグラフは、昨年の二次の意見で当委員会が各省委員会で述べた事項につきまして、当委員会でフォローアップしましたが、各省委員会で更に一層の取組が必要と考えられるものについて、例示的に書き出しております。内閣府評価委員会につきましては、目標計画の定量化・具体化、削減目標の達成状況を定量的に把握すべきであるなどについて、更に進めてもらいたいことを例示として書いています。
  3つ目のパラグラフですが、昨年の2次意見はいわば評価活動準則として機能することを期待して取りまとめましたが、さらに今年の評価を行った結果、これに追加する必要があると考えられた事項がありました。受託や研究開発業務等についての4項目述べてありますが、この具体的内容は最後に説明し必要な議論をしていただきたいと思います。
  次になお書きのところですが、10月1日に特殊法人から独立行政法人に移行する法人については、業務の効率化について中期目標期間中に一般管理費の1割から2割の削減という高い目標を立てるよう内閣総理大臣から各主務大臣から指示があり、これを踏まえ相当の削減目標が立てられているわけですありますが、ご存知のとおり既存独立行政法人は毎年1%程度の経費削減の目標ということでございます。そこで、その際、合わせて、既存独立行政法人についても、次の中間目標期間には、特殊法人からの移行型の独立行政法人の目標を参考に、より高い水準の経費削減目標を設定してもらいたいという指示が各主務大臣に対して行われたわけです。主務大臣は中期目標を設定するに当たっては、あらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないとされているわけですし、また独立行政法人の業務の実績を毎年評価している評価委員会としても、どこに効率化、削減の余地はあるのかをチェックしているわけですから、さらに高い目標を設定する余地がどこにどれだけあるか見ながら評価を進めていってもらいたいという趣旨で、当委員会としての意見を述べているわけでございます。
  7頁は、総務省の通信総合研究所についてですが、ここは昨年来、バイオコミュニケーション技術の研究を進めておりまして、その中で、タンパク質モーターの研究というものがありました。この研究については、バイオテクノロジー面では大変高い評価を得ているということでありますが、果たして通信技術というものとの関連性をいかように有するのかということが明確ではないのではないかということが、法人の主務省である総務省の評価委員会でも昨年来指摘されてきたところであります。2年連続してこのような指摘がなされたわけですが、法人は、関連性を明確に説明することができず、法人と評価委員会の間で認識、見解に齟齬を生じているわけであります。そこで全政府レベルの評価機関である当委員会としてはこのような問題についてどのように考えたら良いかということを議論しました。その結果、基礎研究のように短期的に、そもそも通信技術との関連を具体的に明確化できないものであっても、研究業務管理・予算管理の面から、まず毎年毎年当該研究と通信技術の関連を明確にするためどのような取組を行うのかについて計画が立てられる必要がある、そしてその計画に基づいて毎年、主務省の評価委員会が評価を行い、実績を見る必要がある。また、(2)といたしまして、中期目標期間終了時には主務大臣が法人の組織業務の全般的見直しの中で当該研究と通信技術との関連を十分精査した上で、必要な場合には業務の大幅な軌道修正あるいは見直しを適切に行うこととなるわけですが、そうした見直しが適切に行われるように主務省の評価委員会でも必要な取組を行ってもらいたい旨を書いたところでございます。
  次はタイ自然言語ラボラトリーのような組織を新たに設けていますが、組織の拡充、改廃ということについては独立行政法人になって法人の裁量でということになったわけです。評価委員会としては事後的に実績や維持の必要性等を評価してもらいたいということです。
  次の、通信総合研究所のなお書きのところですが、通信総合研究所は来年4月に新しく通信・放送機構と統合されるということになります。これは特殊法人等改革に伴って統合されるわけですが、このような法人は他にも3法人あります。これらの法人共通的に、統合後においても統合前の評価結果を活用する、いってみれば統合前の組織と統合後の組織と区分して、適切に評価をする必要があるということを述べております。
  12頁にまいります。財務省の評価委員会に対して述べる意見というところでございますけれども、酒類総合研究所について昨年から議論をいただいて、昨年から意見を出しているところですが、この法人は「価格及び商品ラベルに関する調査」として酒のラベルに関しての収集、調査を独立行政法人になってから始めているわけです。これについては本文に書かれているとおり、民間においても、醸造メーカーにおいても、同じような研究が行われているという実態があるわけでありまして、果たして本当に独立行政法人でやらなければいけない仕事であるのか、本当に独立行政法人の専門性を踏まえてやらなければいけないのか、酒類業の健全な発達というこの法人の目的はあるわけですが、このラベルの研究がその目的の中にあって果たして国民生活にいかなる成果をもたらすものなのか、そういったところに踏み込んで評価をしてもらいたいということを述べております。
  16頁にまいります。文部科学省については、まず、国立特殊教育総合研究所であります。特殊教育の研究等を行っている法人です。ここについては、医療・福祉・労働等の関係機関・団体との連携というものを進めながら事業を進めていく必要があるということで、中期目標には、業務全てにわたって医療・福祉・労働等の関係機関との連携が必要であると書いてあります。しかし、評価においては、研究業務に関してはそのような連携が進められているかを明確に見ていますけど、研究業務以外の研修等のその他の業務について見ていませんでしたので、これを見て、取組を進めてもらえるようにしていただきたいという趣旨のことを述べております。
  次に大学入試センターですが、入試センターでは新たに法科大学院適性試験というものを平成15年度から始めるため、平成14年度には試行的な業務を行ったということです。法科大学院適性試験については、実は日本弁護士連合会の下にある民間団体でも適性試験というものをすでに始めておりまして、日本弁護士連合会からも言われていますが、入試センターの取組みは官業による民業の圧迫ではないかという主張がございます。独法通則法の独法の定義の中で、独法とは民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがある業務を効率的かつ効果的に担うものである旨の記述があります。それでは、この適性試験の業務は、民間団体でも現に実施されているにもかかわらず、この定義規程との関係で独立行政法人のやるべき業務としてどのように位置づけられるのか、これについて文部科学省の説明としては、この業務は安定的、継続的に行っていく必要があり、また、大学入試センターが既に持っている既存のコンピュータなどを活用して業務を行っていく方がより低廉なコストで行うことができるという理由から独法の業務として適切であると主張しています。それであるならば、これからの評価においては、当該業務の法人における位置付けについて念頭におくことは勿論、収支状況、民間においての同種業務との役割分担等を踏まえて分析・評価が行われる必要があり、それらを踏まえて、今後の業務の在り方の方向性を明確にする評価を行ってもらいたいということを述べております。
  次は、国立オリンピック記念青少年総合センターですが、この法人は、子どもゆめ基金という名称の、子供が体験活動や読書活動など行うにあたってそれを実施する団体の育成等を行う助成業務というのを毎年20億円の運営費交付金を得て行っているのですが、それについては単にお金を配ることではなく、成果というのがどうように挙がっているのかを評価することが重要であり、そのため成果を把握するにあたって明確に成果目標を定めて評価をすべきであると述べております。
  次は、国立女性教育会館です。この法人は女性教育に関することでのナショナルセンターとして位置付けがなされていますが、地方や民間における男女共同参画推進センターなどとの役割分担を踏まえまして、ナショナルセンターとして何をやっていく必要があり、何を取組んでいくのか、役割分担を踏まえた評価を行っていただきたいということを述べております。
  次は、国立青年の家と国立少年自然の家について同じことを述べておりますので、一緒に説明します。両法人については、昨年度の1次意見でも各法人ごとに、13〜14の施設が全国にありますので、その施設ごとに分けた評価を行う必要があると意見を述べたわけであります。しかし、文部科学省評価委員会の今回の評価でも施設ごとの評価は行われていないという状況でした。そこで事務局を通じて議論を進めていったところ、行われていないことについて、文部科学省評価委員会青少年部会でも議論が行われていたのですが、結論として、施設ごとに評価を行うことは適切ではないという意向であるというのが伝って参りました。なぜ、施設ごとの評価を行わないとの意向かといいますと、これはある意味では考え方の違いというものがあるのですが、施設ごとに評価すると施設ごとの競争が激しくなって業務に悪影響を及ぼすおそれがあると考えられること、例えば、競争が促され利用者が増えても逆に施設の衛生面に悪影響が及ぼされたという事例が地方にあったということと、もう一つが、事務・事業というのは、施設一体として行われるものであって、一つの法人であるので、施設ごとに評価を行うのではなく、事務・事業ごとに横断的に見ているのだから施設ごとに評価を行うということは必要ではないということ、これらの見解が文部科学省の評価委員会青少年部会長のかなり強い意向であるということが伝わってまいりました。しかし、当方としましても、ワーキング・グループでも議論いたしましたが、やはり法人のマネジメントをする責任者は、各施設の業務全体を一体として見るのではなく、施設ごとにどんな実績が挙がっているのかを見て、その結果、例えばどこに重点的に資源を配分するかといった経営判断を行っているはずであるし、そのようなマネジメントが行われていないとしたら適切な業務管理はできないだろうという認識でありました。それではこういう考え方で当委員会の意見をまとめようということで書いたものが、最初のパラグラフであります。すなわち、法人の長が各施設ごとの業務・財務状況をどのように分析し、それを踏まえて主な経営判断をどのように行ったかを、文部科学省の評価委員会として把握した上で、必要な評価が行われることを期待するという意見であります。
  内々先方の部会長あるいは部会では、当委員会からこういう意見が出されたら、これを踏まえて先方の考え方を審議した上で、必要な機会に先方の部会長、先方の主要な委員が、当方の委員会との間で意見交換を行いたいとの意向であるとのことです。これにつきましては、後ほど追って、またご相談することがあるかと思います。
  次の2つ目の項目ですが、国立青年の家では、青年に対する団体宿泊訓練を行うのが本来の業務ですが、施設の有効利用の観点からは目的外、老人クラブや企業等も含めて利用することができることになっています。ただ料金として食費とシーツ代は負担いただくのですが、宿泊費は無料になっておりまして、やはり施設を有効活用するのであれば費用負担を求めるということが適切だろうと、そういうことを念頭において文部科学省評価委員会でも検討してもらいたいということを述べております。
  次が19頁の国立国語研究所です。社会的有用性の観点と学術的有用性の観点という2つの観点が評価基準に記されていますが、評価が一体的に行なわれて分かりにくくなっていますので、どの観点からの分析なのかを明確に記述してもらいたいという意見です。
  19頁の一番下にあります航空宇宙技術研究所ですが、述べている意見は20頁に書いてあります。昨年7月に次世代超音速実験機というものの飛行実験をオーストラリアで失敗して、多額の損害が出たのですが、この失敗の評価につきましては、今後もう1度再実験を平成15年に再開し、再開した時に新しく実験にかかる費用も含めて、失敗のコストも明確になるので、その際に評価を行うということを言っておりますので、その際には実験失敗におけるマネジメントの責任をも念頭におきつつ、計画、予算もとより人事等への反映を含めて評価してもらいたいということとともに、なお書きですが、航空宇宙技術研究所も10月1日より統合されて宇宙航空研究開発機構になったわけで、かつ、業務区分について宇宙航空研究開発機構は統合した3法人の業務というものが一体的にリシャッフルされてしまったので明確に追跡できないのですが、これまでの評価結果を統合後も活用していただきたいということを述べております。
  放射線医学総合研究所ですが、ここは病院部門も抱えていますので、病院部門をセグメント区分して評価していただきたいということを述べております。
  国立美術館ですが、ここはワーキング・グループでも大変いろいろ審議をいただいてこの法人の評価において高く評価された点としまして、東京、大阪、京都の各美術館ごとにセグメント情報を大変適切にまとめていまして、費用や収益について展示や研究といったそれぞれの項目ごとにまとめている点がありまして、大変よくやっていると思います。21頁の文中で「このような評価の取組が、組織、業務等の態様の類似する他の法人の評価において参考とされることを期待する」と書かれています。例えば国立博物館においても、まだ取組は途上であるので更に進めてもらいたいという趣旨であります。
  文化財研究所では、ここは本来研究所ですが、例えば、飛鳥村や吉野ヶ里などで展示業務を行っています。展示業務について数字的にどのくらいの人数が入るべきであるかという数値の目標は立てているところですが、ただ展示が本業というわけでないので、必ずしもそれほど人は集まってはいない状況があります。それに関して、入場者数の向上のため文部科学省評価委員会として各種の取組が提案もされていますが、ただ、本来業務である研究業務と調和を取って展示業務を進めていくことが必要だろうということで、具体的にどのように調和を取って展示業務をこなしていくか具体的な計画を作って、それを基に実施状況を評価すべきであると述べております。
  教員研修センターについては、後ほどの中期目標期間が終了する独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性のところで説明いたします。
  次にざっと飛ばして、厚生労働省です。国立健康・栄養研究所について1項目述べております。ここでは、認定栄養情報担当者制度という新たな資格制度を作り出しました。但し資格制度といっても法律に基づくものではなくて通達に基づくものであります。何をするのかといいますと、認定試験でありますとか養成講座を実施して、その手数料収入を得るわけでありますが、その前提として、このような資格制度が必要なのかどうかというのが、当然、問題意識としてあるわけです。資格制度の必要性については独立行政法人評価というよりは、規制改革の枠組み中で問われる問題だと思いますが、資格制度に関しては、受験料・手数料等で収入を得た公益法人の中に多くの内部留保を抱えるものがあった等の問題がこれまでの公益法人改革の中で議論になったことがあり、独立行政法人評価の中では、この資格制度そのものの収支状況であるとか、制度が正しく本当に満足いくものであるのかどうか、さらに独立行政法人で行う業務というのは、民間でできないものとなっていますが、民間にも参入が開放されていますので、類似制度の状況等の観点から、今後の評価を行ってもらいたいということを述べております。
  29頁からは農林水産省です。農林水産消費技術センターというのは、農材物資の検査及び格付並びに技術上の調査及び指導に関する業務に関して地域ごとにセンターを置いて実施していますが、これについて地域センターごとにバラツキが見られたので、地域センターごとに適切な評価をしてもらいたいということを述べております。
  次の種苗管理センターは、ジャガイモ等の優良種苗の原原種を作って、地方に配布する仕事をしておりますが、そのような業務ではコスト管理が重要であろうということを昨年度から議論を進めてきましたが、今年は生産コストの試算を作ってもらいましたので、その取組についてさらに推進してもらいたいという意見を述べております。
  次は家畜改良センターです。ここも種牛、種馬を育てていていますが、コスト管理というものが取り組まれていないので、コスト比較等を検討してもらいたいということを述べております。
  農薬検査所では評価の手法的な問題を挙げております。業者から申請が上がってきた新しい農薬についての検査業務に係る効率化に関する計画として、処理一件当たりの平均処理時間を短縮するとしておりまして、また、当該業務の質の向上についての計画として、全ての申請に関する処理を目標期間内に終わらせるということで、それぞれの目標を立てているのですが、実はそれらの目標達成を判断する基準は、どちらも、適切なマニュアルを作って業務に取り組むようにしているかどうかという同じことに帰着していて同じ判断要素で二つの事項の評価を行っている。本来はやはり効率化なら、例えばどれだけのコストを削減したのかなど評価するなど、それぞれの事項ごとに適切に評価を行わなければならないのであって、異なる側面を同一の指標で判断する評価は、適切ではないという趣旨を述べております。
  次は農業者大学校です。農業者大学校につきましては文中にありますように学生の定員割れが生じている状況というものがあります。また、道府県でも農業大学校があるので、それらとの明確な役割分担を踏まえて評価をする必要があろうと、また、コストがどの位かかるのか、その他客観情勢を踏まえた検討を行ってもらいたいということであります。農林水産省及び同省評価委員会でも検討を行うことが必要であるとされているわけですが、その中では農業の何が重点にあるのか、何を重点的に取組んでいく必要があるのか、そのためにどこが充実強化される必要があるのか、そういった観点が強く出てくるかも知れないという懸念もあるわけですので、そこは当委員会としては、このような役割分担、定員割れやコストの状況等を含めて検討を行う必要があるという趣旨を述べております。
  もう一つですが、果樹農業に関する研修というのは、これも研修者については大変需要が減っているわけですが、評価の指標において小中学生の体験学習の参加者数を新たに取り入れるなど見受けられますので、ここは本来の果樹農業者からの研修のニーズを厳粛に評価してもらいたいということを述べております。
  林木育種センターについては、これは杉の苗などを開発していますので、ここもコスト把握をしてもらいたいということを述べております。
  次のさけ・ます資源管理センターですが、資源増大を目的とするさけ・ますのふ化放流というのは、段階的に民間事業者へ移管するということになっていまして、中期目標期間中に既に移管が進んでいるのですが、人員というものが組織の中で留保されていて、公務員型等の問題であるのかもしれませんが、組織の効率化の観点からもその点の評価を進めていってもらいたいということを述べております。合わせて次の項目は、コストというものを分析・把握してもらいたいということを述べております。
  次に水産大学校ですが、まず、卒業生の就職率というものについて計画を設定して評価を行ってもらいたいということを述べております。次のパラグラフですが、専攻科というのは、4年間の学業課程を卒業した後で船の免許を取るための実技の課程ですが、非常に充足率が低いということがあります。但し他の国立大学にあった実技課程が廃止されている所があるということで、そちらから流れてくる学生の状況を見守る必要があるかもしれませんが、中期目標期間終了時には、専攻科の見直しを含めた検討が必須であり、それを念頭に置いて今後の評価をしてもらいたいということを述べております。
  次の農業技術研究機構は、なお書きですが、統合後においても統合前の評価結果を有効に活用して評価を行ってもらいたいということを述べております。
  34頁の森林総合研究所につきましては、一部の研究課題につきまして農林水産省の評価委員会において研究課題の位置付けが明確ではないとの評価が行なわれているので、そのような評価の取組を推進してもらいたいということを述べております。
  水産総合研究所センターにつきましては、全国に研究支所を抱えておりまして、それぞれごとに船を持って外洋調査に行っているのですが、その船について相当コストがかかっていますので、用船に当たっての日程の調整などの取組は行っていますが、やはり船舶ごとの適切なコスト分析を踏まえた評価をしてもらいたいということを述べております。
  39頁の経済産業研究所についてです。一つは、調査研究業務の分野が広範囲にわたっていて、調査研究テーマの設定の基準というものも明確でないという状況ですので、この組織の本来の目的である経済産業政策への貢献ということに照らして、研究プロジェクトの採択と、研究の成果を評価してもらいたいということとを述べております。二つ目は、経済産業省の委員会でも指摘されているとおり、大学等に籍を置く非常勤研究員の調査研究等について、法人としての実績なのか、その人の大学における業績なのかといったことを厳格に区分して評価してもらいたいということを述べております。三つ目に、運営費交付金についてですが、昨年は3割の未執行が生じ、今年も未執行が生じたわけですが、それについてなぜ生じたのかの分析ができなかったということで、今年から成果進行基準を入れたということですが、その運営を見守りつつ、的確に財務管理の状況を評価していただきたいということを述べております。
  工業所有権総合情報館につきましては、特許流通促進事業ということでアドバイザーという人達が未利用特許の利用促進を図っているのですが、その取組でどれだけの成果が上がったかということの評価の指標として特許利用による製品の売上高に着目しているわけですが、やはりコストと対比するのであれば、付加価値に着目した指標で評価する方がよいのではないのかということを述べております。
  日本貿易保険については、16年度末に中期目標期間が終了しますが、中期目標では再保険てん補率を引き下げるという目標が掲げられていますが、その目標の達成に向けて、財務基盤の充実が的確に行なわれているかどうかを中期目標期間の終了時をも視野に入れて、評価して欲しいということを述べております。
  続いて産業技術総合研究所です。他の研究機関との役割分担を踏まえた評価を推進してもらいたいということをまず述べております。なお書きのところですが、公務員型から非公務員型への移行すべき旨、経済産業省の評価委員会が述べておりますので、この委員会も経済産業省評価委員会の評価を踏まえて、非公務員型への移行が進められることを期待するという意見を述べております。
  47頁、国土交通省の海技大学校ですが、まず、ここは昨年来、養成定員の規模を半減するという目標を打ち立てておりまして、昨年度までに養成定員規模は半減されているのですけれども、学生数は更にそれに下回る状況でありますので、教育過程の再編及び養成定員の抑制等の取組の状況だけではなく、どれだけ具体的な効率化を図ったのかを評価してもらいたいということとを述べております。次に、新たにシミュレーター課程と企業からの委託研修というものに新たに取り組んでるわけですが、それについては相当需要が伸びているようでして、企業からの委託を受けての研修であれば費用負担の在り方というものを考える必要があるということを述べております。
  次の航海訓練所ですが、ここは6隻の船で航海訓練をしていましたが、平成16年度から5隻に再編するということでありまして、1隻の減に当たってのコスト削減が評価される必要があり、人員管理等を含めたコスト削減状況を評価してもらいたいということを述べております。
  次に海員学校です。ここは卒業生の就職率というのがかなり目標値を下回っている状況が続いておりまして、このような状況を踏まえると、今後は養成規模が適当であるかに着眼して評価に取り組んでもらいたいということと、2つ目は全国に8校があるので、それごとに評価してもらいたいということを述べております。
  次に航空大学校では、就職率についての目標を取り入れて評価してもらいたいということを述べています。
  自動車検査では、定量的な評価がほとんど行われていなかったため、要員一人当たりの業務量の指標をとって、それを全国の事務所ごとに把握して評価していくとともに、3つ目の項目では、審査経費についてですが、14年度予算で85億円の運営費交付金中、約2割の17億円が未執行になっていまして、これは機器の調達を合理化したことによって未執行がそれだけ出たということですが、このようなことを16年度以降の予算に反映する必要があるという趣旨を述べております。
  最後に環境省についてですが、とくにここだけに関わる意見はございません。
  さて、別添の2枚ですが、これは各府省共通事項であります。まず始めに研究開発業務の評価の視点ということで、実際ワーキング・グループでいろいろ議論しましても研究業務というものについては、なかなか個別に指摘というのができない状況でありまして、それは個々の研究業務の評価の内容については、当委員会として専門的知識があるわけではなく、また、極めてボリュームもあり、一つ一つ当委員会で見ていくことは困難であるということに尽きるわけです。しかし、そのままでは評価が単なる評価のための評価になってしまうということになりかねません。そうならないようにするためには、例えば研究の特性ごとにいくつかの評価の軸を明確にしておいて、それに沿って経年的な推移を見られるようにすることなどを検討する必要があるのではないか。そのような評価をしないと、評価が法人のマネジメントにも活用できるようにならないのではないか。そういう問題意識から、下にちょっと例を注書きしてありますが、やはり研究の特性ごとにどのような観点で評価しているか、例えば、基礎研究においては文中に書いてあるとおりですし、また、応用研究というものに位置付けられるならば、社会・経済的必要性とか、実用化状況、そういったものが本来指標になるだろうということで、まず研究の特性を位置付けた上で適切な観点を設定して、その軸を決めた上で毎年の評価をしていかないと何を改善していったら良いのか、その業務はどのような位置付けで、うまくいっているかいないのか、そういうことが全く今のままでは明確にならないのではないか。ここはもちろん自己評価の中でこういう観点で取り組んでいるということを明確にしている法人もあるわけですが、評価委員会としてそれを活用するならいいけども、それを明示的に見てもらいたいのであり、また、この委員会でもそれを明示的に見て分析をしていくということが必要であるという趣旨のことを書いたものです。
  次は、国等からの受託等による研究開発業務についてです。運営費交付金以外に受託費や競争的資金をとって研究開発を行っている法人が多いわけでして、昨年度に比べまして受託費等の予算額が3割ぐらい増えております。さて、最初のパラグラフですが、一部の評価委員会においては、受託業務については委託先の評価があるはずなので、評価する必要は無いのではないかという意識が強かったわけでありますが、しかし、受託業務であろうと運営費交付金の人件費を使って仕事をしている等の状況がある以上、もちろん委託元の評価があるのかもしれませんけれども、法人のマネジメントのあり方の観点を踏まえますと、独立行政法人評価の中でも分析・評価というものを行う必要があるということが最初のパラグラフです。
  次の二つ目のパラグラフですが、いくつかの法人では、受託費の実績が当初の年度計画予算と比べて30%増、50%増と極めて大きく上回っており、ある法人では受託費の予算は3千万円計上していたところ実績は3億円の受託事業を受けておりまして、当初予算の10倍にもなったという法人もあったわけです。国からの受託費の場合は人件費はその中に含まれておりませんので、受託研究に携わる研究者の人件費は、当該年度の運営費交付金の枠内での、そこの研究所の職員の総人件費の中で手当てされることとなります。逆に言うと、総人件費で手当てされるマンパワーの量がそれほど変動するわけにはいかないとなりますと、法人のマンパワーに見合った法人の業務のボリュームには想定される何らかの範囲というものがあるはずです。もちろん最終的に受託が取れるか取れないかによって業務量に幾分かの変動はあり、多少の業務量の増は研究に携わる職員の努力によってこなされるものでありうるかもしれませんけれども、当初の予算に比べて何十%も受託費に変動があると、やはり当初の予算における受託費が過少に計上されていたのではないかという問題意識につながっていきます。このような問題が生じないように、まず当初の段階から想定されている受託費とその受託量で行う研究業務については、年度計画中の予算と業務の計画の中に盛り込み、適切な予算と計画というものを明らかにしておく必要があり、そのため、このように予算と計画を作ることについて評価委員会できちんと指摘をして、法人に促していくべきであるということを述べております。
  三つ目のパラグラフは受託費等による業務が当初計画の想定の範囲外になってしまった場合についてであります。これは今年度には、様々な法人で生じたことでありまして、当初の想定を大幅に上回るものがほとんどだったのですが、それでは一体どのように仕事をこなすことができたのか、それは最終的に常勤の職員にかかる人件費というものが一定である以上、何らか非常勤職員等を使ってこなしたということなのか、そういう理由等が全く分析されておらず、透明性が全くなかったということで、一体どうやって運営されているのかも分からないということがありましたので、それについてきちんと評価してもらいたいということを述べております。つまり基本となる状況をきちんと認識した上で、評価をしてもらいたいということであります。
  次は外部委託についてでありますが、実は国から受託費をもらって研究業務を行うという場合においても、受託した業務の相当部分を外に委託をしているというものがありました。外部委託の割合が高い法人、低い法人があるのですが、一番高い法人であります北海道開発土木研究所では、研究費の6割ぐらいは、外部委託しているということでございます。委託につきましては、大規模な実験施設を造るなどのために委託をすることは、やむを得ないことで、むしろそれが、効率化ということであると思いますけれども、しかし本当に丸投げのようになっていないのか、一部の事例を見たところでは、3億円のプロジェクトについて2億円ぐらいの実験施設を造るために業務を外に出していましたが、残りの1億円は法人としてのノウハウを活用した研究業務に使われたことになるはずですが、そうしたことをきちんと評価する必要があるのではないか。そこで、個々の研究開発プロジェクトのうち委託を受けた額の3分の2以上を外部に委託しているものについては、委託を受けて外に出していることが適切なのかどうか、またこういう法人の中で行っている業務が適切な内容で、コストが適切なのか、もし丸投げであるのならば直接国がその法人を通さずに外に出せば良いし、そういうことをきちんと見てもらいたいということであります。ただし、3分の2以上というところですが、ワーキング・グループでは当初70%で検討していたのですけれども、ある意味で割り切りかと思いますが、根拠というものについて明確にどう説明できるのかということを、各府省の評価委員会の事務局から聞かれております。何か考えがあればということですが、事務局といたしましては、やはり今一番多く受託費を外に出している北海道開発土木研究所が60%強ということでございましたので、これを50%などにいたしますと、北海道開発土木研究所のほとんどすべての業務が引っ掛かってくるということでありまして、効率的な業務運営のための適切な外部委託まですべて引っ掛ける必要もないということであると考えられますので、3分の2という数字を示しているわけであります。これについて適切かどうかということについて、ご審議をいただきたいと思います。
  最後に組織・人員の増減についてでありますが、独立行政法人は事後チェックということでありますので、事前には組織・人員について自由な裁量が認められている訳ですけれども、事後的にはやはり非常勤職員を含めて人員の増減が適切なのかどうか、あるいは組織の増減があれば適切なのかといったような評価をする必要があるであろうということ述べているところであります。長くなりましたが以上です。
○富田分科会長
  はい、ありがとうございました。それではただ今から、事務局の方のからご説明がありましたこのテーマについてご審議をお願いします。どなたからでもご発言をお願いします。
○竹内委員
  編集が雑であり、論点と評価とこういうことをしてくれということが混在しています。この評価委員会としては、評価のシステムをつくり、横断的にやっていくべきであるのに、個別のアドバイスに終始している。各府省の評価委員会と我々の仕事がダブっているのではないのでしょうか。最後の方で少し定性的な問題がありますが、アウトソーシングの問題など、評価指標をどのように変えるべきなのか、横断的な評価をきちんとやるべきところを、お世話役的に一つ一つご親切に忠告している。忠告するということと、評価するのとを、両方が混同している。我々はこのように評価しますので、この改善はそちらがまず考えるべきでしょうといったスタンスで行かないと。本来の評価委員会のシステムを作るということと徐々にずれていっているのです。
  細かい一つ一つの研究所の問題点を文章で表している。ページの振り方も府省委員会と法人別、研究開発については毎回府省ごとに同じ文書が付いている。ポイントも分かりにくい。この文章では個別と横断的テーマが見難い編集の仕方になっている。こういう仕方の編集をしていていいのですか。しかもこれは国民に問われなければいけない使命を抱えていて、役人しか分からないような言葉が並んでいる。個別の業務についての問題は、各府省が一回やっているはずであり、それを我々がもう一回追認するなら追認する、指摘するなら指摘する。それならそれでよい。
○富田分科会長
  なかなか多様で、目的もまちまちであり、また一つの独立行政法人の中で様々な業務を行ったりしているのでありまして、評価をする上で評価の視点というのは整理すると、このようになります。
○竹内委員
  だったらこれだけでやればいいのでは。
○富田分科会長
  どちらかいうとこれを1度読みますとこれで理解が進むようになっていると思うのです。
  ご指摘のように評価なのか、忠告なのかということが一つはあるわけで、最初に思ったのですが、各府省の第1次評価自体がまだうまく軌道に乗っていない面があり、それが故にこの独立行政法人評価分科会としては、できるだけ各府省の評価がスタンダードのものを段々と形成していくように、竹内先生がおっしゃるように、うまく評価ができるようになるまで、かなりお節介的なことも含めてやらざるを得ないのではと考えます。
○竹内委員
  目的関数をはっきりしてほしい。どこまで個別に関わるのか。
○富田分科会長
  そういうご指摘ももっともな面があるのですが、この国全体の仕組みとして、今の仕組みですと、まず1次評価のところでやることが大事なのですが、その1次評価の仕組みみたいなもののマニュアルを作っていろいろ行っても、なかなか定着しないわけです。
○竹内委員
  いや、今回のことで言えば、研究開発の評価をどうするのですかと毎回毎回やっているわけです。それならそれで横断的に研究分野の評価指標はこのようなもので良いのかどうかということをきちんと議論する。そのように横断的に議論すべき。一つ一つの業務についてではない。
○村松委員長
  ページは各府省ごとであって、今日は暫定的なページですよね。
○竹内委員
  だからもっと編集してほしいのです。1−1、2−2とか、どこに何が書いてあるのか、項目と中身が整合しないと、何の研究所をなぜ取り上げているのかといったことが分からなくなる。
○山本専門委員
  ご指摘はかなり分かりまして、基本的には公表の仕方が分かりにくいというのは、そのとおりだと思いますが、問題は要するに去年の2次意見等でもやったことを総合的にまとめたわけですよね。その活かし方というのもあるのですが、確かに個別の独立行政法人評価委員会委員長宛の文章になっているのですね。ただ竹内委員がおっしゃるように、全体的に我々は独立行政法人制度全般についてどういう問題点が総合的にあったのかという視点と、やはりここは区別しないといけないですね。だから村松委員長の委員長談話にするのか、あるいはこの評価委員会の意見の別冊にするのかは別にして、独立行政法人制度の横断的、制度の全般に係る問題の意見というのと、個別の独立行政法人評価委員会に対する意見ということに本来的には分けるべきだと思います。そういうことを総合して、多分2次意見を踏まえ、年報も本当はできているはずなのですけど、それが世界的な標準なスタイルだと思うのですけれどね。問題はこの場合は、とりあえず多分、事務局の考え方から言えば評価委員会、個別の委員長宛の文章になっている訳ですね。だから結局、総合的な意見もそこに洩れなく入れないと、それは請け負ってないと言われてしまうという役所的な発想もあると思います。本当はそうは言っても共通的な意見と、個別の意見とを分けて、別冊にして、それで村松委員長名で出すという手も、やり方としてはあり得るわけですからね。その辺は工夫してみる余地はあるかもしれない。ただ事務局的にはこういう個別の独立行政法人評価委員長宛に村松委員長名で出すというわけで、これもしょうがない。
○竹内委員
  しょうがない。
○山本専門委員
  だから、総合的バージョンと横断的バージョンと、それをやるかは我々委員がやらないといけない。
○竹内委員
  前も言ったように、議論した以上どこをどのように改善してくれるのか。
○富田分科会長
  だからPlanDoSeeというサイクルが1回終わって、2回終わって、Seeのところで我々は第2次意見としてとしてチェックしていくわけですよね。といってもワーキング・グループでそれぞれが6回ずつやっていて、もうくたくたになって、もちろん行政評価局の方もやって積み上げた結果であるわけですから、竹内先生がおっしゃる大きな効力を持つための方法をいろいろ考えることは大事なことだと思います。
○竹内委員
  3つか4つ位のことしか言っていないのです、この文章。抽出すると。
○富田分科会長
  逆に私はですね、最後に各府省共通として、経年的分析・評価及び委託業務等とありますね。これは突出して出てきたところがあると思うのですね。 国土交通省の北海道開発土木研究所とかですね。むしろ要約なんかに突出した法人が入る方が、おそらく共通のものがあるのだけど、個別にも是非とも聞いていただきたい項目としてですね。個別に入れると難しくなるかもしれませんが、それぐらいの方が、何か共通のことで関係ないと思われるのが一番よろしくないのだと思うのでね。だからお節介のようだけれど。
○竹内委員
  いやいや、今の言っていることは共通事項の中に十分入ってくると思いますよ。
○富田分科会長
  共通としては入ってくるが、その中で特に北海道開発土木研究所や交通安全環境研究所ですか。
○讃岐評価監視官
  たしかに突出している法人がありますが、個別に入れますと、法人ごとに相当のボリュームになりますし、突出した法人だけに問題があるかというと、それ以外にもあるかもしれませんので、共通事項としています。
○富田分科会長
  だから、我々としては、聖域なく、厳しく、国民になりかわって税金が無駄に使われているかどうか含めて更に当然のことながら、当初の計画どおりに事が進んでいるかということを粛々と見るべきなのです。
○竹内委員
  誤解されているのかもしれませんが、お節介をするなと言っているのではないのですよ。お節介をするのであれば、きちっとした論点で切らないといけない。どこを切っているのか分らないということが問題です。切るポイントを明確にすべき。人材の問題をやっているのか、研究開発の問題をやっているのかがバラバラ並んでいるだけで。
○讃岐評価監視官
  そのような御指摘は分かります。個別になぜこんな意見を述べる必要があるのかとか、あるいは個別に言っていることが分かりにくい、体系性がないといったご意見がありました。ただワーキング・グループの議論を通じて必然にこれが出て来たということですけれども、いきなり見ると分からないかもしれません。ただワーキング・グループの意識としては、やはり評価を進めるに当たって外部から、本当に業務の必要性などについて、無駄な事業はないのか等の意識をきちんと見ていかなければいけないのであって、そのためには個別に見ていかないといけないわけでして、個別に見る物差しというのは、去年2次意見ということで、膨大にまとめまして、そういう2次意見で示された考え方で切っていった最後の結果で、法人ごとに見るとどうしても言わなければいけないことをまとめたものがこれであります。ただし、評価は一次的に各府省の評価委員会が行うものであり、各省委員会で見てもらいたい点につきまして、そこをメッセージとして伝えていくということでまとめたものです、個別については、これだけを見ると分かりにくいかも知れませんけど、実際に全体としてのメッセージというのは、横長で外向けの説明ペーパー、例えば、3頁を見ていただきますとこの意見の述べようとしているものを横断的に捉えようとすると、今説明した中で58件あるわけですけど、目標、計画の設定から始まりまして、予算、需要負担のあり方あるいは組織が過剰なものになっていないか、事務・事業というのは妥当だろうか、民間との役割分担は十分踏まえられているか、そういう切り口で見た結果、指摘できたものが5件なり、10件なり、18件なりありましたというふうにまとめているものであります。結果として、横断的に捉えればこういうものであって、なおかつ、横断的な切り口を深めていくために、今年評価をしてみて、更にもっと深めていかなければいけない点ということを別添として、横断的な視点というのをまとめさせていただきました。今評価を限られている時間でやっているのは、予算編成に反映させるためにこの委員会の意見を11月の始めまでに出さなければならないためでありますが、今後の評価において横断的にどのような観点から評価を行っていかなければならないのかを、今までの議論を踏まえまして、例えば、研究開発業務においての課題や取組についての観点をこの委員会として深めていくことは重要でありますし、そのための場は必要であると思います。
○富田分科会長
  はい、どうぞ。
○黒川臨時委員
  先程、竹内先生がおっしゃった2つの論点の中の細かい指摘事項の方については、私なりに今思っているのですけど、私自身は、今回の58の細かい指摘事項は、今回はしておいた方が良いと思います。3つ理由がありまして、先程から各委員あるいは分科会長がおっしゃるところと重なりますけれども、1つ目は抽象的、一般的な言葉にしてしまうと、むしろ分かりにくいという面もあるので、具体的な指摘事項をこの際言った方が分かりやすいということが1つあります。
  それから2番目ですが、各府省の評価委員会と我々の評価委員会とが別の見方もあるということを言った方が良いと思います。各府省の評価委員会に必ずしも中立的かどうか分かりませんけど、少なくても別の見方もあるということを言うということは、必要だろうと思います。
○竹内委員
  どこが違うかについては書いていないのですが。
○黒川臨時委員
  ここに大体問題になったところは、議論になったところも結構あるし、向こうがあまり問題を取り上げてなかったところもあるわけですね。ですから言っているわけです。
○竹内委員
  各府省評価委員会が言っていることと、我々が言っていることとどこが違うのかということが明記しないと。
○黒川臨時委員
  違うというのは、向こうがあまり問題になっていなかったところを我々が言ったところもあるし、また先程の文部科学省のところはかなり意見が別れていたわけですし。
  もう1つ言いますと、3点目は、今年2年目だから、我々としてもこの位細かく見ているのだと。それからこういう具体的指摘事項をオープンにすることによって、各府省の評価委員会も他の府省評価委員会に対して言われたことを見るということもありますよね。そういうことを通じて、長い目で見て、2年目で完全になったというわけでなく、2年、3年と通して段々このような細かい指摘事項が少なくなっていけばいいと思うのですよ。序々に先生がおっしゃるような横断的なものに、我々の指摘事項も重心が移っていく過程でもあると思うのですね。ですから、まだ2年目だからこんなところも言っておいて、各府省評価委員会への啓蒙、あるいは各独立行政法人も見るでしょうからその啓蒙も兼ねて、以上の3点を見て今回はこれぐらい細かいことも言った方が良いのではないのかと私は思います。
○富田分科会長
  どうぞ。
○竹内委員
  例えばポンチ絵の4頁なのですけれども、この中に通信総合研究所とか大学入試センター、それから産業技術総合研究所などが同列に並んでいますが、本来、基盤としている分野が全く違うわけで、人が増えたとか減ったとか、研究成果を上げなければいけない、組織の効率が悪いとか、いろいろな問題がある。例えば、私がこのように議論していただきたいというのは、研究機関であれば、国立公文書館などと比べると非常に大きなお金を使っているし、土木系の法人であれば土木研究所も含めて多くのお金を使っている。こういうところの議論というものが、他と混在してしまっていて、全部一列に並んでしまっている。本来は個別的に言いたいのだけれども、研究の出口、成果、勿論アウトソーシングにしても問題があるけれども、成果がどこに行くのかということに対してのきちんとした切り口を作っておかないと。ただやりましたとか、特許権を取得しました、論文を書きましたといってもこれは成果に当たらないと思います。社会的に重要だと思っているだけで、思っているのは内部の人が思っているだけで、本当に社会の人が重要と思っているとは考えられないものがたくさん入ってしまっている。それが数千億円の規模に非常に簡単に達してしまう。そういう場合に我々の考え方を、技術であれば技術のアプトプットを明記して出口を作るということと、他にお客さんをどのようにして増やすかということが並んでしまっていて、勿体ない。これとさっきの個別のものとの中間的なもので、しかも、指摘したい問題点がより分かるような文言をワンバージョン作った方がいいのではないですか。各府省に対して問題となっている点が何かということを定義できる。つまり定義しながら決めていかないと、ぼんやりしてしまう。
○讃岐評価監視官
  今後の評価について、研究開発など業務の属性別に横断的に、どのように考えるのか検討するということにさせていただきたいと考えます。
○黒川臨時委員
  もう1つ、先程の我々の方の評価も移行段階にあるという点なのですけれども、今後は、府省を越えて見ていかなくてはいけないわけでありまして、独立行政法人の連携のようなことが我々の将来の指摘事項になっていくだろうと思いますし、先程、讃岐さんもちょっと少し補足して話をされたのは、そこなのです。そういうような観点も段々と我々もなっていくだろうと思いますけど、そこまで今年はまだいかなかったのであって、今後は、府省横断的な独立行政法人の再配分も我々の業務になってくると思うのです。今日お伺いしたところ、似たような業務をやっている法人がたくさんあるわけでして、各独立行政法人がどのように違うのか、この辺も段々我々としては、業務の内容を具体的に把握しつつ、これらの法人が本当に別々に事務・事業を行っていいのかどうか、集約していくのか、そのようなことも見ていくのかというところに、我々の来年度、再来年度にかけて意見の重点が移行されていくのではないのかなと私は思いました。
○富田分科会長
  これからの改善点も今後議論いただくとして、この案が正式な意見書となりますので、案文について何かございませんでしょうか。
○山本専門委員
  案について一つ言えば、受託の話というのは、実は研究開発だけではないはずなのですよね。だから、ここは研究開発が確かに大きな要素ではあるのですが、これを研究開発に限定してしまいますと、他の機関ではいいのかとなってはなりませんから、どうもこれは、ちょっと研究開発に限定する必要はないのではないのでしょうか。これを実際細かく調べていきますと、研究開発以外の本省庁からの受託というのはあるわけです。ですからそれは将来起こり得るというのが1点あります。それと少し気になりましたのが、やはりこの独立行政法人評価委員会というのは、検査とか調査ではないので、そこでちょっと気になったのが、このペーパーでも「指摘」とかいう表現が時々ありまして、「個別的な指摘」とかですね。これはある意味では我々確かに指摘のようなことも業務の一つとしてあるかもしれませんが、やはり2次評価機関としての役割から言えば、指摘という表現は、あまり多用すべきではないし、できたら使うべきではないと私は強く思います。
○竹内委員
  さらに付け加えますが、「期待する」という言葉が非常に多く使われている。何々をして欲しいというのはまずい。データがないと判断できないというので、データを出すべきであるというのはいい。「期待する」というのは、「I hope so」なわけで、もう少し語尾に気を付けてもらいたい。
○讃岐評価監視官
  「べきである」と「期待する」ということについては去年議論をしたのですけれども、評価委員会として、来年すぐにできるかどうか、もう一段検討が必要であるというものを、あるいは評価委員会から主務大臣あるいは法人に対して何らかの措置を要請するものについては、要請するということが、あくまで法律上の権限として根拠がない以上、事実行為として行ってもらうしかないということになりますと、事実行為を行う「べきである」という表現は、文章としては難しいということがございまして「期待する」と「べきである」を使い分けしている訳です。
○竹内委員
  それだったら、そのように評価していると。
○讃岐評価監視官
  我々が評価した上で、何らかのアクションをしてもらいたく、本来直接主務大臣や法人に言いたいのだけれども、そこを直接言い得るだけの法的根拠がないとき、そこを上手く工夫して、言い方を考えようということで議論して、措置の要請の検討を「期待する」という言い方をあみ出したところでして、各府省評価委員会も、「期待する」となっていようと、「べきである」となっていようときちんと対応してもらうものはきちんと対応してもらわないといけないわけでして、この評価委員会の意思というのは、「べきである」だろうと、「期待する」であろうと伝わるものと思っております。
○村松委員長
  「要望する」というものもありますよね。「要望する」は、もう少し「期待する」よりも弱いということなのでしたか。
○讃岐評価監視官
  「要望する」はすでにそういうことを一度述べておりますけれども、改めてその反映、具体化を求めるため、もう一回言いますということであります。
○竹内委員
  「要望する」は、法律用語的にどのような解釈なのですか。
○讃岐評価監視官
  意志表示の一形態であります。
○竹内委員
  法律の文書で、法律用語として「要望する」と使っている文書はありますか。
○讃岐評価監視官
  そこは基本法とかにですね、何かを地方公共団体に要望するとかですね、対等の関係にある者同士で相手に対して何かをアクションしてほしいという言い方の中に。調べなければいけませんけれども、「期待する」という趣旨の文言も入り得ると思います。
○竹内委員
  それは讃岐さんの解釈ですか、それともオフィシャルな解釈ですか。
○讃岐評価監視官
  語尾の文言については、昨年もこの委員会で大分議論した上で、「べきである」「期待する」の区分をしたのですが。
○村松委員長
  去年1次意見でこのような区別をつけて、各府省の評価委員会に言っているわけですよね。その後にある程度の折衝がありましたので、それである程度の言葉使いの理解は進んでいると思います。
○竹内委員
  「期待する」という言葉は定着していて、きちんと解釈されていて、法律用語であるということなのですか。
○村松委員長
  法律用語というわけでは。
○竹内委員
  法律的に権限がないときの、我々の言い方であるというわけですか。
○讃岐評価監視官
  そういう言い方があり得るということです。
○竹内委員
  それだったら、そのような解釈であるという注釈をいわないと、意味合いが分からない。
○讃岐評価監視官
  よく整理したいと思います。
○竹内委員
  「指摘する」という方がまだね、きちんとしている。
○富田分科会長
  これが、府省ごとに用語が違ったりすると、何のことだか、意味不明になってしまいますので。
○讃岐評価監視官
  基本的には「べきである」と「期待する」を使い分けています。
○村松委員長
  統一はされていますね。
○富田分科会長
  そういう点も含めて意見書としてよりよいものになればと思います。
  ただ1点ですね、意見書案にそれではそれを盛り込めということではないのですが、財務分析というかですね、会計処理に絡む問題で、これはワーキングでも言われたのですが、それぞれの独立行政法人の会計処理にこういう問題があるというのは、ここに入れた方が、私は何となくいいような気がするのですが。つまり独立行政法人ごとに経理区分が違っていたとかですね、それから運営費交付金の処理の仕方ですとか、こういうものでより標準的な観点から見たときにこういう問題があるという指摘がなされた方が、評価委員会に対して同時に発信して方が効果的ではないかと思うのですが、いかがですか。
○讃岐評価監視官
  確かにそういう問題点はあると思いますので、今のタイミングですと、物理的にできるかどうかということはありますが、財務研究会を今年また何回か開きまして、それぞれ検討課題として、財務研究会のアウトプットとして出していけたらと思います。
○竹内委員
  答えていない。今、富田さんは財務会計的問題をこの意見書の中にどう組み込むかと質問しているのであって。
○富田分科会長
  今、入らないということね、まだね。
○讃岐評価監視官
  ちょっと精査をさせていただきたい。時間をいただきたいというわけであります。
○竹内委員
  入らないということです。
○富田分科会長
  とにかくよりよいものにしていくことが大切なので、そういうことで整理をお願いしたいと思います。今議論あった意見書でございますけれども、いろいろとまだ改善すべき点があるわけですが、できるところは改善を事務局の方にお願いいたしまして、この分科会としてこの本案を決定するということでよろしいでしょうか。
○富田分科会長
  それでは本案につきましては、来る11月5日開催の政策評価・独立行政法人評価委員会に諮ることにいたします。
○竹内委員
  今出た意見についてどれができて、どれができないかをきちんと答えてもらいたい。そうでないと、ただ、事務局で作ったものを議論しました、はい結構ですねと言うためにこういう委員会を毎回開いているのか。英知のある人が集まっているのにもったいない。これは今できます、今できません、将来やりますということを毎回議事録作って、委員に対してやらないと、我々の時間は何だったのかということなります。時間を有効に使うために考えて欲しい。
○富田分科会長
  それはまさに先生のご指摘のとおりなので、さっき少し申しましたように、今日のところを踏まえて直せるところは直した上で11月5日に諮りたいということでありまして、今日、冒頭に事務局から少し説明がありましたように、全体を見るのは初めてで、今まで部分的にしか見ていませんでしたから、そういう意味では決して無駄な時間だったとは私は思いません。
○竹内委員
  ご意見が出たのだから、それをどういうふうに活かすかということが言いたかったので。活かす方向を決めないと。
○富田分科会長
  それでは、次に事務局から「独立行政法人教員研修センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(案)」について説明いただきたいと思います。
○讃岐評価監視官
  それでは、案についてご説明いたします。
  タイトルとして、「独立行政法人教員研修センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」となっております。教員研修センターが今年度末に中期目標期間が終わるということになっておりまして、中期目標期間終了時の勧告の時期が来るわけでございます。それに当たりまして、勧告の方向性というものをこの10月末の段階でまとめていくということでございます。かがみの2つ目のパラグラフでは、定期的に見直しのシステムというものがきちんと機能するかどうかとについて一つの試金石でありますので、プロセスといたしましては、8月末にまず文部科学省が概算要求において議論を行いまして、全般的見直しに関する検討案というものをまとめ、それを踏まえまして総務省の評価委員会として勧告をどのように行うのかということについて議論してまとめてきたというものでございます。
  次のパラグラフですけれども、ワーキング・グループで審議を行いまして、勧告の方向性として整理いたしました。さらにこれを踏まえまして、予算編成時期、12月末までの間に次期中期目標期間中の予算が作成される訳ですが、それまでのプロセスとして、政府の行政改革推進本部が開かれまして、その議を経て文部科学大臣が見直し案を決定するということになります。さらにこの委員会には、中期目標期間の終了時に必要な場合に勧告をするという機能が与えられているわけですけれども、ここにまとめました勧告の方向性に沿った具体的な見直し内容が、中期目標、中期計画にどのように具体的に盛り込まれたのかということを、また改めてチェックをしていく必要があるわけでございます。
  最後は、今後、新中期目標及び中期計画というものが作成されて、来年4月から新しくスタートするわけですけれども、勧告というのは中期目標期間の終了時ということで、その時に必要があれば勧告するということでございます。
  中身についてですけれども、まず、文部科学省の見直し案を基にご説明します。ワーキング・グループでご議論いただいたのですけれども、教員研修センターというのは、校長・教頭その他教員の研修を行うという一つの柱がございます。それにつきまして、なぜ国で行う必要があるのかというところから議論を始めたわけでございまして、その結果、大きな柱立て、文部科学省の案として、最初のページにございますけれども、基幹となる校長・教頭等職員に関する研修、喫緊の重要課題に関する研修とございますけれども、一つは、校長・教頭等のマネジメントの向上のための研修は、国としての責任があるとの説明があるところです。喫緊の重要課題とは学習指導要領が変わった等の場合において、そのようなときには、地方で新たな指導方法等について研修できるようになるまでの間、国として、国の研修センターとして研修を行う必要があろうという文部科学省の主張でありました。一応の基本認識、柱立てはそういうことであろうということでありますが、ただ柱立てに沿ってこれらの具体的な業務がより有効かつ合理的・効果的に行われるために、考え方を整理する必要があろうということで、議論を整理していただいたわけでございます。
  そこで、当委員会としての勧告の方向性の案分の本文の3頁のところですが、学校教育関係職員に対する研修とございますけれども、1及び2とございまして、この1というのは、校長・教頭等に対する学校管理研修ということでございます。これにつきまして、国の教員研修センターとして実施するからには、本当に現場で有効に活躍してくれる中核的教員となる校長・教頭等についての研修ということで進めていくということが必要ですが、実際に見ますと全校長の10%から20%ぐらいしかこの研修プログラムを受けていないということが分かりまして、あまりにも薄くしか研修を行われていないのではないか、もっと有効にやらないとこの研修自体、国としてやる意義というものがないではないかと考えられます。そこで、考え方を整理いたしました。さらに、4ページですけれども、(1)といたしまして中央研修講座につきましては、まず裾野を広げるということが重要であろうということで、座学のようなものは情報通信衛星ネットワークシステムを使って、わざわざ教員研修センターに来なくても、この研修が受けられるようにして裾野を広げるとともに、そこで成果を収めた教員は、筑波のこの研修センターに来て、実際に演習、討論や行政当局との意見交換等を通じて、マネジメントのレベルを高めていくという研修を進めていき、それによってレベルを高めていくことが必要であろうということであります。
  それから(2)としまして、海外派遣研修ということですけれども、これまでも校長・教頭の教員研修を受けた千数百名の人というのが海外視察に行っておりますけれども、これも漫然といくのではなく、選択、厳選して意欲のある人に行ってもらい、また、その成果というものを蓄積していくことが必要であろうということを述べております。
  2として、喫緊の重要課題について地方公共団体が行う研修等の先行段階としてセンターが行う研修ということでございますけれども、これは文部科学省の見直し案の喫緊の重要課題に関する研修に対応してのものでございます。これは例えば学習指導要領が変わったとか、評価の方法が相対評価から絶対評価になった等の大きな教育政策の転換があったときには、やはりすぐに地方で研修というものが行われ得ないものについては先行段階として国で研修というものを行う必要があろういうわけで、ただ、それに当たっても地方で研修が行えるように指導主事であるとか、研修主事などの人たちを対象に、できる限りe−ラーニング等を活用して効果的に行い、一定の時限というものが当然あるはずですので、時限見直しを設けて、文部科学省も時限見直しということについて書いてはいるのですが、だらだらとならないように適切にきちんと見直しが行われ、それをきちんと見ていくとの考え方に沿って、個別のプログラムがどうなって行くのかということを検討していくことが必要であろうということでございます。また、これについては文部科学大臣から政策目的としてこれは必要であるということを明確に中期目標や委託ということで実施するということが、必要であろうということでございます。
  3として地方公共団体の共益的事業として委託等により例外的に実施する研修ということでございますけれども、これは例えば、産業教育などにつきましては地方公共団体の研修センターでも研修というものが行われているのでございますが、しかし本当に零細の企業しかないようなところでは、産業教育で企業派遣等をしようと思ってもなかなかできないのであり、そういう場合は国が共益的事業としてこれを行うということは必要なことであろうけれど、しかし、それには必要最小限度の研修とすること、派遣者負担の導入等により運営費交付金に依存しないものになるようにすることが必要であろうということであります。
  最後に学校教育関係職員に対する研修に関する指導、助言、援助ということでございますが、法律上この法人は研修とともに、研修に対する指導、助言、援助を行っていくということでございますが、これにつきましては、地方で研修ができるように支援していくために、研修プログラムや教材の提供、講師の紹介等の支援等を、その成果について厳格な評価を行った上で支援しつつ行っていくことが必要だろうということを述べているものでございます。中身については以上です。
○富田分科会長
  ありがとうございました。今、事務局から説明いただきました勧告の方向性(案)につきましてご審議をお願いいたします。どなたからでも。
○山本専門委員
  内容そのものについては、全く異議はございません。ストーリーの展開と若干内容に疑問があるのですが、村松委員長名のかがみの2ページ目で、私の勘違いかもしれませんが、行政改革推進本部から求めがあれば意見を述べるとなっておりますが、これは政府の行政改革推進本部ですか、それとも自民党の行政改革推進本部でしょうか。
○讃岐評価監視官
  政府の行政改革推進本部であります。
○山本専門委員
  それと確かに実態的には「必要な場合」となると思うのですが、評価委員会の通則法に基づく権限からすれば、あえてここに「必要な場合」にはという言葉でない文章はやはり考えるべきではないのでしょうか。文章表現は非常に難しいですけどね、通則法では「必要な場合」にはという文言が元々入っている条項と、入っていない条項とがあるわけです。それはそれなりの意味があって区分しているわけですから、これは事務方がすこし作文の技術を駆使して、非常に難しいと思うのですけれども、ちょっと今代案は見つからないのですが、「必要な場合」にはという文言をなるべく入れないで、何かこういう文章が書けないものかと思います。
  それと3ページ目のですね、これは私が言って良いのかどうかわかりませんけれども、まだこの国立大学法人法は確かにもう成立しましたが、国立大学法人はまだ設立されていないわけですから、だから創設されるとか、設立されるという表現でないとよくないだろうと思います。
  それと論理展開として、基本的によく読めば分かるのですが、民間にできることは民間に委ねる、地方にできることは地方に委ねるという観点からだいたい書いているということですが、今ご説明にあったように、例えば1の校長・教頭等に対する学校管理研修をなぜ特化してやらなければならないのかという論理展開がやや抜けているのではないでしょうか。話を聞きますとまあ分かるのですが、これだけですと民間でできるではないか、地方に移管できるではないかということで読んでくれと言っているだけで、せっかくいろいろ議論、評価しているわけで、それなりの論理的根拠もあるわけですから、それを書かないとやはり説得性に欠けると思います。それなりに我々は評価をやって、それに基づいて勧告の方向性を述べるということですから。また、それが他の短期の研修についても見受けられますので。
  それから一番気になりますのは、実は、先程の評価委員会に関することと関連があるのですが、5頁目のですね、3の地方公共団体の共益的事業として例外的に実施する研修の例の委託をして行う場合にコスト比較等を踏まえつつ、運営費交付金に依存しないものとするという点についての解釈ですね。非常に気になりますのは、例えば、独立行政法人の受託経費の積算自身も、多くのところは、例外を除いて人件費が入っていないわけですね。そうすると、運営費交付金に依存しないというこの意味するところは、どういうものかということですね。これは非常に影響範囲が大きいわけで、運営費交付金に依存しないというのは増額分のコストだけを受託経費として見なすのか、あるいは、必要な経費だということで、人件費やいろいろな間接経費も含めてコストをとって、運営費交付金に依存しないということになるのか。運営交付金を増額しなければいいということと、運営交付金に依存しないということの解釈は、やや違うところもあるわけです。これはどういうことを言っているのかということについては、意思統一をしていかなければいけないわけで、この文言がコスト分をすべて回収するということであれば、他のすべてに影響することになる。ゆくゆくは国立大学法人の受託研究のコスト請求なり価格プライスにも非常に大きな影響を与えるということで、これの解釈については少なくともこの場で、こういう意味だということについての了解は得ておかないと、後々これは大きな問題になると思います。
○富田分科会長
  非常に重要な点をご指摘いただきまして、これに関係して何かご意見ございますか。とりわけ最後にご指摘の運営費交付金に依存しないということは、限界的なことなのか、あるいは固定費まで含めてなのかということも、事務局はこれをどのようにお考えですか。
○讃岐評価監視官
  これは、限界的な部分までということで、やはり間接経費部分、役職員の給与等の人件費を含めまして、やはり人件費というのは、これは固定費的な部分なので、そこは国として教員研修センターの運営交付金に含まれるとして、派遣者負担等の導入により運営費交付金に依存しないというのは、研修の事業費というものについてということと考えています。
○富田分科会長
  私はですね、例外的と書いてあるで、まあマージナルなものなのだなと、例外が経常化するのであれば、固定費まで含めてだろうというような暗黙の解釈があるのかなと。
○山本専門委員
  依存しないというのは非常に微妙な表現で、解釈としては非常に含みある表現ですね。
○樫谷委員
  予算との関係はどうなるのでしょうか。いろいろな研修などを集約して、その結果、どういうようなコスト構造というか、財務構造になるのか、それを縮減しようとやっておられると思うのですが、財務についても例えばこちらの方で縮減すべきだ、移行すべきだ、あるいは期待するでもいいのですが、何か言わないといけないのではないかと思うのです。これを見ると単なる要約をしているだけで、中味は細かくしてしまえば結局同じなのです。要約したものがあって、何か増えたものもあるわけで、予算全体として、一体どうなるのということについて、こうだということを言った方がいいのではないのか。財務構造をどうするということを何か言えないのですかね。当然その利用料でもらうものと、管理費的にもらうものと含めてトータルをまず減らすことと、それから、運営費交付金の部分と利用料の部分とどういう割合でどうするのだということをきちんと方針として、決めてもらわなければならないと思うのです。
○讃岐評価監視官
  ここは、運営費交付金で事業を行っておりまして、20数億円でありますが、予算の区分としては、管理費、人件費と事業費ぐらいしか大きな区分がないわけでして、事業費について、この勧告の方向性に沿って事業規模をどうするのかというのを予算の中で検討して出てくるものにならざるを得ないかを理解しております。見直すべきものは見直し、あるいは中期目標期間中に見直し期限を付すということで、中期目標の全体として事業全体を具体的にどのようにするのかということをこれからの予算査定の中で決めていくことになると思います。人件費ということについては、まず職員の自然減というものに大きく依存するというのもということになると思いますが、全体のコスト削減については、中期目標を決めるときに、今度は効率化目標を設定するということになるわけで、そういった中で進めていくことになると思います。
○富田分科会長
  3頁の上から2行目に書いてある「法人の資源を最大限有効に活用する」ということが外せない前提なのかどうかに経費の構造としてもすべてかかってしまう。だから、我々の議論はこれが前提なのかどうかを含めてのものであると思うのですけれども、これはもう暗黙の前提だとしたら、答えは相当縛られてしまうのではないのでしょうか。
○樫谷委員
  経費を前提にここのプログラムを小さくすれば、楽になるのではないでしょうか。
○黒川臨時委員
  私は、先程の文部科学省を中心に担当するワーキング・グループだったのですが、ここの文章に至る課程には非常に大きな問題があって、文部科学省の方の言っていることとですね、事務局は大変すり合わせが大変で、言葉も違うし、文法も違うという中で、ここまでよく事務局が努力して下さった結果でありまして、文部科学省の方もだいぶ方針が、今日配られているものは、当初のものとだいぶ違ってきているものだろうと思うのですが、今日配られたものはですね。もう一つここで言っていいのかわかりませんが、自民党の行革本部からも意見が出ているわけでありまして、そういう中にあって、我々としてはなるべく、分析的に、文部科学省が言っているものをただ感情的にではなくて、分析的に一つ一つ、論理的に検討を加えていこうという方針で出発したわけです。それで先程、ご指摘を受けたところは、非常に重要ですけれども、一応これについて讃岐さんからフォローしていただきたいと思いますが、地方、国、センターにおいての役割分担というものをですね、これは本当に我々のワーキングの結論で良かったかどうかわかりませんが、一応トップマネジメントというようなものに特化しようという方針にしたわけですね。ですからその論理が数行足りないと言われると、確かにそうかもしれないのですが、実はそういうことにしてしまった訳です。それから演繹していって、途中で我々が念頭においたのは、トップになるような人達について、フェイスツウフェイスのものについては、それなりの高質的な、質の高い教育をしようと、そうではない一般的な座学でもいいようなものについては、エルネットとかe−ラーニングでやろうとメリハリをつけてやりましょうということにしたわけです。
  先程のコスト問題なのですけれども、これについては、実は我々の評価委員会がそのコスト構造や我々のこういう方針でやるとするとこれぐらいの金額になるというところまで、我々が言っていいものかどうか問題だったので、一応こういうようなことを我々としてはどうですかと言って、理事長なりが、これから中期計画を立てるときに、こういうことをやるのだったらどのような資源配分になるのかなどといったことを、独立行政法人なり文部科学省の担当の方と、予算折衝の時を通じて設定して下さいというようなことだったと思うので、コスト構造まではなかなか言えなかった。この辺が事情です。
○樫谷委員
  文部科学省提出資料ですが、その一番最初ですね、1、2、3、4となっていますが、この文部科学省提出資料と勧告の方向性の切り口というのは、どういう関係にあるのですか。
○讃岐評価監視官
  最初の縦長の表の一番上の分類で適性学校管理運営確保と書いてあるのが、この委員会の(案)の3ページの第1の下に1と書いてあるところと対応しておりまして、ただこれは変えたところがありまして、文部科学省提出の縦長の紙に国際的視野の拡大というところの派遣研修も管理能力の向上の一貫して位置付けるということでございますので、1に入れております。縦長の2つ目の大きな枠の新たな教育課題への対応というのが、総務省の(案)でいう2というところと対応しております。さらに下にあるものづくり教育、科学技術強化というところが、総務省の(案)でいう3の共益的事業として例外的に実施する研修というものと対応しております。最後の学校における安全衛生対策の徹底は喫緊の課題に入るものであります。
○樫谷委員
  ここのですね、平成18年度27研修となっていまして、数が48から27に減っているわけですが、減っていること自体は評価するのかもしれませんが、中身を見ますと、この文部科学省の考え方についてですね、校長・教頭等のトップマネジメントについてのことが書いてあるわけですが、その下を見ると、中堅の中央研修講座のことが書いてあるわけですね。ここはどういう位置付けでやるのかとかですね、喫緊のものは指導者を養成するのだと書いてあるのですけれども、色々見ると、担当教員の講習会を開いたり、あるいは指導者講習をやったりしている。指導者講習は良いと思うのですけれども、担当教員の講習とかですと、一体何を養成しようとしているのか。喫緊の研修の対象は指導者で、そしてその地域に対して広めてもらうのだという切り口だと思うのですけれども、これだと担当教員講習会になっていると。あるいはトップマネジメントと言いながら、中堅までとなってしまうと、中堅と言えばきりがないですよね。
○讃岐評価監視官
  これは9月の初めの段階だったので、この辺も踏まえて、我々の委員会としてまさに樫谷先生がおっしゃったように幅広過ぎるということで、何を絞っていっていいかの考え方をまとめて、その考え方に照らして、もう一回予算と中期目標、中期計画を作る過程でこの考え方に適合したプログラムをということでしたので、先ず中間的に方向性をまとめているものであります。
○梶川専門委員
  (案)の文章に関してですが、先程分科会長が言われた「法人の資源を最大限有効に活用し」、という文章が、あれほどの前提を持って読まれるとすると、当初から入っていたのかと思うのですが、このまま読めば、当たり前のことに触れているとして読めるかもしれないが、多分、深く意味のある文言だと言われてみると非常に感じますので、目的とその手段が逆転するということになると非常にまずいのではないのでしょうか。
○富田分科会長
  本来ですね、教育は別にして、構造改革の必要性を踏まえ、民間にできることは民間に委ねると、通常は使われるのだと思うのですよね。思いますのは、いきなり出てくると、今度は、当然の前提としての議論になるというと、ちょっとそこまで政治的な問題としてはよく分からないのですけど、これは委員長のお名前で出るわけですから、そういう前提でいいのかどうかというのは考えなくれては駄目なのですね。
○讃岐評価監視官
  あの全体をスリム化するという方向については、個々の項目の中に、例えば4頁である(1)の一番下の方の「センター組織全体のスリム化を図る」とございますし、例えば5頁の第2のところの一番下の第2のところの「自ら実施する研修を」、「整理合理化、スリム化する」との大きな考え方を述べつつ、ワーキングでのさまざまな議論の中でやはりここは国としてどうしてもやるということが残るのであれば、それを有効に実施していかなければいけないわけだろうし、資源を有効に実施していかなければならないだろうという意識があったものですから、有効に活用すると書いております。ちょっと全体としての整合性と方向性というものを踏まえて、個々について見直したいと思います。
○村松委員長
  全体としては、資源の節減を図るとともにという枠があるということでよいのでしょうか。
○讃岐評価監視官
  はい、できる限りそこは資源の節減を図るとともにということでありますが、ただもう1つワーキングで出てきていたのは、折角やるのであれば、できるだけ有効な形で、場合によれば、ワーキングでも議論されておられましたけど、1のマネジメントの研修なんていうものはできるだけ裾野を広げて効果的にやるということで、今でも数千万位しか予算規模はないのですが、それを効果的にやるためには、勿論他は削った上でということではありますが、膨らませというのもあるのではないかという議論もあったというところであります。勿論、全体はスリム化、整理合理化するのは避けられないという大きな流れであって、閣議決定に書いてあったことを踏まえてのものなのですが、村松委員長の最初のかがみの文章の中にも、2頁の第1パラグラフの下から3行目位のところで「センターの組織・業務全般について極力整理縮小する方向で見直しが進められていますが」とありますとおり、全体規模の縮小というものが大きな方向であります。
○村松委員長
  ですからこのままの文章で行く場合にも、今のような議論があったということを示してもらいたいですね。
○田村行政評価局長
  検討いたします。
○富田分科会長
  どうぞ。
○武田専門委員
  今年の7月1日に出した勧告の取組の方針の中の4ページ以降に共通の視点だとかで、切り口が書いてあるのですが、その観点からどういうふうに見たのかというところで、この評価委員会でどうなったかということが出せるのかどうなのかということですが。
○富田分科会長
  勧告の取組の基本方針というのを、この委員会で夏前に議論をしましたもので、それに照らしてこの勧告の方向性を行うのだという観点に立った場合に、どういう切り口から出ているのかというのが武田委員からの質問です。
○讃岐評価監視官
  武田先生がおっしゃったとおり勧告の取組の方針で切り口を様々示しまして、文部科学省に対して切り口に対してどういう考えがあるのかということをすべての項目にわたって回答を求めまして、その回答を踏まえて審議したわけでございます。実際に議論の過程の中では、文部科学省からは、この切り口に沿って全部必要であるとか、有効であるとか、そういうかなり形式的な答えが返って来たわけです。それを含めて、さらにワーキング・グループとして突っ込んだ議論を行ったわけでありまして、果たして今先生がおっしゃったように本当のところ国として何を行う必要があるのかについて文章を明確にできていないということがございましたので、事務局としても随分悩みながら考えたところでございます。国として実施が必要なものは一般論として国としての総合性、統一性を図るための事務とか、教員の一定レベルを全国的に最低限確保するとか、これまで言われてきたような抽象的な考え方というものはあるとしても、それでは、校長・教頭のマネジメントの向上というのは、国として一定レベルを最低限確保するために実施が必要かどうかというと、そう考える人は必要だと考えるし、必要でないと考える人達は全部地方でできるではないかという理念・哲学的論争的なところにどうしても必然的に陥らざるを得ないというふうに、これまでの議論で実感してきたころだと思います。そこで地方でできることは地方に任せるという基本方針だけを書いて、いきなり本論を書くということにしているわけです。議論の過程に参画していない人には分かりづらいという面は否めないと思いますけれども、これを国として最低限確保するためにどうしても必要なレベルというような、抽象的な考え方を文書に書くと、それを拠りどころにして、都合よく解釈する人がいると無限定に拡張してしまい、国がやる必要性がある事務が拡大しかねないとも思います。そこで国として必要最低限とか、国として統一性を確保するというような、拡大解釈しようと思えばいろいろな拡大解釈を行い得るような抽象的な考え方は書かず、あえてここでは、地方にできることは地方でと根元的なことを書き、あとは国の研修センターとして何と何に重点化せよという具体的なことしか書いておりません。
○黒川臨時委員
  讃岐さんありがとうございました。これは、大体、今の武田先生のご質問のこととは、表を見てみれば、大体沿っており、ほとんどが対応しているのではないかと思います。
○山本専門委員
  内容については賛成なのですが、やはりこれがトップバッターになるということから言えば、やはりもうちょっと頑張らないと、そこは試金石であると書いているわけですから、結論の内容はいいけども、ちょっと論議展開が抜けていると言われるのは、我々の評価委員会としても辛いということがないのでしょうかね。難しいということは私も承知して言っているのですが、最初の民間にできるものは民間で、地方でできるものは地方でとの観点だけが支えというのは、ちょっと。逆に言うと、それに引っかけて何でも言えるのかということにもなるとまずいので、これ以上は申し上げませんが、何か工夫があった方がよろしいかと思います。
○富田分科会長
  委員長いかがですか。
○村松委員長
  考えているのですが、その前に、もしかすると逆に組織的な存在という主張に関しての弱みになり得るのですが、私は3頁の最後にある中核的教員の育成を頂点とするセンターであるというのはいいのですが、キャリアパスの一環ということがちょっと引っかかるのですよ。キャリアパスとは人事の一環ですから、地方の小・中学校教員の人事というのは地方の権限なのであって、この教育長の任命権に関することでもあるので、このキャリアパスの一環ということは、地方の権利行政に介入との面を感じないかというのがあるのですが。その幹部職員のマネジメント能力を強く育成し、強化するという点に焦点があるというのはいいと思うのですけども、それがワーキングのときから気になっていたものでしたから。
○黒川臨時委員
  その点についても議論というか、もうちょっと強く言っていたかもしれないぐらいでありまして、要するに、こういう人事の面までも含めてきちっとやらないと、例えば研修を受けに来たというだけでいいのかとういう問題もありましたので、もっときちんと成果が持ち帰られて、実際に各校に戻られて、その成果が上がるということが大事であり、それを確保するためにどのようにしたらいいのかという点で、ただ参加しましたというだけでは、駄目だろうということで、それでは、試験をするのかと、そんなことはできないし、それぞれの人事について具体的なものまで言えないという中で、ただ居るだけでいいですよというのは駄目だろうというわけでありまして、苦心の策としてこういう文言に、事務局はされたと思うのです。我々として少しは、これぐらいは言わないと実効性がないのではないかというふうに思うし、そういう議論はありました。
○村松委員長
  内容的にそういうことだろうなと思っていました。ただ、これで人事行政に入って行くというのをオーソライズするというのは、ちょっと怖いなと思ったのですが、まあそういう主旨ではないのだという理解でいけるとも思うし、また、そうやって思いつけば、ワーディングを変えていくことも可能だと思いますので、趣旨としましては、そのくらいでないといけないとは思います。
○黒川臨時委員
  もう少し具体的に言うと、持ち帰えられる研修の成果が実際自分の業務の中に具体的にどういうように反映したのかというところが明らかになればいいなと、そういうふうに我々としては議論しておりました。
○樫谷委員
  キャリアパスについては別な意味で気になっていまして、中核的職員とは必ずしも校長のことをいうわけでないのであって、もう少し校長の中でも焦点を絞った人というように見受けたのですが、中核的職員がキャリアパスというようにしてしまいますと、本当に沢山いる人の中からキャリアパスであるから必ず行かなくてはならないというようなことに繋がらないかなというような懸念を逆に持ったわけです。ただ、むしろキャリアパスということは意味付けで、成果として、結果的にここで受けた人が中核的な人になっているかどうかということについて、フォローをしなければいけないということは事実だと思うのです。
○富田分科会長
  他にこの件についてございますか。どうぞ。
○新村臨時委員
  一般の人にここで公表されるわけですよね。読んだときの感じですが、何でこの法人はこうなってしまったのかということについて何も書いていないのですね。当然、説明責任といいますか、多分、昨年の評価書に該当部分が載っているのかなと思っているのですが、これだけ読むと、何か独立行政法人評価委員会というところが、この法人に関してこのように変えなさいと言っているということは分かるのですが、どこが悪かったのということについては分かりませんので、メディアなどに発表なさるときには明確な附属資料をお付けになって方がよろしいかなと思いました。これだけ読むと分かりませんので。
○富田分科会長
  それでは、この勧告の方向性の(案)につきましては、今日の議論を踏まえまして、ワーディング等修正のあるところの修正を行うということで分科会として決定し、これも11月5日の委員会に諮ることにしたいと思います。
  それで修正につきましては、分科会長一任ということで、よろしいでしょうか。
(異議なし。)
○富田分科会長
  それでは(案)の修正した部分は、事務局からお送りいただくということで、今後のスケジュールについてどうぞ。
○讃岐評価監視官
  次回は11月5日の18時から19時半まで、委員会として開催したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○富田分科会長
  それでは以上をもちまして、本日の政策評価・独立行政法人評価委員会 独立行政法人評価分科会を終了いたします。本日は大変ご多忙のところを出席していただきましてありがとうございました。

(了)