政策評価・独立行政法人評価委員会委員長及び各府省独立行政法人評価委員会委員長懇談会(概要)



 昨今の独立行政法人改革をめぐる状況等を踏まえ、平成19年9月7日、下記のとおり、懇談会を開催しました。




  1.  開催日時 平成19年9月7日(金) 1400分〜1530

  2.  場所 中央合同庁舎2号館 第1特別会議室

  3.  出席者
    内閣府評価委:平澤 りょう(委員(大森 彌(委員長)の代理))
    総務省評価委:堀部 政男(委員長)
    外務省評価委:南 直哉(委員長)
    財務省評価委:奥村 洋彦(委員長)
    文部科学省評価委:渡邉 正太郎(委員長)
    厚生労働省評価委:井原 哲夫(委員長)
    農林水産省評価委:松本 聰(委員長)
    経済産業省・国土交通省評価委:木村 孟(委員長)
    環境省評価委:佐野 角夫(委員長代理(松尾 友矩(委員長)の代理))
    防衛省評価委:東海 幹夫(委員長)
    政独委:大橋 洋治(委員長)、富田 俊基(独法分科会長)、樫谷 隆夫(独法分科会長代理)
    計 13
  4.  内容
    1   政独委大橋委員長から挨拶
    2 政独委富田分科会長から、独法見直しに関する昨今の状況について説明
    3 意見交換(フリートーキング)
   (主な意見の概要)
<評価制度等について>

○ 緑資源機構が談合事件に絡んで起こした不祥事を評価委が見抜けなかったことを考え、各委員に あっては厳しい態度で臨むようにと注意するとともに、一層、厳しく評価に取り組むことをお詫びかたがた、約束したい。

○ 独法に関しては、時代的要請もあり、整理・効率化を更に進める必要があろう。但し、これについては、各独法任せではなく、政府による濃淡をつけた対処が求められよう。また、独法通則法を見ると、一応、インセンティブを与えているように思えるが、実態は経営努力で一定以上の余剰金を生み出しても、減らせるものはできるだけ減らせという方向の運用になっている。存続が必要な独法に対しては、厳しい評価を実施する反面、事業目的に沿った成果の向上に活用するなど元気づける方策の検討が必要であろう。

○ 独法評価のグランドデザインを見直すべき。見直しに当たってのポイントとして、独法のミッションをゼロベースから問い直すべき。また、独法のコストとパフォーマンスの両面をきちんと把握できる仕組みが必要。委員の人選について、事務局まかせになってしまっているところは、実のある評価ができていない。評価委の委員長や委員の人選は重要であり、志のある人を選ぶことが大事。

○ 一般の国民において、各独法が何をやっているかは、府省の評価委の評価結果を通じて知るものであり、評価委としても分かりやすい評価にすべき。

○ 独法の内容について、一般の国民は、そんなに分かっていない。所管している府省がもっと知らせるべきではないか。

○ 政独委から第2次意見を示しているが、各府省の評価委の専門的な意見を尊重してもらいたい。政独委の評価はメタ評価であるべきであり、各府省の評価委とは別の観点から評価を行うべきであり、そのような棲み分けをしてもらいたい。
 また、独法の事業には、運営費交付金によるもの、自前財源によるものなど、多様な事業を営んでいるところが多く、それぞれの損益を分かりやすくするために、区分経理を 義務付けるなどについて、総務省において各府省と協議しつつ検討してもらいたい。
 政独委は、最終的には勧告権を有していることもあり、慎重かつ責任のある、また、分かりやすい審議をお願いしたい。
 法人の人員や運営費交付金について、一律に減らすのではなく、今後、より柔軟な対応ができるように検討をお願いしたい。
 政独委から各府省評価委への事務連絡の発出時期について、今年度は7月に入ってから文書が発出されているが、極力、法人の評価が始まる6月中旬までにはいただきたい。
 政独委からのいわゆる2次意見の内容について、より具体的な表現となるようにお願いしたい。

○ 研究関係の独法が他の独法と同じように評価されるのは違うのではないかと感じる。R&Dをやっている独法の成果は長いスパンで見ないと分からないものであり、これを年度評価や中期目標期間終了時の見直しで評価するのは考えもの。
 また、独法に対する施策は北風政策であり、独法のモラールは低下。若い人たちのことを考えると、インセンティブを与えるようなことを独法評価のメカニズムに盛り込むことが大事。加えて、独法評価について、コストをかけただけのパフォーマンスが得られているのか議論を始めるべき。

○ 独法評価は、木を見るのではなく森を見るのが仕事。政独委は府省評価委の評価にものを言いすぎとの声がある。また、現状では、府省評価委の主な機能は中期目標等に対するチェックであり、組織の改廃などの抜本的な見直しに機能を発揮するのは難しい。
 加えて、骨太の方針など外部からの注文は刹那的と感じる。民間ではできない業務を独法は担っており、一律で予算を削減するのではなく、選択と集中のメリハリをつけるべき。法人が頑張って収益をあげても使うのに非常な困難がある。

○ 政府が独法制度に期待した効果のひとつは、国家財政再建に貢献することであった。いくつかの独法は、第一中期目標期間終了時点で、コスト削減成果を国庫に返納し所期の目標を達成している。そのことは、国の機能の中にあればできなかったと予想される業績を独法及びその評価制度によってある部分達成したという証左でもある。

○ 政独委は、政府全体の独法を横串で見る立場であり、評価作業に不可欠な作業を踏んでいるかということをチェックしている。重複を恐れずに、それぞれが評価できることは厳しく評価すべきである。

○ 明確な中期目標が定められていないことが問題なのであれば、評価作業ができるような中期目標にすべきと主務大臣に意見すべき。

○ 独法の多くは、多額の税金を投入して事業を行っているため、国民からの説明責任を問われる。府省の評価委と政独委が各々立場から多面的な評価を行い補完的に役割をこなすことによって、独法の信頼感を確保することが重要。

○ 余剰金の目的積立金制度については、ただ、単に事業をやらないでお金が貯まったということでは説明ができない。経営努力によるものであるということを明確に示すことが、国民から納得を得られることにつながる。

○ 周りの独法に対する厳しい目があり、独法に対する信頼が揺らいでいると思うが、行政減量・効率化有識者会議を中心に行われている検討を踏まえて、独法評価を担当する評価委としては、厳格な評価を実施すべきであることなどについて認識できた。


<独法整理合理化計画による独法改革について>

○ 意欲的に業務を実施している独法もあり、101独法を一律整理するのではなく意欲的に取り組んでいる独法については意欲を削がないようにするとともに、問題があると思うところには、今回の独法改革で徹底的にメスを入れるべき。

○ ゼロベースからの見直しはいいが、数値目標を立てて、独法を減らしていくというのはやめてもらいたい。