政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(7月22日開催)議事録


  1. 日時  平成20年7月22日(火)16時00分から17時55分

  2. 場所  虎の門パストラル ミントの間

  3. 出席者
            (分科会所属委員)
      金本良嗣政策評価分科会長、藤井眞理子委員、森泉陽子委員、上田孝行臨時委員、小峰隆夫臨時委員、佐藤主光臨時委員、高木勇三臨時委員、高橋伸子臨時委員、田中常雅臨時委員、田辺国昭臨時委員、谷藤悦史臨時委員、永瀬伸子臨時委員、八丁地隆臨時委員、吉野直行臨時委員
      (総務省行政評価局)
      関行政評価局長、渡会審議官、新井総務課長、松林政策評価官、羽室政策評価審議室長、新井調査官
     
  4. 議題
            政策評価の重要対象分野について

  5. 資料(PDF)
            資料1   経済財政改革の基本方針2008(抄)
      資料2 今後のスケジュール案(政策評価の重要対象分野)
      資料3 20年度重要対象分野のワーキング・グループ候補案
      資料4 19年度重要対象分野の評価の進捗状況について
      資料5 政策評価の重要対象分野等の選定について(平成19年11月12日政策評価・独立行政法人評価委員会答申)
      資料6 重要対象分野に関する評価の大枠について(平成20年2月19日)

    【金本分科会長】  それでは、政策評価分科会を開会させていただきます。
     まず、独立行政法人評価分科会委員の森泉陽子委員が7月10日付けで政策評価分科会にも所属していただけることになりましたので、御報告をいたします。
     森泉委員には、一言ごあいさつをいただければ幸いです。
    【森泉委員】  この度、政策評価の委員もやらせていただくことになりました。まだ不勉強ですけれども、勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  それでは、早速でございますが、分科会長代理の指名をさせていただきたいと思います。ただいま御就任あいさつがありました森泉委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
     あと、7月4日付けで事務局に異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
     まず、伊藤審議官の後任の渡会審議官でございます。
    【渡会審議官】  渡会でございます。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  次が、若生総務課長の後任の新井総務課長です。
    【新井総務課長】  新井でございます。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  最後に、吉開政策評価官の後任の松林政策評価官です。
    【松林政策評価官】  松林と申します。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  渡会審議官には一言ごあいさつをお願いいたします。
    【渡会審議官】  渡会でございます。3年前まで政策評価官をやっておりまして、その後1年間、局の総務課長をやっておりましたので、この席に立ちますと非常に懐かしい思いをいたします。
     私が局を離れています間に、今日、御議論いただきます、重要対象分野の選定というような新しいステージに政策評価の舞台が移っているということでございますので、懐かしい思いの傍ら、鉢巻きを締め直して、皆様の補佐をさせていただきたいと思っております。
     今回、新しく着任しました総務課長の新井、政策評価官の松林ともども、御指導御鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。
     それでは、本日の議事に入らせていただきます。
     議事としては、政策評価の重要対象分野についてですが、2つのパーツに分かれておりまして、20年度の重要対象分野の候補政策についてと、19年度の重要対象分野の各府省における評価の進捗状況についてということになっております。前半に20年度のものをやって、後半に19年度についてやりたいということで、お願いしたいと思います。
     20年度に重要対象分野として取り上げる候補につきましては、7月2日、10日の2日間にわたってワーキング・グループで議論を行って候補を選定いたしました。お手元に資料3としてお配りしています。
     ワーキング・グループでは、施政方針演説、重要な閣議決定、世論調査結果など、国民の関心の高さ、それから各府省の成果目標などを踏まえて、中長期的に継続して実施されてきた政策の中から、評価が政策の見直しや改善に役立つか、「選択と集中」にいかすことができるかという観点から検討をいたしました。
     その結果、30政策程度をまな板にのせたのですが、その中でも、特に国民の関心が高いと思われるものや、課題を取り巻く現状等から優先的に取り上げたほうがよいと考えたものを9政策ほど選び出しております。
     今日、委員の皆様方に御検討いただいて、合意が得られましたら、9月以降、各府省ヒアリングを通じて、評価のねらいや視点を詰めて、諮問会議への意見提出に向けて重要対象分野を絞り込んでいこうと考えております。
     資料について、事務局から説明をお願いいたします。
    【松林政策評価官】  それでは、御説明申し上げます。
     まず、資料1でございますが、これは6月に閣議決定されました「基本方針2008」ということで、昨年度お選びいただきました重要対象分野について、このように記載をされております。少子化社会対策関連の施策、若年者雇用対策、農地政策の評価を実施するということでございます。
     資料2でございますが、金本分科会長から御説明がございましたとおり、7月2日、10日のワーキング・グループにおきまして、20年度の重要対象分野の選定について精力的な御議論をいただきましたところであります。また、16日のワーキング・グループでは、19年度の重要対象分野につきまして、関係府省からその評価の進捗状況をヒアリングいたしました。
     19年度の重要対象分野の評価については、本日の御議論も踏まえまして、分科会委員の意見をとりまとめて関係府省に示し、評価をさらに進めていただくということになっております。
     9月に入りまして、ワーキング・グループを数回重ねまして、本日、前半で御議論をいただきます20年度の重要対象分野につきまして、候補を絞りまして、関係府省から、政策の実際の状況、取り巻く状況について説明をしてもらうということになっております。
     10月以降に入りまして、この分科会を数回開かせていただきまして、19年度の重要対象分野の取りまとめ、それから20年度の重要対象分野のさらなる絞り込みをかけていきまして、政独委における検討、答申を踏まえまして、11月の諮問会議で意見具申と報告というスケジュールを考えてございます。
     以上がスケジュールでございます。
     早速でございますけれども、前半の議題といたしまして、資料3「20年度重要対象分野のワーキング・グループ候補案」をお配りしてございます。
     この選ばれました経緯等につきましては、金本分科会長から御紹介がございましたので、内容を簡単に御紹介させていただくということにさせていただきたいと思います。
     9つほどテーマを絞っていただきました。
     1つ目が「地方都市の活性化」でございます。この背景といたしましては、地方都市は市街地の空洞化や郊外への拡散が進行しておりまして、公共投資の効率も低下しているということが指摘されております。
     評価の方向といたしましては、地域経済の牽引役である地方都市の活性化を図るために、コンパクトシティへの転換が求められている中、各種政策がそういった方向に果たして進んでいるかどうかということを明らかにしまして、効率的・効果的な政策を見極めるということでございます。
     2つ目が「医師確保対策」でございます。これは毎日のように新聞でも書かれておりますけれども、深刻な医師不足ということでございまして、これまでの医師供給政策を検証して、医師不足が生じた要因、プロセスなどを明らかにする。そういったことを通じて、特定の地域、診療科、特に小児科、産科でございますけれども、そういったもの、救急医療とか、そういった分野での医師不足をいかに効率的・効果的に解消していくかといったような政策を見極めることができればということでございます。
     3つ目が「防災対策」でございます。背景といたしまして、我が国では自然災害が繰り返し甚大な被害をもたらしてまいりました。厳しい財政状況から、公共事業による自然災害リスクの削減、これのみではなかなか対応できないということで、評価の方向に書いておりますように、そういった公共事業のみの対策ではなくて、個人・企業による自助・共助の促進、保険や被害者支援によるリスク移転の観点といったことも含めまして、総合的な政策の在り方というものを探っていってはどうかということでございます。
     4つ目が「子どもの学力の向上」でございます。新聞紙上でもよく指摘されておりますけれども、子どもの学力の低下が背景になっております。学力を軸としたきめ細かな分析によって、どのような子どもの学力が低下しているのかということを把握するとともに、教員数や学級人数、授業時間数、地域と学力の関係等々を明らかにするといったことを通じまして、効果的な政策を見極められないかということでございます。
     5つ目が「金融・資本市場の競争力強化」でございます。これは背景といたしまして、1,500兆円の個人金融資産について、果たして効率的な運用が行われているのかどうかといった指摘、我が国の金融・資本市場の競争力の低下というものが懸念されている中で、日本版金融ビッグバン以降の一連の金融政策を検証して、「貯蓄から投資へ」「東京市場をニューヨーク、ロンドン並みの国際金融市場にする」といったような政策目標を達成する上で障害となっていること、克服すべき要因といったものを明らかにしてみてはどうかということです。
     6つ目が「エネルギーの危機管理政策」でございます。背景といたしましては、原油価格の最近の高騰、世界的なエネルギー需要の増大、地球温暖化問題への対応等々、我が国を取り巻く環境の変化。それから資源国における政情不安のほか、天災、事故、テロ、エネルギー市場への投機的資金の流入など、エネルギーを取り巻くリスクそのものが多様化してきています。
     評価の方向といたしまして、エネルギー・リスクのこのような多様化を踏まえて、石油備蓄制度のほか、ガスなどの備蓄、緊急時における円滑なエネルギーの供給対策など、エネルギーの危機管理政策を検証することによって、効果的・効率的な政策を見極められないかということでございます。
     7つ目が「リサイクル及び廃棄物」でございます。これは大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会活動により、環境問題や廃棄物の最終処分場の逼迫が発生しております。リサイクルによる廃棄物の減量と再生資源の有効活用についての効果を検証し、リサイクルにより発生する新たな資源消費やコストなどの副作用をも把握することによって、効率的・効果的な政策を見極めようということでございます。
     8つ目が「水産業」でございます。背景といたしましては、水産物の世界的な需要が高まっていく中で、我が国周辺の水産資源の状況が悪化してきております。それとともに、漁業就業者の高齢化などによる水産業の衰退が懸念されておりまして、これまでの水産業への新規参入促進のための取組、水産資源の管理方式、漁港整備の効果の検証などを通じて、水産業をいかに振興していくかといった政策の見極めを行ってはどうかということです。
     最後、9つ目が「ODA」でございます。我が国のODAは、ODAを取り巻く厳しい財政事情の中で、予算を削減されてきております。他方、ODAの高コスト体質というものが指摘をされているわけでございます。そういった厳しい財政状況の下で、ODAの質をいかに高めていくかといった中で、ODAにおける「選択と集中」の具体化である国別アプローチとかコスト縮減などによる効果を把握する一方、援助額の減少による負の効果をも把握することによって、ODAの効果的・効率的な在り方を見極めていってはどうかといったことでございます。
     本日、いろいろ御議論いただくと思いますが、事務局といたしましては、それぞれのテーマについて、例えば、もっとこういった観点を付け加えてみてはとか、あるいはまったく違った観点というのもあるかもしれません。そういった切り口でもって、こういった指標をいろいろ使ってみてはどうかとか、そういった具体的な知恵をいろいろ拝借できれば大変ありがたいと思っております。
     私からの御説明は以上でございます。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。
     それでは、ただいまの御説明について、御意見、御質問をお願いしたいと思います。
     9つ全部をやるというわけではなくて、諮問会議、あるいは各府省ヒアリングを行った上で、どれかに絞り込むといったことが前提だということを最初にお話しさせていただきます。
     何かございますでしょうか。八丁地委員、どうぞ。
    【八丁地臨時委員】  9つのテーマは、大変重要なテーマだと思います。
     日ごろ考えているところから、ちょっと申し上げたいと思いますが、エネルギーの危機管理政策というのと、リサイクル及び廃棄物は、ある面で、今のいわゆる環境の問題といいますと、必ず新エネ、省エネですとかリサイクルというのは一体となって出てきますので、多分、これは掘っていくと同じテーマになるのではないかなという感じがしております。エネルギーの危機管理政策は、今回のサミットでも、環境とエネルギー安全保障のコンシステントな管理というのは、かなり謳われておりますので、大変時宜に合っているのではないかなと思います。
     私の知る限りでは、正面切って、こういう危機管理政策自体を考えるということはされていなかったのではないかと思いますし、米国等では政党もやっておりますし、例えば、外交協議会だとか、いろいろなところでやっていますので、是非そういう側面を持ってやっていただけるとおもしろいかなと思います。
     リサイクル及び廃棄物に関しましては、ここの問題意識は、最終処分場の逼迫が発生ということだと思いますけれども、最近の状況は、むしろ、例えば、資源自体が不足しているということで、この廃棄物の中からレアメタルを回収するとか、希少資源との関係で、ここをもっと展開をしようという動きが随分強く出ておりますし、経済産業省も、そういう活動をされていますので、レアメタルというようなところにも観点を当てていただけるとおもしろいかなと思っております。
     最後のODAでありますけども、非常にODAの予算が減っているという問題は、つとに理解をしているところでありますけれども、先般のTICADの方向、方針をいろいろ聞いていますと、日本はODAを主体的に出すという時代から、もっと関係国をオーガナイズする力のほうにODAの活動を進めていこうということだと。TICADなんかも、アフリカに対する援助を共同でやろうという方向で随分動いていると理解をしていますので、選択と集中というよりは、むしろオーガナイザーの機能だとかいうことで、援助活動自体の減少、増加という側面ではないところの効果といいますか、働きというのが随分出ていると思いますので、日本のODAの性格自体の変化、それから援助額の減少による負の効果というよりは、援助額は減少したのですけども、まとめる力は増えているということも私はあるのではないかなと思いますので、そうした大きなODAのあり方の変化みたいなものをとっていただけるとおもしろいかと思いますが、これは国別にしろ、プロジェクト別にしろ、数限りなくODAの案件はあると思いますので、相当重要な国、外交政策との関係で重要な国等に限定をして政策評価をされるほうが、むしろ有効ではないのかなと考えております。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。
     特に最後のODAについては、ODA評価はシステマチックにやられておりますので、どういう切り口で何をやるかというところはなかなか難しいところで、今、大変有益な御意見をいただきました。
     そのほかの委員の方々も。吉野委員、どうぞ。
    【吉野臨時委員】  1つは、地方都市の活性化の第1番目ですけれども、これは大店法などが大きく影響していると思うのですけれども、その中で成功している地域の事例と、それからうまくいっていない事例といいますか、こういうのをしっかり見ていただいて、その違いを明らかにするということができるんではないかと思いました。
     医師の確保対策で、特定の地域や診療科の医師の不足ですが、医師の数は増やしたわけですが、若い医師は地方に行きたくないと。それは若いときに地方に行ってしまうと勉強ができない、技術が上がらないということだと思います。そうすると、地方に行った場合と都市にいる場合との教育の差みたいなもの、あるいは情報の差をいかに解消するかがない限り、いくら医師の数を増やしても地方は不足ということになってしまうような気がします。
     防災対策ですが、これはいろいろな災害によって違うのではないかと思います。水害なのか、地震なのか様々な災害に対してリスクが違うと思いますので、もう少しきめ細かい種類別の災害の対策というのが必要なような気がいたします。
     子どもの学力の向上ですが、教員の数、学級人数とか、授業時間数とか書いてありますが、前も申し上げましたが、先生の質というのが一番重要だと思いますので、是非それをうまく測っていただいて、いかに先生の質を高めるかと。大分のような事件があると、質の悪い人が入っちゃうわけですから、やっぱり質のいい先生をどうやって確保するか。そうすると、給与体系とか、いろんなものも含めて、待遇があると思います。
     金融・資本市場の競争力強化ですが、私が考えるところでは、日本の金融業が、どれくらいうまく日本の金融資産を、海外も含めて運用できるかという金融機関の情報力というのがすごく大きいと思いまして、それから東京市場にそういう情報が入ってくるかどうか。日本は、1,500兆円という個人金融資産があるわけですが、よく1,500兆とか1,600兆と言われるのですが、700兆とか800兆は国債ですから、それを引くと700兆ぐらい。住宅ローンがまた引かれますから、ネットのところはそんなにないのですけれども。だから、日本では金融資産がありますけれども、海外との情報量の差があるような気がいたします。
     エネルギーの危機管理政策に関しましては、これは代替エネルギーを開発すると。電池とか、ソーラーエナジーとか、風力とか、様々なものがあると思うのですが、こういうものをうまく早く開発できるようなことをすることによって、日本の産業を将来に向けて活性化させるということが重要なような気がいたしました。
     水産業ですが、新規参入の促進と書いてあるわけですが、これは水産業者自身の所得とか収入が減少しているのであれば、いくら新規参入を促進してもうまくいかないと思いますので、水産業の構造的な問題、水産業者の収入の変化がどうなっているのかと。そうすると、構造問題にいかないと、なかなか難しいような気がいたします。
     最後のODAに関してですが、だんだんにODA自身の資金というのは少なくなると思うんですが、PFIとかPPPで民間の資金と一緒に海外での様々なプロジェクトをやっていくということが必要ではないかと思いますので、民間資金の活用というものを含めたODAを考えていただければと思います。
     それから、技術支援、いわゆるテクニカル・アシスタント、そこはODAに絡めながら、今後ともできるような気がいたしました。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  まず防災対策ですが、これ何で地震保険が入っていないのかなと思います。地震保険は確かに民間ベースでやってはいますけれど、実際、再保険をかけているのは政府です。しかも、これは被災者生活再建支援制度とかぶる部分があります。あと、特に加入率も20%未満という現状ですから、やはり加入をどういうふうに促進するかという話。それから、実際問題としての保険料率が、かなり住宅の耐震構造に応じて減額するシステムにもなり始めていますので、やはり耐震化を促すという意味においても非常に有効な手段にもなります。実際、あと税金。地震保険料控除も今掛けていますので、そういう意味においても、地震保険の役割というのを再評価してみる。それから、特に生活再建支援制度との役割分担について、どうなっているのかということ、これも検証してみる価値はあるのではないかなと思いました。
     それから、子どもの学力の向上ですが、これからどうするかの前に、ゆとり教育の検証はちゃんとしたほうがいいと思います。同じ失敗を繰り返すような気もしますので、やはりあれは何が問題だったのかということを明らかにした上で、その中での、今起きている学力低下でもありますから、本当は検証しなければならないのではないかと思っています。
     それから、エネルギーの危機管理政策ですが、やはりビジネスモデルにいかになるかだと思うんです。これから、こういう環境ビジネスで、この原油高騰の中で、どういう形で日本はビジネスモデルをつくっていくのかという、そこのところも含めて、風力の活用でもそうですし、省エネ対策でもそうですけれども、どういう形でビジネスモデルをつくっていくのかという、そこの検証がなければいけないのかなということです。
     それから、ODAですが、先ほどの技術支援の話がちょっと出ていましたけれども、人材を育てるということも非常に重要ですから、このODAにうまく乗るかどうか分からないのですが、例えば、留学生に対する支援であるとか、必ずしも日本に来なくてもいいのですが、教育による人的資源の拡充とか、そういう人材の育成というところ、そこのところにも焦点を当ててみてもいいのかなと。あまり議論が広がり過ぎるとまずいかもしれませんが、それが1つです。
     それから、ODA関係は、個別のプロジェクトについては、いろいろな評価があるのは分かるのですが、それが最終的に、その国の例えば雇用の創出であるとか、あるいは教育の拡大とか、あるいは就学率です。学校を造ったのはいいけれど、実際、就学率がどれくい全体として上がったのかとか、経済成長がどれくらい進んだのかとか、やっぱりマクロの指標とどう関係していくかという、何かそういうロジック・モデルがあってもいいのかなという気がします。
     ダムを造りました。それはそれで結構です。道路を造ります。橋を造ります。それはそれで、それぞれ結構ですが、それが最終的にその国の経済発展にどうつながっていったのか。ODAの最終目標でもありますので、やっぱりそこのミクロの部分から、個別事業からマクロにつなげていくロジック・モデルがきちっとないといけないのではないかという気がしました。
     地方都市の活性化ですが、基本的な趣旨は、私はこれでいいと思うのですけれども、1つコンパクトシティの話が出ていたので、ふと思っているのですけど、道路政策との関係ですね。例えば、一方では人々の、人間の集約化といいますか、都市部への、要するに郊外から市街地への人間の集約化というのを図る一方で、道路を造って、逆に郊外に大きな商業施設を造ったりしているわけです。それが大変だから、大店法改正してどうこうという議論になっているわけで、逆に道路政策は、一方では郊外に人を住み続けさせるし、あるいは道路をつなげていけば、郊外に店とか新しい街もできてきますし、逆にコンパクトシティとか地方都市の活性化と、ある意味、逆方向になっているような気もします。もちろん、道路政策は1つの政治判断もあると思うのですが、地方都市の活性化というときに、道路も含めたほかの政策が、これと矛盾していないか、あるいは整合的になっているかという、そのあたりも検証してみる必要があるのではないかと思います。
    【金本分科会長】  最後の点に関しては、えてしてコンパクトシティとか標語を作ると、それに沿っている政策はいい政策という評価が行われがちですが、やみくもにコンパクトにしてもコストがかかるだけだということがありますので、やるときは、もうちょっと注意して、特定の目標が究極目標ではないかもしれないといったことも含めて、分析をしていただく必要があるのかなと思います。道路を造るというのが金科玉条になるというのも問題ですけど、逆にコンパクトシティが唯一の目標ではない、そんなことがあろうかと思います。
     そのほか、何かございますか。小峰委員、どうぞ。
    【小峰臨時委員】  私からは3点申し上げたいと思います。
     第1は、地方都市の活性化ということですけれども、現在の大きな政策課題は地域の再生ということですので、今年は是非、この点は取り上げてほしいと思います。
     2番目は水産業の点ですけれども、これも最近大変国民的な関心を集めている問題で、長期的にも大変重要な課題ですので、ふさわしい課題ではないかと思います。
     最近、石油の値段が上がった関係で、漁業関係者が漁業をストップしたとかいう騒ぎがありますが、本来、私の考えでは、石油は上がってしまったわけですから、これは、だから政府がその分補償してくださいという話ではないと思うのですけれども、漁業関係者の方が大変困って、そういう要求をするようなシチュエーションになってしまうというところに、日本の水産業が抱えている構造的な課題が表れているかもしれないという観点で、是非見直していただきたいと思います。
     最後の3点目はODAについてなんですけれども、ODAは、最近、日本の総額がどんどん削られていて、日本の援助総額の順位がかなり落ちてきたということで話題になっていますが、私自身の考え方は、それは当然、財政が厳しいからということでODAを削減してきているのですけれども、ODAというのは、日本の財政が黒字だからやる、赤字だったらやらないというような話ではないと思います。それは日本の1つの国際的な義務であって、それは赤字だからまけてくれという話ではないのではないかと思います。それは赤字の人が所得が高くても、私は赤字ですから、所得税をまけてくださいというのが認められないのと同じじゃないかと私は思います。したがって、ある程度、総額というのも重要であるということです。
     今回取り上げる中で、高コスト体質ということで、無駄があるとか、もっと効率化できるのではないかという指摘があるんですが、それが結果的にODAの予算を削減することを合理化するような結果になるようだったら、むしろ援助にとってはマイナスになってしまうのではないかということで、結果的に援助が効率的に実行されて、日本の援助が途上国の発展に資するような方向に、是非強化をしていただきたいと思います。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。
     そのほか、何かございますでしょうか。谷藤委員、どうぞ。
    【谷藤臨時委員】  地方都市の活性化の問題と子どもの学力の向上ですが、これはテーマとしては重要なテーマだと私は考えていますが、時間軸の関係でどのように評価するかということは大変重要なような感じがしています。
     地方都市の活性化も、先ほど吉野委員が大店法の問題をおっしゃいましたが、その後、大店立地法の制定、中心市街地活性化法の改正や、都市計画法の改正があったりいたしました。そのため、その以後を見るのか、その以前も包括的に見るのかということで、評価の視点が随分違ってくるように思います。
     それから、子どもの学力の問題も、ゆとり教育までも全部含めて見るのかどうか、どの時点から見ていくのかというふうな時間軸の設定が、すごく政策評価を行う上で重要なことになるのではないかと思います。どの時間軸で設定するかによって、評価の仕方が変わってくるように思えてなりません。
     もう1つは災害ですが、これも吉野委員が御指摘になられましたように、実はかなり対象領域が広くて、近年防災といいますと、地震を中心にして、あるいは風水害と言われるようなものを中心にして、いわば構成されてくることが非常に多いのですけれども、それから火山であるとか、そういうふうな問題をどのようにするのか。地震、火山、風水害を、全部含めてやるのかどうか。それから、そういうリスクにかかわるインフラの問題としてやるのか。それから、自助・共助の社会システムの構築の問題だとか、社会ネットワークの構築の問題、あるいは防災にかかわるリスク情報と言われるものをどのように共有するのかという、情報システムの整備だとか、リスク情報と言われるようなものの供給体制と言われるようなことになりますと、かなり視点が包括的にならざるを得ないというふうな感じがいたしました。そこで、これもかなり限定的に、対象を絞ってやらざるを得ないのではないかというような感想を持ちました。
     もう1つは、リサイクル及び廃棄物のところですが、これはリサイクルだけを中心にやるのか、それともリデュースの問題だとかリユースの問題と言われるような視点も、この中に含めてやっていくのかどうか。ここについて少し、質問をしていきたいと思います。
    【松林政策評価官】  今までワーキング・グループの御議論の中では、今、谷藤委員に御指摘いただいた点については限定的な御議論はなかったと思います。事務局としましても、この時点で視点をこういう形で限定しようという考えは持っておりませんので、本日の先生方の御議論をまた参考に議論いただければなと思っております。
    【金本分科会長】  ごもっともな御意見で、何らかの格好でフォーカスする、絞っていく必要はあるかと思うんですが、これからいろいろ調べたりして検討していくという、そんな感じかなと思っております。
     永瀬委員、どうぞ。
    【永瀬臨時委員】  まず、地方都市の活性化ですけど、やはりとても重要なテーマだと思いますけれども、地域住民の力をどういかしていくかといったような視点も、とても重要なのではないかと思います。
     次に、医師確保対策ですけれども、これは医師の養成システムの問題でもあり、地域医療体制の問題でもあり、勤務医の長時間労働の問題でもあり、かなり根深い話のように思いますので、非常に重要な課題なのではないかと思います。
     次に、子どもの学力の向上についてですけれども、子どもの学力の向上そのものを取り出すのがどうなのかという気もちょっとします。というのは、子どもの学力というのは、家庭教育の中で養われるものでもあり、地域によっては塾が非常に大きな役割を果たしている地域もあり、そうでない地域もあって、非常に地域差が大きいと思います。
     家庭教育という面で言いますと、ワーク・ライフ・バランスというのが昨年度のテーマでしたけれども、父親の参加が大変今重要に、核家族化が進む中で、母親だけではなくて父親がどう参加するかということも、子どもの学力には非常に重要になっている。学力というか、人格形成も含めてですけれども。その父親が、御存じのように30代の父親の長時間労働は最近の就業構造基本調査で見ても、さらに長時間化がちょっと進んでいますし、その一方で、非常に不安定な雇用の層の父親というのも若い層に出ています。なので、そういうかなり大きい問題でもあります。
     また、昨年度のテーマでやったところでは、放課後の児童・子ども教室みたいなものを、より多くの自治体がやるようになって、小学校で開催されるようになって、そこで放課後を過ごす子どもも大変増えておりますので、そこも含めた子どもの育ちに対して、どういう人がかかわるかとか、多様性とか、どういう質が確保されているかとか、非常に重要な課題だと思いますけど、ただただ学力の点数の差が、どこが高くて、どこが低くて、どういう層がどうだったかという検証になった場合には、日本の大きな課題として取り上げるときに、ちょっと矮小化されてしまう可能性があるのではないかなと、是非、もう少し広い目で取り上げていただきたいなと思います。
     それから、金融・資本市場の競争力強化についてですけれども、これは昔からずっと言われてきたけれども、相変わらず株式等、直接投資が、日本国内ではそれほど直接資本市場への個人の参入があまり多くないわけですけど、そうすると、金融教育まで含めて考えていくのかどうか。
     例えば、今、年金でも確定拠出とかいろいろありますけれども、実はそれが選択できるような、個人がそれほどポートフォリオを選択できるかというと、あまり選択できるようにはなっていないようですし、また、実際、選択するだけの教育をみんなが受けているかというと、それも受けていないようです。そうすると、ただ資本市場の競争力強化と言ったときに、これはもう少し広い視点も必要なのではないかなと思いまして、一言申し上げさせていただきます。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。田中委員、どうぞ。
    【田中臨時委員】  地方都市の活性化について、先ほどお話があったとおり、コンパクトシティということが前面に出てきているのですけれど、公共投資の効率化というような意味でコンパクトシティにした効果というのを測ることは1つあると思います。
     それと同時に、民間がどう関与しているか。中心市街地活性化といったような制度の中で、うまくいっているのか、いっていないのかというのを検証することは、コンパクトシティだけではなくて、並行してやっていただきたいなと思います。
     防災対策については、都市の問題で言うと、耐震について、例えば、耐震診断をするというようなことを自治体が始めているのですが、診断で止まっているのです。どうしてかというと、建築基準法だけで制度をつくっていこうとしたときに、ゼロか100の選択しかなくて、今、途中の段階での減災みたいなことについて対処策がまったくないという状況だと思います。それは同じように、密集市街地の問題もあると思うので、制度だけで進んでいないということについては、少し対応策を検証すべきではないかと思います。
     それから、先ほどのリサイクル及び廃棄物については、最近、リサイクルの最終製品までできていないじゃないかというようなことがテレビで話題になっていますので、その辺も検証する必要があるのかなと思います。
     以上、3点です。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。藤井委員、どうぞ。
    【藤井委員】  1つは、環境エネルギー問題に対して非常に関心が高まっていると思いますので、エネルギー危機管理政策、あるいはリサイクル、廃棄物の関係のあたりのところは取り上げていただけたらいいのではないかと思います。特に環境、リサイクル、廃棄物の関係は、市民の取組みや国民の身近な関心という意味では、政策がどういう方向に向かっていくのか、あるいは、いろいろなコストが伴っていることに関心もあろうかと思いますし、新エネルギーや省エネルギーは、今後どちらの方向に向かっていくかということで、将来的な課題も大きいと思います。テーマを絞ることが必要かとは思いますが、環境エネルギー関係のテーマは重要なのではないかと思います。
     それから、重要であり、関心が高いテーマであるとは思うのですが、果たして焦点を絞り切れるだろうかという意味で、うまく絞れれば取り上げていただきたいと思いますのが、地方都市の活性化、防災対策、子どもの学力の向上の関係です。
     地方都市の活性化は、今までにも幾つか議論が出ておりますが、この政策の中身を見ても、いろいろな性格のものが入っていますので、どういう評価の視点から取り組んでいくのか、あるいはどこまでコンセンサスがあるのかということの整理ができないと、ちょっと難しいかなという感じもいたしますが、皆さん、今日もいろいろ御意見が出ているように、関心の高いテーマなのではないかと思います。
     防災対策については、多くの省庁が取り組んでおられるということのようですが、実際に耐震の備えをするとか、治山治水などの系列のものと、システムをつくる、予防法、リスク管理的なものというのと幾つかに分かれており、性格の異なるものがあると思います。その中でどの辺に焦点を絞るかという点についてコンセンサスが得られるのであれば、こちらも今後とも重要になっていく問題ということで関心も高いですし、重要なテーマではないかと思います。
     学力の向上ですが、学力の向上を切り口にして評価するというのは、先ほど、ほかの方の御意見にもありましたように、かなり難しいのではないかと思うのですが、国の政策、あるいは義務教育の国庫負担金等は規模も大きいですし、様々な施策がとられているようでありますので、政策的な措置でどういう効果が得られたのかということを、ある程度、教育審議とは別の観点から見てみるということは重要なのではないかという感じがいたします。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。そのほかに何か。田辺委員、どうぞ。
    【田辺臨時委員】  こちらの重要対象分野の候補案というので、おそらくこの挙がっているものを全部やるとは思いませんので、おそらく絞っていくのだろうと思います。その絞っていくということを前提にお話し申し上げたいと思います。
     1つは、これは今年度候補案として挙げて、来年度に報告が戻ってきますので、来年度戻ってきたときの鮮度というか、利用の価値があるか否かというところが絞りの1つのポイントになろうかと思います。
     2つ目は、視点というかエベレーションが、各府省に投げられて、それをまとめるという形の評価で行いますので、それで有効な情報が果たして上がってくるかどうかという視点で、この2つを組み合わせたときに、どんなふうになりそうかなということで、このチェックをしてみたいというのが、私の意見でございます。
     まず、地方都市の活性化ですが、これは地方再生の戦略に関しては、地方再生の計画がありますので、それの改定の年度に果たして来年度が当たっているのかどうかというところは、チェックいただきたいと思います。
     2番目の医師の確保対策のところでありますけれども、医師不足のところで出てきて、今言われているものに関しては、地域と診療科の医師不足のところでありますけれども、今年中に対策を打ちますので、来年度、果たして何か打って盛り上がるのかなというのは、かなり私自身は疑問であります。要するに、診療の改定と人数を増やすという2つは、おそらくやると思いますので、それ以外のところで何か新しい情報というのを出してこれるのか。ミスマッチの問題というのは、長らくあろうと思いますけれども、そこのところを深掘りできない限りにおいては、あまり、今年度やって来年度報告しても注目されにくいというのがここです。
     それから、防災対策のところの前半の、いわゆる公共事業等のリスクのところは長らくやられていると思うのですけれども、リスク移転のところというのは、あまり行われていないので、ちょっと取り上げ方が非常に広くなる可能性があるのですけれども、若干限定的にやると、リスク負担によってどういう行動がとられ、民間と政府がやるというところは出てくるのかなと思います。先ほど佐藤委員からありましたけれども、それを入れると、地震保険のところが入っていないというのは、ちょっと変かな。財務省を少なくとも入れるべきだと思います。
     それから、子どもの学力の向上でありますけれども、このままの評価の方法ですと、これは明らかに学者の研究の対象となりまして、学問的に分からないのを省庁の評価でやってまとめたところで何が出てくるのだというので、これは別の視点も含めて考えてみたほうがいいと思います。
     それから、次の金融・資本市場の競争力強化のところですけれども、日本版金融ビッグバン以降の金融改革の検証というのは、おそらく金融庁が今年総合評価でやっていますので、それが数か月ぐらいして出てくると思います。それのプラスアルファで行うのであれば意味があると思いますけれども、ビッグバン以降の改革のところで、要するに、不良債権以降のところでしたら、同じ情報を2回出せということになりますので、あまり意味がないなというのが、ここです。
     あと、エネルギーの危機管理とリサイクルに関しては、もうちょっと視点をいろいろ絞り込まないと、このままだと、ちょっと拡大し過ぎる感じがいたします。
     最後のODAに関しても、国別アプローチのところは一応やっておりますので、どこに重きを置くのかなというのを上手に出していかないと、引き受け手としても困るのではないのかなと思っております。つまり、コスト削減だったらコスト削減のところに集中すべきですし、国でどうなったというのは、一応、国別アプローチで出てはいますので、そこのところが問題であるとするよりも、むしろ、もう少し何か上手な切り口というのを出さない限りにおいては、何の情報も出てこないという可能性があるので、重要な問題だとは思いますけれども、もう少し絞り込まないと、このままでは難しいかなという感じがしているということでございます。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。
     そのほか、何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。
     いろいろな御意見が出ましたけども、今後のスケジュール、資料2にございますように、9月にワーキング・グループで各府省ヒアリングを行うということになっております。
     今後どういうふうに進めていくかですが、幾つかは別の視点も含めて考えてみたほうがよいという御意見もございましたけれども、事務局と私と、場合によっては委員の方々に相談しながら整理をしていって、9月中にヒアリングをセットさせていただきたいと思いますけども、いかがでございましょうか。
     ということでよければ、事務局にはヒアリングの日程をセットしていただくとともに、今日の御意見、あるいは、またこれから委員の方から出てくる御意見を踏まえて、ヒアリングの項目等を考えていただくということをお願いしたいと思います。といったところで、よろしゅうございますでしょうか。
     ちょっと、この資料だけで、すぐに展開するというのは無理な印象もございますので、これから8月をかけて、いろいろと、検討を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。といったところで、20年度のものは終わりにさせていただきます。
     次は、19年度のものの進捗状況について、御紹介をさせていただいて、議論を進めていきたいと思います。
     これについては、16日にワーキング・グループを開催しておりまして、関係府省から進捗状況のヒアリングをいたしました。その結果の概要が資料4にございます。まず、これについて、事務局から御説明いただいて、御議論いただければと思います。
    【松林政策評価官】  それでは、御説明させていただきます。
     今、金本分科会長から御紹介ありました資料の前に、資料5と資料6というものがございます。昨年度の話でございますので、少し振り返っていただく意味で、簡単に、こちらを御紹介したいと思います。
     資料5の答申の3ページ目でございます。評価のねらい・視点といたしまして、次の1)、2)、3)と書いてありますが、目標の達成状況が低調なものについて、その原因分析を行うといったこと、それから2)、費用に見合った効果が得られているかどうかなどの検証を行うとともに、問題点の把握とその原因分析を行う。それから、3)といたしまして、新たな展開を行う政策については、目標上位の政策における位置づけ、上位の目的の達成に至る政策脈絡などを明らかにするといった点が書かれてございます。
     1枚おめくりいただきまして、個別のテーマについてでございます。
     1番目の少子化社会対策に関しましては、1)の育児休業制度でございますけれども、制度利用者は増加しているものの、女性の継続就業の増加には必ずしもつながっていない。その原因について掘り下げた分析を行うべきであるといった点。それから、2)の子育て支援サービスにつきましては、保育所の待機児童が多い地域の固定化が見られる。これについて、原因の分析と待機児童解消に向けた取組の効果の検証を行うべきであるとされております。それから3)のワーク・ライフ・バランスでございますが、これまでの諸施策について、効果の検証を行う。それから「仕事と生活の調和推進のための行動指針」に基づく新たな施策について、目標の達成に向けた取組をあらかじめ明らかにした上で、適切なタイミングで効果の発現状況を踏まえ評価を行うべきであるとされております。
     2番目の若年者雇用対策につきましては、1枚おめくりいただきまして、5ページ目でございますけれども、フリーターの常用雇用化、ニートの職業的自立を促進する観点から、雇用機会の確保や職業訓練などの各種施策の効果を検証するというふうにされております。
     3番目の農地政策につきましては、関連の法案が出てから、追って評価をするということで、予約という形をとってございます。
     資料6、この後に出しました評価の大枠についてでございます。
     1ページ目の評価の視点は、これは御承知の必要性、有効性、効率性という観点を挙げてございます。
     1ページおめくりいただきまして、1)の少子化社会の育児休業制度につきましては、女性の継続就業の増加に、どの程度、この制度が貢献してきたのか。また、今後予定されている育児休業制度の拡充によって、女性の継続就業の増加がどの程度見込まれるのかといった点について明らかにする。それから、育児休業を利用できない者が大きく存在することが女性の継続就業を増加させない原因として考えられないか分析する。男性の育児休業の取得を促進する施策について、見直し・改善すべき点はないのかどうかとされています。
     2)の子育て支援サービスにつきましては、保育所待機児童の解消について、これまでの各種施策について、潜在的な保育需要、地域の実情、保育の質の確保、利用者の満足度等も踏まえた上で、効率的・効果的な施策について見極める。認定こども園につきましては、これまでの保育所・幼稚園とどこが変わったのか、多様化するニーズへの対応の面から明らかにするとされています。
     3)につきましては、ワーク・ライフ・バランス関連施策の効果を企業規模別に検証するなどして、そのあい路を明らかにする。3ページ目でございますが、行動指針の数値目標の達成に向けてロジック・モデルを明らかにするとされています。
     次に、若年者雇用対策におきましては、フリーターの年長化など施策の困難度が高まっている中で、年齢、性別、学歴、地域別に見て、施策が的確に割り当てられているのかどうか。それから、費用と効果の関係を明らかにする。地域又はサービスの提供拠点ごとに効果を検証し、成功例・失敗例を整理するとされておりました。
     そこで、19年度の重要対象分野の評価の進捗状況について、関係府省からヒアリングした結果を簡単に御紹介申し上げます。
     細かく御紹介していますと、時間が無くなってしまいますので、資料4として、関係府省から出てきた資料をコンパクトな表にして、左側に主な施策の項目、右側に効果等というふうに要約して並べております。
     ここでは、ワーキング・グループにおいて、委員の方々から出された主な意見と、関係府省からの回答を紹介させていただきます。
     まず、テーマごとに各省共通の御意見が出されました。育児休業制度及びワーク・ライフ・バランスにつきましては、政策の正当化のための評価と受けとめられると、世間から厳しく問われることになる。可能な限り厳格な評価を行うべきであるといった御指摘がございました。
     子育て支援サービスにつきましては、各事業の正当化のための評価ではなく、広い視野に立って現状や課題を分析し、次のステップにつながるように政策の全体像を国民の前に示すような評価を行ってほしい。それから、費用対効果の分析を行うことが重要であるという御指摘がございました。
     若年者雇用対策につきましては、各省の政策の連携状況を分かりやすく示せないかといった点でございます。
     個別の指摘でございますけれども、育児休業制度の厚生労働省の説明については、育児休業制度が利用できない非正規社員への対応について評価ができないだろうかといった指摘がございました。これにつきましては、厚生労働省からは、平成16年に新たに一定の要件を満たす期間雇用者を育児休業制度の対象とする法律改正を行ったばかりである。そういった法改正の効果をよく見極めた上で、今後対応してまいりたいといったような回答がございました。次に、育児休業制度を利用できる非正規社員の割合と実際に育児休業制度を利用した非正規社員の割合について明らかにできないかといった指摘につきましては、厚生労働省からは、実際に育児休業制度を利用した期間雇用者数については把握しているが、対象となる要件が複雑なこともあり、母数となる人数を把握することは現状ではなかなか困難であるといった回答がございました。また、委員の御意見としまして、育児休業制度を利用できる非正規社員の範囲を拡大すると、企業はその対象となる雇用形態の社員の採用を見送って、対象とならない雇用形態の社員を増やすなど、負の効果も想定されるのではないかといった指摘がございました。
     それから、子育て支援サービスについて、文部科学省でございます。
     ワーキング・グループにおける委員の御意見といたしまして、私立幼稚園における子育て支援、預かり保育の推進に対する国の財政支援の寄与度を現在集計中ということだが、どのような調査方法を用いているのかといった指摘に対しまして、支援している都道府県の担当者に対して、財政支援の寄与度の5段階評価や記述式の回答を求めているといった回答がございました。
     子育て支援サービスの厚生労働省でございますが、委員の御指摘としまして、潜在的需要に対応するには膨大な費用がかかる。また、保育需要が多いのは都市部なので、都市部が得をするという問題もあるのではないかという指摘に対しまして、厚生労働省では、地方の財政力の違いという視点も含め、財政当局などと議論を進めているところでありますという回答がございました。次に、保育所の潜在需要というのは、地域差、保育料、社会経済情勢や国民の考え方の変化によって変わり得るものであり、一定の条件の下での需要見通しを潜在需要とすると国民の誤解を招くのではないかといった指摘につきましては、潜在需要のとらえ方については、御指摘のような点も含め、今後議論をしてまいりたいといった回答がございました。また、保育所の整備は地方の財政力と密接に関連しており、そのような視点からの評価はできないかといった指摘につきましては、地方の財政力の違いという視点も含め、財政当局などと現在議論しているところですという回答がございました。それから、子どもの視点から保育の質を確保するための環境整備が重要であり、その視点からの評価はできないかといった指摘や、認定こども園は期待されている制度であるが、申請見込件数と認定件数の乖離が見られるなどの問題があるのではないかといった指摘につきましては、御指摘のとおりであり、制度の使い勝手を更によくしていきたいというふうな回答がございました。
     ワーク・ライフ・バランスの内閣府は、特段のやりとりはございません。
     厚生労働省でございますが、週労働時間60時間以上の雇用者の割合が、平成15年度比で1割減少しているということをもって、目標を達成したと評価しているけれども、非正規社員の増加がその大きな要因とこれは考えられるのであって、判断に誤りがあるのではないか。また、こういった評価は国民感情との隔たりも大きいという指摘につきましては、目標の設定については、「子ども・子育て応援プラン」で定められたものを使用しておりますという回答がございました。それから、事業所規模30人未満の中小企業についても評価の対象とするなど、企業規模別の分析が必要ではないかといった指摘がございました。
     最後、若年者雇用対策につきまして、文部科学省とのやりとりでございます。
     キャリア教育などについて、アウトカム効果である学生の就業状況や定着率を把握できないのかという指摘につきましては、事業に参加した学生の卒業直後の就職状況など、部分的に把握はできているけれども、文部科学省の講じている施策全体でのアウトカムということになりますと、データの収集が難しいということで、把握できていませんという回答がございました。それから、ロジック・モデルについて説明をしてほしいという指摘については、評価対象施策をインプット、アウトプット、アウトカムの順に、現在整理をしているところですという回答がございました。それから、学生の就職・進学未定者の率が全国平均より低いということが、日本版デュアルシステムの効果として説明されているけれども、指定されている学校はもともと意欲的だったために、就職・進学者が多かったという見方もできるのではないか。したがって、同一学校の施策実施前後の比較を行うべきではないかという指摘につきましては、既存のデータがなく、新たなデータ収集には時間もコストもかかりますと。そこで、今あるデータを活用して、これはよりよい分析に努めたいという回答がございました。
     厚生労働省でございますけれども、ジョブカフェについては、指導員の質も重要であり、分析できないのかといった指摘につきましては、近隣のジョブカフェ相互の連携、情報交換等により、サービス内容や指導員の質の向上に努めておりますという回答がございました。また、インターンシップは授業を欠席して行われており、このような点について考慮はされているのかといった指摘については、学校側のニーズを踏まえて、十分な調整を行っておりますという回答がございました。それから、ジョブカフェの利用者数や就職者数には、フリーター以外の数が算入されていたり、同一フリーターがダブルカウントされているのではないかといった指摘につきましては、ジョブカフェについては、フリーター以外の学生等も含まれているけれども、フリーター常用雇用化プランの実績については、学生を除き、重複利用者の調整は行っておりますという回答がございました。それから、 フリーター常用雇用化プランは、毎年度の計画目標を超過達成しているが、実際のフリーターは大きく減少しておらず、目標の立て方自体に問題があるのではないかといった指摘につきましては、新たなフリーターの発生によって総数は大きく減少していないが、毎年度、フリーターを着実に減少させていくことが重要と考えていますという回答がございました。
     最後の経済産業省でございますが、ジョブカフェは好事例の全国展開が重要だけれども、どのようにこれに取り組んでいるのかという点につきましては、パンフレットの配布や会議による情報提供を行っているという回答がございました。
     以上でございます。
    【金本分科会長】  ありがとうございました。
     それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見ございましたら、お願いいたします。永瀬委員、どうぞ。
    【永瀬臨時委員】  若年者雇用対策については、性別、学歴別、年齢別、地域別等にどれだけの人がどういうことを受講して、どういうことだったのかということを出してほしいということは、もともと評価の大枠に書いてあったと思うのですけれども、今回出てきたものは、非常に大ざっぱな数字です。一体何が実施されて、どんな訓練がされてどうなったのか。また、せめて地域別、年齢階級別、男女別に、誰に施策が届いたのかということが、少なくともそれは分かっているはずだと思うのです。本当に知るべきものというのは、具体的に何人が受けたということではなくて、その地域のフリーターに占める、こういう援助が届いた人、そして、その効果なのですが、それについては調査がおそらくされていないので分からないのかもしれないのですけれども、政策を進めていく上で必要なデータなのではないでしょうか。
     それで、今年の経済財政改革の基本方針2008についても、さらに新雇用戦略ということで、若者のジョブカード制度の整備・充実、フリーター等正規雇用化プランによる100万人の正規雇用化等、ここがすごく大きな柱になっているのに、だから、ここの今年の行政評価はすごく重要なのに、何も分からない資料が出てきているのはなぜなんだろうかというのを、是非伺ってみたいなと思っています。当然、お金を使っているんで、もちろん全部、地方、県から何から上がってきているだろうし、それからハローワーク等からも、様々な情報が上がってきているはずなのに、何でこんな大ざっぱな数字がわざわざ出てきたのかが、ちょっとよく分からないなと。
     もちろん、もっと知りたいのは、いったん正社員になっても、また非正規化してしまうから、非正規が減らないということだとすると、じゃあ、一体どういうふうにすると、その人に技能が身に付くのかと。ただ正社員になったからおしまいよというのではなくて、基本的にはフリーターになる若い人が、昔は企業内で教育されて、企業内で人的資本を蓄積して、やがて賃金が上がっていった。けれども、今はそれがなかなかできていないから、国が何らかの財政支援をして、何らかの形で若い人に教育訓練を受けさせよう。それが果たして成功しているか、していないのかということなので、本当はフリーターの履歴をとって、過去にどういう訓練を受けたとか、その後どういう仕事に就いたとか、その後どうしてやめてしまったとか、そういうところを見て、本当はその効果というのは、ただ単に正社員に何人なりましたではなくて、本当にその人のキャリア、技能形成につながったかというところが、本当の意味での調査すべきことだと思います。その辺の検証がされないで、常用雇用何百万人プランとかジョブカードと言っても、本当に効果があるのかどうか、よく分からない。
     私、こういうことに大変関心を持って、常々いろいろ資料を見ているのに分からなくて、今度こそ数字が出てくるのかなと思ったら、それも出てこないというのはなぜなのかを伺いたいなと思います。
    【松林政策評価官】  ちょっと補足させていただきます。
     今、御紹介いたしました質問とか御意見でございますけれども、これは会議の中で出た質問、御意見だけを紹介させていただいております。
     このほかに、個別に委員の方々から、いろいろ追加的な御意見とか質問とかをいただいております。
     また、ヒアリングの時間が短くて、十分な質疑応答ができませんでしたので、今日の御議論の中で御意見を出していただきましたら、事務局で整理しまして、関係府省では、これから外部の有識者も入れて政策評価を仕上げていくということでございますので、そこにきちんと伝えて、盛り込んでいただくように、事務局として相手府省に伝えてまいりたいと思っております。したがって、こういう観点で、まだ切り込みが足りないとか、この効果の分析はまだ甘いのではないかとか、この点は脱落しているとか、この辺が分からないとか、そういったことを出していただければと思います。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  そのほか、何かございますでしょうか。田辺委員、どうぞ。
    【田辺臨時委員】  評価の精度を上げるというのも大切だと思うのですけれども、どんなに精度を上げても、分からないものは分かりませんので、最終的なアウトプットをどうするのかというのが、非常に見えづらいものもありますし、あと最後の取組のところで、一体どうするのだという感じが幾つかありましたので、それについて若干コメントさせていただきたいと思います。
     1つは、評価の精度を上げないと難しいところはあるのですけれども、いろいろな事業が並んでいる中で、何がうまくいって、何がうまくいっていなかったのかというのが、なかなか分からない。かつ、そこのコストのところも書いていませんので、そこをもう少しめり張りのきいた形でまとめないと、関係府省別々にこれをやりました、あれをやりましたというものが並ぶだけになりますので、そこのところは、ある種の選別というのでしょうか、これはうまくいっていない、これはうまくいったという割り振りみたいなことをやらないと、情報として不適切なものが出てくる可能性があるというのが1点です。
     2つ目は、うまくいっていないものに関して、今後も続ける可能性があるものに関しては、何がボトルネックだったのかということを、もう少しはっきり言っていただかないと、次につながらないということなんだろうと思います。そこの分析のところは、分かる限りにおいて、もう少し強調してそれをやっていただきたいというのが2番目です。
     3つ目は、だったら次に何が課題として残って、次に何をやるのかというところを出していかないと、これもまとめとしては意味がないのだろうと思います。その3点に向けて、ある程度、評価の精度を上げるということも必要ではありますけれども、取りまとめの情報の加工という点でも、ちょっと知恵を出していただきたいと思います。これで言うと、関係府省ばらばらに出てきて、お互い知らんぷりしているという印象は否めませんので、それを何らかの形でまとめていかないと、非常に受け取る経済財政諮問会議の側でも困ってしまうものが出来上がるのではないかということです。
     特に、伺った印象では、若年者雇用に関しては、結論はわりと見えていまして、出したい命題というのはわかっていて、だんだん年長化してきまして、そこを早急に対策しなければいけないということが、聞いていてなんとなくそんな感じがしましたし、子育て支援に関しても、うまくいっているところとうまくいっていないところの部分というのもわかったのですけども、育児休業とワーク・ライフ・バランスのところというのは、ちょっとぼけていまして、どうまとめるのかという感じがしまして、そこのところを詰めて、ここ数か月で、今出ている情報でできるだけのものは詰めていくというやり方をちょっと考えていかないと、関係府省ばらばらのものがなんとなく並んでいるという評価になるので、それはこの委員会としても避ける、発注した側としても避けて、何らかの工夫をしていただければと思います。
    【金本分科会長】  そのほか、何かございますでしょうか。田中委員、どうぞ。
    【田中臨時委員】  若年者雇用対策の中で、中学生の職場体験とか、専門学校のデュアルシステムということが出てきて、就業率の向上みたいなことで評価をされているのですが、企業側からすると、この両方、かなり企業の負担があるのですよね。そのときに、社員を確保できるからというようなインセンティブで企業がやるのは当然だというようなシステムで、今進んでいるような気がします。
     私は必ずしもそうではなくて、社会貢献としてやったらいいというふうに思うのですが、いずれにせよ、地域としての就業を確保したり、企業としての社員を確保するということに効果があるのであれば、データとして、それをとらえてほしいし、それをフィードバックしてもらいたいと思います。
     それから、もしそうではないのであれば、社会貢献として当然やるとか、それなりの公共の支援の中で企業に手伝ってもらうというような方針が必要だと思いますので、その辺については、是非検証してもらいたいと思います。
    【金本分科会長】  どうもありがとうございます。
     佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  まず、若年者雇用ですけれども、やっぱり誰をターゲットにするかというと、幾つかいろんなプランがあるものですから、例えば、フリーターにならない防止対策なのか、ジョブカフェも一部そんな側面があったように思います。デュアルシステムもそうですよね。専門学校も。したがって、専門高校もそうですし、いわゆるフリーターにならない予防策という側面と、それからフリーターになった人で、比較的まだ若い段階の人たちをどうするかという話。それと、何度も出てきますが、年長化していて30代を過ぎたフリーターたちをどうするか、ターゲットごとに政策というものを整理して、それが一体どんな効果をもたらすのか、実態として見ていく必要があるのかなという気がしました。プランごとに見ると、そのプランの中にいろいろな人たちが入ってくるので、今、若い人から予防的な措置、フリーターになりかけの人からいろいろな人が入ってくるので、そこだけ見ていくと、何をターゲットにして、どういう結果ができたのかよく分からないので、同じフリーターの中にもいろいろといるわけですから、そのあたりを仕分けして考えていくのがいいのかなという気がします。
     それから、うまくいった、うまくいかなかったではなくて、何でうまくいかないかをちゃんと説明してほしくて、例えば、ワーク・ライフ・バランスの内閣府などを見ると、何が言いたいのかよく分からないのですけど、結局、うまくいったかどうかというよりは、何が障害になっているのか。その障害というのは、今の制度の枠の中で、何とか自分たちの努力で克服できるものなのか、あるいは制度的に何か改定されなければならないところがあるのかとか、そのあたりもはっきりさせたほうがいいのかなと。そうしないと、たしか田辺委員が言っていましたように、次に進みませんので。
     政策評価は、別に褒めるためにやるわけじゃないので、やっぱりうまくいっていないところを次にどうつなげていくかという、そういう視点にしていかないと、あまり生産的にならないのかなという感じがします。
    【金本分科会長】  吉野委員、どうぞ。
    【吉野臨時委員】  少し大きな質問ですけど。政策評価のときに、これまでのやり方は、各府省が出してくるデータをもとに、我々、ここで聞かせていただいて、評価しているような気がするのですけど、総務省自身として、例えば、アンケートなりデータを持ってやる方法もあるのではないかと思います。各府省だけがデータを持っていて、その一部だけ出してくるということがあると、本当の政策評価はできないのではないかと思います。
     例えば、私、専門ではないのですけど、フリーターになっている人と正規雇用者で、本当にどこが違うのか。それは能力の問題かもしれませんし、やる気とか、いろいろな問題があると思うのですけど、そういうデータが、もし各府省で持っているのであれば、ちゃんと出していただくと。それが分からないのであったら、こちらでそういうデータを集める、そして政策評価をするというやり方もあるような気がしました。
    【金本分科会長】  高橋委員、どうぞ。
    【高橋臨時委員】  私はワーキングに出席させていただきましたけれども、時間の関係で質問できなかったのが、若年者雇用対策のところでございました。
     専門学校のところは文部科学省の施策の効果が出たかのように、デュアルシステムの効果が書いてあるのですけれども、そもそもフリーターになる子たちが、専門学校、もともと職業に就こうと思っている子に多いのかどうか。普通学校に行ってフリーターになる、つまり大学にも進学しないでという子たちが多いのか。文部科学省に聞きましたら、最近は、商業高校の大学進学率が急激に上がっているらしいのです。ですので、商業学校から簿記の知識を身に付けて大学に行って、すぐ公認会計士になってしまうとか、就業の状況が変わってきていると思います。
     この評価では、普通高校に関してはキャリア教育ばかり見ているのですが、そもそも職業選択を間違っている、学校選択を間違っているといいますか、きちんとした情報とか知識に基づかないで進学している子どもたちもいるので、今後はそういう点にも着目して、専門学校は専門学校、普通学校は普通学校で全然違う調査をするのではなくて、双方を対象にした調査などもやってみる必要があるのではないかと感じました。
    【金本分科会長】  今からやるのは無理かもしれませんが、いろいろな意見を投げかけていったほうがいいかなと思います。
     そのほかに何かございますでしょうか。
     私もヒアリングでお聞きして、田辺委員と同様な印象を持って、これから諮問会議に出せるようなものが出来上がってくるのかどうかというところを若干危惧しているところであります。関係府省がやることだから放っておくということでは、どうもうまくいきそうにないといった感じがございます。
     松林評価官から御説明がありましたけれども、8月初め頃に関係府省に我々の意見等を申し伝えて、それから頑張っていただくといったことでございますので、そういった意見も含めて、これからなんとかいいものにしていければと思います。
     そのほか何かございますでしょうか。森泉委員、どうぞ。
    【森泉委員】  2つほど述べたいと思います。まず、19年度のことですが、例えば、若年者の雇用対策について、私はこの委員会の役割というのは、横串を刺すべき委員会ではないのかと思います。文部科学省は若年者対象にこのように政策を行っている、一方、厚生労働省は卒業後の人を対象にも行っている、という具合です。それから子育ての政策についても、関係府省がばらばらに行っており、各府省が、それぞれこれでいいだろうという具合に、お互いにそっぽを向いているようなところが、若干見受けられるので、何かの共通の一貫したメジャーが必要ではないでしょうか。文部科学省と厚生労働省でしたら、出口と教育の間、それからしばらくたった期間というような形で、コンシステントな政策を行っているのかどうかをみるためです。それから、その効果についてです。例えば、文部科学省の施策が、なぜ有効ではなくフリーターとかニートになっているかという現実を踏まえて、次は厚生労働省の施策になっていくと思いますが、諮問会議にばらばらに出すのではなく、やはり一貫して政策として評価できるようなものが必要ではないかというのが1点です。
     次に、資料6に書いてある点で、お聞きしたいのですが。これを評価して、この年が過ぎると、「あ、終わった。よかった」という感じになるのか、あるいは、評価を踏まえた政策の見直しや改善の方向性を明らかにするということについては、19年度では、これからやるのでしょうか。その結果、少しは評価が波及し、もうちょっと頑張れということになったときに、このように頑張りましたというのが、いつ見えるのかということをお聞きしたいと思います。
    【松林政策評価官】  19年度の評価につきましては、まさに11月に取りまとめて、諮問会議に報告をするということになります。そこで関係府省としては、評価の結果、この点がまだ今後の課題だというのが出てこようかと思います。その課題については、どれぐらいのタイムスパンでやっていくのかというのは、それこそ課題の性質ごとに変わってくるかと思います。そこは基本的には関係府省がタイムスケジュールを決めて、着実に政策をやっていくということになるかと思いますけれども、やはりそれは、これもまだイメージとして全然固まっておりませんけれども、諮問会議の場で、そういった政策評価の結果、関係府省がこういった課題について、今後こういう方針で取り組んでいくということを明らかにいたしますので、それはまた、いずれかの諮問会議なり、あるいはこの場でヒアリングされても結構かと思いますけれども、いずれにしても、何らかの方法でフォローアップをしていくことにはなろうかということでございます。
    【森泉委員】  フォローアップをやるということなのですね。
    【松林政策評価官】  どの場で、どういう形でやっていくのかは決まっていませんが、今後こういう方向で進めようということをよく御議論いただければと思います。
    【金本分科会長】  具体的に、どういう形でフォローアップするかというのは全く決まっていないと思いますが、何も言わないと忘れられてしまうかもしれないということで、覚えておいていただきたいと思います。
     永瀬委員、どうぞ。
    【永瀬臨時委員】  ここの重要対象分野というのは、もともと日本の大きな課題が出されているので、うまくいっていないものが出されていると思います。うまくいっていないものに対して、今回、頑張っていますというような内容が出てきているわけですけれども、でも、うまくいっていないので、はい、そうですかというのではなくて、やはり、例えば、また3年後、また3年後というふうに継続的に見ていくことにこそ意味があると思います。なので、是非そういう評価にしないと、1回限りだとすると、あまり悪いことは言いたくないと。私が担当だったら、特にほかの部署の人に迷惑をかけそうなことは言いたくないとか、そういうふうになってしまいますが、最も大きな課題なので、是非お願いします。それに、こういうものというのは、1年で変わるようなものでは決してないですから、是非10年ぐらいのスパンで、何年か置きにチェックしていくということが非常に重要なのではないかなと思います。
    【金本分科会長】  今からそういうことを言うよりも、出てきた段階で、また考えるのかなと思います。
     佐藤委員、どうぞ。
    【佐藤臨時委員】  質問ですが、取りまとめのところで、確かにいろいろな府省の評価が出てくるので、ばらばらですよね。基準とかも含めて。ならば、こちらで、例えばフォーマットじゃないけれど、ここに穴埋めしてくださいみたいな形で、例えば、若年者雇用であれば、フリーターでどんな人がいるかという、ここに例えば、対象者、男女でもいいし、年齢層でもいいし、バックグラウンド、学歴でもいいので、横にそういう属性を並べて、それに対して、今、どんな施策が行われて、どんな人が何人ぐらい受講して、その結果、何人が正規社員になってというような整理も考えられるのではないでしょうか。
     あるいは、育児休業であるならば、まさにやっぱり同じように属性と、実際、それに対する取組で、どんな政策がなされたのかとか、何かそういう統一フォーマットみたいなものを作って考えていくのか、あるいは逆にもう割り切って、出てきたばらばらの評価が、やっぱりいかにばらばらであるかということも示して、それも含めて政策評価するのか、そのあたり、どんなふうに最後はまとめられるのか。今のままだと、確かに基準がばらばらなので、比較のしようもないですよね。
    【松林政策評価官】  まだ、その辺のイメージも御議論の中でと思っております。
     先ほど森泉委員から御指摘ありました横串を刺すという話でありますれば、政策評価は、今、自己評価が原則になっておりますので、関係府省が第1弾で出してまいりましたものについて、いろいろ検討した結果、こういう横串を刺さなければいけないという委員の方々の各視点が出るとしますと、その視点に合わせて、そういったフォーマットを作ってみるというのも1つの手かと思います。
     あるいは、ばらばらである、こういった点を今後統一して、関係府省で調整しながら見ていくべきだといったような指摘も可能かと思います。
    【金本分科会長】  よろしゅうございますか。
    【関行政評価局長】  関係府省から出てきたものは、委員の方々の目から見て、かなり不十分なものだということだと思いますので、これまでいただきました意見を踏まえて、事務方でよく相手府省と議論をする必要があるのではないかなと思います。
     こちらで、こういう様式でデータを出してほしいと言っても、そっけないデータだけ集まるというのも、ちょっと無駄な作業のような感じになってしまうかもしれませんので、よく相手府省と議論をして、関係府省も駄目だけれども、総務省も駄目ですねというふうにならないように、総務省としては、委員の方々の意見を踏まえて、言うべきことを言って、こういう点は不十分だけれども、今後この点は改善していきますというような、意味のある評価になるように努力していきたいと思います。
    【金本分科会長】  藤井委員。
    【藤井委員】  質問ですが、この資料6の「重要対象分野に関する評価の大枠について」に沿って、最終的には関係府省から評価が出てくるという理解でよろしいのでしょうか。ここでは関係する政策体系の中での評価対象政策の位置付けを行うことや、若年者であれば、今後の在り方として、どうすべきかなど、ある程度、基軸というか座標軸を整理して示していると思うのですが、まだ途中段階なので出ていないが、いずれはこうしたものになるということなのか、どうなのでしょうか。
    【松林政策評価官】  御指摘のとおり、今年の2月に、関係府省に示して、こういう大枠で評価をしてほしいという伝え方をしておりますので、関係府省はこれに沿った形で評価を進めてくるはずでございますけれども、そこは我々の視点から不十分な点などについて、今、関局長のほうからもありましたけれども、まさにこれを出した側として、今後、関係府省と議論をして、詰めてまいりたいと思っております。
    【金本分科会長】  しばらく前のヒアリングで、私から関係府省の方々に申し上げたのですが、せっかく諮問会議の時間をとって、こういうものを出す機会ができたので、それをプラスの方向に有効に活用するように、評価をまとめていただきたいということかなと思います。無理やり悪い評価を出せということでは必ずしもなくて、それなりに積極的にとらえていただいてやっていただくといった方向かなと思います。
     そのほかございますでしょうか。上田委員、先にどうぞ。
    【上田臨時委員】  19年度と20年度を見ていて、今、19年度のほうは、どうしても、なかなか定量的な評価とか、評価の方法が、まだ確立していないといいますか、どうしても、数値目標と、その達成度というものが中心にならざるを得ない政策分野かなという気がしました。
     場合によっては、こういう目標の設定の仕方自体がおかしいのではないかという議論に戻るだろうという気がする。それも最初なので、そういう議論も必要だし、経済財政諮問会議のようなところで、そういう目標の設定の仕方自体がそもそもおかしいという議論をしてもらうのはいいのかなという気がします。
     一方、20年度の候補は、地方都市の活性化や防災対策というのは、これは結構、私なんかもいろいろ費用便益分析で、実際に数字にして、金銭換算する方法をいろいろお手伝いしていますし、特に防災とか都市のいろんな施策というのは、かなりいろいろなところがやっているものも、同じプラットホームの中で定量的な評価をする方法もわりあいにできていますので、こっちについては、多分、国土交通省やいろいろなところでやってくださいと言えば、わりあい、そういうものの評価例とか、ちゃんとできている。費用対効果で、きちっと同じフォーマットでできるものもあるかなと思います。
     ただ、19年度の重要対象分野は、そういうものになじまないし、そういう費用対効果でなかなか出しにくいものだという前提で、そもそもロジックとして、こういうことをやれば、こういう効果があるし、これがいいことなんだという設定のところが、おかしいものがある。そんなものが数値目標に上がっているというのは、立派な会議の場所に出したら、何やっているんだという話に多分なるのだろうと思います。それはここの総務省の仕事ではないし、むしろ、そういうものもあるよということを示すのが、トップバッターとして選んだ領域を、きちんと示すということの意味かなという気がします。
     20年度のほうは、私自身もいろいろやってみた経験があるので、評価はできるなと思います。ただ、19年度のほうは、なかなか難しい話ばっかり選んじゃったなという気がします。
    【金本分科会長】  八丁地委員どうぞ。
    【八丁地臨時委員】  これも質問なのですが、資料6などによく出てくる、利用者の視点というものがありまして、例えば、こういう政策の利用者の中に、企業がいるのかなというのがよく分からない、いるのだろうなと思って聞いていると、そうじゃないような感じもしていますので、利用者とは誰だろうかなというのを、もっとはっきりさせたほうが、話が分かりやすいのではないかと思いました。
     先ほど田中委員が、若年者雇用対策は企業が率先してやるべきところ、もしくはCSR活動でやるべきところというのがあるだろうというお話あったわけでありますが、例えば、こういう重要な政策の評価をしているときに、利用者なり、その周りにいるステークホルダーなりに、もっとこういうことをやったらどうですかというような提案なりアドバイスなりサジェスチョンというのがあってもいいのではないかなと思いました。政策を運営されている各府省の評価、当然あると思いますけれども、それを推進する上では、その周りにいる企業なり学校なり、いろいろなところがあって、それは利用者であったり、別の形であったりすると思うのですけれども、そういうところに、もっとこの評価を高めるためには、こんなことをやってくれないかというようなことが、もう少しあってもいいのではないかなというふうに、率直なところ思ったわけであります。それが政策評価と違うのであれば、違うと言ってくださればいいんですが、よく分かりませんでしたので、あえて申し上げます。
    【金本分科会長】  実際、利用者のアンケート調査とか、いろいろな意見というのは、各府省でやっていることもあるようではあります。ここで総務省がやるかどうかというのは、また別の話です。
     永瀬委員、どうぞ。
    【永瀬臨時委員】  上田委員が、19年度の分野というのは評価がしにくい分野ではないかとおっしゃったのですけれども、当然のことながら、これは非常に欧米では評価の対象になっています。例えば、データがあって、あるプログラムを受けた人、受けていない人のデータがあって、それを個票で分析して、そのプログラムを受けたことによって、前と後で賃金がどういうふうに変化したのかというようなことは、十分に、アメリカやイギリスやほかの個票が利用できるような環境がある国では、当然のように、もうされています。それが日本では、前も言ったと思うのですけれども、例えば、雇用環境で、そういうデュアルシステムを受けたかどうかというデータそのものが、まずとられていません。通常は当然とられるはずですけど、とられていません。それを府省レベルで、どうしてとられていないかというと、総務省がやっているのが世帯レベルの調査で、厚生労働省がやっているのは、主に企業への調査が中心なので、そうすると世帯レベルで見て、そういうのを受けたか受けていないかという調査がされていないのです。もちろん、就業構造基本調査とか、いろいろあるのですけれども、雇用のプログラムがどういう影響を与えたかという質問が入っていないので、できないのではなくて、特に労働経済の分野では体制をつくってきていないし、していないということです。
     また、子育て支援についても、例えば、イギリスについて言えば、そういうプログラムを受けた人が何%上昇しているとかは、ブレア政権になってから、ぐっと上がっているのですけど、日本は全く横ばいです。そのこと自身が、私はまったく人に届かない政策が行われているということだと思いますので、これが、確かにワーク・ライフ・バランスと言うと難しくなってきますけれども、例えば、若者雇用対策なんていうのは、当然のように評価されるべき施策であり、されるのが当たり前なのに、その状況が整っていないというふうに労働経済では思っている人たちが多数なのではないかと思います。
    【金本分科会長】  ありがとうございます。
     吉野委員、どうぞ。
    【吉野臨時委員】  私の印象ですが、先ほどの上田委員の御意見の、国土交通省とか、理工系の先生方、計量を専門とされる方が多い府省というのは、こういうデータがすごくそろっていると思います。そうではない府省というのは、役人の方々も文科系が多いですから、なかなかこういうのが、これまでなかったのだと思います。そういう意味では、こういう評価を通じて、やっぱりそれに関連するデータをきちんと集めて、それを評価する体制ということを浸透させていただくということも、是非重要だと思います。
    【金本分科会長】  上田委員、どうぞ。
    【上田臨時委員】  今言われた労働経済、そのとおりだと思います。それはやらなければいけないと思います。私がやりにくいだろうと言ったのは、誤解を招いたかもしれませんが、例えば、交通ですと、早く行ける、安く行ける、環境負荷も小さいほうがいいと。わりあい、みんなが何がいいのかという、その大前提が非常にクリアで、これは世界中、どこに持っていっても当たり前なぐらいです。
     ところが、子育て支援とか、いろいろな話が出てきたときに、これはかなり社会の文脈や時代の文脈で、そういう政策そのものが、そもそも価値として国民がみんな合意できるものかというと、随分ばらばらで、ばらつきが大きい。そういう意味で、なかなか公共事業系のものに比べると、価値とか、みんなが何を良しとするかというところで、なかなか合意が得にくい。そのできているものは、ものすごく、今言われたようにデータではっきりするし、こういう細かく一個一個の小さい作戦にしたところで、確かにおっしゃるように、データできちんと押さえていく。そういう意味で、これは絶対やれない、やれるじゃなくて、やれるはずだからやろうと、これは当然だと思います。中には、この政策そのものが、そもそも本当にある価値判断として、みんなが納得して、いいと言えるかどうかというものもあります。
     例えば、私は今はやめましたけど、たばこが今、ものすごくスモーカーに厳しい状況になっている。今、スモーカーはものすごくかわいそうな状況で、ある種のファシズムだと言う人もいますけど、たばこを吸う人は、もうとんでもない人だみたいになっている。だけど、これは昔はそんなこと誰も言わなかった。そうすると、ああいうものが、何を良しとするかというところが変わってきているし、実際、あるターゲットの人たちを見て困っている。じゃあ、それを助けるのがいいことだって、これはものすごく分かりやすいし、それにみんなが合意しているときは、多分いいのだろうと思います。わりあい、今、吉野委員が言われたように、私がよく関わっている、いろいろな、国土交通省の公共事業系のものというのは、ある意味では、みんなが合意しやすい価値のところを数字にしやすい伝統があったし、そういう方法をたくさん先にやってきた。そういう意味では、まだまだ、ほかのところはそれに比べると、なかなか数字が出てきにくい部分もあるし、そもそも何を良しとするかというところで、なかなかまだ、議論が進んでいない。そういう議論をすること自体が大事だし、評価をしないと、そういう議論もまだ起こらないので、そういう意味で、私自身が経験の不足もあるのですが、なかなか難しいのかなという印象を、決してそれが全部できないとか、難しいから、言い訳してやらなくていいよという話ではありません。
    【金本分科会長】  そろそろ時間でございますが、何か御発言ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
     谷藤委員、どうぞ。
    【谷藤臨時委員】  言いたいことはいっぱいあるのですが。やはり達成度評価になって、政策評価になっていないというところがありまして、そこは何かというと、最終的に総務省自体が、ロジック・モデルと言われるロジックそのものの、いわば破綻があるのではないかというところまで踏み込んで議論していくのかどうかが問われてくるのではないでしょうか。私はそこまで、ある意味では踏み込んでいくべきだろうと思いました。それだけです。
    【金本分科会長】  それに踏み込めるようなものを出してくるかどうかというのが、またもう1つあるのですが、出てきたら、また議論をさせていただくといったことだろうと思います。
     もう時間でございますので、この辺にさせていただければと思います。
     先ほど申しましたように、8月初め頃に我々の意見を取りまとめて、関係府省に伝えるということにしたいと思いますので、今日言い足りなかったことも含めて、各委員の方々から、コメント、意見を事務局にお願いいたします。7月25日をめどに、よろしくお願いいたします。
     あと、今日御欠席の委員の方々にも、事務局から意見を伺って、取りまとめていただくようお願いいたします。
     というところで、よろしゅうございますか。
     あと、次回の分科会の開催日程は未定ということのようでございますので、後ほど事務局から御案内するということでよろしいですか。
    【松林政策評価官】  また委員の方々の御都合を伺いまして、調整させていただきます。よろしくお願いいたします。
    【金本分科会長】  それでは、以上をもちまして、今日の分科会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。