独立行政法人評価分科会（平成20年10月28日開催）議事要旨

1. 　日時　平成20年10月28日（火）10時00分から12時15分
   
   
2. 　場所　経済産業省別館10階　1014号会議室
   
   
3. 　出席者
   （独立行政法人評価分科会所属委員）
   富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理、黒田玲子委員、縣公一郎、浅羽隆史、阿曽沼元博、稲継裕昭、梅里良正、岡本義朗、梶川融、河野正男、河村小百合、黒川行治、黒田壽二、櫻井通晴、��木佳子、松田美幸、山本清の各臨時委員
   （総務省）
   関有一行政評価局長、渡会修官房審議官、新井豊行政評価局総務課長、白岩俊評価監視官、菅原　希評価監視官、岩田博調査官、細川則明調査官
   
   
4. 　議題
   

   （１）	平成19年度業務実績評価について
   （２）	役員の退職金に係る業績勘案率について
   （３）	その他

   
   
5. 　配布資料(PDF)
   

   	資料１−１	独立行政法人等の評価結果一覧（平成19年度業務実績に対する評価）
   	資料１−２	国立大学法人・大学共同利用機関法人の平成19年度に係る業務の実績に関する評価結果の概要
   	資料２−１	役員退職金の業績勘案率に関する前回分科会（９月５日）での意見等
   	資料２−２	各府省独立行政法人評価委員会の業績勘案率（案）について
   	資料２−３	内閣府独立行政法人評価委員会の業績勘案率（案）について
   	資料２−４	文部科学省独立行政法人評価委員会の業績勘案率（案）について
   	資料２−５	厚生労働省独立行政法人評価委員会の業績勘案率（案）について
   	資料２−６−１	国土交通省独立行政法人評価委員会の業績勘案率（案）について
   	資料２−６−２	財務省独立行政法人評価委員会の業績勘案率（案）について

   
   
6. 　会議経過
   

   （１）	事務局から、平成19年度業務実績評価に関する説明が行われ、その後審議が行われた。意見等の概要は以下のとおり。 ○　主務省が複数ある法人について、同じ項目で評定が異なるものはどう考えるべきか。 ○　資産運用に関する評価については、法人ごとにケースバイケースのアプローチも必要と考えるが、昨今の金融情勢を踏まえ、政独委として評価に関する考え方や方向性を示してもよいのではないか。その際、ベンチマークとの比較に基づく評価も一つの視点であるが、一方で今年度の情勢を踏まえ、来年度の評価の際に重要となる視点を明らかにしておくことも必要ではないか。独法では低リスクの運用が中心と見受けられるが、その中でもファンドの選択や構成を決める際の判断過程などが重要な視点と考えられる。 ○　資産運用の評価については、一つは絶対評価を行うか相対評価を行うかという問題がある。好不況に関わらず、どちらか一方で筋を通すべきと考える。もう一つは、運用に関する責任の所在が法人にあるか資産運用業務の委託先にあるかという問題がある。委託によってリスクの分散を図っているようだが、結局は独法の責任者がどのように判断したかという点について検証して評価すべき。 ○　資産運用の評価に当たっては、運用に係る方針をきちんと示しているかどうか、独法と運用委員会の関係がどのようになっているかが重要。運用委員会の判断に基づき、最適な運用がなされているかが視点となるのではないか。 ○　今までの意見のほか、業務実績評価に関して論点が三つあると考える。一つ目は、事業それ自身の評価なのか、あるいは事業を運営する人の評価なのか明確にしなければならないということ。二つ目は、そのときの経済状況等だけで判断、評価すべきではなく、他の選択肢も検討すべきだということ。三つめは、ベンチマーキングが必ずしも正しいとは限らないということ。 ○　余資運用を行っている法人と業務として資産運用を行っている法人とでは評価の視点が異なる。そもそも独法が余資を持って運用するというのは理解できない。 ○　資料１−１のように、各府省評価委員会における評価結果を一覧できる資料は有益であり、各府省に配付すべき。 ○　例えば空港周辺整備機構に関して、民家防音事業の事務手続期間を大幅に短縮できたと評価しているが、短縮できた要因についてきちんと把握した上で評価しなければならない。 ○　年度途中の年度計画の修正については、修正せざるを得ない場合はあると思うが、修正を安易に認めると目標の意味がなくなってしまうため、修正理由を明確にし、修正前後の状況を踏まえて検証した上で評価すべきと考える。 ○　駐留軍等労働者労務管理機構について、主たる事務所を東京に置く旨個別法に規定されているが、主務省と意見が対立し、事務所機能の大半を横浜に移転した。横浜に移転した理由などを明らかにすべき。
   （２）	事務局から、役員の退職金に係る業績勘案率についての説明の後、審議が行われた。その結果、一部を除き案のとおり了承された。意見等の概要は以下のとおり。 ○　日本原子力研究開発機構について、もんじゅの問題は、担当の理事一人の話とのことであるが、原子力安全・保安院は機構そのものの安全体制、組織体制が大変不十分との指摘。理事が交替すれば、きちんと技術の伝承がされなければならない。安全の面においても同様。そうでないということになってくると、機構そのものの問題であり、担当理事一人の問題ではない。今回挙げられている、安全統括担当理事についても関係する事である。組織全体の問題として、もう一度審議をする必要があるのではないか。 ○　日本原子力研究開発機構については、担当の問題ではあるが、法人の文化に係る話。中身を精査しなければならないが、事実であれば、法人としての重大な話である。原子力研究開発機構役員３人については精査すべきではないか。 ○　住宅金融支援機構の理事については、業務実績が計画を下回るから0.9としているが、理由として、金融情勢によるものであろうし、建築基準法の改正もあったのであろう。実績が計画を下回っただけで0.9とするのは、いかがなものか。 ○　住宅金融支援機構の理事の業績勘案率は、2人とも0.9となっているが、証券化支援業務の実績が計画を大幅に下回ったことによる。これは、低金利という外部要因もあるが、もう一つ商品性という要因もある。低金利という状況は民間金融機関も同じであるが、機構が証券化支援業務において設定しているレートが民間企業より高くなっている。この点については、視察の際に機構の理事長にも御理解をいただいているものと認識している。これらの事情を踏まえると、0.9とすることに異論はない。 ○　住宅金融支援機構が提供する商品について商品性向上のため極端にレートを下げるなどすれば、かえって民業圧迫という議論が起こりかねない。機構は、機構の事務運営費用分の金利を0.65%にするという目標を立てており、それが計画通り下がっているかが評価されるべきである。無理やり低い金利で売ったり買ったりしたら住宅政策における独法としての役割を果たしているとは言えない。機構の事務運営費用を節約し金利を下げるという中期計画に向かってどのように進んでいるかが評価されるべき。状況によって評価の視点や軸が変わってはいけない。我々としては評価の基準というものをしっかり持っていなければならない。
   （３）	事務局から、評定区分・評価基準に関する論点の説明が行われ、今後引き続き検討していくこととされた。