政策評価・独立行政法人評価委員会(第12回)議事録



1. 日時 平成14年1月25日(金)14時00分から16時00分
2. 場所 中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室
3. 出席者
  (委員会)
     委員   村松岐夫委員長、樫谷隆夫、竹内佐和子
     臨時委員   宇賀克也、高木勇三、田辺国昭、新村保子、雨宮肇、大田弘子、
黒川行治、黒田玲子
     専門委員   木村陽子、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清、山谷清志
 (総務省)
佐田副大臣、若松副大臣、河野大臣政務官、塚本行政評価局長、
広瀬審議官、橋口行政評価局総務課長、新井政策評価官、
讃岐評価監視官、堀田法施行準備室長ほか
4. 議題
  (1) 「政策評価に関する基本方針」の報告
  (2) 平成14年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの選定等について
   (3) 政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について






○村松委員長
   それでは、時間がまいりましたので、これより政策評価・独立行政法人評価委員会の第12回の会合を開会いたします。
   本日は、公務ご多忙のところを、今月着任されました佐田副大臣及び河野大臣政務官にご出席いただいておりますので、ごあいさつをいただきたいと思います。また、若松副大臣もご出席になりますけれども、現在、国会から向かわれているということでございまして、到着次第、適切なタイミングでごあいさつをいただきたいと考えております。
   それでは、佐田副大臣、よろしくお願いいたします。
○佐田副大臣
   ただいまご紹介にあずかりました、このたび総務副大臣を仰せつかりました佐田玄一郎でございます。
   私は、平成12年には副大臣制度、政府委員制度が廃止されたときの郵政省の総括政務次官をやらせていただきました。そしてまた、このたびこういうふうな形になってまいったわけであります。委員の各先生方はよくご存じのとおり行政改革も進みまして、これからの日本の進路を決めていかなくてはいけない大事な岐路に立ち至っているわけであります。そういう中におきましても、政策の決定ということは非常に重要なことでありまして、その組織組織において、どうか先生方のご見識におきまして、これからの新たな政策の見直しを行っていっていただきたいと思っております。
   また、これから議論されることでありますけれども、今までの組織が独立行政法人に移っていくという組織が相当出てまいります。そういう中におきまして、国民のために、そして日本の未来のためにも、この独立行政法人のあるべき姿をご審議賜るのもこの組織であるわけであります。言い換えるならば大変重要な日本の方向を決める大事な委員会でもあるわけでございます。どうか先生方のご見識を賜りまして、委員長を中心にご議論いただきますよう心からご祈念申し上げまして、簡単ではありますけれども、ごあいさつにかえさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
(拍手)
○村松委員長
   続きまして、河野政務官、お願いします。
○河野大臣政務官
   このたび大臣政務官を拝命いたしました河野太郎でございます。
   政策評価並びに独立行政法人の評価というのは、中央省庁改革の中で1つの大きな柱でございますし、この委員会はその中でも大変重要な位置付けでございます。皆様の大所高所からのご審議と、総務省に対しますご指導、ご鞭撻を引き続きお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
(拍手)
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   佐田副大臣におかれましては、公務のためここでご退席になります。
○佐田副大臣
   よろしくお願いします。
(佐田副大臣退席)
○村松委員長
   本委員会の事務局に人事異動がございましたので、ご紹介申し上げます。
   熊谷審議官が異動になりまして、後任として広瀬審議官が着任されました。
○広瀬審議官
   広瀬と申します。よろしくお願いいたします。
○村松委員長
   鎌田総務課長が異動になりまして、後任として橋口総務課長が着任されました。
○橋口総務課長
   橋口でございます。よろしくお願いいたします。
○村松委員長
   それでは、議題に入っていくわけでございますけれども、本日はまず「政策評価に関する基本方針」について、事務局よりご報告をいただきたいと思います。
○堀田法施行準備室長
   それでは、ご説明申し上げます。お手元に配付させていただいております資料1「政策評価に関する基本方針」につきましては、昨年、当委員会からの答申のとおり12月28日の閣議において決定させていただきました。閣議決定に至るまでの経過について簡単にご報告させていただきます。
   昨年6月に成立いたしました行政機関が行う政策の評価に関する法律第5条第4項の規定に基づき、総務大臣が当委員会の「意見を聴いて、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない」とされていたところでございます。この規定に基づきまして、昨年9月28日、第8回委員会において以降、委員の皆様方から基本方針の検討状況についてご審議を賜るとともに、数々のご意見も頂戴したところでございます。
   昨年の12月21日、第11回の委員会の場におきまして、これらご審議の状況も踏まえた上で、片山総務大臣から「政策評価に関する基本方針の案」について諮問させていただいたところでございます。当日ご審議の上、諮問につきまして、「これを適当と認める」との答申をいただくと同時に、委員会を代表いたしまして、村松委員長から片山総務大臣に対し答申が行われたところでございます。総務省におきましては、この答申を受けまして、年内中の閣議決定を行うべく手続きを取りまして、6日後の12月27日の事務次官等会議を経まして、翌28日の閣議で当委員会からの答申どおり政府として決定したものでございます。
   基本方針の策定に当たりまして、委員の皆様方にはいろいろご意見、ご支援を頂戴し、誠にありがとうございました。改めてお礼申し上げます。今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
   私からの説明は以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   次に、平成14年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの選定等につきまして、フリートーキングということで行いたいと思います。
   まず資料について事務局より説明をお願いします。
○橋口総務課長
   それでは、お手元の資料2に基づきまして説明させていただきます。
   「行政機関が行う政策の評価に関する法律」によりまして、「総務大臣は、毎年度、当該年度以降の3年間について、政策評価に関する計画を定めなければならない」と、後ほど法律をご覧いただきますけれども、そういうふうに定められておりまして、その計画の内容、すなわち政策評価のテーマについてご検討いただくための資料でございます。今回ご意見を賜りました上で、具体的テーマを検討いたしまして、次回の委員会でその審議をお願いしたいと考えているところでございます。
   それでは、まず資料の5ページの(参考1)をご覧いただきたいと思います。12条と13条を掲げておりますが、下の第13条に、「総務省が行う政策の評価に関する計画」とございまして、「総務大臣は、毎年度、当該年度以降の三年間についての前条第一項及び第二項の規定による評価に関する計画を定めなければならない」とございます。
   第12条第1項、第2項で、総務省が行う政策の評価についての規定をしているわけでございます。第1項は、「総務省は、二以上の行政機関に共通するそれぞれの政策であってその政府全体としての統一性を確保する見地から評価する必要があると認めるもの、又は二以上の行政機関の所掌に関係する政策であってその総合的な推進を図る見地から評価する必要があると認めるものについて、統一性又は総合性を確保するための評価を行うものとする。」とございます。いわゆる統一的評価、総合的評価と呼んでいるものでございますけれども、これが1つの類型。
   それから、第2項が、「総務省は、行政機関の政策評価の実施状況を踏まえ、当該行政機関により改めて政策評価が行われる必要がある場合若しくは社会経済情勢の変化等に的確に対応するために当該行政機関により政策評価が行われる必要がある場合において当該行政機関によりその実施が確保されないと認めるとき、又は行政機関から要請があった場合において当該行政機関と共同して評価を行う必要があると認めるときは、当該行政機関の政策について、政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するための評価を行うものとする。」というものでございます。いわゆる客観性担保評価と呼んでおりますが、大きくこの2つの類型があるわけでございます。
   1ページに戻っていただきたいと思いますが、先ほどご紹介いたしました「政策評価に関する基本方針」の法律の規定を受けまして、次のように定められております。「基本方針(抄)」と書いてございますが、まず前文のところで「各府省が自ら評価を行うことが基本」とあります。それから、「また、各府省とは異なる評価専担組織としての総務省が、府省の枠を超えて、政策評価の総合性及び一層厳格な客観性を担保するため、各府省の政策について、統一的若しくは総合的な評価を行い、又は政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するための評価を行う」とございまして、先ほどの12条を受けたものになっております。そして、「これにより、各府省が行う政策評価と総務省が行う政策評価とは、それぞれに分担する機能を的確に発揮することで、内閣の統轄の下における的確な政策評価の実施を確保するものとする。」と定められたわけでございます。
   具体的には、さんIIIの2の(1)でございますが、各行政機関が実施する政策評価、それから、総務省が実施する政策評価、この両者がそれぞれ分担する機能を的確に発揮していくものとするということでございますが、このため「政策を企画立案し遂行する立場にある各行政機関は、所掌する政策について、当該行政機関の任務を的確に達成する見地から評価を行い、その決定を政策に適切に反映させ」、ここまでが各行政機関のお話です。それから、「さらに、各行政機関の枠を超えた評価専担組織の立場にある総務省は、各行政機関の政策について、政府全体としての統一性を確保し又は総合的な推進を図る見地からの評価を行うとともに、各行政機関の政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するための評価を行い、その結果に基づき関係行政機関に意見を通知し、また、必要に応じ勧告を行う」、このようになっているわけでございます。
   (2)で各行政機関が実施する政策評価、それから、(3)で総務省の評価活動について規定しております。(3)は、また繰り返しているわけでございますけれども、「政策を所掌する各行政機関とは異なる評価専担組織として、各行政機関が担い得ない、あるいは各行政機関による政策評価だけでは十分に達成でき得ない評価を効果的かつ効率的に行う観点から、評価活動を実施」するんだと言っているわけでございます。
   まず、ア、先ほどの12条の第1項に相当するものでございますが、統一性又は総合性を確保するための評価活動ということで、「総務省が行う統一性又は総合性を確保するための評価は、各行政機関の政策についての統一性又は総合性の確保に関し政府として指向すべき一定の方向性を踏まえ、行うものとする。その際、各行政機関の政策それぞれに共通する側面について統一した観点により横断的に評価し、又は複数の行政機関の所掌に関係する政策について、その総合的な推進を図る見地から、一括して、全体として評価するものとする。」と書いてございます。「これを踏まえ、次の政策について、重点的かつ計画的に評価を実施するものとする(これらの対象の選定について、総務省は、政策評価・独立行政法人評価委員会の調査審議を踏まえるものとする)。」、こういう位置づけがなされているということでございます。
   重点的かつ計画的に評価を実施するものといたしまして、1.から4.が挙げられております。まず1番目でございますが、法令や閣議決定等に基づき政府全体としての取組が求められている主要な行政課題に係る各行政機関の政策。2つ目に、行政機関に共通的な行政制度・システムを活用する政策。3つ目が、複数の行政機関の所掌に関係する政策であって、法令や閣議決定等に基づき政策の総合性の確保に関する目的や講ずべき措置が明らかになっている主要なものとされております。4番目で、その他、1.から3.までに掲げる政策に準ずるものとして、国民からの評価に対するニーズが高く、統一性又は総合性の確保に関し緊急に採り上げて機動的に評価を実施する必要があると認められるもの。総務省の行う評価活動の1つ目、統一性、総合性を確保するための評価としてこのように定められているということでございます。このようなことから、統一的、総合的評価を行うということでございます。
   それから、枠書きの下でございますけれども、今申し上げました1.の「法令や閣議決定等に基づき政府全体としての取組が求められている」もの、2.の「行政機関に共通的な行政制度・システムを活用する政策」の例として、検査検定制度、特別会計制度、あるいは、PFI法といったものがこの類型としては挙げられるのではないだろうかと考えております。3つ目の「複数の行政機関の所掌に関係する政策であって、法令や閣議決定等に基づき政策の総合性の確保に関する目的や講ずべき措置が明らかになっている」ものの例といたしまして、閣議決定等を挙げております。政府開発援助大綱、少子化対策推進基本方針、循環型社会形成推進基本法、高齢社会対策大綱といった閣議決定等に基づく総合的な政策が3.に当たるのではないかということでございます。
   次のページにまいりまして、こういったものに関連して、緊急性を有する行政課題を大きく分野で分けていったものとして、平成13年の「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」の中で、構造改革のための改革プログラムを踏まえて、平成14年度予算において重点的に推進すべき分野として、循環型経済社会の構築などの環境問題への対応、少子・高齢化への対応等々の7つの行政課題が挙げられておりますが、こういったことも参考になるのかなということで挙げております。このような基本方針を踏まえまして、今後、統一的、総合的な評価を行うことが適当と考えられる政策としてはどのようなものが考えられるのであろうかということについてご示唆いただければありがたいというのが第1点でございます。
   それから、4ページは、法律の第12条第2項に該当する客観性担保評価でございます。これについても、基本方針においては評価専担組織としての総務省が行う活動といたしまして、各行政組織が担い得ない、あるいは、各行政機関による政策評価だけでは十分に達成できない評価として、次のようなものを挙げております。イの下からでございますが、「政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するための評価について、次により重点的かつ計画的に一連の評価活動に取り組む」とされております。
   1.で、「各行政機関が実施した政策評価について、その実施手続等の評価の実施形式において確保されるべき客観性・厳格性の達成水準等に関する審査」ということで、評価活動の1つ目として審査ということが挙げられております。
   2つ目として、「各行政機関が実施した政策評価のうち改めて政策評価が行われるべきもの又は社会経済情勢の変化等に的確に対応するために政策評価が行われるべきものに関する評価の実施の必要性の認定」。改めて評価を行うべき評価の認定ということでございます。これについては括弧書きでございますけれども、「委員会の調査審議を踏まえる」、それから「改めて評価を行うことの必要性等について、関係行政機関から説明及び意見の聴取を行う機会を設ける」とされております。
   3つ目のステップといたしまして、2.に基づき「政策評価を実施すべき旨を通知した場合において当該行政機関に委ねていては評価の客観的かつ厳格な実施が確保されないと認めるときに実施すべき評価(当該評価の実施に関し、委員会の調査審議を踏まえる。また、関係行政機関からの説明、意見の聴取を行う)」というふうになっております。このように、まず外形的な審査、それから、改めてやるべきかどうかの認定、そして、委ねていては実施が確保されないと認めるときの評価の実施というふうになっております。
   4つ目が、行政機関からの要請を受けて行う場合ということで、「共同して評価を行う必要があると認めるときに実施する評価」、こういうふうな形で客観性担保の評価を行うということでございます。このような客観性担保評価につきましては、まずは各府省においてどのような政策評価が実施されているのを見つつ取り組んでいくことになると思われますけれども、その取組方はどうあるべきかということでございます。
○村松委員長
   ただいま若松副大臣が到着されましたので、ごあいさつをいただきたいと思います。
○若松副大臣
   皆様、初めまして、このたび総務副大臣を拝命いたしました、衆議院議員の若松謙維です。委員の皆様のご協力にまずもって感謝申し上げます。
   私は、2年半前になるでしょうか、当時は行革特別委員会で初めて提言させていただき、それ以来この法律の制定に誰よりも執念と情熱を持ってやってまいった次第でございます。村松委員長はじめ、総務省の方では塚本局長等にも一生懸命やっていただきまして、いよいよ今年の4月から施行ということで、この成果を期待している一人でございます。私としては何点か皆様に期待したいことがございます。
   ご存じのように、日本の行政評価法というのは、アメリカのGPRAと比べてその範囲も広いし、ある意味で新しいやり方になるか、それともダッチロールになるか分かりません。特にアメリカのGPRAを見ますと、それぞれの評価、いわゆる報告書ですね、報告書についてはインスペクター・ゼネラルという外部の方がしっかりチェックしている、そこら辺が私ども立法者としてはかなりこだわったわけですが、現実にはそれを法制化はしておりません。それがゆえに、委員会の皆様にはその役割を、まさに第三者のチェック機関という使命を十分にご自覚いただいて、ぜひ厳しいご意見をいただければと。あわせて、これから報告書ができるわけですが、そこに委員会のお墨付きがなければ外に出すものではないと、そのぐらいにこの委員会の位置づけは大きいと理解しております。
   それから、副大臣会議が毎週行われているわけですが、各省庁におかれましても、行政評価の意義をもっと徹底していただくために、副大臣会議の中にプロジェクトチームをつくってまいりたいと思いますので、それぞれの担当の委員の方もいらっしゃると思いますので、各副大臣と連携をとっていただきながら、各省庁での成果のある行政評価制度というものをお願いしたいと思っております。また、これも法律に触れておりますが、何のために政策評価を行うかと言いますと、予算への反映がなければ、尻切れとんぼになってしまうということで、一定期間の政策評価をいかに次の予算に反映させるか、これが大事なポイントでもありますので、これについても委員の皆様方のご理解をお願いしたいと思います。
   今後、この行政評価制度に基づいて発表するものをどうするかということですけれども、国民に分かりやすい数値化というんでしょうか。これは口で言うのは簡単ですが、例えばアメリカの社会保障局で出した年金の過払いをどのくらい減らすかとか、具体的な数値を国民にいかに示すか、そのためにどういう評価制度に結びつけていくか。そういう数値化をぜひお願いしたいと思っております。
   最後に、行政評価制度は、今、世界では日進月歩の新しい制度であります。一方、ニューパブリックマネジメント、これもまたいろんな事例があるわけですが、委員の皆様方には諸外国の動向をしっかりと見据えた上で、日本にとって何がベストなのかという、常に世界との評価というものを把握していただきながら、これから始まる行政評価制度の世界トップクラスの制度確立のためにご尽力をお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、引き続きまして、ご説明をお願いいたしまして、その後フリートーキングということにいたします。
   よろしくお願いします。
○橋口総務課長
   それでは、続けさせていただきます。
   4ページの「3   政策評価の方法に関する調査・研究・開発」でございます。調査・研究・開発につきましては、2行目からでございますけれども、基本方針におきまして、「「事前評価に必要な政策効果の把握の手法その他の事前評価の方法の開発」、「政策効果の把握の手法の信頼性や精度についての調査及び研究」、「類似事業間における評価指標や政策効果の把握の手法の共通化のための調査及び研究」等について重点的に取り組む」とされております。これらを含めて調査・研究・開発を急ぐべき分野・事項としてどのようなものがあるかということでございます。
   以上、漠とした問題提起で恐縮でございますけれども、こういった点についてご意見を賜れればありがたいということでございます。
   なお、資料の6ページ以下をご覧いただきたいと思います。「平成13年度行政評価等プログラム」ということで、昨年度のプログラムをおつけしておりますので、参考にしていただければと思います。
   説明は以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、「平成14年度の行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの選定」につきまして、昨年は既に我々が任命されたときには活動は出発していたということもありまして、その点についてのご意見もございましたが、今年はこういうことでご相談を受けているわけでございますので、この中身であれ、対象であれ、方法のことであれ、どうぞご自由に議論をしていただきまして、それを吸収していただくということになるんだろうと思います。どなたからでもお願いします。
   どうぞ。
○竹内委員
   今ご説明いただいた「行政評価等のプログラム」の問題と、先ほどいただいた、新しくできた「基本方針」にややまたがっている部分なんですけれども、総務省がこれからやっていく政策評価のポイントとして、総合性と統一性というのを何度も強調されて、こういうことをどういう切り口で攻めていくかということなんですが、幾つか気になっているポイントがございます。
   まず1つ目は、例えば経済的側面から言えば、公共サービスの競争的な環境がどのぐらいあるかという競争政策的な側面ですね。つまり、公共サービスというのは、一般市民一人一人に対して言いますと、独占的な性格を持っているわけです。サービスとか質とか価格、そういうものについての評価は極めて難しい。逆に、市民一人一人がそれについて何らかの申し立てをするということは非常に難しいわけです。
   これは苦情処理という窓口と書いてありますけれども、その場合に、どういう形で司法との連携をとるのか。これは政策評価という範囲に留まっちゃっているんですが、本来ならば司法的な手続きにおいてももっと使いやすいシステムがあってもいいんじゃないか。裁定までいかないまでも、行政サービスに対する申立てに対して司法としてどのくらいのことができるのか。それから、公正取引委員会について、例えば学識経験者のいろんな活動を活かすと言っているんですけれども、本来、地域公共サービスあるいは公共事業の問題については、様々な点で反競争的なんですね。反競争的というか、透明性の低い入札、あるいは、価格の設定、積算等々が引っかかっているわけですが、こういう問題が公正取引委員会では十分扱われていない場合に、だれがどのような実施体制でこういう問題を扱っていくかという、経済的側面についての公取との関係をきちっとチェックしていただけないかと。
   統一性と総合性と言っておられるのは、地方分権との関係で地域性との関係をどうやって整理していくのかと。つまり、政策の効果というのは現場に現れているわけなので、中央省庁から見て分かるようなものではないものがたくさんあるわけで、それぞれの地域において公共事業の効果がどうであったのか。地域との関係で道路がどういうメリットをもたらしているのか、あるいは、使われてないのか、そういう地域性との関係で評価をどうやって行っていくか、この部分ですね。これは分権との関係ですけれども、誰がどのような格好でやるかということについて検討しなきゃいけないんじゃないかと。
   最後に社会的な問題、例えば生活保護とか社会福祉とか基本的なミニマムの問題なので、公共サービスという以上、そういうサービスがあまねく国民に行き渡っているという意味では排除されてないということが必要なんですけれども、逆にそれを考えるばかりに過剰なサービスが一つの結果として再配分のプロセスで起こっているのかいないのか。これは予算との関係だと思うんですが、全国の様々な公共事業、所得の再分配を通じて、日本の場合には比較的経済力の低いところに再分配が行われているわけで、政策効果以上に再分配がされているケースもあるんじゃないか。つまり、公共サービスはあまねく届くことが重要なんだけれども、逆に届き過ぎている場合はどうやってチェックするのかというような、社会的弱者の問題というか、弱者に対してオーバーな配分がなされているような問題をどうやってとらえていくのか。
   したがって、評価という場合、経済的側面、社会的側面、それをスキームとして司法がやるのか、公取との関係をどうするのか、その辺について基本方針を見るとそこが弱いので、何を視点として評価するかということについて、統一性と総合性ということだけではカバーしきれない、利益相反というか、利益のバランスみたいなものをどうやって入れていくのか、そこを検討していただきたいと思います。
○村松委員長
   法的な制度論だけから言えば、地方と国の分担というのはルールがあるわけですね、どの地域で行われようとも国の任務はあります。司法によるものはどういうものかということについてもルールがあるわけですね。だけど実体もありますし、統一性、総合性、客観性担保ということで、総務省の行政評価あるいは政策評価が行われていくわけですね。ミニマムの問題は、ミニマムをやりすぎるという領域があったとして、どういうことがあるかと。その辺の法的な制度は明確なんだろうと思うんですけれども、実際上やってみて、あるいは想像してみて、今ご指摘のようなことが我々の基づいている法律と基本方針によってどれだけカバーできるかと、そういうことでしょうかね。
   事務局から何かご検討のことなどありましたら、ご発言いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
   どうぞ。
○塚本行政評価局長
   ただいまのご指摘につきましては、統一性、総合性、そのものは政府の中で各省が行う分と私どもが行う分というところの役割分担の一つの基準として書かれておりますが、ポイントとしてもう1つ、今、竹内先生のご指摘になったような要素をどのように組み入れ得るかという点で、先ほどご説明申し上げましたペーパーの2ページをご覧いただきますと、上から2行目に「統一性又は総合性の確保に関し、政府として指向すべき一定の方向性を踏まえ、行う」とございます。恐らくご指摘いただいたものの相当な点は、こうした政策として指向すべき方向性ということで議論をし得るところがあるのではないかということだと思います。
   一方におきまして、そうした点が今後生成するものでありますと、「一定の」というところまででき上がっているかどうか等々、これもまた評価を始める場合に議論になり得ると思いますけれども、ご指摘の点について私どもが受けとめさせていただくとすれば、このサイドで十分研究させていただきたいなと思っております。
○村松委員長
   そういうことでよろしいでしょうか。
   木村委員と吉野委員の順でお願いします。
○木村専門委員
   それでは、何点か申し上げます。
   第1点は、2ページの複数の行政機関の所掌に関係する政策のところで、少子化対策を例に挙げますと、これを評価する場合に少子化対策といってもいろんな目的があるわけですね。例えば少子化によって起きていると思われる子どもの健全な育成というところで起こっている問題、あるいは、社会全体で見たら財政とか年金によって起こっている問題、すごく多方面にわたるわけですから、そういったものを一つ一つ重要なものからピックアップすることが重要だと思うんです。もう1つ、政策評価をするときに目的との整合性もあると思うんですが、これをもし人口増加策につなげるということであれば、世界的にもまだはっきりしていないことがあるので、横断的にする場合には1つで括ってあっても、幾つかにブレークダウンしていって、今の時点で評価できるものと、長期的に何十年あるいは百年ぐらいかかって評価しなければならないものと、きちんと区分けする必要があるのではないかということが第1点です。
   第2点は、その上の方の、今ご説明くださいました(イ)の1.に関するものですけれども、例として挙げられております特別会計制度が政策の例となり得るかどうかということについては、私は個人的には疑問に思っています。むしろこれは一つの手段というか、政策を達成するための一つの仕組みに過ぎないのではないかと思います。ですから、特別会計制度を評価するのであれば、当然のことですけれども、評価する別の評価軸をはっきりさせるというか、特別会計制度ができたら柔軟性が保てるとかいろんなメリットもあるわけですが、今出てきているのは透明性がかえって分かりにくくなったとか、いろんなことがあるわけですね。ここで2点申し上げたいと思うんですが、政策として例としているのは奇異な感じがするということが第1点で、あくまでも何かをするための手段ではないかということです。むしろ例に挙げるのであれば、何らかの政策のために目的との関係で特別会計制度を例として出してくださる方がいいんじゃないかということです。
   その2点です。
○村松委員長
   それでは、これについて事務局からご説明いただいてから、吉野委員のご発言をいただきたいと思います。
○橋口総務課長
   今、木村先生からご指摘いただきましたが、ちょっと言葉足らずであったかなと思います。検査検定制度、特別会計制度とぶっきらぼうに置いておりますけれども、この場合は特別会計制度そのものを政策として見ているというわけではございませんで、特別会計が国が特定の事業を行う場合等、一般会計とは別の制度として目的を達成するために用いられている。そういう制度を使って行われている政策について見ると、ここの上に「共通的な行政制度・システムを活用する政策」と書いてございますが、共通的な行政制度・システムの例として書かせていただいたというふうにご理解いただければありがたいと思います。
○村松委員長
   少子化問題についてのご指摘はたくさんの示唆のあることで、よくこなしてやりたいということだろうと思います。
   吉野委員、どうぞ。
○吉野専門委員
   幾つかコメントさせていただきます。
   1つは、3ページの一番最後の「今後統一的評価・総合的評価を行うことが適当と考えられる」ということ、あるいは日本が抱えている問題に関してなんですが、この中で上のところで7つほどポイントがございまして、4番目のところに都市再生と都市の魅力と国際競争力と、国際競争力がここだけに入ってきているんですね。日本の今一番の問題は、日本の国力が低下している、あるいは、日本の国際競争力が低下しているということが大きな問題ではないかと思いまして、そのためには行政がどういう形で民の国際競争力を高めることができるか。例えば、強い製造業は外に出ていく中で、日本国内に残った金融業、サービス業、建設業、農業、こういうのが国際競争力を持たなければ、私は個人的には日本経済の再生というのは長期的にないと思うんです。そうであるとしたら、国際競争力というのはもう1つぐらい項目があってもいいのかなという気がいたします。そのためには行政が何をしたら民間の国際競争力をつけられるかということです。
   2番目は、統一的、総合的な評価で、前から何度でも質問させていただいているんですが、各省庁は部分均衡で最適化を考えられていますし、それを統一して考えれば一般均衡になると思います。そうしますと、必ず答えは違うわけです。違ったときに、例えばこの3番目の地方の個性ある活性化と、ある地域が非常に活性化したが、隣の県はそれによって吸収されてしまったと。それはその地域で見ればその政策が非常によかったわけですが、日本全体で見れば別に大した変化でもなかったかもしれない。それを統一的に見た場合にどう判断するか。これはすべての政策に関して言えることではないかと思います。例えば農家を保護すれば、日本全体にとってはあまりいいことでないわけです。そういうときに、最後のところの評価をどういうふうに考えられるのか。
   3番目は、政策目標を立てる場合には政策手段がそれぞれあるわけですが、政策手段が例えば法制によってなかなか変更できない、それから、ある政策手段はその省庁だけで動かすことができると。政策によっても政策手段が1つだけではない。ですから、政策目標の、例えばこの7つの場合に政策手段は何かというのも右側に載せていただくと、その対比がよく分かると思います。そうであれば、目標がなかなか達成できない場合にはこういうバリアがあるということが分かるような気がしますので、目的だけではなくて、どういう政策手段を使ってそれをやるべきかということを、ここで具体的に今後示していただければと思います。
   それから、一番最後のところだったと思うんですけれども、これから計量手法とかいろんな手法を使っていくと思うんですけれども、どういう場合にどういう手法を使えばいいのか。ここに7つございますけれども、定量的あるいは定性的な評価をする場合に、どういう手法がそれぞれの場合に一番適切なのかというのもお示しいただいた方がいいのではないかと思います。
   以上です。
○村松委員長
   7つの内容自体は閣議決定ですから、その趣旨に合うように評価のレベルで受けとめるということだろうと思うんですが、政策手段について計量的な手法を含めて政策との関連で詰めていけるというご指摘だろうと思います。
   現段階で事務局として何かお考えになるようなことはございますか。
○塚本行政評価局長
   まず、今、委員長ご指摘の点につきましては、今回はテーマとして注目すべき分野とか、そういう点についてのご示唆をいただきたいということでこれを用意しておりますが、この前も行いましたように、具体の政策評価のテーマにつきましては、それとしてもとより目的と手段の関係についてもご提示申し上げ、それを踏まえた上で個別のご示唆をいただくということを考えておりますので、この紙に関する限りはそういうことができていない点をご理解いただきたいと思います。
   それから、各省と総務省均衡の問題につきましても、端的に申しますと、先ほど申し上げた一定の方向性という表現をしているところで、政府としてどのようなこなしがあるのかという点を見極める、詰めるということになろうかと思います。ご指摘のような点があるわけでございまして、評価の基準あるいは物差しを定める上で、その点が課題になってくるだろうと、テーマによりましてはその点が進めるための非常に大きな前提にもなろうかと、そういうご示唆として承らせていただきました。
○村松委員長
   樫谷委員、どうぞ。
○樫谷委員
   前回、政府系金融機関についての中間報告をいただいたと思うんですが、あの中で横断的、統一的、あるいは、総合的という言葉がありましたけれども、あれは政府系金融機関を狭いターゲットになっているわけですね。ところが、金融機能はもっといろんなところであるという話が出ましたけれども、せっかくやるんでしたら、横断的、統一的にやるわけですから、もう少し広くとらえた切り口でやらないと、結果的に全体の中のある部分だけを分析して主張しても、残りの部分で尻抜けになってしまうんじゃないかと思うんですね。
   そこで、平成13年1月から実際にいろんなことをおやりになっているわけですが、その中に今度テーマを選ぶときに参考になるようなことがありましたら、お聞かせいただけたらと思います。
○村松委員長
   どうでしょうね。
○樫谷委員
   まだ途中なんですかね。
○村松委員長
   今までのところで何かご発言いただけるようなことはあるんでしょうか。
○塚本行政評価局長
   今ご指摘いただきましたよりどころは、8ページの(別紙)でございます。平成13年度のところをご覧いただきますと、これらについては着手した時期は異なっておりますけれども、現在進めているものでございます。どのようなことができたか、経験から申しますと、政策の目的を規定すると。それから、横断・統一でございますので、冒頭に竹内委員からご指摘のあった切り口についてどのように定めていくか。その点については、先ほど触れました「一定の方向性」という表現になっておりますが、そこのところを総務省ならではという形で、各府省にまたがり、あるいは、各省全体で取り組んでいる政策の改善に至るような切り口をどうしたらいいのかという点については、率直に申しまして、それぞれを進める中で悩みがございます。
   と同時に、切り口を見つけたといたしましても、先ほど現実に政策は末端で行われている、国、中央省庁では必ずしも分からないというご指摘がございました。その点について申しますと、評価局というのは全国に調査部隊を持っておりますので、そうした実態調査も武器にして、この切り口に該当する実態、あるいは、それに該当する指標みたいなものを見つけて議論をしていこうということになります。その意味での一定の方向性を具体的な基準あるいは尺度に対応するような形に翻訳していく、この点についてもなかなか難しい点があるなということを感じたところでございます。今始めました政府金融機関も、樫谷委員ご承知のように公的資金供給のあり方ということで広げてはおりますが、この前ご指摘があったようにほかの形、ほかのツールもございますから、その点についてはトライアルということでご理解いただければと思います。
   いずれにしても、お尋ねのありました点から言いますと、各府省の個別分野である以上に、私どもは統一、総合というある意味で新しいアプローチでございますので、今申し上げた点でなかなか苦労をいたしております。この点は今後、テーマが具体に決定した後の個別の調査計画のご審議のときに改めていろんな形でのご示唆、ご助言をぜひお願いしたいと思っております。
○村松委員長
   大田委員、どうぞ。
○大田臨時委員
   昨年から歳出改革が本格的に取り組まれておりますし、予算編成も変わってきてますので、この政策評価はかなり待ちわびているところがありますので、ぜひ踏み込んだと言いますか、納税者の何かおかしいと思っているところに答えるようなものを出すことが大変重要だと思います。その観点から3つ申し上げたいと思います。
   まず第1に、各省庁が自ら踏み込みたくないところに踏み込んでいくと。例えば整備新幹線ですね、何度も整備新幹線を申し上げて恐縮なんですが、踏み込まれたくないところを、やっぱりおかしいじゃないかということで再評価を求めるとか、あるいは、個々の地域でとったときに、新幹線の需要予測のときは空港を使っている人はみんな新幹線にくるような需要予測を立てて、空港の評価では新幹線の人がみんな空港に行くような、相互に整合性がとれないものを各地域ではやっているわけで、そういうところに踏み込んでいくということが重要だと思います。
   2番目に、複数の省庁にまたがるところは、その切り口をかなり工夫していく必要があると。例えば、公共事業で言いますと下水道ですね。国土交通省とかつての厚生省、農水省がやっているいろんな下水道を横断的に評価する仕組みをこの委員会ではつくっていかなきゃいけないんだと思うんですね。どうしたら費用対効果がそれぞれの地域で上がっていくのかということを横断的に評価するものを考えていかなきゃいけないし、道路でも一般道と農道が並列して走っているわけで、そういう横断的な評価ができるものを、すぐにはできないにしても、何か工夫していかなきゃいけない。それから、複数にまたがるという意味では、ODAも何で4つも5つも省庁が分かれてやっていてうまくできるんだろうという疑問があるわけですね。ODAというのは日本にとって非常に大事だと思うんですけれども。そのためには私自身は一元化することが必要だと思うんです。分かれていることの意味は何なんだというようなところに踏み込んでいけるような評価ができるといいなと。
   それから、3番目に、木村さんもおっしゃいましたが、目的と手法を常に考えませんと、少子化とか情報化というのは、それさえ言えば予算がとれるみたいなところがあって、本当にそれが少子化対策になっているのか、なってないのか分からないまま、ころころ政策が変わっているというところがありますので、お題目、名目になっているものが本当に効果を上げているのかどうかというところまで踏み込んでいく必要があると思います。
   以上です。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   黒田委員、どうぞ。
○黒田臨時委員
   自分の専門に近いところというと人材育成と教育という7つの重点分野の中に書かれている一つなんですが、これはスパンが長いということですので、何か政策、施策をやっても、その結果がすぐ出るわけではないという難しさと、1つの省庁に関わっていることが多いというふうにとらえられると思うんです。評価をするときに予算への反映だけではなくて、施策へも反映できるといいなということで考えてみると、例えば幼稚園とか保育園というのは同じ年代層なのに管轄の省庁が違ってきて非常に不思議な現象が起きているわけですね。ですから、何もないように考えながらも、現場で見るとすごく不思議だと思うところがあると思いますので、現場での、いわゆる市民感覚から見ると不思議だという点から吸い上げていく、予算だけに反映されるということではなくて、施策にも反映できるような切り口があるのではないかなと思います。
   一例を思いつくまま挙げてみました。よろしくお願いいたします。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   河野政務官はお時間ですので、退席されるということでございます。
(河野政務官退席)
○村松委員長
   今、2人の方から種々ご提案をいただきましたけれども、議論を続けたいと思います。ほかに何かございますか。
○若松副大臣
   ちょっとよろしいですか。
○村松委員長
   政治家の方がご発言になるのは、受けとめる方がなかなかしんどいものがあるんですけれども、どうぞ。
○若松副大臣
   立法した当事者として、委員の皆様から大変貴重な、また実際にやるにあたって難しいご指摘もいっぱいありました。行政評価制度、政策評価制度と言うわけですが、どうやったらうまくいくのか、例えば竹内委員のお話は非常に難しい問題提起で、これを咀嚼するにはかなり時間がかかるなという認識と、大田委員の場合にはやや横断的ということですよね。それは黒田委員とも似たような話で、国民の側から見ると政策評価の結果というか成果が出るようなところを期待していると思うんですね。
   基本方針を見ると統一的とか総合的とか一体的とか、この言葉に惑わされちゃって、基本方針がなかなか分かりにくいんです。立法した私が分かりにくいんですから、ほかの委員はほとんど分からないと思うんですね。議論が非常に難しくなっておりまして、具体的にどういうものをやっていくかという議論を、どちらかというと置き去りにして、文章を仕上げようという、文章のためにやっているなという印象を受けてならないんです。ですから、そのためにも各省庁ごとにいろいろやるんでしょうけれども、総務省としてはこういう文章じゃなくて、どういうものをつくるんだという見える形に対して、委員の方がおかしいとか何とかっていう相互交流の議論を、やってきたかもしれませんが、文章を見ている限りはそういう形跡は見えないんですね。
   ちょっと期待とはかなり違うなという思いで、かえって議論を混乱させて恐縮なんですけれども、率直にはそう思っております。これからやるんでしょうけれども、先ほど申し上げた統一性とか何とかいう言葉で縛っちゃうと現場はやりにくいし、バランスの議論をしたって、やってみないと分からないわけですから、それよりもどういった事例を、何をやろうかという具体的なものをテーブルに載せて、それに対して皆さんで議論して、優先順位をつけていくと。そして、早く察知すると、そういったところにエネルギーを使っていただきたいなと、勝手な意見ですけれども、時間をいただきましたので。
○村松委員長
   いいえ、重要なご指摘でございまして、ありがたく思います。
   どうぞ、樫谷委員。
○樫谷委員
   そういう意味で、過去の事例をもう少し教えていただくと。例えば、ここに特別会計の機能の見直し、特許とか登記とか書いてあるわけですが、今おやりになっていて、こういうことをやって、こういう切り口でこうやっていて、こういうところに困っているんだと。じゃ、ほかにもそういう類似があるじゃないかとか、そういうようなことも次に選ぶときのヒントになっていくと思いますので、できればそういう事例もどこかでお示しいただいた方が、皆さんにとってはどうか分かりませんけれども、私にとっては具体的な方が、あ、そうなのか、じゃこういうふうなこともあるなというお話もできるんではないかということで、そういうことをお聞きしたということです。
○村松委員長
   そういう内容であり、ビビッドなところで我々も議論すべきなんでしょうが、事務局にすればやるところまでやらないと、途中でなかなか手の内は明かせないとかいろんなことがあるんだろうと思うんです。
   はい、どうぞ。
○塚本行政評価局長
   その点につきましては、今、委員長から私どもの内情を推し量ったお話もございましたが、次回このプログラムの具体的取りまとめに関する審議をお願いいたしますので、その際にそのような工夫ができないかどうか、よく準備したいと思います。よろしくお願いいたします。
○村松委員長
   ほかの方いかがでございましょうか。
   それでは、新村先生にお願いして、その後、10分間ほど休憩したいと思います。
○新村臨時委員
   よく分からなくてごめんなさい。今日の議論は抽象的な議論がされていて、どういう意見を言ってよいのかが分からなかった理由は、平成13年度の行政評価プログラムの14年度版をつくるにあたっての意見ということでよろしいんでしょうかという質問でございます。そのときに、これは3年計画を毎年つくられるわけですね。ということは、それはローリングプランという意味なのか、それとも全然別のプランで、例えば私は経済協力についてやってほしいと思っていたならば、もう既に載ってますねというようなのは、もう言う必要がないのか。要するに、この3年プログラムは厳然としてやっていて、さらに新しいプログラムを14年度でお作りになるのかどうかというところをお教えいただきたいと思います。
○村松委員長
   それは多分新しいこと……。
   どうぞ。
○橋口総務課長
   8ページの後ろをご覧になっているのかと思いますが、これまでも3年間のローリングプランということで毎年毎年の見直しをやりながらやってきております。したがいまして、今回はこのうちの政策評価についての14年度、15年度、16年度について取り上げるべきテーマはどういったものがあるのだろうかということでご議論いただきたいというつもりでございました。説明が不十分で恐縮でございました。
   それから、経済協力についても、単年度だけでは終わらない部分、切り口もあろうということで、現に13年のプログラムについては3年間上げております。こういうことでございますので、その問題についても、こういう観点で見たらどうかとかいうようなご意見を賜れればありがたいということでございます。
○新村臨時委員
   そうすると、ここにあるものの14年度の見直しから意見を申し上げてよろしいわけでございますか。そうすると、今、樫谷先生がおっしゃったように、今どういうふうな形で進んでいるかというご提示がないと議論ができないですよね。議論の進め方が私には理解ができなくて、これと独立にこういうのもやってよと申し上げてよいのか、それともこれをこういう切り口でというふうに申し上げてよいのかがあまり把握できないで、この場に座っていることに非常に苦しくなったもので質問しているわけでございます。
○橋口総務課長
   私どもの気持ちといたしましては、今回法律に基づく計画をつくらないといけないということでございますので、それも何もないところからということではなくて、13年度のプログラムをもとに見直しをしていくということでございますが、ご意見をいただいた上で、14、15、16年度としてはどういうものが考えられるであろうかということを、私どもは持ち帰って検討した上で、来月もう一度それをお示しさせていただいて、またそこでご議論いただいたらどうだろうかと考えているところでございます。
   今、新村先生がおっしゃったようなことは、ぜひいろいろお聞かせいただきたいというつもりでございます。
○村松委員長
   ご意見はさらにおありかもしれませんが、ここで10分間ほど休憩させていただきたいと思います。
   今、私の時計で8分ですので、18分ぐらいから始めます。よろしくお願いします。
(休憩)
○村松委員長
   それでは、再開したいと思います。
   もう1つの議題であります「政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について」の審議でございます。これにつきましては、12月の委員会におきまして、組織全体のパフォーマンスを、マネジメントとか財務内容まで考えていかなければならないのではないかとか、新たにたくさんの特殊法人から独法として移されてくるものもあって、これへの対処をどう考えているのかとか、効率という議論以外に、サービスの質の向上ということを考えなければいけないのではないかとか、どの程度我々が各府省評価委員会の評価に関する情報に直接的にタッチするのかというような、いろいろなご指摘、ご意見がありました。その後、事務局で検討していただきまして、本日の資料になっているんだと思います。
   讃岐さん、よろしくお願いいたします。
○讃岐評価監視官
   それでは、ご説明いたします。資料3「政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について(仮称)」でございます。
   前回の議論を踏まえまして、内容の充実を図り、また、全体の構成を整理いたしました。なお、ご意見があればいろいろ伺いまして、2月22日、次回にも審議の時間をお取りするようにして、取りまとめの審議を行っていただくことと致します。全体の構成、それから、充実させた点を中心にご説明したいと思います。
   1といたしまして、政策評価・独立行政法人評価委員会の任務ということで、(1)に「独立行政法人の評価に関する制度の基本」ということを書いております。独立行政法人の設置の目的としまして、1つには法人の運営にできる限り自律性、自主性を与える、その一方で、業務の実績を事後的に評価する、それによって国民の求める業務運営の効率化とサービスその他業務の質の向上を図っていこうという目的の下に設置された制度でありますから、事前統制から事後評価に重点を移すという制度である。したがって、事後評価を客観的かつ厳正に実施していくことが極めて重要であろうと。そこで、評価の仕組みといたしましては、各府省に評価委員会が置かれ、まず各府省の独立行政法人の業務の実績を評価し、それに加えて総務省のこの委員会ですけれども、各府省の評価委員会の評価結果に対して必要があると認めるときに意見を述べることができるというものでございます。
   既に、(2)の当委員会の任務のところにまで踏み込んでご説明をいたしましたけれども、(2)のさらに括弧書きにもう1つ、この委員会の大きな仕事といたしまして、「独立行政法人の中期目標期間の終了時において、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関し主務大臣に勧告する」ことができるということがあります。
   2といたしまして、評価の方針でございます。(1)の「評価の対象」ですけれども、今申し上げましたように、当委員会の評価の対象は各府省評価委員会が行う評価の結果であります。この評価というのは、1つは、事業年度ごとに評価する。もう1つは、中期目標期間の終了時に評価をする。その結果を対象として評価を行うというものでございます。
   (2)の「評価の実施方法」ですけれども、アとしまして、実施方法の基本ということで、1つには各府省が評価をするに当たって評価基準を定めることとされておりますが、その定められた評価基準に適合した形で適切に評価を行っているか。また、評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものになっているか。それについて点検を行うことを基本とするということであります。さらにこれに上乗せして、全政府レベルの評価機関であるということでありますから、横断的、全体的に評価結果を見るという仕事があるわけですけれども、それについては後の方に書いてございます。
   (ア)といたしまして、各事業年度ごとの評価についてどのように行うのか。その下に(a)と、次のページに (b)とございますけれども、(a)各府省の評価結果というのは、1つは中期計画の実施状況の調査及び分析。中期計画で個々に具体的な措置として、この年度に何をすると書いていることについて調査し、分析し、A、B、Cと判定をつけるというものがございます。これについて、1.評価基準に適合しているか、2.評価の内容は妥当なものになっているか、これについて点検を行う。3ページの (b)ですが、もう1つは、これらの調査及び分析の結果を考慮して、当該事業年度における業務の実績の全体、法人の実績の全体について総合的な評定を行う。この2つのパーツからなっているわけですけれども、総合的な評定の部分についても1.と2.は前段とパラレルですが、評価基準適合性と内容の妥当性のチェックを行う。
   そして、3.で、先ほど申し上げた横断的、全体的な評価ということで、ここは読み上げさせていただきます。「その上で、全政府レベルの評価機関である当委員会として、各府省評価委員会の評価結果を全体的、横断的にとらえた結果、例えば一部の独立行政法人の評価について採られているある一定の視点、手法等で……」、例えばこの委員会で議論になったことで言いますと、単位費用を設定してコストを踏まえた評価を行っているか、あるいは、財務内容全体の改善をとらえているか、適切・可能な場合にベンチマーキングのような手法をとっているか、マネジメントの向上を図っているか。例えばそうしたものがあって、「これが採り入られることが評価の実効性向上のため必要かつ有効と認められるものがある等の場合には、当該独立行政法人の」業務の特性、これについては独立行政法人にも試験研究機関とか検査検定機関、また、試験研究でも様々な分野があるわけですけれども、そういった「業務の特性等を勘案しつつこれを加味した点検を行う」という実施方法により評価をしていこうというものであります。
   (イ)は、中期目標期間全体に係る業務の実績の評価も同じようにやっていこうということであります。
   さらに、その下に括弧書きがありますけれども、具体的な点検項目については、別紙の形で取りまとめようということで、その内容は次回の委員会でお諮りしようと思っております。
   次に「イ   資料の収集等」でございますが、これは新しく書き起こしたところであります。「評価の実施に当たっては、次により、必要な資料の収集等を行う。」「当委員会の所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、独立行政法人の主務大臣又は独立行政法人の長に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求める。」もう1つ、「所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、独立行政法人の主務大臣又は独立行政法人の長以外の者に対しても必要な協力を依頼する。」これは「中央省庁等改革の推進に関する方針」に明定されているものでありますが、これによって資料を収集することにより、上で述べた点検、評価作業を実効性あらしめるようにしていくということを確認的にここにきちんと書いておこうということでございます。
   「3   評価の結果及び公表」ということで、(1)として、当委員会が各府省評価委員会の評価結果を評価した結果、当委員会が必要と認めるときに意見を述べる。その際、その意見は公表する。また、年度を通じた当委員会の評価の結果、評価の結果というのは基準適合性とか内容妥当性、あるいは、横断的な点検を行った結果、さらにそれに基づいて必要があると認めたときに述べる意見を含めた、評価活動の状況等について取りまとめて公表する。
   (2)として、各府省評価委員会の評価を行うことに関連して、評価の実施状況、各府省の評価の実施に当たっていろいろな状況、問題等々生じると思いますが、そうしたことと併せ、以下の事項について当委員会として注視・把握し、当該結果は中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の主要な事務事業の改廃に関し、当委員会が主務大臣に対して行うことができる「勧告」の検討に反映させていくものであります。
   1.は、各府省評価委員会が、評価を行った結果、法人に対して業務運営の改善その他の勧告を行うことができるということですけれども、その勧告とそれに基づく措置状況。2.といたしまして、評価結果を次の中期目標の策定にどのように反映させているのか。3.は、中期目標が終了したときに、当委員会が勧告することができるんですが、それぞれの主務大臣も当該独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき所要の措置を講ずる。これは通則法に書いてあることですけれども、その検討に当たって府省評価委員会の意見を聞かなければならないとなっておりますので、その状況をフォローアップする。4.として、各年度の評価結果等を踏まえて中期目標、中期計画を見直すことがあると思われますけれども、その状況についてフォローしようということであります。
   最後に、(3)は、上記の(1)、(2)の活動で情報収集をしたことに関連して、全政府的な立場から独立行政法人の評価制度の実効性の向上を図る上で必要と考えられる場合には、当委員会としての見解を取りまとめ、公表を検討するということであります。
   次に、5ページの点検項目。これは評価基準適合性と内容の妥当性ということで、様式だけですけれども、この内容については次回の委員会にと思っております。
   次に6ページですが、ここは評価結果を全体的、横断的にとらえた結果に基づく点検項目の設定でございます。これについてはいちi)からよんiv)に示す中期目標で定めることとされている、効率性の向上等々の内容の区分に沿って点検項目を設定するということでございます。先ほどの全体的、横断的にとらえた結果、例えばある一部の法人の評価でとられている一定の視点とか手法で、これが採り入れられることが評価の実効性向上のため必要かつ有効であると認められるものがある場合に、それを点検項目として設定するということになるわけですから、最初から何かが入るわけではないわけです。しかし、これまで当委員会の場でいろいろご意見を賜りましたものを例として示しているわけであります。
   1つ目に業務運営の効率化ということで、キーワードだけ読ませていただきますと、単位費用の設定、費用と効果の関係について。にii)として、国民に対して提供するサービスその他業務の質の向上。これについてベンチマーキングのような手法による評価を行っているか。さんiii)として、財務内容の改善というのは、前回のご指摘にもございましたけれども、法人の運営全体をとらえなければいけない、そういう独立行政法人の評価においては重要であると思いますので、財務内容の改善について、例えば自己収入比率とか収益率といったものについて何らかの適切な指標によって評価をしているものがあれば、そういった観点があり得る。これにつきましては、今後、特殊法人、認可法人等が独立行政法人化されてくるという中で、そういうときにも財務内容の改善は非常に重要だという観点からのご議論がありました。そうすると法人の業務の内容に応じて、例えば長期借入金比率とか行政コスト分析といった視点もこの財務内容の改善の中に出てくるのかも知れません。ここで見ていくことのできる視点は、ある意味では必要に応じて膨らまし得るものとしても考えられるのではないか。最後に、よんiv)その他とありますけれども、これも例として挙げているのは、組織運営の弾力化の効果、インセンティブの設定とか職員の能力の向上、独立行政法人の組織運営全般の改善についてどのように把握するのかということで、こういった例が考えられるのではないだろうかということでお示ししているものでございます。
   7ページは、中期目標期間に係る業務の実績に関する当該事業年度の評価も同じような点検項目で検討していこうということであります。
   以上、前回のご指摘を踏まえた内容の充実、全体の構成を整理したものでございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   この件につきましては、もともと法律の規定の中に参考になる基準がなかったというか、非常に漠としていたわけですが、ここでの議論を通じまして、依然として非常に具体的になっているわけでもないのかもしれませんけれども、かなりの整理ができてきているという途上のことでございます。さらにご意見をいただいて詰めていくとか、つけ加えていくということでございますので、どうぞどなたからでも。
   山本委員、どうぞ。
○山本専門委員
   今の委員長のご発言のとおり、事務局で整理されてかなりよくなったと思うんです。今日は分科会長がお見えになっておられませんが、具体的な指標とか点検項目に入る前に、各府省の独立行政法人の評価委員会の評価基準なり評価内容をベースにするというのは当然のことなんですけれども、それには各府省の独立行政法人評価委員会の評価がそれなりのスタンダードなり一定の品質に従ってされているということがまず大前提になるわけでございますね。そうしますと、分科会長がおっしゃっておられましたように、評価のシステムとしての最低品質を、強制はできないまでも、こういうことを参考にしたらどうかということを提示しなきゃいけない。
   どういうことを言っているのかと言いますと、例えば評価基準についてはかなり具体的に踏み込んでお書きいただいているわけでございますけれども、評価のプロセスなり手続をどうすればいいのかという問題があると思います。これは私が第1回の委員会で少し申し上げたんですが、利害対立なりコンフリクトがある場合において、その評価の中立性なり客観性を担保しなければいけない。それがなされているかどうかというのが一番重要であろうと思います。
   それから、顧客満足度とかコストとかいう前に、データの入手はどういうふうにやっているのか、あるいは、データの属性がどうなっているか、それについても最低限の品質が保証されている必要があります。例えば最近よく自治体では、顧客満足度調査をされて、1%とか2%が上がった下がったなんていう議論をしているんですが、統計学的にはほとんど意味がないようなサンプル数で上がった下がったとやっている場合があるわけです。そうすると、幾つかの独立行政法人の場合においても、例えば農業者大学校だったと思うんですが、そういうところで教育についてのサービスの満足度を何パーセント上げるとか言ってますけれども、それが果たしてどれぐらい意味があるかいう場合においては、一定のふるいにかけてその基準は満たさなきゃいけない。あるいは、定性的なデータとか定量的なデータについて最低限守らなきゃいけないもの、あるいは、それが守られない場合においてはどういう基準で報告をしているかということが明確にならないといけないと思います。
   それと同等なことは、各府省から出てくる報告書、これは政策評価の方にも関係することなんですが、評価委員会としてどれぐらい労力なり日数をかけてその評価を取りまとめたかというのは、国民にとっても非常に重要な情報であるわけですね。どれぐらい時間とコストをかけて真剣にやっていただいたのか。たくさんの時間と労力をかければいい評価ができるわけではないんですが、余りにもなおざりで、少なくとも報告書だけは出ている。そうすると、その内容は本当に信用していいのかどうかというのは外形的な要素としては重要になってくると思います。
   それと同時に、独立行政法人の中期目標なり中期計画ができ上がる時期もかなりバラツキがありますが、評価のでき上がってくるタイミングについてもかなりバラツキが出てくると思います。そうすると、望ましい適時性と言いますか、どのぐらいの時点でその情報が公開されるのかとか、最低限盛り込むべき報告内容はどういうものであるとか、あるいは、それがどういうふうに翌年度の事業計画なりに利用されているのかとか、そういったことを盛り込まないといけないだろうと思っております。
   そんなことは当たり前だろうと言われると思うんですが、各府省の評価委員会の議事録等を読んでおりますと、特定の分野に議論がかなり集中していて、評価システム全体を信頼できるシステムとして維持するための議論があまりなされてないように、私の知る範囲では考えているからであります。当委員会として、全体的な評価システムを運用する場合のガイドライン的なものを何らかの格好で、押しつけるということではなくて、こういうことが考えられますが、参考になさったらいかがですかということを、これは政策評価のことと関連してご検討賜ればありがたいというのが1点目でございます。
   2点目は、本委員会でメタ評価がいつも言われているのでございますが、この独立行政法人のパートで言っていいかどうか分からないんですけれども、メタ評価のチェックリストというのも、国情は違いますが、あることはあるんですね。富田分科会長がいつもメタ評価をどうすればいいかとおっしゃるんですが、それを出せと言われれば次回にでもお出しできます。そういうかなりスタンダードになったものは、評価の専門分野においてはメタ評価のチェックリストもあります。それは参考にするぐらいで、日本の国情にバージョンを変えてやればいいと思うんですが、当委員会の共有財産として、こういう格好でメタ評価をやったらどうかというのを意思統一してはいかがであろうかというのが2点目でございます。
   第3点目は、評価の統制的な側面がかなり強い状態になっておりますが、イギリス等でやっているのは組織を表彰するということなんですね。いい評価をやっているところに対して、ここにも書いてありましたけれども、評価委員長名かなんかで表彰をするというようなことをお考えになってもいいのではないか。これは蛇足でございます。
   特に第1点目と第2点目につきましては、独立行政法人の評価と同時に政策評価においても是非委員会としてご検討を賜りたいと思っております。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   そのとおりで、今おっしゃられたことをできるだけ具体的に表現して、こういうことであったかということを次回またお出しするということだろうと思います。
   今のことでも結構ですし、ほかのことでもいいんでけれども、どなたかご発言いただきたいと思います。
   メタ評価のチェックリストというのは、外国の事例とおっしゃっておられるのはアメリカとイギリスですか。
○山本専門委員
   主として米国で、例えば教育評価のメタ評価リストというのは、教育関係の評価学会においては既にかなりスタンダードなものがございます。山谷先生もご案内だと思うんですが、そういうものを出せと言われれば、専門委員として翻訳してお出しすることは可能でございます。
○村松委員長
   それは事務局でも調べなきゃいけないでしょうが、是非相談させていただきたいと思います。
   どうぞ、樫谷委員。
○樫谷委員
   相当具体的になってきまして非常に分かりやすくなってきていると思いますが、我々もいろいろやっておりまして、実績を事後的に評価する仕組みということをやるわけですけれども、事後的に評価するという仕組みを作るときには、評価ができる仕組みを作らないといけないんですね。評価ができる仕組みでなければ事後的に評価はできないんです。
   それで、1ページ目に「事前統制から事後評価に重点を移行する」と書いてあって、そのとおりだと思うんですが、今の独法のシステム、現状で行われているシステムと言った方がいいと思いますが、理論的なんじゃなくて、まだ事前統制の仕組みなんですね。つまり、事後評価に移るための仕組みがまだでき上がってないんですね。それは経過的にこうなったわけですから、やむを得ない部分があるんですが。できましたら、PDCAサイクルで事後評価ができる仕組みに積極的に取り組んでいるところと、結果的にオーライというところと大分違うと思いますので、取り組んでいることを評価できるようなものを、1期目の中期計画はそういうところにチャレンジしているところ、できるだけ早くやったところを評価する仕組みにしないといけないのかなと。
   具体的に言いますと、例えば会計の問題になるわけですけれども、収益の計上が費用進行型ですということは、当期損益がゼロになるわけですね。マスコミで、特殊法人の独立行政法人化の話もありましたけれども、独立行政法人の会計の処理の結果、全部、当期損益はゼロでしたということが出たら、独立行政法人制度というのは一体何だったんだということになりかねないわけですね。1期目はなかなか難しいところがあってやむを得ないかも分からないけれども、そういうことではなくて、むしろ成果進行型に取り組んでいるんだというようなものも合わせてやらないと、ずっと永久に損益はゼロだと、経営努力はゼロでしたと、中期目標だけは達成しましたというのでは、独立行政法人制度の評価そのものができなくなってしまうということになりかねないんで、特に1期目の重点的な着眼点として取組の姿勢をできるだけ評価するようなところをどこかに入れていただいたらいいのかなと。
   最後に書いていただいております例の財務の改善とか効率化の問題も、どんどん効率化している、改善しているんだと。しかし、改善をする仕組みがなければ、たまたまそのとき改善しただけであって、仕組みとしてやっているわけではないんですね。つまり、マネジメントじゃないわけですよ。そういう意味では、マネジメントが適切に行われるための仕組みにどういうふうに取り組んでいるか。つまり、パブリックから少し経営的なセンスを入れたマネジメントにどういうふうに移行しているかという過程にちゃんと落ちているような評価をしてあげれば、そういうふうな取組をやっていただけるんではないかなと思うんです。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   事務局、デザイン上の問題とか何かあるんでしょうかね。
○讃岐評価監視官
   評価の実効性向上あるいは確保という言葉をいくつか使っておりますけれども、もちろん評価結果を評価するんですが、評価の質を高めるための隘路というものがあるかどうかというのを我々は常に関心を持っております。先ほど「注視」とか「把握」と言いましたけれども、注視・把握した上で、評価を高め、またそれを通じて独法のマネジメントを向上させていく、そのツールとして評価というものがうまく機能するようにどのように考えたらいいのか、そういう問題意識は常に持っていかなければいけないと思っております。それをどのようにこの運営の考え方に取り込んでいけるのかということについては、ご指摘を踏まえて検討させていただきたいと思います。
○樫谷委員
   それからもう1つ、違う質問ですが、4ページの、付け加えていただきました4.の意味がちょっとよく分からなかったんですが、中期目標とか計画の修正の話ですよね。これは各府省の評価委員会へ何をしようということなんですか。よく分からなかったのでもう一度説明していただけますか。
○讃岐評価監視官
   本来こういうふうにあるのが望ましいことなのかも知れませんが、当委員会の所掌事務を考えると、それについて直接的にものを言うことができないようなものについてまず注視をすると、そういうスタンスで書いております。評価制度の実効性を高め、評価の質を高めていくために、どのように考えていったらいいのか、その材料をどのように集めていくのかという一つの視点、観点であろうということです。
○村松委員長
   先ほど山本委員のご発言でちょっと気になったのは、政策評価については評価の方法が手法との関係でいろいろで、時間のかかるものがあるので、評価自体が遅くなるものもあれば、非常に早く行われる評価もあるというように、ある程度タイミングがはずれることがあるのはやむを得ないなというような議論をしたように思うんですが、独立行政法人の方はそういうふうには。そのタイミングの問題は……。
○讃岐評価監視官
   評価のタイミングは特に法律でも政令でも規定されていないんです。6月末までに財務諸表と業務実績報告書が出て、それを踏まえて評価を行うということで。だからといって、各省はそのまま放っておくというわけではなくて、予算要求のタイミングとか予算査定のタイミングといったものを見ながら、評価結果を出してくるであろうと。内々聞いてみたところでは、1法人とか2法人しかないところは夏の間にできるのではないかというような感触ですし、十数法人も抱えているようなところはもう少し時間がかかって、秋口になるのではないかと。
   まだ始めたばかりの制度でありますから、その辺の動向はよく見ていかなければいけませんし、早ければ早いに越したことはないと思いますけれども、よく状況を見ていかなければいけないということだと思います。それを踏まえて当委員会でどのようなタイミングで評価するのかということを見ていかなければいけないと。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   そのほか何かご意見ございますか。
○山本専門委員
   今のお話は議事録に残っていると思うんですが、3年なり5年たたないと明確に評価ができないような評価項目と、毎年度モニタリング的にやっていける分野と2つあるということは、私は一度申し上げたと思うんです。この視点というのは、独立行政法人の場合においても必要であろうと、特に研究開発関係の法人については、そういう認識は必要であると思います。ただ、それは毎年度評価しないということではなくて、進捗度とか毎年度効果が出るものについては、コストの面については評価するということだろうと私は思っております。
○村松委員長
   はい。
   そのほか、いかがでございましょうか。
   どうぞ、梶川委員。
○梶川専門委員
   点検項目についてのお話は今後の課題だということで次回以降ということで。もちろんこういうふうにこの委員会の議論の中で共通の評価の基準について示していこうということもあると思うんですが、財務の内容について、一例としてここに自己収入比率というのがあって、これ自身は非常に重要なんですけれども、これが出ていきますと、各府省の評価委員会としてもこういうものをチェックしなければいけないだろうと。当然そういうことでございます。
   しかし、今回の独立行政法人のそもそもの存在の方向性というものも、各独立行政法人によって考え方があるような気がするんですね。その方向性について、各独立行政法人の宣言というんでしょうか。例えば財務を改善するということはどちらがいいのかと。普通の企業で言えば、自己収入が増える方がいいんだけれども、事と次第によりましては、この独立行政法人についてはそういう流れの方向性が果たして財務を改善するというのかどうか。そういうそもそもの方向論みたいなものがあって、その点について自己の存在の意義というものを初めにきちっと表現していただく。
   その方向性の整理があって、そこで財務指標をどちらをよく見るかという。企業であればほとんどの会社はこういう比率が出ればよりいいとか、内容についてベクトルが合っているんですけれども、公的色彩もあり、独自で行わないというのは、独立行政法人の通則法の前段の組織の性格を見た場合には、そういう意味で言えば財務の方向とかいろんなケースがあると思うんですね。その辺のところを各法人が初めにきちっと、自分で定義付け、表現し、そして、この指標をどちらの方向に持っていくんだという表現をまずされて、それが評価され、なおかつそれがトータルでこの委員会でも評価していけるということでないと。
   今の特殊法人にある例なんですけれども、いろんな性格のものが、ある意味で独立行政法人化した場合に、財務等々、指標もそうかもしれませんが、どっちにいった方がよりこの法人の存在意義を国民にアピールできているか、国民に貢献できているかということも曖昧になってしまい、何となく世間と同じように自分たちの各種の行動原理を作っていくということになってしまうと思うんですね。例えば研究法人の場合には、多少のお金を稼ぐよりはというようなことは幾らでもあるわけですから、その辺は研究者の先生方にもお聞きしたいんですけれども、いろんなケースがあると思うので、その辺だけご留意いただければという気がいたします。
   長くなって申しわけございません。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   どうぞ、武田委員。
○武田専門委員
   1ページの1の(1)の上から3行目の後ろの方に「法人の運営における自律性、自主性を確保する」とございまして、非常に大切なところだと理解をしているんですけれども、独立行政法人の性格からしまして、特に市場原理が働くという関係にあるわけではないということでして、組織とか人なんかを見るときでも、自律性といったときにどんどん前に進んでいくという自律性もありますが、何もしないというのも自律性の一つだと言われております。そういう観点からいきますと、自由だよとか自律性を持ってやってくださいというと、ややもすると横並びになってしまう可能性があるんじゃないかなと感じるわけです。
   独立行政法人自体ができて間がない仕組みでございますので、自律性、自主性とは若干逆行するかもしれないけれども、こういった方法があるんじゃないかと。例えば人事の仕組みとかインセンティブなども挙げていただいておりますが、こういう方向はどうだろうかというものもあるんじゃないか。あるいは、ガバナンスという意味からいきますと、株式会社なんかは新たな方式等が、商法等変わってきておりますので、独立行政法人についても、評価委員会というものがあって、それで機能するという面もあるかもしれませんが、組織の機関としてこういうことがあり得るとか、人材としてはどういう人が合っているかと、そういうことも、ガイドラインといっていいのかどうか分かりませんけれども、サジェスチョンできるようなものがあるのかどうかということをお伺いしたいと思います。
○村松委員長
   今のお2人のご意見ともに有効なご意見でございますので、是非吸収して次回までに検討していただきたいと思います。
   もう予定の時間になったのですが、是非今日のうちに発言しておきたいという方がございましたら、お伺いしたいと思います。
   黒田委員、何かございますか。
○黒田臨時委員
   私は多分この次出席できないと思いますので、梶川委員がおっしゃったことのセカンドなんですが、独立行政法人には、行動原理とおっしゃって、それと同じことで存在意義というものが非常にバラエティーがあるわけですね。特に自分が研究者ということもありますが、研究開発ということは財務的なことでは言えないことが非常にある。これは今までも何遍も申し上げていることですけれども、そこのところを忘れると、独立行政法人のいい発展を妨げることになるかもしれないのでご配慮いただきたいということです。これは今までも何遍も申し上げていることですけれども、よろしくお願いします。
○黒川臨時委員
   もう意見が出たんですけれども、私もガバナンスの面についてと、事前統制、事後評価ということが強調されましたが、事前統制という点が気になります。したがいまして、各独立行政法人についての事前統制について、政策評価・独立行政法人評価委員会が少しでもいいから何かコミットできないか。そのときに、ガバナンスということが出たので、しかるべく機関に対してこういう人がいますよとか、こういう仕組みを作った方がいいですよとか、そういうようなものも含めて評価項目を作っておく。あるいは、ガイドラインを作っておくということが大事だと思います。
   それからまた、その後の、事前統制を実際にやっているガバナンス自体の評価を事後評価するというんでしょうか、そういう観点が大事なのではないか。そういうところで事前統制に我々が事後評価としてコミットできるのではないか、そういうふうに思っています。これは意見が出たものの追加でございます。
○村松委員長
   独立行政法人がそれぞれご自分の活動をなさる、あるいは、評価委員会が第一次評価をするとしても、私どもの最終的な責務との関係では、こういうガイドラインでやりますということを言っておかないと、後の我々の意見も言えないということにも関係あると思いますので、今おっしゃられたようなことを、法律の趣旨に沿ってできるだけ点検項目が明確であることが大事だろうと思います。
   それでは、ここまでにさせていただきまして、最後に次回の委員会の開催等につきまして、事務局、お願いいたします。
○橋口総務課長
   次回の委員会は2月22日、金曜日、2時から、この場所で開催させていただきたいと思います。議題は、「平成14年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの取りまとめに関する審議」、それから、「政策評価・独立行政法人等評価委員会における独立行政法人評価に関する運営についての取りまとめに関する審議」、本日ご審議いただきましたことについて、さらに事務局で整理させていただきまして、それについてまたご審議を賜りたいと考えております。
   それから、もう1点、お手元に本委員会の開催日程(案)ということで1枚紙があるかと思います。今年度分、3月までについてはお知らせしてあるかと思いますが、平成14年度以降もこれまでと同様、毎月第4金曜日とさせていただきたいと考えております。ただし、例えば先ほど議論のございました独法の評価結果等の出具合等については、対応等も考えていかなければならない局面も出てくるかと思いますので、そのときはまたご相談させていただきたいと考えております。
   以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会の第12回の会合を終わります。本日はどうもありがとうございました。
〔了〕