政策評価・独立行政法人評価委員会(第13回)議事録



1. 日時 平成14年2月22日(金)14時00分から16時20分
2. 場所 中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室
3. 出席者
  (委員会)
     委員   村松岐夫委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、竹内佐和子
     臨時委員   宇賀克也、金本良嗣、高木勇三、田辺国昭、新村保子、黒川行治
     専門委員   翁百合、木村陽子、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清、山谷清志
 (総務省)
若松副大臣、塚本行政評価局長、広瀬審議官、橋口行政評価局総務課長、
新井政策評価官、讃岐評価監視官 ほか
4. 議題
  (1)   平成14年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの取りまとめに関する審議
  (2)   政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営についての取りまとめに関する審議






○村松委員長
   時間がまいりましたので、これより政策評価・独立行政法人評価委員会の第13回会合を開会いたします。
   本日の議題に入る前に、まず平成14年4月以降の当委員会における審議スケジュールについて、事務局から御説明いただきたいと思います。
○橋口総務課長
   それでは、お手元の委員会審議スケジュール(案)というものを御覧いただきたいと思います。これは現時点におきまして考えられます審議事項をこのような表に落としたものでございますけれども、日程の4月以降につきましては、1月の委員会で御提示いたしましたように、原則毎月の第4金曜日ということで置かせていただいております。
   それで、まず日程の2月のところを御覧いただきたいと思いますが、ここが本日ということでございまして、政策評価関係ではテーマの取りまとめ、独法関係では運営についての取りまとめというものをお願いしたいと考えております。
   それから、3月以降ざっと御覧いただきたいと思います。3月に14年度政府予算案への政府政策評価資料の活用状況の説明と書いてございますが、これは財務省からのヒアリングを予定してございます。
   それから、目で追っていただきたいと思います。4月、政策評価の実施形式における客観性・厳格性の基準の審議と2段目に書いてございますが、今後出てまいります客観性担保評価についての基準の御審議をお願いしたいと思っております。
   それから、5月、各府省における政策評価に関する基本計画・実施計画の策定状況の報告。
   それから、7月、平成13年度における各府省政策評価の実施状況の報告、これは13年度1年間分ということでございます。
   それから、10月、平成15年度の政策の企画立案に向けた各府省政策評価の実施状況の報告と書いてございますが、これは15年度予算への各府省政策評価結果の反映状況等についての御報告ということでございます。
   それから、あと欄外といいますか、一番下の欄でございますが、月日が書いてないところでございますが、以下の案件を予定しているということでございまして、適宜実施していくということになるかと思いますが、法律20条から22条の規定に基づく措置ということで、調査研究あるいは人材育成研修等、あるいは所在情報の提供等についての措置の進捗状況の御報告。それから、その下が政策評価の実施状況等についての国会への報告書の審議ということで、これも法律に基づいて国会に報告するということになってございます。その内容についての御審議をいただく。あるいは、総務省が行います政策評価の評価結果の取りまとめに関する御審議をいただくと。
   それから、客観性担保評価に関する御審議ということで、これも9月以降、適宜、御審議をお願いしたいと考えております。
   それからあと、右の方の独法関係でございます。本日、来月と運営についての取りまとめについて御審議をいただきます。4月以降でございますが、各府省評価委員会の評価基準の把握、個別の評価方針の事前検討等についての御審議をお願いすると。
   それから括弧書きにしてございますけれども、主要な事務事業の改廃に関する「勧告」の検討の進め方と書いてございますが、各独立行政法人の中期目標の期間の終了時において主務大臣に勧告することができるという任務がございます。一番早いもので3年間ということでございまして、平成16年の3月ということになりますが、一度お時間の御都合を見ながらこの御議論をいただいたらどうかということでここに置いてございます。
   それから、7月以降で府省評価委員会から通知を受けた独法評価の審議及び意見の決定ということで個別具体の御審議を賜ったらどうかというようなことを考えております。
   以上、審議スケジュールについて御説明させていただきました。
○村松委員長
   ありがとうございました。だんだん具体的な結果が出てまいるわけでございまして、委員会の仕事もきつくなるかなというふうに思いますが、ありがとうございました。
   それでは、「平成14年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの取りまとめに関する審議」の議題に入りたいと思います。
   これも事務局よりまず御説明いただきたいと思います。
○橋口総務課長
   それでは、平成14年から16年度における政策評価の予定テーマ等について御説明させていただきたいと思います。平成14年から16年度におきまして、評価専担組織としての総務省が行う政策評価のテーマにつきまして、どのようにお考えか、あるいはほかに適切なテーマはないのか、あるいはそれぞれのテーマにおいてどのような方法・視点で評価していけばいいのかといったようなことについて、御意見、御示唆をいただければありがたいと思っております。その上で、それを踏まえさせていただきまして、さらに検討し、年度内に取りまとめ、決定するという運びにいたしたいというふうに考えております。
   それでは、具体的なテーマの御説明に入ります前に、そのテーマの選定に当たってどのようなことを考えてきたかということを簡単に御説明させていただきたいと思います。
   まず、基本的にどういうスタンスで考えるかということについてですが、政策評価については、政策を持っている各行政機関が自ら評価を行うことが基本であるということでございます。そして、総務省はその政策を所掌する各行政機関とは異なる評価専担組織として、各行政機関では担い得ない、あるいは十分に達成でき得ない評価をやるんだということでございます。そして、総務省が行う評価といたしましては、統一性評価、総合性評価、そして客観性担保評価という三つのものがあり、この中でも特に客観性担保評価が14年度以降本格化して、そのウエイトも高くなっていくのではないかというふうに考えております。まずは、各行政機関にしっかりやっていただくと。そして、その状況を把握いたしまして、より客観的・厳格な実施を担保していこうということかと思います。
   それで、ここで、枠組みの一つとしまして私どもどういう体制で行っていくのかということをこれまで御説明していなかったと思いますので、若干触れさせていただきたいと思います。
   行政評価局の組織体制についてですが、定員 1,100人強ということでございます。総務省行政評価局には、まず、官房審議官、総務課、行政相談課とございます。それから、政策評価官、これは法律関連、いわゆる制度関連のことを扱うところでございます。それから、9人の課長クラスの評価監視官が置かれております。そして、その担当ということでございますが、まず、3人の、独立行政法人担当、特殊法人担当、規制改革担当という横割りの評価監視官が置かれており、後の6人がそれぞれの各省庁別の担当、内閣・総務・法務を始めとしまして、各省庁別の担当になってございます。おおむね各室10人から13人程度の配置になってございます。そして、統一性・総合性評価につきましては、このそれぞれの評価監視官が担当していくということになります。
   体制といたしましては、1テーマ当たり、評価監視官を含めて4人ないし5人くらいが標準的なものかなというふうに思います。それで、13人のうちの4人ということであればあとの者は、客観性担保評価への取組あるいは行政評価・監視を担当していくということになります。
   本省段階では以上でございますけれども、これに加えまして管区局、評価事務所、こういう出先機関を持っており、こういった出先を使った現地調査をやるということでございます。地方公共団体、関係団体等のヒアリング等を実施すると。これは本省での調査計画に基づいて動員していくということになります。
   それから、行政評価局の組織からは外れますけれども、テーマによりましては外部の研究者の方々あるいは学識経験者の方々の御協力をいただいて研究会方式あるいは委託調査等も活用しながらやっていくと、こういうことで進めていくことにしているところでございます。
   それではまたテーマについて御説明させていただきたいと思いますが、統一性評価、総合性評価のテーマの考え方について大きく、ざっくりとということではございますけれども、御説明させていただきます。統一性評価、各行政機関の政策それぞれに共通する側面について、統一した観点により横断的に評価すると。それから、総合性評価、複数の行政機関の所掌に関係する政策について総合的な推進を図る見地から一括して全体として評価するということでございます。
   そして、その場合のテーマ選定に当たっては、当然ながら法律あるいはそれを受けました基本方針に基づくということでございまして、これに基づいて次のように考えているということでございますが、平成13年度の行政評価等プログラム、昨年も御説明させていただいたかと思いますが、それとの関係で申し上げますと、新しく法律に基づいて「総務省が行う政策の評価に関する計画」として総務大臣が定めるというふうに法律で規定されたわけでございますので、その下での新たな枠組みということで計画を策定する。13年度のプログラムをもう一回全面的に見直してみるということから始めたということでございます。
   それで、特に13年度に着手いたしまして、複数年度にわたって実施を予定するということで13年度のプログラムにも入れておりました検査検定制度、特別会計制度あるいは経済協力につきましては、範囲等についての見直しを行った上で引き続き実施をするということで考えていると。
   それから、法令あるいは閣議決定等により政府として指向すべき一定の方向性が示されたものということで統一性、総合性を確保する必要のある政策、そういうものであって重点的に取り組むべきもの、あるいは計画の見直しが予定されており、それの見直しに反映できるようなもの、こういったものを中心に検討してきたということでございます。それから、当然ながら、この委員会での御審議もいただいておりますので、そういった対象範囲の検討等についても考えてきておるということでございます。
   そういうことで、次の平成14年度ないし16年度における予定テーマ等ということになるわけでございますが、統一性評価については行政機関に共通的な行政制度システムというものを活用する政策として検査検定制度、特別会計制度、それから価格規制というものを取り上げてございます。検査検定と特別会計は13年度着手のものでございますが、引き続き14年、15年度も行っていくということでございます。また個別に後ほど御説明させていただきます。
   それから、総合性評価、これについては、特に法令、閣議決定等に基づきまして政策の総合性の確保ということで、その目的や講ずべき措置が明らかになっているものということで、総合的な推進を図るという見地から取り上げているものでございます。経済協力、湖沼の水環境、留学生、少子化等々でございます。また後ほど触れさせていただきたいと思います。
   それから、客観性担保評価等ということでございますが、これについては基本方針で定められましたステップを踏むということでございます。具体的なテーマの案というものが現段階であるわけではなく、今後、各行政機関が行っていく政策評価について、まず、どのような基本計画とか実施計画を持っていて、どういうふうに評価を実施しているのかといったようなことについての政策評価の実施状況の把握をしていきます。
   次に、各行政機関が実施しました個別の政策評価につきまして、その実施手続等の実施形式における客観性あるいは厳格性、そういったものの達成水準等についての審査を行います。
   それから、改めて再評価が行われるべきであると、あるいは経済情勢等の変化等に対応するために政策評価を行うべきであるといったようなことについての、その実施の必要性の認定というものを行います。さらに、この必要性の認定に基づいて政策評価を実施すべきと各行政機関に通知をすることになりますが、その通知をした場合であって当該行政機関にゆだねていては十分な実施が担保され得ないと認めるときに、私ども総務省が評価を実施すると、こういうことになるわけでございます。
   この認定あるいは実施等におきましては、この委員会での御審議を賜るというようなことになってございます。そして、その具体的な実施、先ほどもスケジュールのところでちょっと触れましたけれども、こういった客観性担保評価を行うに当たっての具体的な手順ですとか、あるいは実施手続等の審査基準、これをどうするかにつきましては、また4月以降に御審議を賜りたいと考えております。
   予想ではございますが、業務のボリュームとしては、この客観性担保評価がかなり大きくなるのではないかと思っております。先ほど、各省庁ごとに担当室があるというふうに申し上げましたが、そこのすべてにおいて対応していくことになるのではないかと考えているところでございます。
   それでは、個別的なテーマにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。
   まずは、検査検定制度の関係でございます。これは、63の法令により118の制度に及ぶものでございます。閣議決定等によりまして行政の関与を必要最小限とするといったような方向で事業者の自主確認あるいは自主保安への移行などを推進することとされてございますが、そういった方向性を踏まえて、こういった検査検定制度が企業活動とか消費活動に与えるコスト等の影響が可能な限り小さくなっているのかどうかといったような観点で評価できたらというふうに考えているところでございます。
   なお、この検査検定につきましては、平成13年度に防災・保安分野を対象として既に着手したところでございますが、この制度の目的、仕組み等がこのように多様であるということなどを踏まえまして、これを横断的に、統一的に評価するということで、このすべての検査検定制度を対象に実施することとしたいと考えているところでございます。
   次に、特別会計でございますが、これについては37設置されているわけでございますが、平成13年度でございますが、予算規模で約 370兆円にも及んでおります。そして、その特別会計をとるというメリットといたしまして、一般会計と比較して財政状況や受益者負担との関係が明確になるとか、あるいは弾力的、効率的な運営が可能になるとかといったようなメリットがあるとされているわけでございます。一方で臨調答申等におきましても、例えば経営努力と事業成果の評価が困難なものが多いとか、あるいは各特別会計での規定の仕方等が区々になっておって、特別会計相互間の比較が困難になっているとかといったような指摘もあります。このような特別会計を活用しているものについて、それぞれの特別会計相互間の比較可能性ということに着目して、この特別会計を横断的に評価できないだろうかと考えているところでございます。これについても、13年度からやっているわけでございますけれども、13年度は登記と特許の特別会計を対象といたしまして、現在、調査分析をやっているわけでありますが、この両特別会計も含めまして、この37全特別会計についての評価を行いたいと考えているところでございます。
   それから経済協力についてでございますが、経済協力の形態等として、技術協力、無償資金協力、それから政府貸付の円借款等ございますが、こういった形態で、12府省庁、それからJICAとか国際協力銀行等がそれぞれでやっているわけでございますが、これについても各種の施策が総体として総合的に行われているのかどうかといったような観点から見たいというふうに思っております。13年度におきましても、特に技術協力の実施状況を中心に調査しているところでございますが、無償資金協力を14年度、円借款を含めてでございますが、それから15年度に全体の評価といったようなことでできないだろうかと考えているところでございます。
   それから、湖沼の水環境の保全ということでございますけれども、これは水質汚濁防止法に加えまして、湖沼水質保全特別措置法というものが昭和59年に制定されてございます。この中で、特に水質の保全に関する施策を総合的に講ずる必要があるものとして、例えば霞ケ浦とか印旛沼とか、全国10の湖沼が環境大臣において指定されているわけでございます。それについては、湖沼水質保全基本方針という閣議決定がございますが、これに基づいて各種の施策を総合的に実施するというふうになっているわけでございます。こういった湖沼の水環境の保全に関する施策というものが総体としてどの程度効果を挙げているのかといったような観点から、この政策を見てみたいと思っているところでございます。
   それから、留学生受入れ施策についてでございます。留学生受入れにつきましては、21世紀初頭には約10万人の留学生を受け入れるんだという目標が掲げられておりまして、目標に向けた施策が展開されているところでございます。現在、7万 8千人ぐらいになってございます。現在、文部省、外務省等々の関係府省におきまして関係施策を打っているわけでございますけれども、臨時教育審議会の答申を受けました閣議決定におきまして、こういった関係府省が連携・協力をして強力に推進していくんだというようなことが指摘されているわけでございます。こういった関係機関の各種施策がどのように連携づけられて行われ、またどの程度効果を上げているのかといったような観点からこの留学生関連の施策を見てみたいと考えているところでございます。
   それから、少子化の関係でございますが、少子化対策のうち特に重点的に取り組むべきものとして、平成11年に新エンゼルプランというものが作られ、12年度から16年度にわたって重点的に講ずべき施策として打ち立てられているわけでございます。
   この中で、特に保育サービス等子育て支援サービスの充実に関しまして、保育サービスの推進状況あるいは低年齢児の受入れの拡大等の状況、こういったものを充実するというふうにされているわけでございます。こういったさまざまな施策がどのような連携のもとに打たれていて、今どういう状況にあるのか、全体としてどういう効果を上げているのかといったようなことについて見てみたいというふうに考えているところでございます。
   それから、価格規制でございますけれども、特に価格規制のうち、国の許認可等に係る公共料金規制ということで、15の料金規制を評価対象として想定してございます。規制を必要最小限のものとしつつ、低廉で良質なサービスの確保を図るというような目的があるわけでございますけれども、こういった料金規制が、国民あるいは企業に対するコスト等への影響を可能な限り小さくするといったようなことになっているかどうか、そういった観点からこういったものを横断的に見ることができないかというふうに考えているところでございます。
   非常にこれも調査をすべき事項が多くなるんだろうと思いますけれども、いろいろな分析手法等も駆使してやれればと考えているところでございます。
   それから、青少年育成推進要綱というものがあります。また、特に青少年の非行防止活動の推進ということで、非行問題等について当面とるべき措置ということで同じく青少年育成推進会議の申し合わせというものがなされてございます。この非行防止活動等を中心とした施策として関係省庁連携のもとに推進しているわけでございますが、これが全体的にどのようなことになっているのか、どういう効果を上げているのかといったことについて見てみたいというふうに思っているところでございます。
   それから、大都市地域の大気環境の保全ということで、これも大気汚染防止法があり、そのもとにNOxPM特定地域の指定がございます。粒子状物質特定地域の指定、特に自動車交通の集中している地域等々、首都圏、中部圏及び近畿圏の市区町村では、大気汚染防止法既存の対策では十分に基準を確保できないというような地域が指定されておりまして、ここについて閣議決定で削減の基本方針が立てられてございます。これに基づいて総量削減計画を知事が策定すると。そして、その下に国におきましても関係府省が援助を行っているということでございますが、関係府省でもそれぞれの実績評価を行っているところもあるようでございますが、こういった関連する施策が総体としてどの程度効果を上げているかといったような観点から、これを全体として評価してみたいというふうに考えているところでございます。
   それから、リサイクル。これにつきましては、循環型社会形成推進基本法ということで、一般法のもとに個別の物品の特性に応じた規制ということで、容器包装、家電製品、建設資材、食品、こういったものについて個別の法律が制定されまして、総合的、計画的に推進するということで各種施策が打たれてきているということでございます。
   こういったリサイクル対策につきまして、廃棄物の発生の抑制あるいは再利用、再生利用、こういったものがどの程度進んでいて、どの程度環境への負荷の低減に資しているのか、効果がどういうふうに上がっているのかといったようなことを見てみたいというふうに考えているところでございます。
   今14年度から16年度のテーマを選定するということで、どういうものであるかというイメージをお持ちいただければありがたいということで、雑駁ではございましたが、御説明させていただきました。この個別のテーマにつきましては、テーマが決まればまた別途調査計画のときにお時間をいただき、御検討いただくということになるかと思います。
   以上、若干長くなりましたが、政策評価のテーマに関しましてお考えをお伺いしたい、あるいはその評価の視点とか手法についての御意見、御示唆をいただければありがたいということで御説明させていただきました。以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、審議に入らせていただくわけですが、どの部分から取り上げてくださっても結構です。テーマはそれ自体が適切かという御議論もあるでしょうし、そのテーマを取り上げる場合の考え方とか原則とか方法とかいうものもあるでしょうし、方法といえば最後にどういうふうに評価できるんですかという最後の段階を予測した御議論もあろうかと思います。たくさんありますから、それに比べて時間は40分ぐらいしか最大限とれないというふうに思いますので大変なんですけれども、しかしでき得る限り御発言をいただいて吸収していきたいと、そういうふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○吉野専門委員
   先ほど、平成14年度から16年度の政策評価の予定テーマについて説明をいただいたんですけれども、一つはこれより一つ上位の政策目標といいますか、何か日本全体での目標があるんじゃないかと思うんです。例えば、我々の分野でいけば、どういう形で景気対策をするとか構造改革をするとか、そういうところとそれぞれのテーマがまずどう結びついているのかということを考えて、今後少しやった方がいいんではないかということと、それから、それぞれのテーマも私なんかの分野から見ていますと連関性があるような気がいたします。例えば、2番目のところの経済協力と留学生の受入れというところなんですが、留学生を受け入れて、留学生がその国に帰って、それが例えば日本のいろいろなプロジェクトをやるときにそこで働いてくれると。日本語ができて、やっぱり日本のことを知っていて、現地語も知っていると。そういう形で経済協力でいかに留学生でいい人たちを使っているかと、そういうのも例えば結びつけられるような気がいたします。
   それから、先ほど10万人の目標ということをおっしゃっていたんですが、我々大学で見ていますと留学生の質がすごく落ちています。単なる人数だけでいいのかと。そしたら、もっといい人たちをアメリカやイギリスに行かせないで日本に呼ぶにはどうしたらいいんだろうかと、そういうことを考えていただきませんと、せっかく呼んでも向こうで偉くなれない人、こういう失礼な言い方をしちゃいけないんですけれども、偉くなれない人を呼んできても仕方ないわけですから、やっぱりそれぞれの国に帰ってそこで活躍してくださる方を、じゃあどうやって呼んだらいいんだろうかと。
   私は昔、政策科学大学院に行ったときは自分たちで行きまして、向こうで面接したわけですね。外務省とか文部省の方々は、やはり専門の分野は御存知ですけれども、経済の分野から見れば、その人たちはやっぱり少し違った軸で見られているとか、そういう形で人数だけではなくてクオリティーをいかに確保するかと。
   それから、例えばここでは公共事業はございませんけれども、日本の公共事業というのはなかなか外に出て行けなかったわけです。それは、現地の言葉ができないから海外に行っていろいろなものを受注しようとしない。ですから、ますますそういう公共事業は経済協力の先として海外に出て行かなかったと、こういうわけですね。そうすれば、そういう英語ができないいろいろな建設業の人たちを助けるためにこういう留学生をもっと活用して、日本の建設業が海外で受注できるようにもっとしてあげるとか、まさに省庁横断的な政策評価こそが総務省でやっていただきたいことだと思うんです。ですから、そういう意味ではこれをただ一つ一つやるんではなくて、横にちゃんと見て、それでどうしたらいいかというのを是非考えていただければというふうに思います。
   それからもう一つは、検査検定とかこういうところなんですけれども、また、価格規制とかございますけれども、検査検定のときにやっぱり安全性とかそういういろいろなことは必要だと思うんですけれども、しかしその検査検定があるためにどの程度その業界にとって参入規制になっているのかと。こういう検査検定というのは逆に言うと、既得権者を守るための検査検定であるのか、それとも本当に安全性のためなのか。そうであれば、検査検定によって価格がどれほど歪められているのか。それから、参入の数がどうなっているのか、それぞれの業種の競争条件がどうなっているのかということも是非調べていただいて、定量的にできるところは定量的にやっていただければと思います。
   あとは最初に申し上げましたけど、こういうそれぞれの目的が日本全体のいろいろな政策目標とどう結びついてくるのかということも考えながら14年度から16年度のテーマを設定していただくといいんじゃないかと思います。
○村松委員長
   ありがとうございました。もともとこの統一性、総合性というのはその上の政策というものを閣議決定とかいろいろなものを参照しながらやるということで、より上位の政策目的ということを意識しておられるんだろうと思いますけれども、今の発言、確かにそうだと思いますので、それは是非吸収していただきたいんですけれども、何か事務局からお答えいただけることありますか。
○橋口総務課長
   第1点目は、いろいろまた考えさせていただきたいと思いますけれども、一応、例えば先月にちょっと御紹介させていただきました、いわゆる骨太方針というものが出されて、その下での改革プログラムが打たれてございます。その下でも例えば民営化、規制改革あるいは財政改革、あるいはプロジェクトとしては循環型社会、経済社会への対応ですとか少子高齢化への対応ですとか、そういったものが挙げられているところでございます。そういったものも踏まえて選定作業は進めたわけでございますけれども、ただ、上位の政策目標との結びつきはどうであるかという、そこのところまでは具体には考えてはいなかったわけであります。御指摘いただきましたので、またそういう結びつきをどう考えるのか少し検討してみたいと思います。
   それから、いわゆる個別のテーマ、それぞれバラバラでなくて、やはりそれぞれで関連するところがあるという御指摘をいただきましたので、そこのところもまたいろいろ考えさせていただきたいというふうに思っております。
○村松委員長
   一つ一つの今御指摘になったような検査検定の持っている新規参入障壁効果みたいなものを数量化してやるというのは猛烈にたくさんありますから大変でしょうね。非常に大変な作業だなということを感じながら伺ったんですけれども、よろしくお願いします。
   ほかに、はいどうぞ。
○宇賀臨時委員
   初めに、全体的な点から申しますと、統一性評価、総合性評価がそれぞれ各年度1ないし3本程度行うということで、余り手を広げすぎて浅くなるよりは、私は、少数精鋭といいますか、重要なものに絞ってそれを深くやるということで、こういう方針でいいと思いますし、今回のテーマも非常に重要なものだと思います。
   1点、今、吉野委員の言われたことと関係しますけれども、ちょっと留学生の問題について私も受入れの立場でいろいろと考えていることもございますので、今の御発言とも関係しているんですけれども、10万人の留学生を受け入れるというのは、やはりその上の目標があると思うんですね。なぜ10万人か。初めに10万人ありきということではないと思います。それは、いろいろな観点があって、高尚な目的でいえば国際貢献ということになるんでしょうし、それから知日派、親日派を増やしていくとか、国益という観点からいうとさらに、実際にアメリカの場合そうですけれども、留学生が非常に優秀な方が来られて、その方たちが国に帰らないでアメリカに残って、今なおアメリカのIT社会を支えているという、そういう側面もある。そういう幾つかの目的があると思うんですか、この調査をされる際も評価をされる際も、そうした上の目的というものをやはり視野に入れてやっていただきたいと思います。
   例えば、親日派を増やすということですと、確かに留学生が増えれば知日派が増えると思うんですけれども、知日派が当然に親日派になるというわけではなくて、以前1970年代の初頭だったと思いますけれども、たしか日本の総理大臣が東南アジアに行かれたときに反日暴動が起こりましたが、その指導者には日本留学生が多かったということがあったわけです。ですから、やはり留学生に単に知日派になるだけでなくて、親日派になってほしいわけですね。そういう観点から、留学生の方たちがどれだけ日本に留学して満足をされているのかという、カスタマー・サティスファクションに当たるような調査というのも必要になってくると思います。
   それから、先ほどのアメリカのように、留学生がアメリカの今優秀な労働力として残っているということも、これから日本でもやはり少子化の中でそういうことも考えていかなければならないと思いますので、果たして日本でどれだけそういう留学生が日本に残ってくれているのかどうかですね、そういった点も視野に入れて、単に10万人にどれだけ近づいたかということだけではなくて、そういう質的な面というんでしょうか、そういう観点も是非入れた評価にしていただきたいというふうに思います。
○村松委員長
   ありがとうございました。高木委員どうぞ。
○高木臨時委員
   まず、お願いなんですけれども、統一性と総合性評価のところの案をお出しいただくときには、それぞれの評価についてのポイントと申しますか、ターゲットといいますか、そこのところについても御説明いただきたいなというふうに思うんです。
   先ほどの御説明でそれなりに分かるものもあるんですけれども、多くがその辺のところを御明示いただけなかったというふうに感じておりますので、私はちょっと何をやるのかということがイメージできないものですので、今後是非ともその辺のところをお話しいただきたいというのがまずお願いということです。
   それから、質問ということなんですけれども、このようなテーマを選定するに当たって、どの程度の事前の調査をおやりになられているか、そこのところを教えていただきたいというふうに思っております。やはり、調査と申しますか、評価そのもの自体が経済的に効率的にかつ有効に行われるためには、ある程度の事前の調査をやりませんと、やっていて途中でうまくいかなかったという話に、非常にむだな結果になることになりかねないわけです。イギリスの会計検査院なんかはプレリミナリー・スタディということでそういったものをまずやってというようなことで動いているというふうに聞いておりますが、やはり政策評価につきましてもこういった統一性、総合性の評価を行うという場合には同様のスタンスで臨まれるということが適切かと思いますので、その辺のところいかがかというふうに思うところでございます。
   それから、意見ということでございますが、この統一性評価のところで特別会計制度の活用状況ということでポイントをおっしゃっていただいたところでは、各特別会計の比較というふうにおっしゃられたんですけれども、比較ということのためには会計制度そのもの自体がどうなっているかということがポイントになってくるわけですが、その会計制度のところというようなことになりますとその所掌は財務省の主計局になりますよね。そのようなところから考えますと、それから今財務省のところでちょうど公会計制度そのものについての検討をやっていますので、統一性評価というようなところで今後総務省が政策評価をお続けになられるのはいかがかなというようなところを感じてしまうんですが、これもポイントを改めて御検討いただければ総務省としてふさわしいテーマというふうなことを言えるかもしれないので、ちょっとその辺のところにつきまして見直しをというふうな意見ということでございます。
   それから、あとリサイクル対策として平成16年度に総合性評価というようなことで挙げられておられるんですが、資料の中にありますように循環型社会の基本法という中でリサイクル対策というようなことなんですが、総務省の方で取り上げられる場合にはできるだけ幅広の観点からの方が私はよろしいのではないかなと。そういった意味で、循環型社会というような観点からの評価面での取組ということの方がよろしいのではないかなと。すなわち教育とかそういったところまで含んだ循環型社会実現に向けての各府省の評価の取組という観点から総務省の方としておやりになられるのがよろしいんではないかというふうに思うところでございます。以上でございます。
○村松委員長
   御意見をいただいて吸収すべき部分とお答えをしていただいた方がいいところとありますね。質問もいくつか出ていると思うんですが、いかがでしょうか。
○橋口総務課長
   1点目のポイント、ターゲットを絞ってという御指摘、本当に御説明が行き届きませんで恐縮でございました。紙でお出ししていなかったということもあるかとは思いますけれども、また考えさせていただきたいと思います。
   それから、どの程度の事前の調査をやったのかという御指摘をいただきました。これについては、私ども先ほど御説明いたしました各府省担当室、常にアンテナを張りめぐらしておりまして、いろいろな情報をとるようにしております。その中で、特にこのテーマ選定の作業については、10月ころから一応そういう目で見始めてきておりまして、各府省についてもいろいろな意見を聞いたりもしてきておるということでございまして、具体的にいうと、例えば調査、どの範囲での調査になるのかと思いますが、例えば話を聞いたり、あるいはいろいろなデータを集めたりというのは相当前からやってきたところでございます。評価そのものがやはり効率的にということで、調査の事前の選定時の重要性というのを御指摘いただいたんだろうと思いますが、その点も今後も十分気をつけていきたいというふうに思います。
   それから、特別会計についてはそういった御懸念を確かにお持ちだろうなと。私どももそういうことも若干感じているところでありますが、確かに財務省主計局が制度官庁でございますけれども、特に今回の調査においては先ほどちょっと申し上げました比較可能性ということであれば、例えば会計経理の面とかそういったものに少しポイントを置いて、各特別会計相互でどうなのかといったようなものを見てみたいなと思っているところでございます。御指摘は検討してみたいと思います。
   それと、特別会計については、制度そのものを見るのではなくて、その活用状況ということで見たいということでございますので、特別会計制度が持っている全体としてのメリット、それに合わせた場合の実際の運用、そういった面をちょっと見てみたいというふうに考えているところでございます。
   それから、リサイクルについては御指摘いただきましたので検討させていただきたいと思います。
○村松委員長
   ほかに御意見。田辺さんと樫谷さんの順序でお願いします。
○田辺臨時委員
   1点ほど質問と2点ほど意見です。
   1点目は、特にこの中で検査検定制度とそれから価格規制にかかわる部分ですけれども、これは総合規制改革会議でしたか、そこが一応改革の3か年計画にコミットして、その後モニタリングをやっていると思うんです。それと、こちらでやっている検査検定、それから価格規制にかかわる部分との切り分けというんでしょうか、切り口の違いがあるかもしれませんけれどもそれがどうなっているのか。あともう一つは、逆にどういうふうに協力しあえるのかというような側面についてお伺いしたいというのが1点目です。
   それから2点目は、2点目、3点目は意見ですけれども、一つはこれ恐らくまだエバリュエーションのデザインを描けてない段階だと思いますので、どういうふうに行うのか、それからどういう観点で見ていくのかというのはまだカチッと固まっていない状態なのかなという気がしております。特にこの中の湖沼であるとか価格規制であるとか少年の非行、それから大都市の大気環境、リサイクル等に関しましては、研究者のコミュニティがあると思います。ですから、エバリュエーションのデザインを考えていくときにそういう専門家の方々を積極的に取り込んで、そこのアイデアを吸収していく。しかも、単に意見を言いっ放しにさせるんではなくて、実際のプロセスというんでしょうか、途中の過程もしっかり協力して、あなた方もコミットしなさいという形で結びつけるというような方向をとっていただければと思います。
   恐らく、行政監察と政策評価との違いというのはそういうところに出てくるのかもしれないというので、その試みはすべて一律にやる必要はないかもしれませんけれども、部分的に、あるものに関してはトライして入れていってほしいというのが2点目の意見です。
   最後の3番目の部分ですけれども、これは価格規制にせよ、検査検定にせよ、政策評価ですから、ある意味ではこういう制度がなかったらどうなっているんだという部分と、やってみてどうなったんだというその比較をするという部分がどうしても出てくると思われます。いわゆるベースラインの問題ということなんですけれども、事後的に評価をやる場合でもやっていなかったときはこういうふうになっていただろうという、そのベースと今の部分とを比較するということになると思うんですけれども、ベースラインの設定というのは余りうまいやり方が出ていないし、各省共通して規制にかかるようなレギュレーションの分析を行う場合でも出てくると思いますので、ベースラインの設定等にどういうふうにして我々はやったのかというようなスタンダードができるような形で各省とも意見交換しつつ、作り上げていっていただければというのが3番目の意見です。以上です。
○村松委員長
   事務局、お答えいただけるところはお答えいただき、御説明いただけるところは御説明していただいたらいいんじゃないでしょうか。
○橋口総務課長
   規制改革、これはまた推進3か年計画のもとに、先ほどおっしゃいましたようにフォローアップをしているところでございます。それについて、個々の制度について規制を最小限にしていくんだというもとでそれぞれの各府省がそういう方向でやってきておると。当然、政府の大方針としてやってきておるわけでございますので、それは当然ながら各府省でもそこはそういう方向で見直しをし、あるいは評価をされるだろうというふうに思います。私どもは、その各府省ではなかなかできないという観点からこれをやりたいというふうに思っているわけでございますけれども、例えば検査検定につきましては、当然ながら個別具体に見てその効果と規制の対応がどうであるかといったようなことからも見るわけでございますが、その場合のいわゆる視点、観点としては検査検定という制度全体が、例えば企業活動に与える影響、コスト、こういったものがどうなっているのか。可能な限り小さくなっていく方向にあるのかどうか、そういったような一つ一つ個別的に各府省が見たのでは見られない観点というのが考えられるのではなかろうかなというふうに思っているところでございまして、そういうことを少し研究しながらアプローチをしていきたいというふうに考えているところでございます。
   担当から補足説明いたします。
○細谷評価監視官
   お答え申し上げます。
   検査検定と価格規制の関係でございますけれども、行政評価・監視においてこれまで総合規制改革会議等と組みまして、事業者からの要望を反映して個別に問題事項を摘出するというアプローチをしてきたわけです。規制改革推進3か年計画のフォローアップも引き続き同じような個別要望への対応が行われています。それに対し、今度我々が行います政策評価は、もっと根っこのところから網羅的に検査検定制度がどうなっているのかという把握、例えば一つの制度につきまして受検対象者がどれぐらいに広がっているのか。それから、個々にどれぐらいのコストがかかっているのかという実態につきましては、現時点ではほとんど把握がなされておりませんので、そういったことも含めまして制度全体の活用状況を評価するということをやっていきたいと考えております。先ほど大変難しい、それから大変手間がかかるというお話ございましたけれども、先生方の御意見も参考にしながら我々として最大限良い評価をしていきたいと思っております。
○橋口総務課長
   それから、貴重な御意見を賜りました。私どもの方でも例えば今政策金融をやっておりますが、研究会等も立ち上げ研究者の方々にも入っていただいて、その作業を進めているところでございますけれども、そのプロセスの中に取り込んでいくのがいいのではないかといったような御指摘をいただきましたので、これも十分考えてまいりたいというふうに思います。
   それから、いろいろやっていく上での「制度なかりせば」という比較の観点、あるいは各府省との十分な意見交換等もよく認識してやっていきたいというふうに思います。
○村松委員長
   樫谷委員、お願いします。
○樫谷委員
   二つの点でお願いをしたいと思っておりますが、特に説明責任を果たしているかという観点ですよね。いろいろ我々、国民という立場で評価委員会は見なきゃいけないと思っておりますが、なかなか国民が見て分からないどころか、プロでも分からない部分がたくさんあるんですね。それをもう少し国民が見て分かりやすい、つまり政策の目標と結果が分かるのか。つまり、最終的には国民が判断するわけですが、その判断できる形になっているのかどうかということもやはり評価の対象にしてもらいたいと。つまり、説明責任を果たしているかどうかということですね。そういう観点からの評価のまず一つお願いということでございます。
   それからもう一つは、評価するときにできるだけ推移、長期的な観点、過去の推移はどうなってきたんだと。いろいろな政策を打ってきているが、その結果、例えば湖沼の問題だったら大体どういう影響を与えているんだと。そういった、大きな流れをできれば見ていただきたい。つまり、いろいろな省庁がいろいろな手を打っていると。打ったタイミングが多分あると思うんです。その後どうなってきているんだというようなことを、特にやめたらどうなるかという観点もありますが、打ったときにどういう影響が出ているんだというようなことも、つまり長期的な観点、推移を見ていただくと。それからもう一つは、将来のフォローアップができるような仕組みと、この二つをできればお願いしたいと、こういうふうに思っております。
○村松委員長
   そのとおりだと思うんですが、例えば、おっしゃられているのは前半ですと公表の仕方とかそういうところで具体的に考えるということなんでしょうかね。
○樫谷委員
   もちろん報告書、評価の報告書もそうですけれども、例えば特別会計の話も出ましたけれども、今これ見直されようとされているわけですけれども、現状の特別会計を見ても我々分からないんですよね、実態が。特殊法人もそうですけれども。でも、大分改善されてきましたので、そういうことと、それから会計の数字だけではなくて、数字以外にいろいろあるわけですね。そういうことが本当に国民にきちっと説明できるような形になっているのか、されているのかですね。
   例えば、いろいろ聞いてみますと、中身がどうも分析されていないんじゃないかなと。例えば道路特別会計だとか、あるいは空港の特別会計がありますよね。この中身、トータルは分かるんだけれども、じゃあ個々はどうなっているんだということが実は分からないんですね。羽田の採算どうなっているんだと、あるいはほかの飛行場の採算どうなっているんだということは、実は説明されていないんですね。したがって、必要だということだけになっていますので、もちろんやることは必要なんでしょうけれども、必要だということとコストとの関係あるいは採算との関係ですね。もちろん採算が合わなければやらないというわけじゃないんです。合わなくてもやらなきゃいけない部分もあると思うんですが、合わなきゃいけないということをやるためには余計に説明をしないといけないと思うんです。赤字の説明をしないといけないわけですよ。だから、その辺の説明がちゃんとされているのかどうかですね。その辺を、そういう観点で見ていただけたら大変ありがたいなと思っています。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   稲継委員、黒川委員の順でお願いします。そのあたりで大分もう時間が来ると思いますので、その後の方がいらっしゃるのかもしれませんけれども、また別のときにお願いしたいと思います。どうぞ。
○稲継専門委員
   1点だけ初歩的な質問で恐縮なのですけれども、既に前の委員会で御説明あったかもしれないのですが、3カ年度にわたってやる統一性評価あるいは総合性評価なのですが、検査検定、それから特別会計、経済協力につきまして、平成13年度にやるものと14年度にやるものと15年度にやるものがどういう区分けになっているのか。前の年度に調査がベースになってレベルアップしていくのか、あるいは分量が多過ぎるから分けて、人的な配分から単に分けてやっているだけなのかということをちょっと教えてもらいたいなと思います。
○村松委員長
   どうでしょうか、それぞれで違うのでしょうかね。
○橋口総務課長
   担当評価監視官の方から御説明させていただきます。
○渕上評価監視官
   それでは、特別会計について御説明いたしたいと思います。
   平成13年度は登記と特許につきまして、歳入歳出の推移とか特例的規定の活用状況を調査分析してきたところでございますけれども、このたび14、15年度にかけまして37特別会計全体について調査するということになりましたので、37特別会計全部を見た後、調査結果を一括処理したいと、こういうふうに考えておるところでございます。
○細谷評価監視官
   検査検定制度についてお話し申し上げます。
   この委員会でも以前、御説明させていただきましたけれども、当初は13年度に防災保安分野、それから14年度流通分野、15年度住宅運輸分野ということで分野ごとにやっていく予定でございました。しかし、検査検定制度は非常に多様でございまして、そういったグルーピングが必ずしも評価に当たって十分かどうかといったことをこの1年いろいろと検討してまいりまして、結果として対象自体も全制度に拡大いたしますとともに、評価方法自体も見直して、14年度、15年度、2カ年で一斉に当室のリソースを動員して評価を行いたいと、そう思っているところでございます。
   なお、今年度につきましては、先ほど高木委員の方からございましたプレリミナリー・スタディみたいな形で防災保安分野をケースといたしまして、現在、事前調査をしておりまして、その結果を踏まえて来年度一斉に約130に及ぶ制度について同じような視点から一斉調査をかけるという方向で現在、準備作業を進めているところでございます。
○塩谷評価監視官
   経済協力でございますけれども、既に現在13年度ということで、技術協力を中心に現在調査を進めております。14、15で資金協力、これは有償と無償とございますけれども、この辺を中心にそういう窓から各援助形態との連携のあり方とかについても、あるいは各省庁が独自にやっている施策といいますか、そういうものも含めて見ていきたいなと。最終的には技術協力、資金協力を含めて全体としての取りまとめといいますか、総合的なもの、これも14、15の中でやっていきたいなと思っているところでございます。
○村松委員長
   それでは、黒川委員の発言をお願いします。
○黒川臨時委員
   統一性評価のテーマ及び総合性評価のテーマにつきまして、それぞれについてお話をお聞かせいただいたところ、非常に重要な項目が並んでいて、大変テーマ選定については妥当だったなというふうに思います。ただ、この後はテーマ設定についての一つのサジェスチョンみたいなものを二つだけお話ししたいと思うんですけれども、一つは具体的なことで、環境問題です。総合性評価につきまして、平成14年度に湖沼について、それから15年度が飛びまして16年度に大気汚染とリサイクルについて評価を行うと。これが大きく考えてみれば環境問題なんですけれども、この環境問題というものについては、私なりに思うに、地球の資源というもののほとんどが有限資源であるという認識と、それからこの環境というもののベースラインというんでしょうか、どのレベルで保全するのか。それはどういうことかと言いますと、要するに持続的発展ですね。経済と環境をどういうふうに両立させるのかと、そこに行き着くんだろうと思います。
   そういう観点で見ると、環境と経済あるいは持続的発展の問題は大きなテーマなんですね。そこから考えると、湖沼もその一環でしょうし、大都市の大気環境もそうだし、リサイクルもそうだということなんですけれども、ほかにもあるだろうと。例えば、最近ですとCO2 であります。それから土壌の汚染問題。それから、この後、原子力発電所の廃棄の問題はかなり議論になって、会計上も問題になってきつつありますけれども、大きな高層ビルの廃材、これがもう耐用年数が来たときにどうするんだと、このがれきの山をとか、こういうすべてが今私が言いましたように、環境と経済というか、そういうような観点からすればつながるように思うんです。
   ですから、平成15年度がポコッと抜けるんではなくて、大きな意味で環境と経済みたいなものがあるんだと考えていけば、今私が言いました三つぐらいテーマを言いましたけれども、それがポコポコと毎年抜けないでずっと何かやっているというようなことがあってもいいのではないかと。それが第1点目のテーマ選定における視点ということです。
   第2点目のテーマ選定の視点なんですけれども、これはもう少し大きく、先ほどから各委員から出ましたけれども、大きな問題意識というのがあるのではないだろうかと。そのときに、一体、国とか国民とか、あるいは世界なんていうと、非常に私のようなものが言うのもどうかと思いますけれども、あるんではないか。例えば国民と何かとか、あるいは先ほど言いましたのも環境と経済というのがありましたね。要するに我々の生活というのはどのような要素から成り立っているのかということを、もう一度ちょっとブレイン・ストーミングをしてみると、大きな枠組みができてくるんじゃないかというように思うんです。
   先ほどの説明では、環境と何とかというのは一つだったと思うんです。それ以外に何かあるのではないか、そういう観点からテーマを横断的に決めれば、そこで今年度あるいは2年度はここのテーマをやりましょうとかということで、個々に総合性評価のテーマが浮かび上がってくるんではないか。そうすると、5年とか10年たってみると、非常に大きな、これから業績が積み上がっていくわけですけれども、抜けがないような、非常に統一的というか、戦略的な評価が、10年ぐらいたってみるとできるのではないだろうか、このように思いますので、是非とも我々の生活あるいは我々の国というのはどういうような要素から成り立っているのかという観点で、もちろん御検討はされたとは思いますけれども、もう一度枠組みという観点で見ていただきたいなと、このように思います。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   多分そういうこともお考えの上だというように思いますが、大変御貴重な御意見で、今年でも来年度以降でも続けて考えていかなきゃいけないと思いますが、事務局の方から、どうぞ局長。
○塚本行政評価局長
   ただいま黒川委員からいただいた御示唆も含めて、本日いただきましたものの中で、非常に大きな流れというのがあるんじゃないかということを感じました。
   実は、若松副大臣からも、ここに委員として御参加いただいている方々の御見識を我々の仕事、すなわち、総務省として行っていく評価にどのような形でちょうだいしていくかということについてしっかり考えろという指示も受けております。今のお話もそのようなことから申しますと、今年のものは来月にはまとめなければなりませんので、一定の限界がございますけれども、まことに長期にわたるテーマを作るということがどういう意味かという点において、はっきり申しまして気のつかないところを御指摘いただいたと思っております。今後こういうテーマの検討についてどうしていけばいいか、よく考えさせていただきたいと、こう思っております。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、ちょっともう延びておりますけれども、ここで休憩に入らせていただきたいと思います。10分間休憩ということで中途半端ですけれども、22、3分頃に再開ということになるかと思います。よろしくお願いします。
(休憩)
○村松委員長
   それでは、審議を再開いたします。
   次の議題は、「政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営についての取りまとめ」ということでございます。
   資料に基づきまして、まず事務局から御説明いただいた上で審議に入りたいというように思います。よろしくお願いいたします。
○讃岐評価監視官
   「政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について(案)政策評価・独立行政法人評価委員会決定案」というものでございます。最初に括弧書きの中をざっと読みますと、「本資料は、これまでの委員会審議を踏まえて当委員会が独立行政法人評価に取り組む考え方を、『政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について』(案)として取りまとめ、御提出させていただくものである。今回の審議を踏まえ、また、各府省評価委員会の作業との関係における実効性等を吟味しつつ、次回委員会において取りまとめることとしたい。」ということで、12月、1月、2月と今回を含めて3回御審議いただきまして、時間を取ってこの場でご審議いただくのは今回までということで、次回3月に取りまとめることとしたいということで、今回御審議を頂ければと思います。構成ですが、新たに書き起こしましたのが「前文」で、これは各府省評価委員会、あるいは対外的にメッセージとなるもの、そこのエッセンスが含まれるようにということで書き起こしております。
   それともう一つ、一番下の別紙「点検項目の設定についての考え方」ということで、これは具体的に我々が評価を行っていく時の考え方をよりブレイクダウンするとこのように考えられるのではないかということで取りまとめたものですので、別紙のいろいろな考え方について、今回いろいろな御審議、御示唆、御意見を頂ければ事務局の方でまとめることにしたいと思います。
   それでは、2ページの前文からですが、本文についてはざっと読み上げさせていただきたいと思います。
   「中央省庁等改革により導入された独立行政法人制度は、政策実施機能に係る一定の事務・事業を担わせるため、独立の法人格を持つ法人を設置し、主務大臣の指示する明確な達成目標の下で、業務の実績を事後的に評価することにより、効率性とサービスの向上を図る仕組みである。評価結果は公表され、国民の前に明らかにされるとともに、次年度以降の業務運営の改善に反映されていくこととなる。また、評価結果を踏まえて、独立行政法人の長の解任も行われ得るものとされ、さらに役員の報酬の支給にも業務の実績が反映され得るものとされている。このような厳正な措置をも伴い得る事後評価の仕組みの存在が、独立行政法人に業務運営における努力を促し、効率性とサービスの向上という国民の求める成果の実現に結び付くこととなる。すなわち、独立行政法人制度において「評価」の仕組みは、成果の向上を図るためのメカニズムが機能するための鍵を握る重要な位置付けを有するものである。独立行政法人制度が国民に信頼される制度として今後の我が国の行政に定着するか否かは、『評価』の仕組みが実効あるものとして機能するか否かにかかっていると言っても過言ではないと考える。当委員会が取りまとめた、この『政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について』は、総務省に置かれる当委員会が、その任務を的確に遂行していくための基本的な考え方を明らかにしたものである。この中では、まず、当委員会の任務について記した上で、当委員会における評価の方針として、評価の対象と方法について記した。評価の方法のうち、特に具体的な点検項目については、別紙にその設定についての考え方をまとめ、評価の実施の過程で、具体的な点検項目の設定を図っていくこととした。このような当委員会の評価に関する基本的な考え方を明らかにすることにより、府省評価委員会においてもこの趣旨が認識され、独立行政法人評価の取組みにおいて参考とされるものと期待される。言うまでもなく、独立行政法人評価の信頼性、実効性の向上が図られるためには、各評価機関が独立行政法人制度における『評価』の重要性を認識し、第三者機関として、中立・公正な立場で客観的かつ厳正な評価に取り組んでいくことが必要である。各府省評価委員会と当委員会とがそれぞれの任務を的確に遂行していくことにより、独立行政法人評価制度が、真に国民の期待に応えるものとして発展していくことが重要と考える。」
   1といたしまして、「(1)独立行政法人の評価に関する制度の基本、独立行政法人制度は、政策実施機能に係る一定の事務・事業を担わせるため独立の法人格を持つ法人を設置し、主務大臣の指示する明確な達成目標の下で、その業務の実績を事後的に評価し、その結果を法人の次年度以降の業務運営の改善に反映させるとともに、毎年毎年の長の責任や役職員の処遇等に反映させるという仕組みにより、業務の効率化と国民に対して提供するサービスの向上等、国民の求める成果の実現を図ることを目的とする制度である。このように、事後評価に重点を置くということが制度の基本の一つであることから、独立行政法人の業務の実績の評価が、中立・公正な立場から客観的に実施されることが重要である。このため、各府省に第三者評価機関である評価委員会が置かれて評価を行うこととされ、これに加えて総務省に全政府レベルの第三者評価機関である政策評価・独立行政法人評価委員会が置かれることにより、独立行政法人の評価の客観的かつ厳正な実施を確保する仕組みとなっている。」。
   「(2)政策評価・独立行政法人評価委員会の任務。総務省に置かれる当委員会は、全政府レベルの評価機関として、各府省評価委員会から通知された独立行政法人の業務の実績の評価の結果について評価を行い、『必要があると認めるときは、当該評価委員会に対し、意見を述べる』こととされている。なお、上記に加え、『独立行政法人の中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関し、主務大臣に勧告する』こととされているが、これについての取組みの方針は、別途検討する。」。
   2として「評価の方針、(1)評価の対象、当委員会は、各府省評価委員会が行う評価の結果、すなわち、各府省評価委員会が、独立行政法人について、1)『当該事業年度における中期計画の実施状況の調査をし、及び分析をし、並びにこれらの調査及び分析の結果を考慮して当該事業年度における業務の実績の全体について総合的な評定』、2)『当該中期目標の期間における中期目標の達成状況の調査をし、及び分析をし、並びにこれらの調査及び分析の結果を考慮して当該中期目標の期間における業務の実績の全体について総合的な評定』を行い、当委員会に通知する評価結果を対象として、評価を行う。」
   「(2)評価の方法、当委員会は、各府省評価委員会の評価結果を対象として、以下の内容により必要な点検を行い、必要な意見を述べる。ア実施方法、当委員会の評価においては、まず、各府省評価委員会の評価結果が、当該評価委員会において定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価を行ったものとなっているか、また、評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているかについて、点検を行うことを基本とする。(ア)『各事業年度に係る業務の実績に関する評価結果』の評価、各府省評価委員会から通知を受けた各事業年度における独立行政法人の業務の実績の評価結果について、『当該事業年度における中期計画の実施状況の調査及び分析の結果』に係る部分と、『これらの結果を考慮して当該事業年度における業務の実績の全体について総合的な評定を行った結果』に係る部分のそれぞれに関して、以下の方法により評価を実施することとする。(a)『当該事業年度における中期計画の実施状況の調査及び分析の結果』に係る部分、1)各府省評価委員会において定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価が行われているかについて点検を行う。また、評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているかについて点検を行う。(b)『これらの調査及び分析の結果を考慮して当該事業年度における業務の実績の全体について総合的な評定を行った結果』に係る部分、1)各府省評価委員会において定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価が行われているかについて点検を行う。2)また、評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているかについて点検を行う。3)その上で、全政府レベルの評価機関である当委員会として、各府省評価委員会の評価結果を全体的、横断的に捉えた結果、例えば一部の独立行政法人の評価について取られているある一定の視点、手法等で、これが取り入れられることが評価の実効性向上のため必要かつ有効と認められるものがある等の場合には、当該独立行政法人の業務の特性等を勘案しつつ、これを加味した点検を行う。(イ)『中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果』の評価、(ア)に準じて評価を行うこととする。評価の実施方法に沿った点検項目の設定についての考え方は、別紙に示す。イ資料の提出等の要求、評価の実施に当たって必要な資料収集、説明聴取等については、次による。所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、独立行政法人の主務大臣又は独立行政法人の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求める。所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、独立行政法人の主務大臣又は独立行政法人の長以外の者に対しても必要な協力を依頼する。」。
   「3評価結果及び公表、(3)各府省評価委員会による所管独立行政法人に係る評価結果を評価した結果、当委員会が必要と認めるときは、当該評価委員会に対し、意見を述べる。その際、当該『意見』は、公表する。また、年度を通じた当委員会の評価の結果及び当委員会の『意見』を含めた評価活動の状況等について、取りまとめ、公表する。(2)各府省評価委員会の評価結果の評価を行うことに関連して、評価の実施状況の把握とあわせ、以下の事項について当委員会として注視・把握し、中期目標の期間の終了時において、当該独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関し、当委員会が主務大臣に対して行うことができる『勧告』の検討に資することとする。1)各府省評価委員会が、評価を行った結果、独立行政法人通則法第32条第3項に基づき、必要があると認めるときに、当該法人に対して行った業務運営の改善その他の勧告の実施に係る状況と、それに基づく措置に係る状況、2)中期目標期間終了の前年度の評価において、各府省評価委員会が行う、次期中期目標の策定等についての検討の実施状況、3)主務大臣が、独立行政法人通則法第35条に基づき、独立行政法人の中期目標の期間終了時において、当該独立行政法人の業務を継続させる必要性、組織の在り方その他その組織及び業務の全般にわたる検討を行い、その結果に基づき、所要の措置を講ずる場合にあって、その検討に際して行う府省評価委員会の意見聴取及び委員会の審議・答申等の状況、4)各府省評価委員会の評価結果を踏まえ、中期目標又は中期計画を一層適切なものとするとの観点から見直し、修正を行う場合にあって、主務大臣がその変更又は変更の認可に際して行う各府省評価委員会の意見聴取及び委員会の審議・答申等の状況、(3)上記と関連して、全政府的な立場から独立行政法人の評価制度の実効性の向上を図る上で必要と考えられる場合には、当委員会としての見解等を取りまとめ、公表することを検討する。」以上が本文です。
   7ページからは別紙です。特に前半部分は今回新たに提出させていただく資料です。「点検項目の設定についての考え方」ということで、本文の評価の実施方法の中で、1)定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価が行われているか、2)評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているか、この二つについて点検をするということについて、よりブレイクダウンした考え方なり判断の基準なりについてどのように考えたらいいかについて総論的に7ページ目でまとめ、以下具体例として想定される例はこのようなものがあるのだとお示ししています。本当に具体的な項目というのは、やはり各府省の基準などを見て、業務の特性などを見た上で埋めていかなければならないと思います。そのために、4月から7月まで準備作業のための審議ということで、先ほどのスケジュールでもお示ししているところであります。こういう考え方で果たしてすべて捉えられるかどうか、そういうことについてお考え頂ければと思います。
   まず冒頭3行ですが「各府省評価委員会の評価の実施形式及び評定が、独立行政法人の評価制度が求める公正妥当な評価であると認められるために必要と考えられる水準を満たしているかどうかを点検する。具体的には、まず、本文 2 (2) ア実施方法に示したとおり、以下の1)及び2)を基本として点検を行う。1)定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価が行われているか。具体的には、定められた評価基準に則り、また、公正妥当な手続・手順を用いて、適切に評価が行われているか。」。要点といたしまして「基準及び中期計画掲記の項目との関係での網羅性(完全性)」、もう一つの○として「評価の実施の計画、手順、データ収集その他調査、審議、結果取りまとめ等手続の妥当性、適時に、公正な立場から、判断に必要なデータ等を必要十分に入手し、検討して、結論を得たことが明らかであるか。2) 評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているか。」。要点として「基準の当てはめは適切か。当てはめの結果行った判断について、その理由、根拠等がきちんと示されているか。その際、用いられた資料、データ等の信頼性の確認結果が示されているか。なお、当該データ等には検証可能性があるか。審議の記録及び基礎資料はきちんと保存されているか。」次の○として「評価結果(評定、評定の理由等)は、明瞭で分かりやすいものとなっているか。上記1)及び2)について、既に定められた各府省評価委員会の基準等をもとに、具体的な点検項目となることが想定される例を示すと、以下のとおりである。」
   先ほどの評価の実施方法のところで、中期計画の実施状況の調査及び分析の部分と総合的な評定の部分に分かれているということで、それぞれについて、1)と2)を具体的に当てはめていくとこういう例が想定されるかということで書いていますが、「1)定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価が行われているか。」○として、「定められた評価基準に則り、適切に評価が行われているか。」。まず中期計画の実施状況の調査として、中期計画が実施されているかどうかを把握する、材料を集めるというようなことだと思いますけれども、例として「基準に示された各項目(中期計画掲記項目)のすべてについて、実績の把握が行われているか。」もう一つの例として、「実績の定量的・定性的把握は、基準に示された指標によって正確に行われているか。」。次が中期計画の実施状況の分析、中期計画の各項目に沿ってどれだけ達成されているかについて判断を行う、それを判定と言う形で示すということになると思うのですが、例としては「基準に示された評価の単位ごとにすべて判定が実施されているか。」。次の例として「基準に示された判定の区分(例えばA、B、C等)に沿い、正確、厳格な実績の把握に基づく判定が行われているか。」。次の○ですが「公正妥当な手続・手順により評価が行われているか。」。一つ目の例として、「専門的な内容のものについて、専門家による第三者評価の結果を活用して評価が行われている場合、その第三者評価の手続的妥当性(利害関係者の除外等)について必要な確認が行われているか。」。もう一つの例として「把握されたデータの妥当性(代表性、信頼性等)について必要な確認が行われているか。」が今のところの例示です。
   2)として、「評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているか。」。○として「中期計画の実施状況の分析内容は妥当なものとなっているか。」。例として「中期計画の実施状況の判定は、評価基準に示された判断基準を業務実績等に適切に当てはめたものとなっているか。」。次の例として「機械的な判断基準の適用等で判定結果を導き出せない等の場合、判定結果を導き出した根拠、理由等は明確に示されているか。」。
   それから(b)が、「業務の実績の全体についての総合的な評定」、最終的にその組織がどのような目標を達成したと考えられるか、組織全体についての評価ですが、「1)の結果、定められた評価基準に適合したかたちで適切に評価が行われているか。」。○として「業務の実績全体の総合的な評定が、基準に則り、適切に実施されているか。」。例として「基準に示された考慮要素(中期計画の実施状況の判定結果、その他加味する要素等)に基づいて評定が実施されているか。評価基準を踏まえた評価の内容は妥当なものとなっているか。」。○として「業務の実績全体の総合的な評定の内容は、妥当なものとなっているか。」。例として「業務の実績全体の総合的な評定は、評価基準に示された判断基準を適切に当てはめて導き出されているか。」。例として「中期計画の実施状況の判定結果を平均(加重平均)して総合的な評定を実施する等の基準が示されている場合、その基準によって総合的な評定が行われているか。」。もう一つの例ですが「業務の実績全体の総合的な評定を導き出した根拠、理由は明確にされているか。当該評定は妥当か。」ということで、例としまして「中期計画に明定されていない法人の業務運営の実績(法人のマネージメントの改善への努力等)を加味して総合的な評定を行うとされている場合、どのような要素をどのような理由で選択し、加味したのかが明確に示されているか。その上で、当該総合的評定は適切か。」ということでございます。1)及び2)について具体的な例示を含めてどのように考えられるかをお示ししたものです。
   3)は、これまでもお示しをしているものですが、ざっともう一度説明いたします。「1)及び2)の点検を行い、その上で、評価結果を全体的、横断的に捉えた結果に基づく評価の実効性向上の見地から、点検を行う。以下のいちi)からよんiv)に示す区分により、中期目標事項の達成状況の評価に資することとなると考えられるものを点検項目として設定する。」( )の中ですが、「具体的には、各府省評価委員会の評価結果を全体的、横断的に捉えた結果、例えば一部の独立行政法人の評価において取られている一定の視点、手法等で、これが取り入れられることが評価の実効性向上のため必要かつ有効と認められるものがある等の場合には、それを点検項目として設定することとなるものであるが、これまで当委員会で示唆されたものとしては、以下の例に挙げるような視点、手法等がある。」。最初からこれが決まっているというわけではなくて、全体的、横断的に捉えた上で、これを有効と考えようということで設定していこういうことになろうかと思いますが、 これまで御示唆いただいたものとしてはこういうものがあり得るということで、業務運営の効率化については、例えば「単位費用の設定等、費用と効果の関係について何らか適切な指標を設定し、当該独立行政法人における当該指標の経年的な比較、同種類似業務を担う他法人・民間法人等との比較を行うことにより、効率性(生産性)の向上を把握しているか」。にiiといたしまして「 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上」、例えば「何らか一定の業務の実績に関して、独立行政法人の業務類型等に応じた適切な指標を設定し、当該法人における当該事業の実績との経年的な比較、同種類似業務を担う他法人や民間法人との業務実績との比較により、その業務の実績を把握しているか。」。さんiiiといたしまして「財務内容の改善、例として、財務内容の改善に関して、独立行政法人の業務類型等に応じて、自己収入比率、収益率等の適切な指標を設定し、当該法人における経年的な比較、同種類似業務を担う他法人との比較等を行うことにより、財務内容の改善を把握しているか。」。よんiv その他でありますが「 独立行政法人の業務実績を向上させるために行われている、組織運営の弾力化(インセンテイブの設定、職員の能力の向上等)、マネジメント・システム、内部統制システムの改善等の措置に関して、その効果を業務実績の評価に際して把握しているか。」。前回の御審議の中で、監事、監査機能とか、ガバナンスシステムのあり方、或いは管理会計の在り方とかマネジメントを改善していくようなより評価の有効性を高めていくことについて取り入れられるものは取り入れられないだろうかという御指摘を踏まえて、マネジメント等について追加させていただいております。
   最後に「イ『中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果』の評価、アに準じて評価を行うこととする。」ということにしております。以上でございます。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   今御説明いただいた、運営について(案)というのは、これはもともとは本委員会の役割について評価の評価であるということがあるわけですが、それが法律で書いてあると。しかしながら、その法律で他の府省に設置されている独立行政法人評価委員会で評価するときに、参考になるガイドラインのようなものというのを法律自体は十分に感じさせていないではないかと。やっぱりそれが必要ではないかという御意見が強くございまして、勉強会を含めまして何度も議論してきた、そういうふうにしてここまで来たという経緯があるわけでございます。
   かなり法律自体も立体的に構成して、理解し易くなってきていると思いますし、具体的な点検項目についても皆様の御指摘を整理しながら大分いい線に来ているなというふうに私は思っているのですが、これをさらに深めていただいて、当委員会の意見として外の関係機関や国民に向かって公表していくと、そういうふうになっていくわけでございまして、どうぞ皆様いつものように御議論をいただきたいと思います。
○金本臨時委員
   一つは全体のトーンですが、どうも官僚統制的な書き方というか、総務省が基準を決めてそれに従っているかどうかチェックしますというふうな書き方になっていて、何か少し工夫をする必要があるのかなという気がいたします。
   独立行政法人の制度を作った理念というか、もう少しダイナミックなものを想定をしていたのではないかと。国民に対してすぐれたパフォーマンスを最低のコストで提供するために最大限の自由度を持たせるということと同時にパフォーマンスをちゃんとチェックしましょうと。そういうダイナミックなものとして捉えたところにどう貢献できるかというところをもう少し明確にしておいていただかないと、何か官僚的基準があって、それに従っているかどうか、それを調べますという書き方に見えてしまう。本来の意図はそうではないんだと思うのですが、そう見えないような工夫を少し、前文のあたりとか中身の書き方についてお願いできればと思います。
   もう一つは、独立行政法人ですと、いわゆるベンチマーキングというのが手法のかなりのものになるんだと思うんですが、これはただ基準というか単価を計算して機械的に比較をするというところで終わるものではなくて、いかにうまいベンチマーキングを組み立てるかというところが一つの、民間企業等ですと経営者の能力の一つであろうというふうに思います。ですから、きちんと正確に比較ができているかということを調べますということよりは、むしろその組織にとってパフォーマンスを向上させるために一番ベストなベンチマーキングのやり方になっているかどうかというところが重要なんではないかなという気がしていまして、横断的に見る組織もそういう視点でそれぞれのところがそれぞれにベンチマーキングの仕方を工夫するわけですけれども、それが本当に非常に有効なものになっているかという視点を入れる必要があるのではないかなという気がしています。
   ただ、これ余り強調してそういうところに手を突っ込み過ぎると、かえって個々の組織を萎縮させてしまうという面がございますので、実際の適用の仕方というのは難しい面があるんですが、いずれにせよ独立行政法人はどの組織をとっても、それほど簡単に評価ができるわけではありませんので、評価の仕方が本当に適切になっているかどうかというのは上から基準を設けて客観的・公正かどうかとかということでは済まないんだというふうに思います。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   讃岐さんの方から何か。
○讃岐評価監視官
   よく趣旨を踏まえまして考えたいと思います。
   一つだけ。基準というのはあくまでも各府省評価委員会が自分たちの所管の独立行政法人をどのように評価するのか、そこをまず府省評価委員会が基準を作ると。その基準に適合しているのかどうかということについて基準適合性とここで書いているのは、その府省評価委員会も第三者機関であって、独自の第三者機関としての評価を行うわけですが、それがそこで定められた基準に沿ってやっているのかということがまず重要であろうという、そういう考え方に立っているということであります。
   ベンチマーキングなどにつきましても、一律にというわけではなくて、やはり金本先生御指摘のように、本当に有効なベンチマーキングというのがどのようにでき得るものなのか、やはりまだいろいろな手法もあるかもしれませんし、そういったものをいかにして高めていったらいいのか、実効性を向上させていくにはどうしたらいいのだろうかと、そういう意識の中でまたこれから具体的な評価結果が出てきましたら、そういったことも含めて御議論をいただくような形にしていければというふうに思っております。
○村松委員長
   ここは出だしのところであって、非常に具体的なものを我々が見る過程でさらに手法等は深めていくということになって、そちらがこれからの仕事かなということになるんじゃないかと思います。
   前半で言われた、ちょっと官僚的ではないかというのは、それはどういう意味ですか、ちょっと私分からなかったんですけれども。
○金本臨時委員
   書き方のトーンが全体に基準に合っているかとか客観的かとか、そういうチェックをしますとしか見えないんですね。ですから、今どきこんなことしか言わないのかというふうに外にいる人が怒ってしまうんじゃないかなという気がしますが。
○富田分科会長
   金本先生より、非常に官僚統制的な表現だと言われたんですが、私は国民、納税者の立場から考えた場合に、独立行政法人という組織が初めてできると、それは立法府からも従来より独立し、民主主義的な統制がかかりにくい、しかも民間企業のように市場に出ていないので、市場メカニズムによる統制も利かないという新しい船出を我が国でするわけでして、そういう意味で、納税者としては、いろいろときちんと評価してもらわないといけないと。この評価と申しますのは、結局は、民間企業であればマーケットで評価されるわけですけれども、それに代わるものとして各府省の評価委員会があり、その各府省の評価委員会の仕事がきっちりいくかどうかについて、この当審議会が役割を果たすということを考えた場合に、不安材料は非常に多いというのが私の印象でして、とりわけ各府省の評価委員会で評価する場合に、ここでもありましたけれども、利害関係者の意見だけで評価してしまうというようなことではなしに、またそこには当然情報の非対象という専門家しか評価できないという問題に絶えずぶち当たるわけですけれども、そういうこともやっぱり乗り越えて、やはり各府省きちんとした第一次評価をするということの重要性ということを、ややくどくど言われたらそうなんですけれども、やっぱりこれまで以上に民主主義の統制も市場の統制もきかないところに各独立行政法人が乗り出していくわけですから、私はやはり各府省の独立行政法人評価委員会がきちんとした評価できるような後ろ盾になるようなものなので、これは官僚統制的というよりも民主主義的統制の表現として私は考えたいというふうに思うんです。
   先生がおっしゃったように、ベンチマーキングの問題というのは私そのとおり各独立法人でそれぞれ工夫してこれから作っていくべきものであるし、もともと簡単に評価できないことも確かだと思うんです。ただ、明確な目標を設定して、それをプライマリーである各省大臣と独立行政法人の長が契約して、ちゃんとやっているかどうかということをやっぱり評価していくための仕組みとしては、私は結構重たいものだと思います。そういう意味で、官僚統制というよりも、私の場合はちょっと先生とは違うんですけれども、厳しい方が納税者からして当然いいだろうというふうに思います。
○村松委員長
   意見が違うのかどうかよく分かりませんが…。
○金本臨時委員
   あまり意見は違わないと思うんです。きちんとした評価というのは何かいうことですけれども、要するに非常に明確な基準があって、それだけ見て客観的にやればそれで終わりというふうに見えてしまうというのが、多分この書き方の問題だろうと思うんです。ですから、きちんとした評価というのは、かなりある意味では、非常に一般に流布されているようなものを持ってきて、その基準で10%減ならばいいですというふうなところで済まないんだと思うんです。その辺をどうやって制度の中に入れていくかというところが問題で、なかなか難しいんだと思います。
   これだけ見ますと、何か非常に簡単な5年で5%とか、いろいろなそういう基準を出して、それをクリアすればいいですと言えばみんなオーケーと。そういうことをしないとちゃんとやっていないというふうに見られるというだけにしか見えないという感じがあるんですね。
○村松委員長
   分かりました。ありがとうございました。
   先ほど、翁さんとか木村さんから手が上がっているんですけれども、今のことに関連していることであればそれを先に伺った方がいいと思うんですが、山本さんと山谷さん、お願いします。
○山本専門委員
   金本先生の御意見はごもっともでして、結局ニュー・パブリック・マネジメントというのは裁量性を与えるかわりにアウトプットで管理しようというわけです。ですから、当然このアウトプットを管理するための基準をお書きになって、非常に統制がかかって、独立行政法人の評価が重要であるということはそのとおりなんですが、まさしく前文と3ページ目の表現の最初の出だしのところに、やはり主務大臣からいわゆる手続とかプロセスに関する裁量性を十二分に与えて、それで評価も機能するんだということを、やはり盛る必要があると思うんです。
   先般、先週エージェンシー化に関する権威者であるポリット先生も来られまして、財務省でも講演していただいたのですけれども、要するに裁量性を与えずに成果だけをがんじがらめに評価するということは、これは一番ニュー・パブリック・マネジメントに対する効果をないがしろにするということでありました。
   したがって、統制を厳格にしてこういう基準を明確にするということは当然必要であるわけなんですが、主務大臣から過度の従来どおりの干渉なり関与がないかどうか、主務省及び財務省からの過剰な財務統制がないかどうか、そういったことについてもそれなりに盛り込むというのは金本先生おっしゃるとおりだというふうに理解しております。
○村松委員長
   山谷さんどうぞ。
○山谷専門委員
   つまり、評価というかコントロールの考え方が2種類あって、そこのところがはっきり区別されていないところに問題があるんじゃないかなと思うんです。つまり、きちんとした仕事をさせるという、英語で言えばコンプライアンスとかレギュラリティとか、そこの部分を担保するというコントロールの仕方と、もう一方では成果を出してアウトカムあるいは業績を上げるという2種類あるんですが、これを読んでいる限りはやっぱり前者のきちんとした手続を守ってどうのこうのという、その印象が強過ぎるんですね。だから、これやっぱり分けて書いて、あるいはもう少し工夫してやらないと、今までこの独立行政法人の人たちというのはまさにコンプライアンスとかレギュラリティだけでやってきた人たちですから、そうじゃないものもあるんだということをはっきり言わないとまずいんだろうと思うんです。
○村松委員長
   ありがとうございました。木村さんの御意見も関連することでしょうか。
○木村専門委員
   若干関連するところと関連しないところがあるんですけれども、まず関連するところから申し上げますと、私はやはり二つが欲しいと思います。評価するには規則にのっとった手順を踏んでいるかということと、それで実際の評価の結果がよいパフォーマンスに結びついているかという二つが欲しいと思います。その点で、今の案は10ページ以降について、本当に結果に結びついたかというところについての文量が少な過ぎるというのが私の意見です。ですから、二つは絶対必要であると。
   それから、あと10ページ以降に関することですけれども、前の会議でも出ましたけれども、例えば中期計画があっても絶対、5年の中期計画ならば例えば2、3年目のロールオーバーが必要だという話が出ました。ロールオーバーの結果がどう業績に結びついているか、あるいは目標水準に結びついているかということも記述式でいいからこの10ページ以降の結果を見る場合に私は是非欲しい項目だと思っているのが一つです。
   あとは、目標自体は各独立法人が決められたらいいと思うんですが、目標の設定水準の妥当性については反対意見もあるかもしれないけれども、これぐらいの枠内におさまっているかというのは、過去の結果から見てもこれぐらいの枠内でおさまっているかどうかというぐらいは判断できると思うので、それも10ページ以降の評価のところに入れればいいんじゃないかというように思っています。以上です。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   翁さん。
○翁専門委員
   若干関連する点なんですけれども、やはりアウトカムの方を重視するという立場に立ちますと、今ちょっと木村委員もおっしゃいましたけれども、中期計画というのはやはり5年という非常に長いタームでして、これだけ大きな環境変化が、例えば今の経済状況なんか非常に大きな変化をして前提自体がどんどん変わっていくような状態にあります。そういった場合にその中期計画の変更に関してどういうふうな対応を、ここは注視・把握するというふうな形でここでは書いてありますけれども、主務大臣の決定と各府省の委員会の意見聴取などをすると。どういうふうな対応を我々がとっていくのかというのは、コンプライアンスなのかアウトカムなのかというところについての選択を迫られる、そういうような状況だと思うんです。
   そういった点で、例えばここの6ページの4)のところにも書いてありますけれども、我々がそういった中期計画の見直しについてどのように対応していくのかということについても、議論しておく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   どうぞ、竹内さん。
○竹内委員
   まず、富田さんがおっしゃった独立行政法人がマーケットによる評価が受けられるかどうかという点について言及なさったので、ちょっとその点、まず1点目なんですが、やはり独立行政法人はあくまでも顧客がいるという前提があるんではないかと。つまり、省庁が直接に政策とサービスをやるんではなくて、政策は作るけれども、サービスの提供ないしは研究開発などはこの独立の組織がやるという場合に、この独立の行政組織がいかに社会的ニーズを非常に即応的に、社会のニーズに応じて新しく開発して、新しい研究をしてくというようなことから言えば、擬似的にはマーケットはあるんではないかと。その擬似的なマーケットをどのような指標で捉えていくかという場合に、恐らく方法はあるんじゃないかと。もちろん利用者数とか、あるいはもし維持的な料金というふうな形をとれれば、会計的な手法を経年変化でとるという方向もあるし、私はサービスとの関係でいえば十分に市場の動きを反映させる方法があると思うので、それはきちっとやるべきではないかと。
   例えば、納税オフィスみたいなのを独立行政法人にした場合は、いかに納税者が納税しやすいような方法を開発したとか、そういうふうなことも一つあると思うし、その辺の工夫についてはマーケット的な方法はあると思います。
   2番目なんですが、コントロール的なやり方は研究開発機関には余り適応できないものがあるんじゃないかと。研究開発というのはある面で天才を育てない限りは新しいものは出てこないわけで、やはりとんでもないものを上位の研究者のレベルをがんと上げないことにはどうにもならないんで、余り平均値に合わせた評価ということは、要するにむだになっちゃう。つまり研究環境がいかに自由に、異質なものも含めてどんどん上位のレベルを上げられるかということになれば、これはもうコンプライアンスとか言っている場合じゃなくて、とにかく天才を育てるくらいのことを考えない限りはもったいないというか、税金を使って研究開発している意味がないというふうに考えると、コンプライアンスとかそういうパフォーマンスという言葉でもちょっと弱い、もっと新しい方法というか、戦略的目標みたいなものも含めてここの独立行政法人にくっつけていくというか、そういう方法もあるんじゃないかと思うので、アウトカムの方についてはもう少し何か伸び伸びとした指標をくっつけるという方法があるんじゃないかと。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   高木委員、どうぞ。
○高木臨時委員
   先ほどの金本先生の御意見に関してですが、私も考え方としましては金本先生のお考えの方に賛成するんですが、具体的な記述というところでちょっと申し上げたいと思うんですが、7ページの今回新たにお見せいただいた「点検項目の設定についての考え方」というところですね。これ最初の3行で「公正妥当な評価であると認められるために必要と考えられる水準を満たしているかどうかを点検する」という言い方になっておるわけです。この考え方はある程度絶対的な、あるいは一定の基準に基づいてというところになるかと思うんですが、一定の基準というところというのはその下の1)なんかに書かれている「定められた評価基準」、すなわち各府省が設定する評価基準であるわけですね。
   前にも申し上げましたけれども、各府省で設定する評価基準そのもの自体について横断的に考えてみた場合に、ある一定レベルというものが確保されていないと、定められた評価基準に適合していたとしても、この上の3行のところの「公正妥当な評価であると認められる」というような水準を満たしているということは言い得ないわけですね。我々は監査ということで、常に一定の何らかの基準とその結果についての意見ということをしょっちゅう考えているものですから、これでは本来的には言い得ないなということは明らかに指摘できますので、その点一つ申し上げておきたいと思います。
   それから今、竹内先生がおっしゃられた点ですけれども、何らかのマーケット、確かに非交換取引でない行政の部分については何らかのマーケットがあるというように言えるかと思うんですが、マーケットも極めて不完全なマーケットからかなり完全競争に近いようなマーケットまでいろいろありまして、極めて不完全なマーケットの場合の価格というものをどのように考えるかというのは、かなり難しい要素があるということは一応申し上げておきたいというふうに思います。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   田辺委員。
○田辺臨時委員
   1点ほどですけれども、恐らく各府省でやっている方の独立行政法人の評価委員会及び評価の評価をやっている我々の仕事、特に我々の方の仕事ですけれども、恐らく三つぐらい法律の中に書いてあるわけですね。一つは、各年度の評価を見て、法律をもう一回評価して意見を言うという部分。
   それから2番目は、中期目標期間が終了した段階でどうなっていたんだという評価をもう一回見て意見を言うという部分。
   それから3番目に、ここは若干ジャンプしている気がするんですけれども、主要な事務であるとか事業の改廃に関して意見を言って民間化せよであるとか、この事業を廃止したらといった点を勧告することだろうと思うんです。そうなりますと、この評価を行った後、どういう利用のされ方をするのかということを考えて、その利用を高めるような形の環境というか、眼差しを我々が提供するということが必要になってくるんだろうと思います。
   そこから見ていきますと、一つ明らかにこれ問題ではないかなという気がするのは、例えば5ページのところの(イ)のところですけれども、「中期目標期間に係る業務の実績に関する評価結果」の評価の部分ですけれども、これ各年度でやっている作業と全く同じという見方です。そうなりますと、各年度の積み上げとして中期目標期間が終わった後というのは、例えば次に中期目標を大臣の側が設定するときに何か役に立たせるようなことになりますし、それから独立行政法人の方で中期計画を目標を受けて立てるときにもう一回役に立つような情報が出ているかどうかということになろうと思われます。これは次年度に役立てるという、各年度の評価の情報とはちょっと質が違うんではないかと思うんです。そうなりますと、これ「(ア)に準じて評価を行うこととする」とそのまま書いていいのかなと。つまり、中期目標期間が終わった後というのはもう少し見方、それから利用のされ方が異なりますので、それを入れ込む必要があるのではないかというのが1点目です。
   それから2点目は、ここの中には書いておりませんけれども、主要な事務・事業の改廃に関してということです。これは、大臣に意見を言うわけですけれども、例えば民間化等になりますと設置法を変えるということになりますので、かなりある意味では強い権限ではあるんですけれども、そこは中期目標期間の後の評価を、それだけではないと思いますけれども、ベースにして何かをもう一回言うと、我々が言うということになりますので、そこがうまく入り込めるようなものに、この段階ではまだ書かれておりませんけれども、形を作っていただければと思います。以上。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   不足部分やら基本的などういうタイプというのか、そういう評価活動を考えてのことが、特に今のは成果から見るという視点がどれだけ入っているかというようなことだと思いますが、いろいろな御意見が出て、矛盾していても全部一度吸収する努力をすると。ここで出ている意見にはそれぞれアクセントがありますから、ちょっとずつ違うニュアンスも感じるんですけれども、それは全部プラスに生かせるように事務局には努力していただきたいと、そういうことでお願いしたいと思います。
   時間的には、実は16時で終わりということで考えていたんですが、次に意見形成ということになりますので、さらに御意見をいただけるものであれば、もう1人ぐらい。樫谷委員どうぞ。
○樫谷委員
   今おっしゃっていただいたことで多分その中に入っていると思うんですが、ダイナミックという言葉があったんですね。多分そういう制度ではないかなと、独法の制度というのは。その部分が少し欠けているような気がします。
   例えば、11ページを見ていただきまして、例にマネジメントのことが書いてあるんですけれども、これは業務の効率化とか財務内容の改善のところで書いてあるんですが、つまりそういう仕組みができているかどうかということですね。それが非常に大事だと思うんです。むしろその仕組みができていれば、放っておいてもというとおかしいですけれども、そういう方向に向いていくわけです。ところが基準でやってしまいますと、基準がなかなか見直されないとか変えないとかということになりますと改善していかないわけですね。だから、むしろそういうダイナミックさをどこかに謳っていただくと大変いいなということ。
   したがって、そういう関係から中期目標とか計画、5年間とか3年間決めたら梃子でも変えないというのではなくて、むしろ変えていくのが正しいんだと、ある意味では。つまり、PDCAなんだからアクションは今度改善、アクションしなきゃいけないんですよね。アクションをするということは、必要であれば中期計画も変えるんだという観点を、むしろそういうことを評価するんだということをどこかに入れていただいた方がいいのかなという気がいたしました。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   いずれにしましても、これは出発点でありまして、実際の評価活動に入りながらそれこそダイナミックないろいろな視点が出てくるということにはなるわけでございます。今日の議論は、それでも出発はしなければいけませんので、今日の議論をしっかり整理すると。そして、次回にお諮りするということにしたいと思います。
   それでは、もうちょっとだけ延長させていただいて、武田委員。
○武田専門委員
   今、独立行政法人の運営の仕方をどうするかということでお話がいろいろされているかと思うんですけれども、私もやはり前文等を読みまして、特に上から7行目ぐらいですか、独立行政法人の長の解任も行われ得るんだという表現がありまして、読みながらどきっとしたんですけれども、ここ数日間、冬季オリンピックなんか見ていますと、採点競技で審判の規範性が問われるような状態が起こっているわけですね。
   独立行政法人のガバナンスをどうするかという、お話が先ほど出ましたけれども、ガバナンスをどうするかといったところがきちっとしていないと非常に怖いことになってしまうんじゃないかなと。各省庁の独立行政法人の評価がそのまま解任につながるとは思えないんですけれども、その辺のメカニズムをどうするのかみたいなところも、通常の会社でありましたら手続があるわけですけれども、この場合はないんじゃないかなというふうに思っておりまして、そのあたりも仕組みとして整えていく必要があるんじゃないかと感じています。以上です。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   その点も踏まえさせていただくということでございます。
   それでは、ここで若松副大臣が御出席でございますので、ごあいさつをいただきたいと思います。
○若松副大臣
   どうも皆様、大変御苦労さまです。今日に至るまで村松委員長、そして富田分科会長をはじめ、委員の先生方には改めて感謝申し上げたいと思います。
   前回から私も出させていただいて、余り政治家がしゃべるとどうしても流れが変わってしまうので慎重にという御指摘もありましたが、前回の議論を聞かせていただいて一番感じたのが、やはりこの文章というのはどうしても霞が関の役所の皆様が作りますので、いわゆる霞が関ランゲージというんでしょうか、それに対してやっぱり国民が求めているのは、国民ランゲージというか、そこがあえて言えば今の文章の2ページの一番下に「真に国民の期待に応えるものとして発展していく」というんでしょうが、やはりこういった非常に難しい、本当に知っている人だけが分かる文章の延長の結果の一つの報告書を作っても、恐らくこれは霞が関ランゲージの延長で、かなりの大胆な翻訳がないと国民には伝わらないんじゃないかと。ここがある意味では、いわゆる国民の霞が関に対する大きな不満というか不信感につながっているのではないかと思うんです。
   そこら辺を、この前も政府税調にも出させていただいたときに、小泉総理がやはり今議論になっております課税ベースを広げると、どなたにも税金を払っていただくという議論ですが、そこで総理が問題提起されたのが、そうは言っても税金を払っていない人も非常に不満が多いと。こういう現象にどう対応していくかというのが非常に行政評価という一つの大きなチャレンジに与えられている課題ではないかと思うんですね。
   そういう意味で、当然、行政評価局の皆さんは、やりたくないこの行政評価を何とかやらせようということで一生懸命他省庁を説得するための霞が関ランゲージをやっているんでしょうけど、基本的にはやはり評価の利用ですか、この評価制度の利用ですね、だれが利用するかというとやっぱり国民なんですね。この国民が利用する観点からどういった仕組みに、どういった表現にしていくかという、是非国民のランゲージを忘れないように、そのために再度今日の委員の方がいらっしゃるということを改めてお願いをしたいと思います。
   またいろいろと御意見等ありましたら、私もおりますし、別に私が皆様から言われて、「局長、おかしいじゃないか」とそんなことも言いませんので、局長、心配しないでください。そこら辺は話し合いベースでやっていきたいと思いますので。これからそういう意味の霞が関ランゲージと国民のランゲージをうまくかみ合わせて、しっかりとした、まさに私どもこの行政評価制度というのを政党としては「無駄ゼロ政策」というふうに表現をいたしました。それが本当にはっきりとやっているということが分かるような制度となるために、是非委員の皆様方の御知恵も拝借したいと思います。本当にありがとうございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、最後に次回の委員会の開催などにつきまして、事務局から御説明ください。
○橋口総務課長
   それでは、次回、第14回の日程でございますが、3月22日、金曜日の2時からということで、この場所で開催させていただきたいと思います。議題でございますけれども、事前評価を実施する範囲等を定める政令、いわゆる施行令でございますが、その御報告をさせていただくということです。
   それから二つ目が、本日御審議いただきました政策評価のテーマ等、平成14年度の行政評価等プログラムの取りまとめにつきまして御報告させていただくと。
   それから、今御議論いただきました独立行政法人評価に関する運営についての取りまとめについて御審議いただくということでございます。
   次回の関係は以上でございます。
   それから、もう1点、御案内させていただきたいと思いますが、資料がお手元に行っているかと思います。これは、若松副大臣の方から指示がございまして、窓口を明確化すべきということでございます。御照会等窓口の御案内というふうに書いてございます。私どもの総務課政策評価審議室、室長の石川正晴、次長の山川健志、課長補佐の砂山裕、これらの者を窓口といたしました。御遠慮なく何なりとお申しつけいただければと思います。以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会の第13回会合を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
〔了〕