○村松委員長
時間がまいりました。これより政策評価・独立行政法人評価委員会の第14回の会合を開会したいと思います。
本日の議題に入ります前に、まず、本日の議題につきまして事務局より御説明させていただきます。
○橋口総務課長
本日の議題につきましては、お手元の「議事次第」のとおりでございますけれども、次回以降、総務省の行う客観性担保評価につきまして御審議をお願いしたいと考えておりますが、その予告的な位置付けといたしまして、本日の最後で客観性担保評価について御説明したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○村松委員長
ありがとうございました。
それでは、初めに「事前評価を実施する範囲等を定める政令の報告」ということで、資料に基づきまして事務局から御説明をお願いします。
○新井政策評価官
それでは説明させていただきます。お手元の資料1を御覧いただきたいと思います。その後ろに関係する法律の抜粋がございますので、見比べながら御覧いただきたいと思います。
資料1でございますが、タイトルは、法律の施行に関係しまして、既に一つ、9月の段階で「本審議会は基本方針を策定する際の意見を聞く機関」として政令で定めておりますので、その政令の一部を改正して、全体としては法律施行令ということで位置付けるというものでございます。今回の政令の中身につきましては、昨年11月30日の第10回の本委員会でも御審議いただいたところでございますが、政府内でまとまりましたので、御報告をさせていただきます。
内容的には2点ございまして、1点目が法律の第7条、実施計画の中に盛り込むものとして1号から3号まで掲げてございます。そのうちの2号でございますが、計画期間内において次に掲げる要件のいずれかに該当する政策を定めなければいけないということで、イとロがございます。イが、政策が決定されてから一定期間たっても未着手のものについて、その一定期間を過ぎた場合は政策評価を義務として実施していただくという規定でございます。ロが、同じように決定されてから一定期間以上経過した場合において、依然として未了の場合を定めるものでございます。
それぞれ法律上は、「政策の特性に応じて5年以上10年以内において政令で定める期間を経過するまでの間に」、「政策の特性に応じて政令で定める期間に5年以上10年以内において政令で定める期間を加えた期間が経過したときに」とございます。イにつきましては、一番短い5年を政令でその期間として定めたものでございます。ですから、政策が決定されてから5年を経過した段階で依然として未着手の政策があれば、あらゆる政策についてその段階で政策評価を行っていただく。ロが、政令に定める期間、5年以上10年以内を加えた期間ということで、これも一番短い5年。5と5を足して、政策決定から10年経過しても依然としてその政策が未了の場合は義務として政策評価を実施していただきます。そういう規定をこの政令で定めたものでございます。
もう1点が事前評価を法律の義務として実施する。これは本年4月1日から施行されるものでございまして、その段階において義務として実施しなければならない政策の範囲を定めたものでございます。法律第9条では要件として1号、2号の二つございます。1号があらゆる政策に共通の要件でございまして、「国民生活若しくは社会経済に相当程度の影響を及ぼすこと又はその効果を発揮することができることとなるまでに多額の費用を要することが見込まれる」。ですから、このどちらかの要件に該当する政策は必ず事前評価をやっていただかなければいけない。ただし、今現在、事前評価をやれるかどうかということの要件として2号がございまして、「事前評価に必要な政策効果の把握の手法その他の事前評価の方法が開発されていること」。事前評価ですので、ある程度方法が開発されておりませんと、効果の予測がぶれる可能性も高いので、開発されているものについて行うことにしております。
今回政令でこの二つの要件を満たすものについて位置付けたところでございます。資料を見ていただきますと、2.の事前評価の対象ということで、研究開発、公共事業、政府開発援助を政令の中で位置付けたところでございます。
個別に見ていきますと、研究開発につきましては、事業費10億円以上の個々の研究開発、ただし人文科学のみに係るものを除くとしております。事業費10億円以上というのは、1号の要件でございます多額の費用を要するというところで、それ以外の公共事業、政府開発援助、これは無償資金協力ですが、同様に10億円以上としているところでございます。相当程度の影響ということでいきますと、この3事業におきましてはその影響と費用が大体見合うような事業が中心でございます。相当程度の影響という場合には非常に大きなプロジェクトは該当すると思われますが、事業費10億円以上に包含されているものとして、政令では事業費10億円以上という中に入っているという整理をしております。
戻りまして、研究開発でございますが、人文科学のみ除くというのは、科学技術基本法でも人文科学のみに係るものは除くということになっておりまして、研究開発については平成9年以来評価の大綱で指針を作って実際に評価を行ってきているところでございますけれども、実態として人文科学のみに係るものについては除かれているということで、この政令でもそのような整理をしているところでございます。政令としましては、直轄又は一部を補助することを目的とするということで、直轄事業、補助事業すべてを含めて事業費10億円としております。
この10億円という基準につきましては、どのような考え方で整理したかと申しますと、研究開発の下の※にございますように、WTO政府調達協定や国民の視点、社会通念等を総合的に勘案ということで、10億円というのがアプリオリに存在するわけではございませんで、いろいろな折衝の中でこのような整理をさせていただいたということでございます。
WTO政府調達協定というのは、政府の横断的な調達についての考え方を整理しているものでございまして、この中で中央政府が求められているものの一番多額のものとしては、建設サービスの関係で7億 5,000万円という数字がございます。これが一つ前例として参考になるだろうということでございます。また、国民の視点、社会通念等ということでは、例えば東京証券取引所の上場基準を見てみましても、あらゆる業種を通じて資本金10億円ということで、資本金とこの考え方がどこまで一致するかは別といたしましても、一つの基準として10億円という数字が使われているところでございますし、国会においてこういうものを決めるときも、例えば10億円とか20億円というので一律に切るのがいいのではないかという御意見をいただいておりますので、それらを総合的に勘案して10億円という整理をさせていただいております。
次に、公共事業でございますが、同様に事業費10億円以上の個々の公共事業関係費に該当する事業ということで、国の直轄、公団施工、補助事業、すべて包含したものでございます。ただし、公共事業の中でも施設の維持、修繕は、施設の機能を付与するものではないということで、従来から政策評価を行っておりません。また、災害復旧、これは速やかに復旧するという性格から、速やかな評価は馴染みづらいということで、これまでも評価が行われてきていない分野でございまして、これについては政令で除外させていただいております。
それから、括弧書きのところでございますが、公共事業関係費の中でも、これ以外に事前評価の方法が開発されていない一部のもの。事実としてこれまで行われてきていないものもございまして、それらについては現在、事業所管省で具体的にどうするかについて検討していただいているところでございますが、必要なものがある場合には総務省と事業所管省の共同省令を作って、事前評価の対象から除外することができるという方法にしております。これは政令の中で外すという考え方もございますが、法技術的な関係、それから、新たにいろいろ公共事業関係が出てきた時に一つ一つ政令で除外していくことの不便さ等もございまして、そういうものがある場合には省令で外すという手法をとらせていただいております。
次は、政府開発援助でございます。これにつきましては、平成13年度から実施機関、JICA、JBICにおいて事前評価の取組が行われてきておりますが、外務本省においてはこれまでこのような評価の取組が行われてきていないという実態にあります。しかしながら、政府開発援助における事前評価の重要性を考慮して今回の政令で位置付けたところでございます。
具体的には、同じように供与限度額10億円以上のプロジェクト関連の個々の無償資金協力ということで、無償資金協力全体の中のプロジェクト関連、いわゆる公共事業的なものについて対象にしております。それから、供与限度額が 150億円以上のプロジェクト関連の個々の有償資金協力ということで、有償資金協力については 150億円としております。
下の※にありますように、有償資金協力については、融資であって将来相手国から返還されることを勘案し、供与限度額 150億円以上のものを対象として位置付けるということでございます。これまで出てきた資金につきましては、すべて費消されてしまう資金でございますが、有償資金協力というのは貸付事業でございまして、事実として相手国から返還されているものでございます。
したがって、10億円に見合う、費消されるものと並びの資金が幾らなのかということにつきましては、具体的にそれを算出する根拠が現段階では例えば国際機関等においてもございません。その比較として、これまで過去3年間の無償資金協力と有償資金協力の平均的な事業規模を見て、この数字をはじき出させていただきました。過去3年間の無償資金協力の平均1件当たりの単位が7億円ぐらい、有償資金協力は1件当たり 120億円ぐらいでございます。それを10億と比べますと、大体 170億円になりますが、これは端数を出すようなものではないので、丸めて 150億円という形で整理しております。
政府開発援助につきましては、括弧書きがございまして、私が今申し上げましたように、実施機関において評価を行っておりますが、政策評価というのはあくまでも外務省が自ら評価を行うものでございます。その場合、政府開発援助については特殊な要素があり得るということでございまして、それは政策的な側面についての評価の手法の改善の検討が必要となっているということでございます。
例えばタイで無償資金協力なり有償資金協力を実施すると、タイの地域でそういう事業が必要か否かについては今の実施機関でもDACの基準に従ってきちっとした評価が行われるわけでございますが、翻って外務省が省として政策評価を行うとしますと、日本とタイとの関係においてこの段階でこういう援助をすることの意義は何なのか等々、政策的側面の評価がまだ十分にはできていない。というよりも、外務本省ではこれまでやってきておりませんので、そのための手法の改善が必要ということで、平成14年度の予算要求においてもそのための予算を要求し、政府としてその予算をつけておりまして、現在国会でも審議中でございますが、政府としてはそういう予算を認めて検討していただくことにしております。
ということから、政令ではその重要性を考慮して位置付けましたが、総務省と外務省の共同省令により対象から除外をさせていただいております。ただし、今後の取扱いについては、今のような状況を踏まえ、施行後1年を目途に当該改善状況を踏まえ検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということで、当省としても指導・ウォッチをしていきたいと考えている次第でございます。
現段階において、事前評価として1号、2号を満たしているものということで、このようなものを位置付けてきたところでございますが、それ以外のものはどうなるかということにつきまして、4.のその他ということで、今回事前評価の義務付け対象とならなかった政策についても、総務省及び各府省において、政策効果の把握の手法等に関する研究・開発を積極的に進め、その状況を踏まえ順次義務付けの対象として追加していきたいと考えております。この考え方は既に昨年末に本委員会で御審議いただいた基本方針の中に盛り込んでおります。また、今回の政令の協議の段階においても、各府省間で考え方の整理をいたしました。要は何が事前評価の対象になっていき得るものなのかという点でございます。
その要件といたしまして、1点目が政策の特性に応じた具体の手法を用いた事前評価の取組。これは昨年の予算要求に向けての取組についても、各府省は事前評価に積極的に取り組んでいるところでございまして、このような取組が一定期間継続して行われている政策であるか否か。一定期間というのは、これまでの三つの事業などを踏まえますと、3年ぐらいというのが一つの目安かなと考えております。また、当然ながらその内容が法の求める客観的かつ厳格な評価を担保できるものとなっているか否か。このような視点から、3年ぐらいたったものについては検討を加えて、逐次、政令に追加をしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上で説明を終わらせていただきます。
○村松委員長
ありがとうございました。
今の御報告に関しましてご質問があればお願いします。
どうぞ。
○田辺臨時委員
1点は質問で、もう1点は補足的な意見でございます。
一つは、公表にかかわる部分をどういうふうにするのかということです。つまり、各省では政令にかかわる範囲と、政令でかかってこない部分とを一緒にして公表しているということですけれども、総務省側でまとめて国会に御報告する際にはどういう形の報告の形式をとるのか。政令の範囲だけを対象とするのか、それ以外を含む形で行うのか否かという点についてお伺いしたい。それから、公表のところですけれども、例えば政府開発援助で、外務省はできないけれども、JBICの側でプロジェクトで評価していますので、そちらの評価を公表の場に加えるのか否かという点についてもお伺いしたいということであります。
2点目は意見です。現実的な線であるとは思うんですが、政令で原則を決めて、共同省令で例外を作る。この例外をあまり増やすというのは明らかに好ましくないと思います。しかも、政令の場合、内閣法制局とのやりとりというチェックがかかりますけれども、この場合は省の間の関係で行うということになりますので、省令で例外を作るというのはできるだけ限定的に運用してほしいという意見であります。
2番目は、これが難しい場合に、例えば自転車道なんかはそうなのかもしれませんけれども、自転車に乗る喜びというのを測れないと。それは難しいことではありましょうけれども、例えばCVM等の調査をかければある程度の数字は出てくるわけでありますので、ここで省令で除外したらずっという形ではなくて、できるだけ時限的な扱いをするような方向でもっていっていただければと思います。
3番目といたしまして、共同省令で出てくる場合には、少なくともこの委員会に報告する、若しくはどちらか分からないというような判断に迷うような場合でしたら、是非とも委員会の場に出してほしいということであります。
○村松委員長
ありがとうございました。
新井さん、お願いします。
○新井政策評価官
公表については、少なくとも政令についても共同省令についても官報公示した段階で正式のものですから、官報公示ということで公表されるということだと思います。また、事前評価の義務付けとそうでないものも合わせて国会の報告になるのかという意味では、両者とも国会報告にいくものだと考えております。
それから、JICA、JBICについては、JICA、JBICの結果はいろいろな形で公表されています。ただ、政策評価という流れからいきますと、政策評価とは違いますので、政策評価ではなく、JICA、JBICなり外務省のODA報告書という形での公表の形態にならざるを得ないのかと考えております。
それから、意見の関係については、何で共同省令にしたかというのは、総務省は制度官庁としての立場でございますので、おっしゃるような趣旨も踏まえて、総務省としてはチェックをさせていただきたいと思いますし、共同省令ですので、大臣までの決裁になりますので、そのような運用にさせていただきたいと思っております。
それから、困難な場合も恒久的なものではないということで、私が今御説明した4番目は、「一つ作ったからこれでもう何も無いということではないですよね」ということにあらかじめお答えするつもりで書かせていただきましたので、当然そういう前提で考えております。
それから、具体的に共同省令で出たものをどう取り扱うのかということにつきましては、この委員会で御報告させていただく方向で検討させていただきたいと思っております。
○村松委員長
いいですか、それで。
吉野さん、どうぞ。
○吉野専門委員
四つほどあります。
一つは、研究開発の中に人件費の部分が多いと思うのですが、ヒューマン・キャピタルのような部分がどういうふうに日本全体に関して効果を持っているかというところまで含めて考えられる事前評価なのかどうかということ、特に研究開発の場合のものだけですと不都合が生じるのではないかということです。
2点目は、公共事業の場合に、財投と一般会計とございますけれども、教えていただきたいのは、一般会計の場合のコストベネフィットと財投の場合のコストベネフィットで違った計算をされるのか。特に財投の場合、有償資金ですから、それを超えてなくてはいけないということがあるのかどうかということです。
関連して、例えば20年後には収支トントンになるという予測を間違ってされた場合、その責任は国土交通大臣と、それをきちんと把握されようとしている総務大臣、両方が責任を負うことになるのかどうか。私、法律を知らないんですけれども、誰かが損害賠償を請求されたりしたときに、国土交通大臣と総務大臣の責任になるのかどうかというのが具体的な質問です。
それから、2.の公共事業の括弧書きのところに「事前評価の方法が開発されていない一部のもの」と書いてありますけれども、どういうものは開発されていて、「一部のもの」というのはどういうものを指すのか教えていただきたいと思います。
最後は、政府開発援助についてです。これは希望ですけれども、プロジェクトごとに審査されようとしているのですが、私はアジアのことを少しやっていまして、省庁横断的な政府開発援助をきちんと外から見ることができていないと思います。アメリカの場合は、ホワイトハウスがあって、IMF、世銀があって、その下にいろんな機関があって、国家戦略的にやっているわけですね。そういうのを是非総務省で省庁横断的に見ていただければと思っています。
日本がこれからアジア戦略なり途上国でどうやるべきかということを作るべきだと思っております。例えば日本のタイドローンがよくないと言うのですけれども、日本の建設業の人をもっと日本のODAで雇ってあげれば、公共投資なんか日本でばらまかなくていいわけですね。そういう人たちがもっと海外で活躍できれば、そこでいろいろやることがあるような気がするんです。そういう意味では、是非省庁横断的に政府開発援助を見ていただきたいと思います。
以上でございます。
○村松委員長
新井さん、いいでしょうか。
○新井政策評価官
1番目は黒田先生にお答えいただいて、2番目は金本先生にお答えいただく方がいいかと思いますけれども、内容という意味では、開発されているという前提に立って行っておりますが、その中身がどこまでというのは、法律の段階では開発されているということで、まだ確立まではいってないので改善の余地はあろうと思っております。
2点目の予測が間違っていたときの責任ということですが、これは法律上一つ一つについて責任が生じて国家賠償にいくということではなくて、政策評価とはかかわりなく、問題があればこれまでの流れの中で国家賠償にいく場合があり得るということでございまして、直ちに政策評価が何らかの責任に結びつくという仕組みにはなっていないということでございます。
それから、公共事業の一部はどういうものかということにつきましては、具体の内容について事業所管省で検討していただいておりますけれども、例えば技術として一部政策評価が実施されていないものとか、平成13年度とか新しく公共事業に加わった分野、例えば情報関連とか義務付けるには少し時間が欲しいというようなもの、それから、補正予算などで急遽政策決定しなければいけないときに、災害復旧と同様に、「すぐ必要なのに事前評価をやらせてもらいますから間に合いません」というわけにもいかないだろうというようなケースもあるだろうということで、そういったものを含めて必要なものがあればということで考えている次第です。
4番目のODAにつきましては、当局に対する御要望かと思いますが、後ほどプログラムの御報告もありますので、その際に総務課長からお答えいただけると思います。
私からは以上でございます。
○村松委員長
研究開発のところで、黒田委員、何か御発言いただけることありますか。
○黒田臨時委員
私がいい加減なことを言うと総合科学技術会議の人に御迷惑がかかるかもしれないので、お答えできる立場にはないんですが、なかなか難しい問題だなと個人的には思っています。むしろ私から研究開発に関して質問がありまして、日本国内だけではなくて、非常に大きなものを海外と協力してやる、例えば宇宙ステーションとかいうようなものがありますね、それに関してはどういうやり方をしようとなさっているのか。総務省としてはどんなお考えなのかをお聞かせいただきたいと思います。
○村松委員長
どうですか、総務省としてその点、準備をもって……。
○新井政策評価官
すみません、一つ一つのやり方については、一義的には各府省にお任せというか、やっていただくしかないので、こちらからこの場合にはこういうふうにやってくれという立場ではないと。
○村松委員長
財投と一般会計の場合のコストベネフィット・アナリシス等、手法のことについても御議論が出ているんですけれども、何か御発言いただける方ございますか。
はい、お願いします。
○金本臨時委員
私もお答えする立場にないと思いますが、財投関係ですと、お金がちゃんと返ってくるかというファイナンシャルな分析をいたしますので、これは当然やるということだと思います。それプラス全体のプロジェクト、社会的、国民にとっての便益が費用を上回るかという費用便益分析は別途行うということに通常はなっているはずです。費用便益分析については、財投プロジェクトだから特に違う手法を使うという例は私は見ておりません。
例えば道路公団の高速道路ですと、財投の資金が入っていますから、料金主義で償還できるかどうかという分析はしますが、プラスそのプロジェクトの便益が費用を上回っているかという費用便益分析を行うと。この費用便益分析が国土事業の費用便益分析と、さらに見れば少し相違はあると思いますが、概念的に違うものかというとそうではないという認識でおります。
○村松委員長
ありがとうございました。
○吉野専門委員
私からちょっとよろしいですか。
富田さんにお答えいただくかもしれないんですけれども、質問の趣旨として申し上げたかったのは、財投の方は借入の資金がありますから、例えば本四架橋とか関空のように明らかにうまくいってないところが目に見えているわけですが、一般会計というのは税の資金ですので、その部分がないので非常に分かりにくくなってしまうのではないかという趣旨だったんです。
○村松委員長
そのあたりも含めてこの事前評価の枠の中に入っているんだろうと思いますが。
富田さん、どうぞ。
○富田分科会長
一つ質問なんですけれども、これは10億で切っているわけですが、それのカバレッジというか、どれぐらいの件数があるんだろうかという質問です。
それから、公共事業関係費としてあるわけですけれども、これは予算の要望でいう公共事業関係費だとすれば、科学技術振興費の中に箱物もあると。箱物というのはあまり表現がよくないですけれども、そういうものについての評価はここではやらないという意味なのかどうかいうのが2番目の質問です。
もう一つは、事前評価を義務付けることは確かに重要なんですけれども、先ほどの吉野先生の質問と関係するんですが、需要予測を過大に見たり、つまり便益を過大に見たり、かかるコストを過少に見たりするというリスクは、事前的な評価に絶えずまとわりついているわけです。つまり、予定よりもコストが倍かかり便益は半分とか、そういうことも結果的に想定されるわけですので、感度分析のようなものも同時に義務付けることができるかどうか。お役所は大体一発回答で出されることが多いんですけれども、そういうものを補助情報として持ってないと、正しい意味での事前評価にはなりにくいのではないかということで、感度分析の重要性を指摘させていただきたいと思います。
○村松委員長
ありがとうございました。
新井さん、ありますか。
○新井政策評価官
まず10億のカバレッジですけれども、全件把握をしているわけではないので、大体の感じだけで御了承いただきたいと思います。研究開発につきましては、科研費等々金額の小さいものも多くございまして、全体2万件ぐらいのうち10億以上というのは 200件ぐらいという感じがしております。公共事業は全体 6,000件のうち 3,000件ぐらいということで5割ぐらい、それから、政府開発援助については無償資金協力が大体30件、有償資金協力が15件前後ぐらいで、カバレッジは両方とも2割ずつということであります。
次が、公共事業費の関係ですが、この政令の範疇としては箱物の評価というのは入っておりません。箱物については、一部、取り組みつつあるところもあるんですが、全体として箱物について各省で政策評価なりもろもろの評価が今行われているという段階ではありませんので、次の段階として視野に入れなければいけませんけれども、今回の政令の対象とはなっておりません。
それから、3番目の義務付けのところですけれども、これは法律に基づく政令を義務付けたということでありまして、先ほど出ましたような内容の義務付けまでは法律では求めておりませんので、そこまで入るというのは、3年後の見直しのときにまた御議論いただきたいと思います。取りあえず今の段階では義務の範囲は政策をまず定める。そこのところは、この事前評価の政策を義務で定めた途端に、その中身については政策評価からノータッチになるという意味ではありませんで、必ず政策評価をやらなきゃならない範囲を決めたというふうに御理解いただきたいと思います。
ですから、通常の政策評価と同様に、その評価の内容については国民がチェックし、当局がチェックし、評価委員会にも必要なものがあればいろいろと御審議いただく、そういう中身でありますので、事前評価をやった結果いろいろと問題があるということであれば、そこについては同様に御議論が可能なものということで、この評価を義務付けたからといって、こういうものの中身について議論ができないというものではないということで御理解いただきたいと思います。
それから、1点目につきましても、あくまでも10億円という義務の対象範囲としてこういう件数ということで、例えば公共事業ですと、国土交通省にしても農林水産省にしても、10億円にかかわらずすべての事業について事前評価をやっていくと言っておりますし、他の府省でも研究開発についても10億円以上しかやらないというわけではなくて、全体をやっていきますという府省もございます。これはあくまでも法律で定められた必ずやらなければいけない範囲としての対象だというふうに御理解いただきたいと思います。
以上です。
○村松委員長
ありがとうございました。
まだ御意見があるかもしれませんけれども、報告ということでもございますし、当局におかれましては、今日出た御意見をさらにより良いやり方で応用していただくということでお願いしたいと思います。
続きまして、平成14年度行政評価等プログラムの取りまとめに関する報告ということで、事務局より説明をいただきたいと思います。
○橋口総務課長
それでは、御説明させていただきます。まず、プログラムの冒頭ですが、これはプログラム構築の考え方を示したものでございます。第1パラグラフには、中央省庁等改革の一環として政策評価制度が導入されまして、国民的視点に立った効率的で質の高い行政、成果重視の行政を推進し、国民に対する行政のアカウンタビリティを徹底するということを盛り込みたい。
続いて第2パラグラフでは、行政評価局が評価専担組織として、政策の評価と行政評価・監視を行うこと。それから、そのうち政策の評価については14年4月から法律に基づき実施することになること。
第3パラグラフでは、このような政策の評価と行政評価・監視を重点的、効率的に行っていく。このため、平成14年度から16年度までの3年間において実施する予定のテーマ等として定めたものが行政評価等プログラムであるというふうに記述していきたい。そして、このプログラムに基づき着実に実施していくということでございますけれども、このプログラム自体が毎年度ローリング方式で見直し・改定を行っていくものであるということについても触れたいと思っております。
続きましてプログラム本体についてですが、大きく四つの柱立てを設けることを考えております。1番目が政策の評価、2番目が行政評価・監視、3番目が政策評価制度の推進に関する業務、4番目が政策評価・独立行政法人評価委員会に関する業務、このような4本の柱で整理しております。そして一番最後に、別紙として以上を一覧的に示した表を掲げることとしております。
まず、一つ目の柱でございますが、政策の評価でございます。この部分は、行政機関が行う政策の評価に関する法律第13条の規定に基づいて総務省が行う政策の評価に関する計画に当たる部分でございます。法律の第13条に「総務大臣は、毎年度、当該年度以降の3年間についての評価に関する計画を定めなければならない」とございまして、その計画に掲げる事項として、評価の実施に関する基本的な方針、計画期間内において評価の対象としようとする政策、当該年度において評価の対象としようとする政策、その他の重要事項と規定されてございますが、この四つの事項ごとに組み立てております。
まず一つ目の評価の実施に関する基本的な方針でございます。各行政機関がその所掌する政策について自ら行う評価はもとより、評価専担組織としての総務省行政評価局が府省の枠を超えて行う評価が重要であるということから、各府省の政策についての統一性を確保するための評価(統一性評価)及び総合性を確保するための評価(総合性評価)、そして、各府省の政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するための評価(客観性担保評価)、この三つの類型について本格的な取組を開始するというふうに書いていきたいと考えております。
統一性評価及び総合性評価でございますが、これは政策評価に関する基本方針の中でも御紹介したことがあるかと思いますけれども、政府として指向すべき一定の方向性の下に統一性、総合性を確保する必要のある政策であって、法令や閣議決定等に基づき政府全体としての取組が求められている主要な行政課題に係わる各行政機関の政策、行政機関に共通的な行政制度・システムを活用する政策、複数の行政機関の所掌に関係する政策であって、法令や閣議決定等に基づき政策の総合性の確保に関する目的や講ずべき措置が明らかになっている主要なものについてテーマを選定し、重点的かつ計画的に実施してまいるということでございます。
客観性担保評価につきましては、各府省における政策評価の結果が評価書として取りまとめられ来年度以降出てまいりますことを踏まえまして、次のような取組を進めるということで、四つのステップについて記述していきたい。1)各行政機関における政策評価の実施状況の把握、2)各行政機関が実施した政策評価の実施形式における客観性・厳格性の審査、3)行政機関による再評価の実施の必要性の認定、4)その認定を踏まえた政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保するための評価という以上四つのステップでございます。
次に、14年度〜16年度の3か年に実施する評価のテーマでございます。計画期間内において統一性・総合性評価の対象とする政策でございますが、統一性評価といたしましては、政府全体としての規制改革の推進等に資するため、「検査検定制度」、「価格規制」、「特別会計制度の活用状況」について、統一した観点により横断的に評価することとしたいと考えております。
一方、総合性評価につきましては、重要課題への政府としての総合的な対応に資するため、「経済協力」、「湖沼の水環境の保全」、「留学生の受入れ推進施策」、「少子化対策」、「少年の非行等問題行動の防止等」、「大都市地域における大気環境の保全」、「リサイクル対策」について、総合的な推進を図る見地から一括して全体として評価することとしたいと考えております。
そして、平成14年度に実施する評価のテーマということですが、14年度はこのうち、「検査検定制度」、「特別会計制度の活用状況」、「経済協力(政府開発援助)」、「湖沼の水環境の保全」の4本について評価を行っていくことを考えております。
そして、評価の実施に関する重要事項でございますが、1点目がこの評価委員会における審議ということで、評価の実施にあたっては学識経験者の知見を活用、また、評価の中立性・公正性を確保するという観点から、評価委員会の御審議を踏まえるということについて書いていくこととしております。それから、行政評価・監視との連携でございます。これは法律の中にも条文が設けられておりますが、それを受けて行政評価・監視で得られた情報・データを活用するなど、行政評価局としての政策の評価と行政評価・監視との連携を図り、両者を効果的かつ効率的に進めることを盛り込んでいきたいと考えております。
最後に、総務省設置法に基づき着手した評価ということで、これまでに述べたもののほか、平成14年4月1日前において総務省設置法に基づき着手した評価のテーマとして、「リゾート地域の開発・整備」、「地域輸入促進」等々、5本のテーマを掲げたい。これは新規のテーマではございませんが、引き続き実施していくものを確認的にお示しするという趣旨でございます。
次に、2本目の柱、行政評価・監視でございます。これは、政府の重要行政課題の解決の促進、国民本位の行政の実現、行政改革の推進・実効確保等のため、各行政機関の業務の実施状況について調査いたしまして、合規性、適正性、効率性等の観点から業務運営の改善を図るということで行うものでございます。その旨、行政評価の実施に関する方針として示していきたいと考えております。
続きまして、平成14年度から16年の3ヵ年に実施する行政評価、監視のテーマということで、「国民の安全、治安の確保」、「経済活動の活性化」、「安定し充実した国民生活の実現」、「行政の組織・運営の合理化、効率化、経費の効率的使用等」、「既往の勧告による改善状況のモニタリング」、「規制制度の全体像の把握」の6つを掲げ、こういうことで個別のテーマをやっていきたいと考えております。個別のテーマについては後ほど触れさせていただきたいと思います。また、これらにかかわらず、国民からの苦情、事故・災害等を契機とした緊急の諸課題あるいは政府の重要課題に対して、必要に応じ機動的に取り組むことについて記述することを考えております。
続きまして、第3の柱、政策評価制度の推進に関する業務でございますが、これは政策評価の制度官庁として行政評価局が行う業務を整理したものでございます。政策評価制度の円滑かつ効果的・効率的な実施を図るとともに、政策評価の質の向上を図るために実施する業務でございますが、政府全体の政策評価の実施状況、政策評価結果の政策への反映状況等の取りまとめ・公表、事前評価に必要な政策効果の把握の手法その他の政策評価の方法についての調査・研究の実施、政策評価に従事する職員に対しての政策評価に関する共通の理解と認識の普及・啓発に資するための体系的な研修の実施、行政機関相互間における活用の促進のためのシステムの整備、政策評価等に関する情報の所在に関する情報を一元的かつ容易に検索できるクリアリング・ハウス機能の充実、という以上5点について盛り込んでいきます。
第4の柱立て、政策評価・独立行政法人評価委員会に関する業務がございますが、政策評価・独立行政法人評価委員会において行われる諸活動の補佐ということで、私どもが事務局機能として行う業務を整理していきたい。政策評価関係として、政策評価に関する基本的事項の調査審議、統一性評価及び総合性評価の実施並びに客観性担保評価の実施に重要事項の調査審議、それから、独立行政法人評価関係では独立行政法人の業務実績に関する評価結果についての御審議についての事務的機能を行わせていただくということであります。
続いて、独立行政法人の主要な事務・事業の改廃に関する勧告についての審議ということについて書いていく。最後に、その他といたしまして、独立行政法人に関し行うこととされている公表資料の取りまとめ・公表といった業務を行っていくということについても触れたいと思っております。
なお、最後に、以上御説明したことを一覧的にお示しする表を付けたいと考えております。表についてですが、政策評価、行政評価・監視、政策評価制度の推進に関する業務、政策評価・独立行政法人評価委員会に関する業務という、先ほど申し上げました四つの柱に分けて分類していくことを考えております。
政策評価の個別のテーマについてですが、これは、1月、2月の委員会において御審議いただいたものでございます。特に2月の委員会においては、各テーマに関していろいろな御意見、御注文をいただきました。御意見等については、各テーマの具体的な調査・設計の段階で十分検討してまいりたいと考えております。また、各テーマの計画策定の段階において、その観点とか評価手法、あるいは、テーマ相互間の関連等についても改めて委員会の場で御審議いただきたいと考えているところでございます。政策評価の個別のテーマについての具体的な説明は省略させていただきます。
続きまして、行政評価・監視について御説明させていただきます。各テーマについては初めて御説明するものでございます。国民の安全、治安の確保等の柱立ての下、平成14年度に食品表示についての行政評価・監視を行うことを考えております。食肉の原産地虚偽表示等一連の問題がございましたが、消費者の判断によって適切な選択を可能とする正確で分かりやすい表示をするという観点からの調査を実施したいと考えております。それから、医療事故に関する行政評価・監視としましては、患者誤認あるいは投薬過誤等の問題がございますが、こういったものの防止体制、あるいは、メーカー等での防止措置状況等について、調査を実施したいと考えております。それから、航空安全行政に関する行政評価・監視につきましては、航空管制業務、あるいは、事故防止対策の状況、事故・災害の応急体制等の整備についても調査を行いたいと思っております。それから、PCB廃棄物の保管・管理等に関する行政評価・監視につきましては、PCBの製造が中止されたわけでございますけれども、その処分が行われないまま30年間保管されてきているという状況にございます。これらPCB廃棄物の確実あるいは適正な処理の推進ということで、この調査をしたいと考えております。
それから、経済活動の活性化という柱立ての下、産業活動活性化(中小企業に係る経営革新・創業の推進)に関する行政評価・監視を行いたいと考えております。平成11年の中小企業基本法の全面改正では中小企業における経営革新、創業の推進が基本政策の一つとして掲げられております。廃業率が開業率を上回っているという状況で企業数等が減少しているわけでございますが、これら推進のための政策の推進状況、実施状況について見てみたいと考えております。
それから、安定した国民生活の実現ということで、教員の養成、資質向上等に関する行政評価・監視についてでございますが、いじめや不登校など学校教育における問題等については、学校が適切に対応していくということかでございますけれども、その場合の教員の問題、処理能力、対処力、子どもへの適切な対応等々が求められているわけでございますので、それらも含めた教員の養成状況、さらに、資質の向上対策がどのようになっているのかということについて見てみたいと思っております。
それから、行政の組織・運営の関係では、防衛施設の建設・管理等に関する行政評価・監視ということで、種々の演習場とか隊舎といった防衛施設の整備の効率化、維持管理の適正化、あるいは、入札・契約手続の透明性確保、あるいは、組織・体制の在り方といったものについて見てみたいと思っております。
それから、既往の勧告によるモニタリングでございますが、社会福祉法人の指導監督に関する行政評価・監視ということで、介護保険事業が導入されたことによりまして、その適切な運営に対するニーズが強くなっております。社会福祉法人に関しては、平成9年に監査機能の活性化、あるいは、会計組織の確立、理事会機能の活性化等について勧告を行っておりますが、これらのその後の改善状況等、あるいは、補助事業の実施状況等について見てみたいと思っております。それから、自動車運送事業(安全確保対策等)に関する行政評価・監視ということで、バス、タクシー、トラックの安全対策、あるいは、運行管理制度の運用等々について見てみたいと考えております。
それから、規制制度の全体像の把握につきましては、昭和61年以降規制緩和・規制改革推進の観点から、各府省庁協力の下に許認可等の件数を把握してまいりました。毎年度1万 1,000件前後であったわけですけれども、地方分権の推進で機関委任事務が廃止されたこと、あるいは、昨年の省庁再編で所管が大幅に変更したことにより、その後こういった把握をやめておりましたが、昨年3月末の規制改革3か年計画におきまして、我が国の規制制度の全体像を把握することによって一層規制改革を推進していくということで、研究調査の充実を図るとの閣議決定がなされております。これを受けた実態把握・調査を公的規制の体系的把握に関する基礎調査ということで、やっていきたいと考えております。
15年度ですが、原子力施設のトラブル等に対応するための対策がどのようになっているかといった、原子力安全行政に関する行政評価・監視、刑務所、少年院等を対象とした矯正行政に関する行政評価・監視。また、中心市街地の活性化に関する行政評価・監視ということで、大規模店舗が郊外に進出・撤退していくとか、空き店舗等が増えているという状況にございますが、国の支援対策等がどのように実施されているのかを中心に見たいと思っております。また、規制行政(業務活動規制)に関する行政評価・監視ということで、参入規制が行われた後の、例えば営業区域を制限するとか、役員の兼業を禁止するとか、設備の設置義務を課するとか、いろいろな規制が行われておりますが、こういったものの実現状況を見てみたいと思っております。
それから、農業経営構造対策、地域農業の担い手の育成・確保の対策に関する行政評価・監視ということで、農業経営体の育成対策がどのように実施されているのかということを見てみたいと思っております。それから、児童福祉に関する行政評価・監視、児童虐待への対応ということで、その対策の実施状況、体制、あるいは、児童相談の処理状況等について見るということを考えております。それから、公共工事の入札・契約制度に関する行政評価・監視ということで、昨年の4月にこれに関する法律が施行されておりますが、競争性、公正性、透明性の確保状況等について見てみたいと思っております。それから、公的法人に係わる監査・評価機能に関する行政評価・監視ということで、特殊法人、認可法人、独立行政法人、あるいは、公益法人といった公的な法人における監査機能、あるいは、監査と関連する諸機能との関係の状況等について見てみたいと思っております。
それから、すいません、前後しましたが、外交・在外業務実施体制及び運営に関する行政評価・監視ということで、外務本省あるいは在外公館の一連の諸問題について、外務省において信頼回復に向けた取組が行われているわけでございますが、その改善状況、あるいは、外務省の改革が実施されて効果を挙げているかどうかということについて、見てみたいというふうに考えているところでございます。
それから、16年度でございます。出入国管理制度に関する行政評価・監視ということで、不法在留者への対応、審査・認定の手続の状況等々について見てみたい。それから、規制行政(必置資格等に関する行政評価・監視)でございますが、事業所等に一定の資格者を配置するという義務付けが行われているものがございますけれども、そういうものの目的とか内容の見直し状況、あるいは、運用状況等について見てみたいと思っております。それから、中間法人制度に関する行政評価・監視ということで、中間法人とは公益に関しない特定多数の人の利益の実現を目的とする非営利団体でございますが、公益法人とは違う制度として立てられたものでございまして、この4月から中間法人法というものが施行されます。その場合公益法人から中間法人への移行が期待されるわけでございますけれども、移行の状況、あるいは、移行するための対応方策等について見てみたいと考えております。
それから、労働基準・安全行政に関する行政評価・監視では、労働者の労働条件の確保・向上、あるいは、安全・健康の確保のための労働基準監督署、労働基準監督官等における許認可あるいは指導・監督の状況等について見てみたいと思っております。それから、国際文化交流については、国や特殊法人、あるいは、地方公共団体、NGO等々によっていろんな文化交流がなされているわけでございますが、その実施体制や実施状況、特に連携・協力の状況等について見てみたいと考えております。それから、補助金等に関する行政評価・監視でございますが、これは事業の採択・審査の状況、あるいは、整備された施設がどのように利用されているか、あるいは、補助金等の整理・合理化といった観点から見てみたいと考えております。それから、船舶の検査・登録に関する行政評価・監視でございますが、民間の能力の一層の活用、あるいは、規制緩和、国の検査業務の合理化といった観点から見てみたいということであります。
いろいろ御説明いたしましたが、こういったことで14年〜16年までの行政評価・監視のテーマを取り上げていきたいと考えております。
それから、緊急の諸課題、政府の重要課題に対する機動的な実施に取り組むということについてもプログラムに盛り込んでいきたい。
なおプログラムには、今申し上げた各テーマについて、政策評価も含め、背景事情、評価の観点、あるいは、主な調査項目等について示していくことを考えておりますので、御参考にしていただければと思います。
本プログラムにつきましては、今後、部内手続を経て4月1日に公表したいと考えておりますが、その過程で変更の可能性も出てくるかと思います。
説明は以上でございます。
○村松委員長
ありがとうございました。
本案件は、基本的には総務省行政評価局が本年度に行う事業としてこういうことをやりますという宣言のようなものでございますが、助言を頂けたらということでございます。
初めはもうちょっと時間をとろうと思っていたんですけれども、今日は当委員会が決めなければいけない「独立行政法人評価の運営について」という案件がございまして、それにより多くの時間を使うべきなのだろうと思います。終わりの時間がありますので、全体として考えると、ここでちょっと休憩させていただき、そのあとで、どうしてもこの場で御発言いただくことが必要な場合にはお願いするということとしたいと思います。
それでは、今から10分休憩ということで、よろしくお願いいたします。
(休憩)
○村松委員長
ちょっと早いのですけれども、皆さんも席にお着きですので、始めさせていただきたいと思います。
橋口課長から御説明いただいたプログラムについて、この際言っておきたいということがございましたら、お願いしたいと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、次に移りたいと思います。今日の主要な課題でございますが、「政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について」、これについて資料ができましたので、事務局から御説明いただきたいと思います。
○讃岐評価監視官
(「政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について」(案)を読み上げ)
○村松委員長
ありがとうございました。
この件につきましては、当委員会でこの種のものを作るべきであるという意見が出、これについて審議を重ねてきまして、この文案になったということでございまして、皆様の御意見も入った上での文章になっております。これにつきましては、本日議決していただいて、他の府省庁に渡すということで取りまとめをするということでございますので、よろしくお願いいたします。
何か特段の御意見がありましたら、御発言いただきたいと思います。
どうぞ、樫谷委員。
○樫谷委員
これに対する意見というよりも、これができたということについては評価をしたいと思っております。ただ、独立行政法人制度が常に改善を求められると言うんでしょうか、PDCAサイクルを前提にしているということから見て、常にこれも見直していかなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。そこで、今回については我々、私もと言った方がいいかも分かりませんが、独立行政法人の実態を十分把握した上で、これについてコメントができたわけではないので、6月か7月ぐらいに各府省独立行政法人評価委員会の評価が提出されると思うのですが、全部というのはなかなか難しいかもわかりませんけれども、ある代表的なものは少なくとも分析をした上で、もう少しこれを詰めるというような作業をする必要があるのではないかと思います。
そこで、それについて我々委員もそういう作業の中で、あるいは、方針の中に参加させていただいて、ワーキンググループを作るとか、そんなことをさせていただいたら大変ありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○村松委員長
どうもありがとうございました。大変ごもっともな御意見だと思います。
ほかにいかがでございましょうか。
なんか私は発言を封じる方向で司会をしたみたいな感じがあって恐縮なんですけれども、本日取りまとめをしなければいけないというプレッシャーがありまして、ちょっと言葉が悪かったなと思っているんですが。
はい、どうぞ。
○新村臨時委員
質問と意見です。
ただいまの御意見に全面的に賛成です。この委員会で決められるものであると了解しておりますので、随時見直しをさせていただきたいということを全面的にサポートしたいと思います。
それを含めまして、これまで質問又は意見を述べる機会を失してしまっていたのですが、一つ伺っておきたかったのは、各府省の評価委員会との関係につきまして、非常に慎重に書かれているからだと思うんですけれども、各府省の評価委員会の設定した基準に適合しているかどうかをこの委員会が検討するということが随所に書かれているようですが、各府省の評価委員会の設定した目標水準なり、基準に対してコメントをすることは、ここでは封じられているのかどうかということをお伺いしたかったんです。
もちろん、今日のこれをすぐ直せとかいう話ではないのですけれども、今後、結果が出てきたときにはそういうことも含めて考えてよろしいのか、それとも、この委員会の所掌上、そこまでは言えないのかというところをお教えいただけたらと思います。
○村松委員長
以前から出ている非常に微妙なところだと思うんですけれども、讃岐さん、そのあたりについて。
○讃岐評価監視官
考え方として、第三者機関である府省評価委員会が定める客観的な基準を一応の前提として、この委員会は評価結果を評価しなければいけないということがあると考えられます。しかし、一方で、また、評価のレベルを向上させていく、既定の評価基準だけを絶対的なものと考えるのではなく、政府全体として評価、評価基準を常に向上させていかなければいけないという意識も全政府レベルの評価機関であるこの委員会としては持っていなければいけない。
そうすると、この委員会の評価のやり方として、一つは適合性とか内容の妥当性をチェックする、個々の評価結果をチェックしようということ。もう一つ、横断的に評価結果を見ていいもの、あるいは、何か評価の水準の向上という観点から欠けているものがあれば、それが本当に有効なものなのかということを分析した上で、それが採り入れられるような働きかけを行っていくと、その二つの仕事があると考えられるわけです。今定められている評価基準を更に向上させていくという点について、二つ目の仕事の中で問題意識を持って取り組んでいくということで進めていくことになると考えております。
○新村臨時委員
要するに、議論は封じられているわけではないということで理解してよろしいということですね。後段の方でちょっと気になったのは、横断的に見る以外に、例示ではこの委員会で議論された基準例が出ておりますけれども、そういう議論ももちろんできるという理解でよろしいでしょうか。
○讃岐評価監視官
ここで上げられた例示ということですか。
○新村臨時委員
例えば前にコストを1%毎年削減するというような基準を出したらいいというようなのは、横断的に見たわけではなくて、この委員会の意見として出てきたような気がするのですが。
○讃岐評価監視官
まだ横断的に見てないので、こういうものが出てくるかどうか分からないんですが、こういうものが出てくるだろうという想定であります。また、「見出される等の場合」というふうに「等」と書かれているわけで、この委員会としての、ある手法、視点が有効ではないかという問題意識を出発点として、それが本当に有効で必要なものなのかという吟味を行うために議論していくということが封じられているわけではありません。
○新村臨時委員
ありがとうございました。確認でございます。
○村松委員長
議論はかなりするんだと思います。法に反するわけにはいかないですから、ぎりぎりのところがどこかということがまた議論になるでしょうけれども、これは、我々の委員会の評価の対象とすべきじゃないか、基準はこういうことがあり得るのではないかということは自由に意見を出していただいて、みんなで判断をしていくということになるんじゃないでしょうかね。
永井委員、どうぞ。
○永井委員
私、まだ独立行政法人になる前の国立大学の教育内容の評価を現在担当しておりますが、あちらの方の評価の仕方は、こういうふうな目標を設定するということに対してどの程度達成されているかという、目標に対して達成度がどの程度になっているかということをレビューするという立場なんですね。だから、個々の大学似かよった立場で、あまり厳しくないというか、それぞれの目標に合っているかどうかをレビューするということを第一歩としてやっているわけですね。
ですから、こちらの大学評価機構の方で何か物差しを持ってやるのではなくて、第一歩として取りあえず自分の方で目標を設定してもらって、それに対して自分たちで判断して、あるいは、外部委員も入れるのですけれども、その目標に対してどの程度充実しているかということをまずは見ようということでスタートしているわけですね。
ここはその後なのですが、総合的、横断的というふうなことで入ると、それよりまた一歩、総務省という独立した行政機関がこっちへ引っ張るという感じの評価をしなければならないわけですけれども、横断的、総合的といっても、独立行政法人の場合は様々な種類があるわけでして、その辺の具体的な物差しがどうなるのかちょっと気になります。これはどこに書いてあるのでしょうか。
○讃岐評価監視官
例示のところでもそこは一律というわけではなくて、業務の特性に応じた有効な方法があるのかということを含めて、有効性や合理性等を検討しようという趣旨を書いてあります。業務の特性というのは一体何なのかというのは、これから評価結果が出てきてからよく議論していかなければいけないことではないかと思います。
○村松委員長
何しろ現物がまだないんですね。だけれども、現時点で我々としては委員会の一番基本的な方針は、他府省の評価委員会に伝えるべきではないかというのがこの委員会の意見だったんです。そういうことだと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、武田委員、お願いいたします。
○武田専門委員
独立行政法人の個別の評価については、今お話がありましたように、これからノウハウを蓄積していくのだろうと思っているのですけれども、独立行政法人の評価ではなくて、独立行政法人制度自体の評価、これは政策評価の方になるのかもしれないのですが、それについて何かお考えがあればお伺いしたいと思います。今後も含めて独立行政法人はどうあるべきかといった話が出てくるような気がするものですから、あるいは、区分がいろんなものが入っていますから、その区分が必要だとか、そういう話になるのではないかなという気がするんですが。
○村松委員長
どうですか。
○讃岐評価監視官
いろいろ段階的に考えていかなければいけないと思うんです。まず、この委員会の審議は、評価結果の評価をするということが法律上の役割です。しかし、事実上の見解ということになると思いますが、評価制度の実効性を向上するために、何か気がついたことがあれば、それについても議論していくことができるように、そういう表明をこの「運営について」でしているわけです。ただし、制度を改正するという権限を我々は持っているわけではない。制度所管省庁は同じ総務省の行政管理局にあります。
それから、独立行政法人制度自体の政策評価というのはよく詰めないといけないと思いますけれども、法律上排除されているわけではないと思います。政策評価ということになると、さまざまな独立行政法人の予算とかいった枠組み全体が、どのようにどう機能しているのかというのをどうとらえるかということになると思いますが、そういう政策評価は決してあり得ないことはないと思います。ただ、独立行政法人制度自体が、発足して1年しか経過していないものであるので、現実にそこはどのようにするのかまでは頭の中で整理できるというものではないというのが今のところです。
○村松委員長
局長に質問ですけれども、独立行政法人という新しい制度ができたわけですね。行政改革推進本部はさまざまな行政改革を行った後に、モニタリングを考えておられるのでしょうか。
○塚本行政評価局長
モニタリングについては、改革を進める作には後発、先発の作業がございますので、後発の作業が先発のそれのモニタリングを果たす側面がある一方で、例えば特殊法人については独立行政法人への経営形態の変更ということは既に改革案として述べられておりますが、その改革についてある意味の監視、モニタリングをしていくような機能が必要ではないかという議論も行われております。したがって、その中で、場合によっては、可能性としては独立行政法人という形態を選ぶにしても、どのような形態が望ましいか等々の議論が、全くの想定でございますけれども、起こってくることも考えられない訳ではないのではないか、その監視の中でどういうものが最も適切かということだと思います。
そのこととの関連で重要でございますのは、今ある独立行政法人制度が、この前文等にも書いてありますけれども、本当に立派なものであると、そういうもので運営されるかどうかは、この委員会で行っていただく評価にかかるということでございます。そのためにも、またその議論が公正、妥当、適切に行われるためにも、私ども事務局もこの委員会における独立行政法人評価のお仕事がいい形で進むようにすることが大事ではないか、このように考えているところございます。
○村松委員長
武田委員の御発言につきましては、法的に我々にそのことをやりなさいと命じられてはいないですが、独立行政法人評価のメタ評価をしていく過程で、独立行政法人を一番よく見る機会のある組織かもしれないと思いますので、議論が出れば、権限があるかどうかは別として、どこかで役に立つんじゃないかと思うんですね。ですから、それも含めて御議論いただいたらいいのではないかと私は考えております。
どうぞ、丹羽分科会長。
○丹羽分科会長
また前の議論に戻りまして、永井さんとか新村さんがおっしゃった点は、我々の委員会が非常に重要な役割を果たす部分で、統一性とか総合性とか客観性の担保とか、これを大体横断的に統一性を持てるようにと。ただ、非常に抽象的で分かりにくいんですね。それでいろいろ議論が出るんだと思うんですが、これは政府が指向している方向、ベクトル、何らかのものが明確にならないと、統一性とか総合性、横断的な評価というのはなかなか難しいと思うんです。
だから、一定のテーマを決めて、例えば私であれば規制緩和ということは政府としても横断的、統一的なテーマだとするならば、こういうテーマに基づいて統一的、総合的、横断的に評価をいたしますよというようなことを、この委員会でも決めておく必要があるのではないか。何となく横断的にやろうとか、統一的にやろうということだと分かりにくいなと。だから、いろいろな意見が出るんですね。しかも、この委員会で最も重要なことは、さっき皆さんがおっしゃった統一性とか総合性とか。各々の府省は第三者機関を設けて評価されておられますが、この委員会がやらなきゃいけないのは、各府省庁の評価基準に合わせた評価をどうするかということよりも、もっと重要なのが皆さんから出されている統一性、総合性そのものだろうと思うんですね。
そういうことをこの委員会の主要なテーマとするなら、政府全体として目指している方向は何なんだと、あるいは、一つのテーマを設定して統一性、総合性を確保していくことをこの委員会として図っていこうじゃないかということを、もう少しクリアにしておいた方がいいのではないかと、そういうふうに思っております。
○村松委員長
点検事項という形である程度具体化しているわけですね。それが現物を見ることによって一層基準が出てくるということで、判例のように積み重ねを経ながら、みんなで了解できる基準ができていくのかなと私は思っております。今後具体的なものが出てきたら大変だなと思っているんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。
いろいろ御意見を承りまして、内容の深まった形でこの文章が理解されるというふうに考える次第でございまして、私ども自身の問題ではありますけれども、事務局においてもこの辺よろしくお願いしたいと思います。
それでは、この案で決定をしたいと考えますが、御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」との声)
どうもありがとうございます。
それでは、このように決定させていただくことになりますが、委員の方々からはただいまから決裁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
また、決定に当たりましては、委員会を代表いたしまして、委員長名で談話を発表したいと考えております。この前もやりましたけれども、同様のことをやりたいと思っております。お手元に資料をお配りしておりますが、事務局から読んでいただきたいと思います。
○讃岐評価監視官
「『政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について』の決定に当たっての委員長談話(案)
本日、当委員会は、『政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営について』を決定、公表した。
独立行政法人制度は、中央省庁等改革の柱の一つとして、平成13年4月にスタートしたが、平成13年度終了後、最初の事業年度の評価が実施されることに先立ち、当委員会がその任務を的確に遂行していくための基本的な考え方を明らかにするため、これを決定したものである。
独立行政法人制度は、政策の実施を担うため国から独立した法人を設置し、法人にその運営上の自主性、自律性を与え、弾力的、効果的な運営を行うことを可能としているが、同時に、主務大臣が示す明確な目標に沿った業務の実績を評価し、組織の定期的な見直しを行うことによって、効率性の向上とサービスの質の向上を達成しようとする仕組みである。評価結果は、業務運営の改善に反映されるとともに、長の責任、ひいてはその任免にも結び付き得るものとされており、このような厳正な措置をも伴い得る事後評価の存在が、独立行政法人に対して、業務運営における不断の努力を促すものとなる。独立行政法人制度が信頼性と実効性のあるものとして機能するか否かは、事後評価の仕組みにかかっていると言っても過言ではない。
全政府レベルの評価機関である当委員会は、各府省に置かれる評価委員会が行う独立行政法人の業務実績に関する評価の結果について、必要と認めるときに、当該委員会に対して意見を述べることを任務としている。
この『運営について』においては、全政府レベルの評価機関である当委員会の評価の取組として、評価の信頼性、実効性の向上を図ることが重要であるという基本的視点に立ち、1) 府省評価委員会が行う個々の評価について、その実施形式及び評定が独立行政法人評価制度が求める適切な評価であると考えられる水準を満たしているかどうかを点検することを基本として評価を行い、必要な意見を述べるとともに、2)評価の一環として、独立行政法人評価全体の実効性向上を図る見地から、評価結果を全体的、横断的に把握し、評価の実効性向上に資すると考えられる手法、視点等について吟味し、その結果有効かつ必要と認められる場合、通知等を行う、という方法によること等を明らかにしている。
独立行政法人評価の信頼性、実効性の向上が図られるためには、各評価機関が独立行政法人制度における『評価』の重要性を認識し、第三者機関として、中立・公正な立場で、客観的かつ厳正な評価に取り組んでいくことが必要である。
今回、このような、当委員会の評価に関する基本的な考え方を明らかにしたことにより、府省評価委員会が、この考え方を評価の取組において参考とされることを通じ、一層の実効ある評価が実施されることを期待する。また、これにより国民の期待に応える独立行政法人制度が定着・発展していくことを強く願う。
○村松委員長
ありがとうございました。
このような形で談話を発表させていただいてよろしゅうございますでしょうか。
はい、どうぞ、田辺委員。
○田辺臨時委員
文言のところで、パラグラフの三つ目のところの「弾力的、効果的な運営を行うことを可能としているが」というところでございますが、「可能にしている」ではなく、これを目的としているわけでありまして、可能だがやらないということではなくて、これを積極的に行う。そのかわりきちっと行うというフレームだと思いますので、そこのところはもう少し文章をお考えいただきたいというか、直していただければと思います。
○村松委員長
参考にして文章を直した上で発表します。
ほかに何かございますか。
それでは、このように発表させていただきたいと思います。
若松副大臣、ごあいさついただけますでしょうか。
○若松副大臣
総務副大臣の若松謙維でございます。
毎回のご参加、心より感謝申し上げます。また、本日、今、村松委員長からお話がありましたが、この独立行政法人の評価に関する基本的な考え方を取りまとめられたということで、長年にわたります、どちらかというと大変抽象的な議論が多かったわけですけれども、皆様方の御努力に心から感謝と敬意を表する次第でございます。
総務省に置かれております全政府レベルの評価機関でありますこの委員会は、御存じのようにアメリカの場合にはGAOがありまして、GAOとGPRAが一体となってかなり強力に政策評価等を行っているわけでありますが、日本の会計検査院は残念ながら政策評価を行っておりません。政治的な判断にはかかわらないということで、これもまた議論の余地があろうかと思います。そういう日本の制約がある中で、皆様のこの委員会が極めて大事な政策評価をやるにあたって、ある意味ではここが最後の拠りどころであると、そこまで認識しております。各府省に評価委員会ができているわけでありますが、ここでの議論がどれほど大事であるか、遠慮なくメッセージをここから発信していただきたいと思います。そうすると、また行政評価局も他の省庁に対して言い易いのではないかと思いますので、是非先生方の積極的なメッセージをよろしくお願いしたいと思います。
それから、今回の特殊法人等整理合理化計画によりまして、また皆様方にチェックをしていただく対象となる独立行政法人が増えるわけであります。そういう意味で、皆様のお仕事または役割というか、責任が大変重く大きくなるわけでありますが、事務局に対していろいろな御要望をいただいて、皆様方にとって使い勝手のいい事務局にしていきたいと思っております。
それから、政策評価につきましては、私も一貫して行政評価法の制定にかかわった者として、いわゆる立法者といたしまして、各府省がこの評価をやっていただける、その根拠となるのが行政評価法でありますが、究極の評価の在り方というのは部外の第三者評価、第三者チェックなんですね。現実に今回の行政評価制度というのはそういった制度にはなっておりませんが、現行制度の中でも第三者評価の趣旨なり意義なり契機というものを極限まで採り入れていただいて、結果的にここでのお墨付きは単なる行政の手続のお墨付き、従来の審議型のガス抜きじゃなくて、あくまでも欧米型の民主主義というか、よそ者がきてはっきりと自分たちの発想で国民の側に立って、「これでいいんだ」というぐらいの大変重要なお墨付きだと、そういうものに仕上げていっていただきたいと思っております。この委員会は、行政評価局のお目付役ということで、是非遠慮しないでそのような立場を発揮していただきたいと思います。
当委員会の重要性を十分御認識いただいているかと思いますが、皆様方の重要な使命、役割を遂行するために、行政評価局として、また総務省として、できる限りの対応をさせていただきたいと思っております。それぞれの先生方、大変お忙しい中での御出席かと思いますが、先ほど申し上げましたように大変重要な委員会でもありますので、是非ともこの委員会への御出席を最優先にしていただいて、欠席の方にも声をかけあいながら、この委員会は日本の行政を変えるぐらいの歴史的なものにしていきたいと思います。
その点をよろしくお願い申し上げまして、御礼のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○村松委員長
どうもありがとうございました。
4時終了というのが目標でございました。客観性担保についての議論にちょっとでも入ろう、10分でもやろうかという気持ちと、10分で説明しただけで切れるのも変だという気持ちと両方ありまして、どちらかというとあとの方に傾いてまいりました。もう4時でございまして、まだ次回のことがございますので、予定の議題は全部尽くせませんでしたけれども、ここで終わらせていただきまして、次回の日程等を事務局からお願いしたいと思います。
○橋口総務課長
それでは、次回の日程について御連絡申し上げます。次回第15回委員会は4月26日、金曜日、14時からということで、場所はこの会議室、8階第1特別会議室でございます。
議題は、「行政評価局が行う主要な政策評価の調整計画の審議」ということで、経済協力に関する政策評価についての御審議を賜りたいというのが1点目です。2点目が、本日説明させていただこうと考えておりました「客観性担保評価に関する御審議」、3点目が、「平成14年度予算編成等への政策評価の活用状況の説明」ということで、財務省よりヒアリングをお願いすると、この三つを予定しております。
以上でございます。
○村松委員長
それでは、どうもありがとうございました。以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会第14回会合を終わります。
〔了〕
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