政策評価・独立行政法人評価委員会 (第2回) 議事録

(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会及び独立行政法人評価分科会の合同)


  1. 日時  平成13年3月2日(金)  14時00分から17時10分

  2. 場所  中央合同庁舎第2号館第3特別会議室

  3. 出席者
    (委員会)
      委員  村松岐夫委員長、丹羽宇一郎委員長代理・政策評価分科会長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、竹内佐和子、永井多恵子
      臨時委員  宇賀克也、金本良嗣、高木勇三、田辺国昭、新村保子、黒田玲子
      専門委員  翁百合、木村陽子、中山正邦、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清、山谷清志
    (総務省)

    塚本行政評価局長、熊谷官房審議官、鎌田行政評価局総務課長、岩本評価監視官、杉山評価監視官、渡会評価監視官、高野評価監視官ほか

  4. 議題
    (1)行政評価等プログラムについて
          1.行政評価等プログラム(平成13年1月)
          2.平成13年1月期政策評価各テーマ
             ・リゾート地域の開発・整備に関する政策評価(総合保養地域整備法)
             ・地域輸入促進に関する政策評価(輸入促進等臨時措置法)
             ・容器包装のリサイクルの促進に関する政策評価(容器包装リサイクル法)
    (2)独立行政法人及びその評価の仕組みについて
    (3)意見交換
    (4)その他




村松委員長
    それでは、時間がまいりましたので、これより第2回の、政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会、独立行政法人評価分科会を合同で開会させていただきます。
  本日は、議事次第にもありますように、行政評価等プログラムと独立行政法人及びその評価の仕組みについて議題として事務局から説明がございますけれども、その後に自由討議を行いたいというように考えております。
  それではまず初めに、平成13年1月から総務省行政評価局が行うことになります政策評価のテーマについて、議題1ということでございますけれども、これに入らせていただきたいと思います。13年1月に総務省が公表した行政評価等プログラムについて、その総論と13年1月から実施しております政策評価テーマについて、事務局からそれぞれ御説明いただきたいと思います。
鎌田総務課長
    それでは、委員長から御指示がありました行政評価等プログラムについて御説明したいと思います。
  本日の説明は、私からまず行政評価等プログラムについて、資料1−1に基づきまして、今後3年間に予定しております政策評価テーマ等について概観を御説明させていただき、引き続きまして、1月から着手しております3本の政策評価テーマにつき、それぞれ担当から御説明したいと考えております。
  それでは、資料1−1をお開きいただきます。行政評価等プログラムといいますのは、従来は行政監察プログラムと申しまして、行政監察の向こう3年間のテーマにつきまして毎年度明らかにしてきましたが、それの延長線上にあるものでございます。したがいまして、この13年1月からは従来からの行政監察に加えまして、政策評価の業務を含めてやっていくということで名前を改めまして、行政評価等プログラムということになっておるわけでございます。1ページ目から3ページにかけまして、プログラム構築の考え方が書いてございまして、4枚目に具体的なテーマが列挙してあるということでございます。
  1ページ目の考え方から御説明いたしますと、まず第2パラグラフでございますけれども、中央省庁等改革が進みまして、新たに政策評価制度が導入された。第3パラグラフですが、このような中で総務庁の行政監察は新たに政策評価機能、それから政策評価を除く行政評価・監視、こちらの方は今までの行政監察でございます、その2つの機能を担う組織として充実強化されたということであります。
  行政評価局が行う政策評価は3つございまして、立場としては、政策を所掌する各府省とは異なる評価専担の組織の立場から評価を行うわけでございますけれども、1つは、各府省についての統一的な評価、2つ目は総合的な評価ということでございます。1つ目の統一的な評価といいますのは、いわば府省横断的な政策の評価を行う、総合的な評価というのは各府省にまたがる評価を行うというふうに御理解いただければということで、この前も御説明したところでございます。3つ目が、各府省が自らの政策について行うというのが今回の政策評価のベースになっておりますが、その各府省が行った評価の客観的、かつ厳格な実施を担保するための評価、担保評価と言っておりますが、この評価を行う、これが3つ目でございます。それから行政評価・監視、これまでの行政監察は引き続き重点化してやっていくということでございます。4つ目のパラグラフでございますが、このプログラムは平成13年1月から15年末までの3年間の実施予定のテーマを定めるものでございまして、このテーマにかかわらず、政府の施策に関する緊急の重要課題があれば、別途機動的に政策評価なり行政評価・監視を実施するわけでございますし、プログラム自体につきましても、毎年度ローリングして見直しを行っていくということでございます。
  それで、次のページをお開きいただきますと、柱立てといたしましては、1つ目が政策評価、2つ目が行政監察でございますが、行政評価・監視、3つ目が政策評価・独立行政法人評価委員会の活動の支援業務でございますけれども、この3本柱からなっております。政策評価は、例えて言えば政策の見直しを行う機能でございますし、行政評価・監視は、行政運営の改善を目指す機能であるということでございまして、この2つは、政策評価に関するガイドライン上も明確に区分して実施するという位置づけになっておりまして、このように考え方の整理も分けておるわけでございます。ここに書いてありますこと自体は、別紙の4ページ目の表側の方に書いてあります区分及びその考え方とほとんど同じでございますので、そちらの別紙の方で説明させていただきたいと思います。
  大きな柱立てといたしましては、先ほど申しましたように、一番左側の表側の方でございますけれども、政策評価の柱、行政評価・監視の柱、3つ目が政策評価・独立行政法人委員会の柱というふうに先ほど概観しましたように分かれておるわけでございます。本日は主として政策評価につきまして内容を御紹介させていただきますが、行政評価・監視等の方も概観なさって御質問があればお受けしたいと存じております。
  政策評価のところを見ていただきますと、ここもまた幾つかに区分してございます。1つは、先ほどの考え方のところにもありましたように、府省横断的統一的な評価、2つ目が複数府省にまたがる政策の総合的な評価、3つ目が各府省による政策評価をその客観性を担保するためにやる評価、ただし、ここでは取組と整理してございます。4つ目は、御紹介しておりませんが、総務省は政府全体の中で政策評価に関する制度官庁でございますので、関係する制度が円滑に進みますようにいろんな支援業務を行っていく、そういう意味で政策評価手法等の先導的調査研究という業務にも重点を置きたいということで柱を立ててございます。
  まず、府省横断的統一的な評価でございますが、先ほど来御説明いたしておりますように、各府省に統一的なテーマについて、その政策の評価をしていくということでございまして、お気づきのように、13、14、15年度と3年間にわたりまして、基本的に共通的なテーマが並んでございます。一番上、1つ目は、検査検定制度の見直しでございますが、13、14、15とそれぞれ実施を考えておりまして、括弧書きにございますように、分野ごとには分かれているということでございます。統一的な視点としては、検査検定制度自体が民間事業者の技術能力が向上する中で、引き続きこの制度を継続することの妥当性であるとか、あるいは行政側で言えば規制のコスト、業者側で言えば遵守コスト、こういったものが発生し、全体として高コスト化を招いていないかとか、そういった点を検証し評価するわけでございますが、検査検定すべてについては、組織としての陣容とか予算とかございまして一遍には取り組めませんので、分野別の取組を段階的に進めていくという考えでございます。
  それから2行目、特別会計の機能見直しということで、13年度と15年度に掲記してございます。特別会計は現在38特会ございまして、その資金量は320 兆円ということで、莫大な量に上っておるわけでございますが、特別会計制度というのは、一般会計と区分して経理を明確化するということで導入されているわけでございますけれども、そういった本来の趣旨、目的がそれぞれの特会制度において達成されているか、収支が効率的なものとなっているか、あるいはこういった制度を導入し、例えば縦割化による弊害を招いていないか、硬直化していないかといったようなところを評価していきたいと思っております。
  3つ目が政府金融機関による公的資金供給のあり方というところでございます。これは特殊法人の形態をとります6つの公庫、それから2つの銀行、1つの金庫がございますけれども、これらの法人について、これまた3年間にわたって順次見ていこうというものでございまして、民業の補完ということで、これらの金融機関が資金を提供するわけでございますけれども、関係方面からの資金需要を満たす上で本来期待されている効果をあげているかとか、こういった仕組みを通じて資金を提供することが十分効率的なものとなっているかといったようなところを検証し、民間の補完スキームとして妥当なものとなっているかどうかというところを評価していきたいというふうに思っているわけです。
  以上が府省横断的統一的な評価のところでございます。
  それから複数府省にわたる政策の総合的な評価ということで、経済協力が3年間にわたるテーマとして挙げてございます。経済協力は御承知のように無償資金協力なり技術協力、有償資金協力という様々な種類がございますが、こういった援助形態別に評価したり、あるいは、さらに評価技術手法が進めば、国別、地域別といった評価にも取り組んでいきたいと思っておりますが、とりあえず、平成13年には、技術協力につきまして評価をしていきたいということでございます。各府省も当然この分野においては評価に取り組んでおられましてかなり進んでいるわけでございますが、こういった各府省の取組の手法をさらに二次的に評価してみるとか、果たして援助効果が上がっているかといったところを専門家の意見などを交えて評価していくというふうなことも考えております。それからほかのテーマとしては、厚生労働省及び文部科学省にわたります障害者の対策あるいは高齢者の対策、相当数の省庁に関係します廃棄物リサイクルといったようなところを取り上げることを予定しております。
  また、そういった比較的広がりの大きいテーマとは別に、複数府省にまたがる評価の1ジャンルとして、複数府省関連施策の定期評価という概念をその中に小分けでも入れております。これはどういうことかと申しますと、その定期という意味は、全部の対象について1つの期間があるという意味ではございませんで、本来ここで取り上げておりますテーマ、それぞれの予定する施策の効果が発現すると予定されるような期間が経過したものについて、そういう発現状況を見ていこうというものでございまして、今回御説明する1月からの取組テーマ、リゾート法、地域輸入関連促進法、容器包装リサイクル法といったもののこういうところに掲記してございます。これは比較的テーマとしては小規模のものでございますので、短期間に処理して評価局としての政策評価の成果というものを早目に世に問いかけていくということもできるのではないかと思っております。これらの説明自体は後ほどに譲らせていただきますが、そのほかでは、例えば21世紀初頭に10万人受け入れるという具体的な数値目標をもっております留学生受入対策について平成14年度に取り上げるとか、あるいはPFIが平成15年度のテーマとなっておりますが、これは平成11年の民間資金活用による公共施設整備促進法ということで、この時点で5年目を迎えるわけでございますけれども、そういった時点における効果を検証してみるというようなところをねらっております。
  それから3つ目の大きな評価テーマであります各府省による政策評価をさらに評価するという取組でございますが、これ自体は各府省の政策評価が13年1月からスタートしておりまして、それと同時に、今、政策評価の法律案を検討中でございまして、この通常国会に提出するということで、各府省による政策評価、政府全体としての政策評価への取組が平年度化するのは平成14年度からというふうに思っております。そういった意味で平成13年度は、まずこういった評価を進めるための基盤的な取組といたしまして、各府省が行う評価の実施の体制であるとか、実施要領の状況であるとか、あるいはどのような評価指標を用いて評価するのか、そういった基礎的な事柄の把握ということを重点に進めていくべきかなと思っております。それと並んで現在進められております各公共事業関係官庁の公共事業の再評価という仕組みがございますが、これにつきましては、平成12年の5月に大臣通知を行いまして、評価項目やら、ディスクロージャーにつきまして改善すべき点を通知したわけでございますけれども、その後の状況についても、各府省の取組状況を把握するという意味でまず調査をしてフォローアップをしていきたいというふうに思っております。
  それから昨年、予算要求に絡みまして、主計局の方でも何らかの形で要求に評価を添付せよというような通達を流したわけでございますけれども、各府省から出てきた評価自体は、定性的な評価も多く、予算査定に活用できるものでは必ずしもなかったということがございます。これが政策評価制度が導入されたという状況を踏まえて、さらにスキルアップされ、どのようになっていくかということを見守る中で、こういった各府省が予算要求に添付してくるような評価書についても、我々としてどのようなコミットができるかということも今後よく検討していかなければいけないのではないかというふうにも思っているわけです。
  それから最後ですが、政策評価手法の先導的な調査研究ということで、例えば補助効果であるとか、規制インパクトといったことについても先導的な調査研究をして、各府省にノウハウを提供していくというのも私どもの役割かと思っておりまして、必要な研究体制も整備しながら取り組んでまいりたいと思っております。
  最後の方に手引書の策定改定とありますが、標準的ガイドラインというものを各府省の政策評価の指針として示したわけでございますが、実際に各府省の政策評価に適用するとどのようなことをすべきなのかということについての実施マニュアルみたいなものができないかということで、実用的な手引書を作成するような作業もやっていきたいと思っておるわけです。
  以上が政策評価でございまして、そのほか行政評価・監視がございますが、これは従来からやってきておりますように、組織運営の合理化、効率化であるとか、特殊法人関係について運営の改善を図っていくとか、どちらかというと事務事業運営の改善是正を重点にして見ていくとか、そういった視点で必要な点を順次取り上げていくというふうに考えております。政策評価を中心に御説明しましたが、3年間の予定実施テーマというのはそのように計画しております。
岩本評価監視官
    続けてよろしいでしょうか。岩本と申します。
  お手元の資料の1−2をごらんいただきたいと思います。リゾート地域の開発整備に関する政策評価でございまして、ただいまの説明でございましたが、13年1月からの複数府省関連施策の定期評価として取り上げるものの表でございます。資料の1ページをごらんいただきたいと思いますが、1番目に書いてございますのが法目的でありますけれども、ゆとりのある国民生活のための利便の増進というのと、地域の振興を図るということを目的といたしまして、昭和62年に総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法と言われるものが制定をされているわけでございます。民間事業者の能力の活用による大規模なリゾート地域の開発整備を推進するということで、法制定以来14年近くが経過をいたしたところでございます。
  2つ目のパラグラフでは、若干法律のスキームの説明がございますが、これについては下の方の2の(1) というポンチ絵をごらんいただきたいと思います。左から右にスキームが流れておりますが、まず基本方針の策定というものを主務大臣が行います。主務大臣は下に書いてございますが、現在の省庁再編後は、総務、農林水産、経済産業、国土交通の4大臣でございます。この主務大臣が基本方針というリゾート整備についての一般的な方針を関係行政機関の長と協議の上、策定をするということになっております。
  次に、基本構想の作成、都道府県と書いてございますが、個別具体的な地域のリゾート整備につきましては、あくまで自治体、都道府県が主導権を握るということで、基本構想の作成を県が行うわけでございます。その基本構想を国の方に提出をして同意を求めるというスキームになっておりまして、主務大臣は、基本方針に照らして提出された基本構想の妥当性を判断して同意を与えるという流れになっておるわけでございます。
  一番右に事業の実施と書いてございますが、事業主体としての民間事業主体、第3セクター、地方公共団体等がございます。それから特定施設という概念がございますけれども、その整備としてスポーツ・レクリエーション施設、教養文化施設等ということで、ホテルですとか、ゴルフ場、スキー場、マリーナ等々そういうリゾート関連の施設が特定施設として定められておるわけでございます。国等による支援措置として税財政金融措置、それから国有林野の活用、公共施設の整備等の支援措置が用意をされておるところでございます。
  上に戻っていただきまして、2つ目のパラの真ん中ぐらいでございますが、現在41都道府県で42の基本構想が同意を受けておるということを書いてございます。これにつきましては、その資料の4ページをごらんいただきたいと思いますが、日本地図がございまして、細い縦線で色づけをした箇所がその基本構想の対象になっております特定地域でございます。41都道府県がございまして、北海道が2つございますので、42か所の構想が同意をされておるわけでございます。この色づけをした特定地域を全部合計いたしますと660 万ヘクタールということになりまして、我が国の国土面積の17%ほどを占めるわけでございます。市町村の数としては718 市町村にまたがります。
  元の1ページに戻っていただきたいと思いますが、1の4つ目のパラグラフに入らせていただきたいと思いますが、同法に基づくリゾート地域の開発整備は概ね10年間程度を目標として行われるということになっております。これは先ほどの主務大臣が定めます基本方針でそういうふうに書かれておるわけでございます。関係事業の大半が既に基本構想の同意後約10年を経過いたしておるところでございます。このページの一番下の(2)というところにございます表をごらんいただきますと、年度別の同意基本構想の数が書いてございます。63年度10件、元年度10件、2年度10件、3年度・4年度各5件ということで大体このころまでに大多数の基本構想は同意をされておるわけでございます。そうしますと、大体基本構想が同意を得てから10年前後を経過いたしておりまして、その基本方針に定められております概ね10年間程度を目標として整備するということに照らしますと、今の時点で政策評価のテーマとして取り上げるにふさわしいのではないかというふうに判断いたした次第でございます。
  2ページに進ませていただきたいと思いますが、一番上に特定施設の整備状況という表がございます。先ほどの特定施設、ゴルフ場、スキー場、マリーナ、ホテル等々の施設の数をその基本構想で定められております特定施設の数を全部足し上げますと8,952 ということになります。そのうち民間が主体となって整備する施設は7,140 ということでございまして、これらを供用中、整備中、工事未着手と分けてみまして、一番右に進捗率という欄がございますが、全体に占める供用中と整備中のものの比率をそこに書いてございます。特定施設全体では23.9%の進捗率にとどまっておるということであります。
  次の3の評価の観点というところ入らせていただきますが、ごらんいただきましたように、施設整備の進捗率は低調である、利用状況も基本構想を下回るということでございまして、法目的への寄与も限定的なものにとどまっているのではないか。必ずしも所期の効果が発現をしていないという指摘がしばしばなされるところでございます。つい先般も宮崎の大きな第3セクターが経営状況が厳しいということで会社更生法の適用申請を行ったということが大きく報道されておったところでございます。各地域において事業の中止、頓挫、施設の閉鎖等が発生しておりまして、民間事業者、地方公共団体、第3セクターに多大の負債が生じているという実態も明らかになってきております。また一方、今日的な社会経済情勢ですとか、最近言われております地方分権の推進といった展開の中で、各種の地域振興施策に関して国の関与の在り方がどうあるべきかということが課題となっておるところであります。そういう諸々の状況を踏まえまして、リゾート地域の開発整備、これによる地域振興につきまして、現時点でその効果の発現状況等を調査分析いたしまして、これらの施策を今後引き続きする必要性、妥当性があるのか、あるいは見直しが必要であるのか、どのような見直しが必要であるのかといった観点から評価をいたしたいというふうに思っているところでございます。以上です。
村松委員長
    ありがとうございました。続きまして、地域輸入促進等関連法についてお願いします。
杉山評価監視官
    評価監視官の杉山でございます。
  資料1−3をごらんください。地域輸入促進に関する政策評価でございます。この政策を一言で申し上げますと、港湾や空港地域において行われている輸入を促進する施策、それを評価しようというものでございます。
  まず背景等から御説明いたしますが、1ページの1行目に書いてございますように、背景としまして、対外貿易の不均衡といったことがございます。これは多額の貿易黒字があって輸出超過ということです。政策の立案当時、平成3年には10兆円を超える黒字があったということで国際問題にもなっていたものでございます。こういったことを背景に輸入の促進を図るために、1行目の最後の方に書いてございますが、輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法を制定して施策を講じたということでございます。この法律の名前に「臨時措置法」と書いてございますように、この法律は平成4年に制定されたのですが、もともと時限法として制定されておりまして、当初平成8年5月までということで制定されたものでございます。その後二、三年経って、依然として貿易不均衡が解消しない中、第2段落の3行目をごらんください。平成7年11月に、8年5月までの適用期限をさらに10年間延長して現行の法律では平成18年5月までの時限法ということになってございます。法律のあらましは以上でございます。
  この法律の所管でございますけれども、第3段落の後の方に書いてございますが、総務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣とこの4大臣が主務大臣として所管するという形になっております。具体的に所管する内容を申し上げますと、総務大臣というのは旧自治省の関係で地方税を所管している立場から関与している。それから農林水産大臣は動物検疫や、植物防疫の関係などについて、経済産業大臣は、旧通産省ですが輸入全般、国土交通大臣は旧運輸省の関係ですけれども、港湾あるいは空港行政等を所管する立場から関与しているということでございまして、この政策評価はこれら4省が連携調整を図りながら推進しております地域輸入促進の施策、これを法律改正された平成7年と時限が到来する18年のほぼ中間の時点で総合的に評価しようというものでございます。
  次に、法律の仕組みについて御説明したいと思います。2ページをお開きください。ここにフローチャートが書いてございます。リゾート法とほぼ同じようなスキームなのでございますけれども、まず国の方で一番左側の真ん中の四角に地域輸入促進指針の策定、主務大臣となってございます。まず全国に共通の指針といったものを国の方で作成いたします。これに基づいて各都道府県で、その右側にございますけれども、地域輸入促進計画といったものを作成いたします。その計画の中で、その下の方に書いてございますけれども、輸入の促進を図る地域でありますとか、輸入貨物の流通に関する目標、あるいは輸入促進基盤整備事業や、輸入貨物流通促進事業の内容等を規定するということになってございます。そのようにして作成した計画について、国の方の同意を求めます。
  その事業の中身といったものにつきましては一番右側の欄に書いてございます。事業は2つございまして、輸入促進基盤整備事業というものと、輸入貨物流通促進事業というこの2つの事業でございますが、前者は、基本的には第3セクターが担い手になるというものでございます。2つ目の輸入貨物流通促進事業は純粋な民間事業者が担い手となって実施するものでございまして、それぞれに関して国は支援策を講ずるという形で関与いたします。輸入促進基盤整備事業に対しては、例えば産業基盤整備基金による債務保証や、出資、あるいは税制の特例等の措置を講じます。それから輸入貨物の流通促進事業に対しては、日本政策投資銀行といった政策金融機関から優遇された条件での融資等の支援を行います。
  要するに、これらの支援策を通じて港湾・空港地域に輸入促進基盤整備事業を展開していく。具体的には第3セクターが荷さばき施設とか、倉庫とか、展示施設等をつくりまして、それを管理するというものでございますけれども、そういう輸入インフラを整備していく。また輸入貨物流通促進事業というのは、空港あるいは港湾地域に輸入貨物を取り扱う事業者を集めてその地域の輸入を促進するというものです。
  それで、実績については2ページ目の(2)に表にしてございます。これまで22の地域で計画が同意されてございます。内訳を見ますと、法律が制定されてから二、三年の間にほとんどの計画がつくられておりまして、最近、例えば平成9年から11年までは全く実績がないという状況にございます。また特定集積地区は4という実績が挙がってございます。これは平成7年の法改正でつくられた制度なのでございますけれども、輸入促進地域である港湾・空港地域の中に、特に輸入貨物を取り扱う事業者を集積するための地区として1,000 ヘクタール以下の地区を設けるという制度でございますけれども、この制度の利用実績も低調でございます。
  次に、この施策の評価の観点というところに入るわけでございますけれども、この法律は基本的には輸入関連インフラを整備し、輸入事業者を集積させて輸入を促進するということです。もう少し具体的に申し上げますと、3の1行目から書いてございますように、一つ目は、三大都市圏の港湾地域等における輸入貨物の混雑の解消です。混雑の解消というのは、具体的には荷さばき能力の向上などによる流通の円滑化です。二つ目は、地方における輸入関連インフラの先行的な整備、インフラの地方分散を図るといったことです。3つ目は、輸入促進地域における輸入関連事業者の集積によるメリットですが、これは例えば卸売業者と製造業者が1か所に集まることによって原材料の輸送コストや輸送時間の削減が図られるといったメリットです。そういったものを最大限活用して効果的に輸入の促進を図るということで具体的には輸入量の増加を図るということでございます。そういったことをねらいにしているものでございます。
  ただ、これにつきまして、次のページの5行目から6行目をごらんいただきたいのですが、実際に輸入促進についての実態については、輸入促進地域の指定前後で輸入貨物量が横ばいとなっているものが多いとか、あるいは平成7年の法改正で、輸入関連事業者の集積促進するために設けられました特定集積地区といったものも、先ほど申し上げましたように22地域のうちの4地域のみの設定にとどまっております。
  こういったことを念頭に置きながら今回の評価の観点でございますけれども、1行目に戻って見ていただきたいのですが、地域の指定以降に、その地域におきまして、法に基づいてとられております各種の施策、これは先ほど御説明いたしました輸入促進基盤整備事業でありますとか、輸入貨物流通促進事業といったものでございます。そういった施策と国土交通省や農林水産省が講じております港湾整備や植物防疫、動物検疫等の施策との整合性が図られ、これらが一体となって地域輸入の促進に寄与しているかなどの効果の発現状況について調査分析しまして、地域輸入促進に係る施策の有効性、必要性等について総合的に評価を行いたいというものでございます。また併せて行政コスト的なもの、例えば産業基盤整備基金を通じて国がコストを負担しているようなこともございますので、そういったものについても分析を行うことを考えてございます。以上でございます。
村松委員長
    ありがとうございます。それでは、続きまして、容器包装リサイクル法でございます。
渡会評価監視官
    容器包装リサイクル法を担当しております渡会でございます。
  資料1−4というものでございます。この資料の4ページ、後ろから2枚目、参考1という資料をまずごらんいただきたいと思います。循環型社会の形成の推進のための法体系という図でございます。一番上に環境基本法がございまして、その次の箱に循環型社会形成推進基本法というのがございますが、12年6月公布。そのやや下、左に廃棄物処理法(12年6月改正)、その右、資源有効利用促進法(12年6月改正)とございます。それらの基本的な法律のもとに個別の法律がその下に縦書きで並んでおりまして、左から容器包装リサイクル法、家電リサイクル法等々ございます。この個別の法律のうち右3つ、建設リサイクル法(12年5月公布)、食品リサイクル法(12年6月公布)、グリーン購入法(12年5月公布)とみな12年の5月、6月、昨年の通常国会で成立した法律でございます。したがいまして、去年の5月、6月というのはある意味でリサイクル元年とでも言うべきような様相を呈したわけでございます。
  なぜこのようにリサイクルの施策を進めなければならないかという背景事情でございますけれども、大きく2つ挙げられようかと思います。1つが資源の枯渇という問題、天然資源の枯渇です。資料に書いてございませんけれども、例えば石油ですと、あと43年掘り続けたらなくなってしまうと言われております。もう一つの問題が最終処分場、ごみの処分場の逼迫でございます。全国ベースであと11年経つと処分場は満杯になってしまうと言われております。資源の枯渇、最終処分場の逼迫、こういう2つの課題に対応するためにはどうしたらいいか。この世界でよく言われている言葉に3つのRというのがございます。これも資料化しておりませんで恐縮でございますけれども、1つ目のRがリデュース、減らす。そもそもごみを減らして、ごみになるものをやめましょう、過剰包装なんかやめましょうということです。2つ目がリユース、もう一回使いましょう。身近な例ですとビール瓶でございます。酒屋さんが新しいビールを運んできたら空き瓶を回収して、それを洗浄してまたビールメーカーがビールを販売する。リユース。3つ目のRがリサイクル、同じようにもう一回使えるわけではないけれども、加工すれば別物として使える、リサイクルといいます。まずはリデュースし、使えるものはもう一回使い、それでもだめなものはつくりかえて使いましょうと。そういうことによってなるべく新たな資源を使うことを避けましょうという発想でございます。私ダイエットしますというのがリデュース、昔の名前で出ていますというのがリユース、身も心も新たに生まれ変わりましたというのがリサイクル、本日お昼を食べながら気がついた表現でございます。
  さて、今3つのRということでリサイクルという言葉を御説明いたしましたが、リサイクルという言葉をもうちょっと広くリユースとリサイクル、両方含めて使われることもあります。リデュースも含めてリサイクルということもあります。今からお話しします容器包装リサイクル法、この3つのRを視野に入れております。特に法的仕組みを構築しているのはそのうちの狭い意味のリサイクルでございます。
  さて、今お開きいただいております4ページの表、縦書きで書いている各個別法、左から順番に流れております。一番右のグリーン購入法、これは国が物を買うときにはなるべく再生品を買いましょうという需要面からの支援策でございます。ちょっと性格は異なりますが、他の4法、これはそれぞれ物品ごとにリサイクルの仕組みをつくったものでございます。この中で容器包装リサイクル法がトップバッターを走っております。容器包装とは具体的には何かといいますと、下の方の四角の中をごらんいただきますと瓶とかペットボトル等の容器、商品を入れるもの、あるいは商品を包むものでございます。この容器包装というのは、一般廃棄物に占める割合、容積比で言いますと6割と言われています。重量比でも2割と言われております。一般廃棄物の中で占める割合が非常に高いものである。もう一つは、特に瓶とか紙とか、ガラスと紙はそうなんですけれども、リサイクルしやすい性質を持っております。ごみの中でたくさんの割合を占めていて、かつリサイクルしやすい。したがって、まずこれから手をつけましょうということで容器包装リサイクル法がトップバッターを走っているということでございます。
  その法律の仕組みにつきましては、ちょっとお戻りいただきまして1ページでございます。1ページの下に、2(1)容器包装リサイクル法の仕組みというところがございます。この法律は大きく2つに分かれておりまして、1つが分別収集、もう一つが再商品化でございます。再商品化というのがいわゆるリサイクルでございます。リサイクルするためには、いろんな素材がごちゃごちゃ混じっていてはリサイクルがままならないということで、まずは分別収集から始めましょうということでございます。事業者の責務として減量化(リデュース)が定められております。なるべく過剰包装はしないとか、あるいは同じ容器をつくるにしても薄い容器にしようということでございます。ちなみに、その右括弧書きで矢印、普及啓発とございますけれども、これは国が事業者に対して行う政策ツールでございます。以下同じように矢印で書いていますのは国のツールでございます。事業者の下が消費者、消費者は1つは減量化、例えば買物かごを持っていけばレジで渡される袋は要らない等の減量化が一つと、もう一つは分別排出、瓶なら瓶、缶なら缶、分けて排出してくださいということです。消費者の次が市町村、分別して排出されたものを収集するのが市町村の役割でございます。もともとごみの収集処理というのは市町村の仕事でございます。市町村が収集するときに分けて収集しましょうということでございます。
  ちなみに、市町村のところに分別収集計画の策定とございますけれども、これは毎年度、この年は瓶なら瓶が何トン集まるだろう、スチール缶ならスチール缶が何トン集まるだろうという予想を立てるものでございます。その分別収集をそれぞれ3主体がそれぞれの役割を果たして、まずは役に立つものを分けてくださいということになっております。その次が再商品化、国が再商品化計画をつくることになっています。再商品化計画といいますのは、例えばペットボトルであれば、この年はペットボトルのリサイクルを何トンリサイクルしましょうという品目別にリサイクルの目標をつくっております。この目標値は各市町村が分別収集計画を立てます。そこから集まってくる素材の量。これを一つ左手におきまして、右手では、リサイクル施設と呼んでおりますけれども、リサイクル工場の生産能力があります。右手でその生産能力。この両者、左手と右手を勘案してこの計画をつくることになっております。
  その次が事業者、再商品化義務と書いていますけれども、事業者はリサイクルをする義務を負わされております。ここで説明いたしますと、事業者、容器包装の容器の製造業者、瓶と缶の製造業者、もう一つは、利用業者、容器に清涼飲料水などを詰めて売っている容器を利用している業者。その製造業者、利用業者がございますけれども、それらの事業者は自分たちがつくったり、あるいは利用したりした分量に応じてリサイクルをする義務というものがございます。その義務量の総和が国がつくる再商品化計画となります。事業者にこのような義務を負わせておりますが、ただ、その義務といえども、自らリサイクルするだけの技術とか、あるいは設備を持っておりませんので、もちろん自らやってもいいんですけれども、できなければ日本容器包装リサイクル協会という法人が指定を受けております。いわゆる指定法人でございますけれども、そこに委託することができます。もちろん委託料を支払うことになります。リサイクル協会も自らリサイクルするわけではございません。リサイクル施設と呼んでおりますけれども、リサイクル工場、これは民間の工場でございます。そこにリサイクルをお願いします。市町村が集めてきた、例えばペットボトル、全国でどこに何トン保管されているという情報をリサイクル協会が市町村から報告を受け、今度逆に全国に散らばっているリサイクル施設、どこでどういう材料のリサイクルをどのぐらいできるかということをリサイクル協会はつかんでおりますので、そういうところに振り分ける。具体的には入札するんですけれども、市町村とリサイクル施設を結ぶ役目をリサイクル協会がしております。
  そういう一連の流れを絵にしたものが3ページでございます。3ページの左から4分の1のところに二重線で縦に線が引っ張ってありまして、左側が法施行前、右側が法施行後でございます。例えば法施行前でごらんいただきますと、自主回収というのがございます。これは先ほど例に挙げましたビール瓶、それ以外日本酒の一升瓶もそうです。あとは牛乳、今は紙パックが主流ですけれども、瓶の牛乳、この空き瓶を製造業者が自主回収してもう一回使うという仕組みができております。それは既にできておりますので、新たに法の必要はございませんけれども、右側の法施行後という図をごらんいただきますと、真ん中あたり、消費者から自主回収という線が出ていまして、その線を右の方へたどっていきますと認定業者、そこから点線、これは法の枠でございます。それを超えて再利用というところに流れております。認定事業者といいますのは、事業者にはすべからくリサイクルする義務がございますけれども、自主回収した分についてはその義務から控除されることになっております。基本的には出したものの90%自主回収すれば免除されます。その免除を認定するわけでございます。認定さえ受ければ義務が免除されて、あとリユースは行政の関与がない世界で行われます。
  もう一つ行政関与外の話がございます。先ほどの自主回収の一つ上に分別収集という箱がございまして、そこを右の方にたどっていきますと、保管施設の手前で線が下の方に出ておるのをごらんいただきたいと思います。下の方に線が出ていって、点線の枠を超えて市場という箱に至っております。例としてスチール缶、アルミ缶が挙げられておりますけれども、スチール缶からは、例えば鉄筋コンクリートの鉄筋の棒がつくられます。アルミ缶からもいろんなものがつくられますけれども、一番分類で多いのは再びアルミ缶になるようでございますけれども、いずれにしてもスチールとかアルミ、これは原材料として高く売れます。採算がとれますので、集めさえしてくれれば、あとは民間の市場が成立いたします。したがって、集めるところまでは行政が関与しますが、そこから先は市場の世界となります。それ以外のもの、典型的にはペットボトルでございます。ペットボトルは細かく砕いてペレットというものにしまして、それを成形して新たなものをつくるわけでございますけれども、このリサイクルのコストが非常にかかります。リサイクルして売れる金額をコストが上回るので市場が成立をしません。したがって、そこは行政が関与いたします。具体的には、ペレットをリサイクル工場が引き取るときに、お金を出して買うのではなくて、リサイクル協会からお金をもらってペレットを引き取ります。有価物ではありますけれども、有償性はございません。逆有償になります。事業者がリサイクル協会に自分たちでリサイクルできないから、あなたのところでやってほしいといって分担金を払います。それで事業者の義務は履行されます。リサイクル協会はそのお金を今度はリサイクル工場にリサイクルの原料とともに渡すと、こういう仕掛けになっております。
  以上がこの法の仕組みでございます。要はごみが減ればいいということですので、この政策評価の究極的な目標はごみがどれだけ減ったか。特に容器包装廃棄物がどれだけ減ったかということになろうかと思います。それ以外にいろいろ個別具体的な評価項目があろうかと思います。その点はいろいろと整理しているところでございます。以上で御説明を終わります。
村松委員長
    どうもありがとうございました。それでは、今御説明いただきました3つのテーマにつきまして、しばらくの間御意見を伺い討議をしたいと考えます。どなたからも御意見をいただけたらと思います。
田辺臨時委員
    2点ほど、質問というか、意見ですけれども。今回政策評価にかかわるプログラムに関して御紹介いただいたわけですけれども、何をやるのかということと、それから、こちらの評価計画の方をどういうふうにやればよいのか、この2点について御説明いただければと思います。
  ただ、それに関しては、お考えいただきたい点があるのではないかとということが一点。何をやるのかということに関して、今回1月からこの委員会が立ち上がると同時に走らざるを得ませんのでしょうがありませんけれども、例えば14年度もこういった形でこれやりますとバンと出したときにこちらの委員会として何ができるのかということ、つまり、政策評価にかかわる委員会はほとんど権限がありませんけど、行政評価局が何をやるべきなのか、こういう視点が欠けているのではないか、こういうところに社会的なニーズがあるからやった方がいいのではないかということは権限があると思うわけでして。それを可能にするようなスケジュールというものを、今回はしょうがありませんけれども、14年度等を考えるとすればお考えいただきたい。委員の方からああやれこうやれと直ちに言うわけで、微妙なバランスのところをお考えていただきたいというのが第1点です。
  2番目は、こちらの政策評価計画で出てきたところをどうやればいいのかということであります。この三つの、最初の政策評価計画に関しては、それぞれ問題がありますので、勧告が出てくるなという感触があるわけですけれども、この政策評価計画を見たところ、情報として出ているのは1つはなぜやるのかという目的、2番目はこの制度にかかわる内容、3番目はどういう観点でやるのかということが書かれてあるわけですけれども、これだけでこの評価ができるかどうか私、ちょっと判断できない。あともう3つぐらいの情報は入れていただきたいなと。1つは、どういうスケジュールでやるのか。つまり1年かけてやるのか、3か月で勝負するのか。それとも半年くらいかけてやるのか、どれぐらいに報告したいのかというような部分。つまり 調査設計があって、それから具体的に出かけていったり、情報集めたり、報告したり、最後に勧告するでも取りまとめでもいつごろになりそうなのかという情報がいただきたいということであります。2番目に欲しい情報はリソース。何年ぐらいかけて、どのくらいの時間でやるのか。マンパワーに関する情報がないと、この計画が果たしてできるか否か判断できないということです。できれば判断するためにはマンパワーに関わる情報がほしいということです。
  3番目に、この政策評価計画の中で欲しいなと思いますのは、リサイクル法の場合はちょっと書かれていますけど、具体的な手法とどういうデータを用いて分析評価するのか。リサイクルの場合には、例えば消費者に対するアンケート調査をやったり、自治体に対する聞き取りというような手法を使って、情報源を使って分析したりということでしょうけども。そういうのが分かりますと、例えば事業者にいった場合に、そういうことがわかりますので、そういった情報を出していただかないと、政策評価計画に対して、どういうふうにもっていくのかということがちょっと見えないし、全く意見が言いずらい側面がありますので、その点はご留意をいただきたいというのが私の意見でございます。
村松委員長
    どうもありがとうございました。テーマについてはおしゃられるとおり、我々がこの委員会に就任をする前から行っておやりになっていたということもあると思いますし、とにかく総務省としての責任があってスタートをしておられるわけですけれども、さっきも課長が説明しておられたように、今どうしても必要だといえば、全くそれが拒否されているというわけでもないと思いますので、その御議論があったら、もちろん、これは先ほどから言っておられるリソースの問題、いろんなことがありますので、やれるかやれないかとか、いろんな判断が必要かと思いますけれども、それはだんだんに御議論をしていただく、提案をしていただくということがあるのではないかというように思います。とにかくどういうものであるかということがまだ不明なところもございましたので、動かざるを得なかったということだと思うんですが、どうやるのかということについては、3つについての御質問については事務局の方から補足的に説明ができるのであれば、少し今やっていただけますでしょうか。
鎌田総務課長
    まず第1点のプログラムの立案に際して評価委員会との関係でございますけれども、前回、向こう2年プラス1年ぐらいの今後のスケジュールの概要版というのをお出ししまして、その中にも書いておりましたが、このようなプログラムにつきましては、2回ぐらい節目に御審議いただきたいと思っていまして、それは年度の流れで言えば秋口ぐらいに、大体来年度以降、新たな計画を策定するに際してどういう方向があり得るかという方向性についていろいろ御示唆をいただき、それをもとにさらに議論を深めて、我々として検討していって、今ぐらいの時期でしょうか、年度を区切りのプログラムですから大体4月の頭に公表しますので、最終的に確定的な御議論もいただくという2回ぐらいはやろうと思っておりまして、それは既に予定しております。
  それから2点目のお話ですが、確かに今日、情報量の不足がございまして誠に申しわけないと思っておりますが、まず幾つか御指摘のうちのスケジュール的な話でございますけれども、政策評価はどんなに長いものでも1年以内ぐらいをめどにして取りまとめようということで内部的には言っておりまして、さらに、今日の3つのテーマについてはなるべく早目に結論を出せるようにコンパクトなテーマを選んだつもりでございます。今日はお出ししておりませんが、どのような手法を用いるか、あるいはどのようなデータを用いて評価するのかということについても、現段階で確定はしておりませんが、もちろん検討しておりまして、もしコメントできるのであれば評価監視官からもコメントさせます。
  リソースとしましては、ちょっと寂しい話になって恐縮なんですが、大体今御説明しました評価監視官の下で十数名しかおりませんで、それが政策評価の企画・立案的なところと本省調査にかかる部分を担っておって、なおかつ今までの行政監察をやっていき、それから皆さんからいろんな資料の御用命があれば、これもやっていくという中でやっていくわけでございますので、お察しいただければと思います。
  それから、もちろん全国調査もございまして、そういう意味では、政策評価は効果の発現状況についてなるべく悉皆的な情報を集めようと思っておりまして、この調査もほぼ全体的に活用しまして情報を集めたい。ただ、マンパワーの不足は出先機関においても同じですので、それは当然調査項目といいますか、データは絞って指定せざるを得ない、こういう状況下にございますが、そういう中で、皆様方の有意義な御示唆をいただきながら効果的なやっていきたいと思っております。
渡会評価監視官
    手法、データについて、この際ですので、もう少し御紹介させていただきたいと思います。今こういう手法を考えておりますという段階ではございますが、私の説明で最後に申し上げましたが、要はごみはどれだけ減ったかという指標でございますけれども、一般廃棄物の中で、容器包装廃棄物がどのぐらいあるかというデータは実はございません。分別収集されずに、ほかのものと一緒にごそっと捨てられるわけです。捨てられたところに行って、誰かが手分けして探さないとわかりません。さらに言えば、容器包装というのは商品を包んでいるものでございます。皆さんがデパートでワイシャツを買ってきますと、ワイシャツはビニール袋に入っています。ワイシャツという商品を包んでいる袋ですから容器包装です。そのワイシャツをクリーニング屋に持っていって引き取るときにやはりビニール袋に入っていますが、そのワイシャツはクリーニング屋さんが売っている商品ではなくて、クリーニング屋さんがお客様から預かった預かり品です。商品を包んでいないので容器包装ではない。非常に消費者を紛らわせているような、そういう厳密な区分がございます。ごみ捨て場にいくと、ビニール袋がありました。これは容器包装かそうじゃないかというのが、商品を包んであったかどうか実は見分けがつきません。したがいまして、厳密に容器包装廃棄物がどれぐらい減ったかというデータはございません。したがって、今、近似値で出せないかということを考えています。
  1つは、容器包装廃棄物かどうかは別として一般廃棄物がどれだけ減ったか、このデータならございます。冒頭申し上げましたように、容積比で6割容器包装が占めていますから、容器包装廃棄物が減れば一般廃棄物の減量化に占める寄与度は結構高いと思いますので、一つの近似値はそれです。それから今度観点を変えまして、容器包装廃棄物がどのくらいリサイクルに回ったか。これも近似値で出ます。少なくとも市町村が分別収集計画にのっとって集めてきた量、これはわかりますし、それから協会を経由してリサイクル工場に回った量、これもわかります。一部市場に流れるものもありますので、厳密ではありませんが、一つの近似値として使えるかなと思います。もう一つの近似値、新しい原料、バージン原料といいますけれども、それに対してリサイクルしたものからつくる原料をリサイクル原料といいます。例えばある瓶をつくるときに、その材料のうち、カレットという粒状のガラスですけれども、何割ぐらいがリサイクルされたものか、古紙ですと、例えばゼロックス用紙なんかは古紙何%か書いていますね。同じように生産されたものの原料のうちにどのぐらいリサイクル原料が入っているか、そういうことから逆に廃棄されたものがどのぐらいあるかという推測もできるかと思います。今そのような近似値を考えているところでございます。以上です。
村松委員長
    吉野さん、木村さん、金本さんの順で御発言いただきたいと思います。
吉野専門委員
    まず個別のところで、例えば地域の輸入のところを御質問させていただきたいんですが、これをこういう尺度の上に、何か一つマクロの日本全体の目的というのを考えなくていいかということなんですが、例えば地域の輸入促進ですと、統計データを見ていたんですが、韓国の釜山が今ハブになっていまして、そこから日本が地域的に輸入しているわけですね。そうすると直接神戸に輸入しているわけではなくて、ほとんどのお金は韓国に行ってしまう。そういうことまで考えて地域輸入のことを考えるのか。そしてここですと、箱物の整理といいますか、特定集積地域みたいなものをつくるわけですが、これは今は箱物としてつくっていいかもしれませんが、そこの地域が産業構造が変われば、その箱物は要らなくなるかもしれないわけです。そうすると、片や公共事業は注意してやりなさいと言いながら、ここで目標をつくりますと一生懸命各地域がそういう箱物をつくってしまう。それから、ここの数量でいきますと、輸入貨物量が最近横ばいである。これは景気が悪ければ横ばいでも非常にいいわけです。それから地域の産業構造が変わっていれば横ばいではいけないわけです。そういうときに、こういう数値目標というのと、それともうちょっと上の目標を考えませんと、せっかくこの目標を達成していただいたあかつきには、5年後、15年後には無駄な事業が残ってしまう。そういうことになりかねない。ですから、そこはどうやって注意されるのかどうか。
  それからあとは、全体の最初の政策目標のところでもそうなんですが、私、金融とか財政とかやっていますが、政府系金融機関による資金とか経済協力というのは、このもう少し上に日本全体の資金構造とか、金融構造をどうすべきかというところから始まって、それが直接金融や間接金融や市場型間接金融になって、その中から政府系金融機関はどうなるか、あるいは住宅政策、中小企業政策からなるでしょうし、そういう一番上のところを総務省がこういうところはまず考えていただいて、それからやっていただくというのがいいのではないかというふうに思うんですが。
村松委員長
    お答えをいただく前に、時間の関係もありますので、御意見の方をいただきたいと思います。
木村専門委員
    私は2点ほど申し上げたいと思います。
  まず第1点は、政策評価のところで、複数府省関連施策の定期評価とありましたリゾート法とか個別に挙げてあるのは大変望ましいことだというように考えておりますが、例えば、今の御説明の中では間接的でわかりにくいのですが、その当時、法律そのものが施行されたのがマイナスだったのではないかというぐらいの評価のところまで踏み込むことができるのかどうか、その点はどういうふうに考えておられるかということが1つです。
  それから第2点目は、リゾート法の評価というのはぜひやらなければならないことだというふうに個人的には考えておりますけれども、果たして地域振興と国の関与の在り方というような問題意識だけでこの問題が切れるのかどうかということについては疑問を感じております。既にお考えのことだと思いますけれども、国は様々な方向で関与しているわけで、ここではリスクのあるプロジェクトに対する地方自治体がどういうふうな態度をとったのか、見積りの甘さがあったのではないのかという視点と、それから背景にバブルがあったということで、バブルと清算という点からもこれは見るべきではないか。特に失敗要因の分析ということを重要視していただきたいというのが私の意見です。以上です。
金本臨時委員
    これからの計画を出すお願い要望なんですが、今さっき鎌田課長の方からお話がありましたけれども、資源はかなり限られている。国民の期待は非常に大きい。どういうものをやっていくかというのは非常に責任が重いことだというふうに思います。特に一番重要なのは、国民の税金がちゃんと使われているかということについて重要な役割を果たすということだと思います。各省が行っている政策評価は始まったばかりで、ほとんど今のところ余り仕事がないという状況だと思いますが、唯一公共事業の評価についてはもう既に実績がある。各省でマニュアルをつくって実際に数値も出ているという状況です。ただ問題なのは、そこで出てきた数字が、例えば財政当局がそれを頼りにできるだけのものかというと、そうではないというのが大方の印象だと思うんです。これには幾つかの理由がありますが、基本的には、各省各課で自分の分野で指標をつくって、計算するマニュアルをつくってやっておられる。今、自分たちがやっている仕事が数字上正当化できるようなマニュアルをつくって数字を出されているという状況になっています。これをこのまま放っておくと、それでいいんだということになって定着をしてしまうということです。これは早目に手を打つ必要がある。
  まずやらなければいけないのは、各省各課で個別分野ごとにできているマニュアルを全部集めて、それが何が違っていて、どの分野でどういうふうなことが行われているか、数字は過大なのか過小なのかといった精査をする必要があるということです。これは役所の方ではできない。基本的に各省各課が自分たちだけではなくて、関連の大学の先生とか、コンサルの方々の協力を得てマニュアルをつくっていますから、そこに素人が乗り込んでも確実に負けてしまうという状況になります。そういうものに対してきちんと対処できるような体制を早めにつくっていただきたいということです。一番いい人材を集めて、そういうところに対抗できて、ここはおかしいということがきちんと言えるといったものをやらないとシステム自体がうまく機能しないということになります。
  もう一つ、それに関してやる必要があるのは、データ等の公開状況です。現状はほとんどの場合、結論だけが1枚紙で出ているということで、それが正しいのか正しくないのかということはほとんどわからない。これは誰もこういうことを出せという人がいないので、そのまま放っておかれているという感じになっています。こちらの方も同じタイミングでぜひともやっていただきたいということです。これに関連するので、もう少し一般的な話で、政策評価をやるときにデータが必要だということです。データについては数字のものも、そうでないのもあるんですけれども、これは今あるものでは使えないものが多い。
  もう一つは、今あるデータでも使えなくなっているものが多い。例えば、医療費統計とか、国勢調査とか、その手のものについても公開されるデータだけでは不十分なことが多い。個票レベルのデータはあるんですが、使えないという状況になっています。これについては欧米諸国では学術目的には何らかの形で使えるようにするということが最近進んでおりまして、政策評価の基礎的な分析のレベルが日本とアメリカを比べますと随分違うんですが、その一つの大きな理由は、こういう個票のデータを使って国民の評価にかかわる分析ができるということです。これについても早目にやらないと、今、役所で公開されているデータだけでまともな政策評価をするというのはほとんど不可能ということだと思います。
  もう一つそれに関連して、こういう評価をするというのは、役所の方が一本で評価をされるというのは意味がない。いろんな方々が同じことについていろんなアプローチで評価をして意見を闘わせるというのが非常に重要なんですね。それをやるためには、まずデータが公開されている必要がある。もう一つは、データが使いやすくて、値段が安くなければいけない。現状では磁気媒体のデータが紙のデータよりもはるかに高いということが多いんです。紙のデータは昔から役所はそのままやられているケースが多くて、そんなに高い値段ではないんですが、磁気媒体は最近出たということもございまして、かなりの省庁で出している磁気媒体のデータは全部集めると数千万のオーダーにすぐになってしまうというぐらい異常な値段になっています。こういうことについて、こういう政策評価の委員会といったものがものを言っていく必要があるわけです。こういうことについての検討体制をつくっていただきたいというふうに思います。
村松委員長
    ありがとうございました。黒田先生どうぞ。
黒田臨時委員
    吉野委員がお話しなさったこととオーバーラップするかもしれませんけれども、やはりここの指標を決めたときに、何でそれが指標となったのか、その上にあるものとの関連はどうかということを考えないと数字だけがひとり歩きをしてしまうのをちょっと心配しています。
  詳しいお話を出していただいたので、容器包装リサイクルの例について話しますと、今一番問題になっていることの一つは、資源の枯渇ということですが、もう一つ、例えばエネルギーという問題が存在します。そうすると、リユースにはエネルギーはあまりかからないんですが、リサイクルするときにどれだけのエネルギーを使ったのか。つまり何%リサイクルのものを使ったかということと同時に、もしそれだけにものすごいエネルギーを使っているのなら、それは地球全体としては余りいいことではないかもしれないわけです。これは一つの例なんですが、このように、ただ一つだけの個別個別の指標だけを見ていると、ひょっとするミスリードになってしまうこともあるかもしれないので、その辺をもうちょっと上から見て、個別に下ろしていく前に全体としてどうなっているか。どの指標を立てたらいい切り口ができるかというディスカッションがあるといいのではないかというふうに感じました。
村松委員長
    竹内委員どうぞ。
竹内委員
    今の指標の話と関連いたしますけれども、例えば第1番目のリゾート法の政策の話なんですけれども、私なんかが見ると、実施状況は非常にヘルシーな状態である。つまり同意市町村が減っているということは、こういう法律には同意しない方がいいと考える市町村が増えている。なぜかというと、恐らく初期のころは、リゾート地に指定されれば、それで公共事業とか、アクセスを改善するとか、公共事業とくっついて行われたケースが恐らく多いだろう。そうなりますと、そういった公共事業の裏となる財源がなくなって、市町村としてはそういうリスキーなことには関わらない方がいいという評価もできるわけですから、逆にいうとこのケースの場合は、政策そのものの方にも欠陥がある。つまり国が過度に介入しすぎで、それが過度な投資に結びついたという部分は国が責任負うべきものがあるわけで、そこの部分についてのきちんとした反省点というか、将来に向けての分析が必要だと思います。
  それから指標のとり方で、例えばリゾート法の効果を示すときに、きちっとした市町村の同意数だけではなくて、財務分析を、リゾート地で行われたホテルとか、第3セクターのいろんな形態がありますね、その形態の財務分析できちっと出していただくとですね、つまり政策の決定者がそのときにリスクファクターを非常に間違って調査したいうことになりますので、もちろん民間の責任もありますけれども、そこを踏まえた、いわゆる国側のリスクの見積りの甘さみたいな問題をどういうふうにとらえていくのかということはきちっとみていただけないか。手間がかかるという問題もありますけれども、おそらくうまく情報を集めれば、しっかりとした財務分析からみた政策の不備というものは十分追えるのではないか。重要なことはこの政策がうまくいっていないということではなくて、そこから次の政策にどうフィードバックさせるかということではないか。
  リサイクルの問題も今黒田委員から別の見方という話がございましたけれども、ゴミを減らすということであれば、実際に市町村がゴミ処理コストとしてかけたコストが減ったかというような数字であれば、中間処理コストで出てくる可能性があると思います。ただ今まで出ていますけど、情報の信頼度というものが低い場合もあって、そこをどう捕らえるかという問題はありますけれども。中間処理のスケールメリットでみればゴミは多い方がいいというような別な考え方もありますので、減ればいいという問題だけではなくて、いかに効率的に処理すればいいのかというような問題もある。どこからどこへ運ぶかというロジック、そういうことも含めた効率化というものを、どこまで指標化できるかという、そういったことである。
村松委員長
    新村委員どうぞ。
新村臨時委員
    それではちょっと意見を。この委員会の性格が今日御説明を聞いてますますわからなくなってしまったという感じがございます。一体何を私たちは意見を言ったらよいのかというのが今日の御説明からわかりませんでした。まず最初に、評価するべき政策につきましては、先ほど時間がなかったからという御説明があったわけですけれども、やはりそれはどういう母集団からこの3つが選ばれたということを知りたいなと思いました。特に私は経済屋ですので、経済関係のことはある程度知っているかもしれないけれども、ここで評価する政策というのはもっと広いものだと思うので、この3つをどういうプロセスで選んでこういうふうにしました、それはおかしいんじゃないとか、そうすれば意見が言えますが、全体像がわからずに3つこれやりますと言われても、これは意見が言えない、それが第1点でございます。
  第2点が政策評価計画として3つの政策について御説明があったんですけれども、これも何を言っていいのかわからないんです。恐らくもう少しこういうプロセスでどうやって評価する予定であるというものが出ていれば、先ほどリサイクルについてはちょっとあったので、今ほかの先生からコメントがされたと思うんですけれども、3つともにそれぞれどういう基準で、案で結構でございますから、どういう基準で何が問題なので、そこまでは書いてありますね、何をもって政策を評価するか。具体的な指標としてこういうものを考えているが、果たしてこれでよいかというような御提示があれば、もっとこういう指標があるんじゃないかというような御意見を言えると思うんですけれども、これだけでは私なんかにとっては何も言えないという感じでございます。それも先ほど田辺先生がおっしゃったように審議の進め方とも関係があって、この次のときに、そういうものが出てくるのか、それともこれにのっとって、この次のときはこれの結果だけがこの委員会に出てくるのだろうかと、その辺がわからないものですから、ちょっと意見が言えなくて、この次に詳細計画を出しますので、そこで御意見をくださいというのだったらそれでいいし、そうでなければ、この20分ぐらいが予定されているようですけれども、それでこの3つについて意見を言うことは極めて難しいなと思ったので、その辺を少し明らかにしていただけるとうれしいと思うんです。以上です。
村松委員長
    今おっしゃられたとおり、予定は20分ぐらいを考えておりましたものですから、もう時間を10分実は超過しているんです。しかし、少し予定が変わるんですが、今いただける御意見をいただいて、独立行政法人の方はやや遅く始めてもいいと思いますので、御意見をまず伺えるところは伺って、答えられるところは答えるということで、翁委員がさっき手を挙げておられましたので、お願いします。
翁専門委員
    一番最初に御説明のありました府省横断的統一的な評価のところでございますけれども、特別会計の機能の見直しとか、政府系金融機関の見直しについて、その目的などについて御説明いただいてわかりましたけれども、具体的にどういうふうな手法でこの特別会計の機能とか、政府系金融機関の見直しをしていくのかということがちょっとわかりにくかったと思います。実際に予算とかそういうところに具体的に食い込んでいくということになっていくのか。例えば財務省とかそういったところとの関係、有機的に、どういうふうに効率的なこういった特別会計とかそういったところの見直しについての有機的な関係を築いてチェック機能を複線的にやっていけるのかといったところについてお話を伺いたいなと思いました。
  それから実際特別会計とか政府系金融機関、あるいは実際その機能、将来的な在り方自体も見直しされているというふうに思うんですけれども、そういった見直しにつなげていけるような政策評価にしていっていただきたいと思っているんですが、そういった方向性を打ち出していただくようなやり方をぜひお考えいただきたいなというふうに思っております。
村松委員長
    ありがとうございました。たくさん事務局からお答えいただかなければいけないことがあるんですけれども、樫谷委員が手を挙げておられるので、どうぞ。
樫谷委員
    分析をしたときにどうだったかとういうことなんですけれど、いくらかかったのか、どういうところにどういうお金がかかったのかという部分、特にその調査に対して、分かりやすく説明をお願いしたい。特に政策の効果としての具体的な情報を併せてお願いしたい。
村松委員長
    高木委員お願いします。
高木臨時委員
    私はリゾート関連で破綻した会社にかかわっていたものですから、リゾート法の評価というのはおもしろいなと思っているんですけれども、リゾート法そのものが、そもそもリゾート法が所期としたもの、そのこと自体がよかったのかどうかという問題がリゾート法にあると思いますし、またリゾート法が制定される政策決定の過程そのものにも私は問題があったのではないかというような認識を持っている次第なんですが。今回、分析される前にその辺まで踏み込んでいただくと、政策評価として非常に将来的に有効になってくると思います。その辺の観点が必ずしもこの中では触れられていないというふうに思いますので、私、その辺まで踏み込めるような切り口の評価をお願いしたいというふうに思っております。
村松委員長
    永井委員どうぞ。
永井委員
    大体出ましたので、時間がありませんでしょうから。
富田独立行政法人評価分科会長
    多くの委員の方からの御指摘も大体そのとおりだと思います。特にリゾート法等3つの政策評価ということについてなんですが、これは事務局が御指摘のように早目に成果を出すというのは重要だと思うんですが、しかし、これがかつての行政監察と違うんだ、政策評価だというには目的が明らかにされ、例えば輸入促進であれば、どういうプログラムストラクチャーの中にあって、もともとそれぞれの法律はそのプログラムストラクチャーの中のどこに位置するのかということの位置づけから入って、ゴールとアウトカムが何であったのかということを明確にいたしませんと、行政評価というか、行政監察とどこが違うんだということになってしまいかねないと思うんです。やはり最初の仕事になるわけですので、そうした政策評価の体系というのは前面に出て、そういう形での評価にすることが重要だと思うんです。それは先ほどお話のあるどういう評価項目を立てるかというのは、そのプログラムのストラクチャーをつくった中での位置づけでできるわけですし、またその評価のウエートをどう評価項目ごとに考えておくとか、そういうこともやらねばなりませんし、事後的な政策評価でありますので、先ほど御指摘になったコストの分、それも直接の国民の税金だけではなしに間接的なものでも評価するとか、政策評価というもののスタイルが基本的に問われていて、これが我が国できちんとした形で定着するかどうかの試金石になるように思うわけでして、確かに早めに出すことも大事なんですけれども、きちんとしたフレームワークを踏まえたものになることがより重要かと思います。
山本専門委員
    私は専門委員ですから提案権はないんですけれども、今の各委員の御意見を聞いていますと、少なくとももう少し絞らないと今のスタッフ的にいきますと非常に粗雑なものがたくさん出てくるような感じがするんですね。特に容器包装リサイクル法については、評価論的にいっても、平成12年度からこれは全面的になっているわけですから、初期値の問題等が出てまいるということと、少し大枠的な発想と、まさしくこういったエネルギー的な関連の方を入れないと多分いい評価はできそうもないような気が非常に強いんですね。1年ですべてのものについて出すこともないと思うんです。ですから、全く私は提案権も何もないんですが、これだけ盛りだくさんのことを行政評価局の方で行政監察も含めて1年でそれぞれやることになっているんですが、もう少し重点項目をお絞りになった方が今の分科会長のお話もありましたが、いい成果が出てくるのではないか、これは全く個人的な感想に過ぎませんが。
村松委員長
    ありがとうございます。直ちにお答えしにくいのもあると思うんですが、今様々な御意見がありました。私が整理するよりは、鎌田課長からまず大枠お答えいただいて、もしこれだけ私も聞きたいということがありましたらまた指摘させていただくということで、課長お願いします。
鎌田総務課長
    テーマの選定につきましても、いろいろ御指摘いただきまして、誠に意味深い御示唆に富んだ発言と思いまして参考にさせていただきたいと思います。
  今回のプログラムの策定に際しましては、確かに新しく政策評価をやっていくという意味で、私どもとしてもテーマの選定、それから調査計画の構築の仕方については特に意を用いているところではありますが、本日の説明におきまして、それが発現しなかったということにつきましては誠に申しわけなく思っております。
  テーマの設定は、一応選定の領域というものがございまして、当初に説明いたしましたように、政策評価というのは、まず各府省が自らの政策を評価するというのと並びまして、総務省が3つの評価を行う。その3つの評価というのは、統一的あるいは総合的評価であり、客観性担保の評価であるということでございます。そのうち、客観性担保の評価につきましては、先ほどもコメントいたしましたが、14年度から恐らく平年度化するであろうということで、今回は統一・総合の2つの評価について重点的にテーマを考えておくというところに意を用いたわけでございます。
  この統一的、あるいは総合的というのは、要するに各府省の政策そのものを個別に評価するというのとは若干趣を異にしまして、いわば府省を横串に、あるいは府省の政策をまたがるようなものに中心にして、上皮というと言葉が悪いですけれども、2階部分を評価するようなところがございまして、先ほど新村委員からは「母集団」という言葉がございましたけれども、選定範囲がある程度絞られてくるわけでございます。そういう中では、例えば統一性評価なんかでも、特別会計とか、公的金融機関とか、ある程度大きなところを選べているのではないかと思っておりまして、そういうような事情がございますということをひとつ念頭においていただきたいと存じます。
  それから具体的な調査設計の仕方につきましては、先ほども田辺委員からもっと情報がほしいというものに引き続きまして、いろいろな御指摘がございましたが、確かに私どもとしても検討しておりまして、具体的にどういうことを本省でデータを収集し、出先でどういうデータを収集しという内部的な検討は実は進んでおるわけでございますが、本日それを出すまでの熟度に至っておりませんで、誠に失礼ながら、こういう資料でもって皆様の御示唆も踏まえながら熟度を高めていこうと、そういうことで今日のような御説明をさせていただきました。
  なお次の機会には、今日の御指摘を踏まえましてなるべく具体的な、全体の中でどういう体系をどういうふうに評価するのか、何をもってどういう指標で評価するのかということにつきましてお示しできるように努力していきたいと思っております。
  それから若干個別的な話になりますが、本日の3テーマにかかります御質問等につきましては、後ほど担当から御説明いたしますが、本日のテーマ以外のもので、例えば公共事業の再評価に関しまして、さらに各府省のマニュアルの全体的な洗いなおしであるとかいうお話もございました。先ほどのテーマの中で公共事業の再評価に関しまして本年度取り上げるということを申し述べさせていただきましたが、金本先生の御指摘は、その中でこなす予定であるものと、予定外のものと実際ございまして、予定外のものにつきましてはどのような対応ができるかということを考えていきたいと思っております。
金本臨時委員
    私が言っているのは再評価じゃなくて、事前評価です。
鎌田総務課長
    事前評価はまだ考えておりませんので。それはどちらかというと、先ほどの説明の中でも申し上げましたが、今年の予算要求の際にも、事前の評価も含めて要求書に添付するような評価があるのではないかと想像しておりまして、そういった評価について予算編成作業に活用されるものをどのように我々としては見ていくべきなのかということも内部で検討を進めているところでございます。
  それからデータの話なんですが、今あるデータを使うというのが一番経費的な効率性があるわけでございますが、御示唆のあったように、例えば個別統計調査の原票を使ってやるような、加工するというような土俵を広げていくことも重要だというふうに思っておりまして、それは、例えば原票の利用ということと、国、地方の保有データについて相互流通性を高めていくということを去年ぐらいから念頭に置いておりまして、統計の話に限らせていただきますが、統計法上は目的外利用は可能でありますので、そこはできるのかなと。ただ、国、地方のデータの相互利用ということまで話を広げていきたいと思っておりまして、せっかく総務省になりまして、自治行政局とも同じフロアになっておりますので、府省融合化施策としてそういったこともやっていきたいということで話し合いを進めているところであります。
  また、個別な話になって恐縮ですが、翁先生から御指摘のあった特会等の問題につきまして、具体的な調査の観点としましては、当然のことながら、最終的には特別会計制度というスキームそのものをいろんな政策分野に適用していくことの合理性というものについて知見を得て、例えば今、適用されている分野にこれを適用することの問題点とか、ほかのまだ適用されていない分野について適用の可能性であるとか、そういったことも含めて全体的に見ていけるような構想で進めていきたいと思っております。もちろんのこと、財務省との関係でございますが、制度官庁で官庁は財務省でございますので、そういったところとの関係というものにも十分留意してやっていきたいということは考えております。
  それから山本委員、専門委員であっても別に提案権がないわけではございませんので、採決の場合の権限の話はございますが、この委員会の運営におきましては、委員であろうが、臨時委員であろうが、専門委員であろうが御自由に御発言いただきまして、全体的に意思形成していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
岩本評価監視官
    あとは個別にお答えさせます。
  リゾートにつきましても多岐にわたります御意見をちょうだいしましてありがとうございました。二、三の点についてだけコメントをいたしたいと思います。最初、木村委員の方からリスクプロジェクトについての地方自治体の取組を見る必要があるのではないかという御指摘でございました。誠にもっともな御指摘であると思います。私の頭の整理では国の行政機関の政策評価でありますので、自治体の取組そのものを評価をするということではないのだろうと思いますが、しかしながら、自治体の取組に何らかの問題があるという場合に、そういうものを惹起するような要素が国のつくった政策スキームにあるとすれば、やはりそれは見ていかなければいかんことなのではないかというふうに思っておるわけでございます。
  それからもう一つ、バブルの崩壊清算というのがある中で、失敗要因の分析をするのが重要であるという御指摘がございました。これはまさにそのとおりであろうと思っております。リゾートがこうなった要因としてバブルの崩壊があるというのは明らかであると思いますが、挙げてバブル崩壊だけが悪かったということなのか、あるいはほかの先生方から御指摘がありましたように、もともと政策なり法律のスキームそのものに欠陥があったのか、なかったのかという観点も重要であると思いますので、そういうことも考えていかなきゃいかんというふうに思っておるところでございます。
  それから財務分析の必要性ですとか、あるいは政策的に幾らお金を投入したのかといった点を見る必要があるというのはそのとおりであろうと思いますので、そういう点を踏まえてやっていきたいと思っております。
渡会評価監視官
    容器包装リサイクルについて簡単に申し上げます。黒田先生からリサイクルに要したエネルギーの使用量も見るべきだという御指摘でございます。また、竹内先生から市町村のごみ処理コストも見るべきだと、こういう御指摘がございます。それぞれデータがとれるかどうかという難しい問題がございます。ただ、一部ケーススタディをしたところもございますので、そういうところのデータが入手できれば、それも使ってみたいと思っています。一方で、山本先生から重点を絞れという御指摘ももっともだと思いますので、これから全体をどのように組み立てていくか考えてまいりたいと思っています。
村松委員長
    それでよろしいですか。
杉山評価監視官
    輸入促進の関係で吉野先生から御指摘いただいた点でございますけれども、確かに御指摘のとおり、輸入量だけを見て、施策の効果があるとかないとか即断することはできないということは我々も認識しておりまして、景気の影響とか、あるいは他の施策の影響とかいろいろございますので、その点は十分踏まえて指標のとり方等について考えていきたいと思っております。
  マクロの関係につきましても、基本的には政策体系の全体像、お手元の資料の中で4ページ目をごらんいただきたいのですけれども、一応私どもの方では、地域輸入の促進ということで今回政策評価を実施しようとしているわけでございますけれども、全体像ということで、まず輸入の拡大というものが大きな政策としてあって、その中の一つの施策として地域の輸入促進があるという視点でものをとらえております。決して特定のミクロの部分だけを見て全体を評価しようということではなくて、発想としては、まず全体の政策がどうなっているかといったところに視点がございます。
村松委員長
    そういうことで今はいいんじゃないかと思います。ここで直接言われているよりも、一つ上の政策との関係で見ていこうという御意見が多かったと思うんですが、そういうことの一つの分野だという御指摘だろうと思います。
  それで、私の不手際で20分前に一度休憩というふうに考えていたんですけれども、そうはいきませんでしたので、しかし、数分間休憩したいと思います。4時から再開するということで後半の独立行政法人評価の方に入っていきたいと思います。そういうことでよろしくお願いいたします。
(休  憩)
村松委員長
    それでは、再開させていただきたいと思います。
  次第にございますように、特別行政法人及びその評価の仕組みについて事務局から説明していただきたいと思います。
高野評価監視官
    独立行政法人担当の高野です。資料2をお開きいただきたいと思います。資料は、2冊に分かれております。本体の方は各種の資料、図表等を整理しております。別冊の方は注釈付きの独立行政法人通則法の条文ですが、末尾に併せて平成11年4月27日の中央省庁等改革推進本部決定である「中央省庁等改革の推進に関する方針」及び中央省庁等改革基本法の関係部分の抜粋を載せております。
  まず本体の資料の2ページの下を御覧いただきたいと思います。独立行政法人の運営を規律する法体系の中で大事なものが2つあります。1つは独立行政法人通則法であり、もう一つが個別法です。この2つが一番重要なものであると考えられます。そこでまず通則法の第1条を見ていただきますと、「独立行政法人の運営の基本・・・となる共通の事項」を定めるという趣旨が規定されています。独立行政法人制度の基本となる共通の事項が通則法で定まり、個々の法人の設立及び個々の法人ごとに異なる規定については個別法で定まる。この2つが一番重要な法令ということになりますが、なお通則法の制定と同時に各種制度面の法制上の手当てが整備法によりなされておりまして、それも併せて独立行政法人の制度が形づくられているということになります。
  本体の資料の1ページに戻っていただきますと経緯を整理しております。平成9年12月の行政改革会議最終報告に始まり、その内容を忠実に法案化した中央省庁等改革基本法が成立をし、その次の段階として独立行政法人通則法等が成立しました。資料の同じ段にあります11年4月の方針は、同時に個別法及び関連の政省令等の立案方針ともなっており、これに基づいて11年12月には国立公文書館法等の計59本の法律が成立し、またもう少し遅れて、教員研修センター法が成立した結果、これまでに計60の個別法が成立をしております。途中を省略いたしますが、その結果、今年の4月には、既に法律が成立している計60法人のうち、57の独立行政法人が発足をする予定になっています。
  通則法の条文に戻っていただきますと、第2条第1項において独立行政法人の業務について書いてあります。「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業」であって、そのうち「国が自ら主体となって直接に実施する必要がないもの」を確実に、加えて効率的かつ効果的に行わせることを目的として成立される法人が独立行政法人であるとされています。「確実」、「効率」、「効果的」というのが一連のキーワードになっています。
  このことの裏返しですが、では何が独立行政法人になじまないのかという整理については、行政改革会議最終報告では次のように整理をされております。おおよそ3つのカテゴリーがありますが、第一は、直接かつ強度の公権力の行使、例えば警察のようなもの、第二は、国が自らの名において行うのでなければ意味のないもの、例えば栄典といったもの、第三は、国の重大な危機管理など国が直接やることが想定されているもの、例えば防衛や災害対策のうちある種のもの、以上の三類型が国が自ら主体となって実施する必要があるものであると行政改革会議の最終報告では整理されています。
  第2条第2項は、「特定独立行政法人」とは何かを規定していますが、結論から言いますと、役職員に国家公務員の身分が与えられているもの特定独立行政法人であるということになります。
  次に、独立行政法人は実際にどのような業務を担うのかという点について、資料の3ページをお開きいただきたいと思います。よく似た資料を前回の会議でもお配りしておりますが、特定法人の業務について仮分類を試みましたのがこの表です。実は、今回発足する独法のほとんどが、行政機関に附属する機関の一種類である施設等機関から移行するものです。その施設等機関については、国家行政組織法上、その類型が列挙されております。試験研究、検査検定、文教研修、医療更生、矯正収容、作業施設という類型がそれです。こうした施設等機関の分類をとりあえず前提として、独立行政法人の業務の仮分類を試みたのがこの表です。半数を超える32法人が「試験研究」に該当します。この中で名称中に「研究」という文字がないのは、文部科学省の国立科学博物館のケースだけです。次に、「文教研修」が16法人、「検査検定」が5法人、「作業施設」が5法人となっています。以上のほか、とりあえず「その他」に仮分類したものが2法人ありますが、この2法人は従前施設等機関でないものです。このうち、通則法第2条第2項の規定する特定独立行政法人以外の独法、つまり役職員が国家公務員の身分を有しないものが二重丸を付した5法人です。また、御参考までに、全60の独立行政法人について、個別法による各法人の業務の規定の状況を資料4ページから11ページまでに整理しております。
  このような業務を担う独法60法人について、ある程度具体的なイメージを持っていただくために、2つのデータを紹介いたします。そのうちの1つが、資料12ページ、職員数の規模という点で整理を試みたものです。職員数は、法人の規模についての重要な指標の一つであるという考えに基づき整理したものですが、実は、発足時における独立行政法人の職員数の正確なデータは、現在まだ利用可能な状況になっておりません。そこで、それに代わるものとして、今般発足する独法はすべて行政機関から移行するものである点に着眼しまして、独法への移行に伴って行政機関サイドから減員されることとなる国家公務員の定員数というデータを入手いたしました。それを基に、規模別の分布を整理したのが12ページの資料です。この今春発足する57法人についてのリストを御覧いただきますと、大きなものとしては、約3,000 人前後の規模のものが2法人あります。他方、57法人のうち36法人は199 人以下の規模の法人となっております。数字的に言いますと、単純平均では1法人当たり平均311人、大きなもの2法人を除いた平均では1法人当たり211人となっています。57法人の中央値では143人となっており、このあたりが、今回発足する独立行政法人の職員数規模の一つのイメージということになります。各法人の設立に伴う行政機関の職員の減員数のデータは、13ページ以下に付したとおりです。
  それから、資料中には付しておりませんが、平成13年度の政府予算案を資料として、57法人について、運営費交付金、施設整備費、出資金等が国から幾らぐらい支出されることになっているだろうかという作業をいたしました。個々の法人についての数字の精査ができておりませんので、全体の概数だけを紹介させていただきますが、私どもの作業結果では、運営費交付金が57法人の合計で約3,560 億円ほど、それから施設整備費が約165 億円ほど、出資という形が100 億円ほどあります。これらを足し上げますと、計約3,800 億円ほどの金額が、国の一般会計及び特別会計から計57の独立行政法人に対して支出される予定となっているものと考えられます。参考まで、平成13年度の政府予算案の一般歳出の額は48兆円ちょっとですので、この金額を割り戻してみますとその約0.8%弱に当たります。これが独法の規模等についてのもう一つのイメージです。
  通則法の条文の方に戻っていただきますが、第3条第1項では、独法は適切かつ効率的な業務の運営に努めるということが規定されています。第2項では、運営状況の透明性の確保といった趣旨が規定されています。第3項では、さらに業務運営における独法の自主性の尊重、配慮ということが規定されています。この独法の自主性の尊重と事後評価の重要性という観点との関係については後ほど整理をさせていただきたいと思います。
  飛びまして、第6条を見ていただきますと、独法が法人格を有するという趣旨が規定されています。第8条では、第1項で、独立行政法人は、その業務を確実に実施するために「資本金その他の財産的基礎」を有しなければならないと規定されており、第2項では、そのために政府は出資をすることができることとされています。具体的には個別法で定める必要がありますが、政府の出資規定の根拠がこの第8条第2項です。このことの関係で、後ほどの第39条においては、一定規模以上の資本金を有する独立行政法人につきましては、財務諸表等について会計監査人の監査を受けることが規定されています。具体的には政令で資本金100億円という数字が決められており、100億円以上の資本金を有する独法については、監事の業務監査に加えて、公認会計士である会計監査人の会計監査を受けるということになっています。なお、中央省庁等改革本部事務局によりますと、必ずしも確実なデータではありませんが、57の法人のうち約半数以上が資本金100億円の規模以上になるのではないだろうかという感触を持っているようです。
  この出資規定の関係で、資料の16ページをお開きいただきたいと思います。各独立行政法人の資本金の正確な金額等は現時点では利用可能になっておりませんので、この資料は、とりあえず法人の発足時における当初出資等に関して、法律及び政令が規定している内容を整理したものです。御覧いただきますと、法人の発足時において国の出資が想定されておるものが計56法人、つまりほとんどすべての独立行政法人がこれに該当します。それから出資と同じような効果を持つものとして国有財産の無償使用という形態があり得ますが、これが計28法人、つまり約半数の独立行政法人について国有財産の無償使用の規定があることになります。ここでしかし続けて申し上げなければならないのは、これは法人の業務内容とかその性格等との関係で、財産の無償使用になったり、あるいは国の出資になるのかが決まるわけではなく、各法人の施設設備等の具体的な立地状況を反映して法制上の整理がなされるものにすぎないという点です。法人性格の分類、業務の性質等からこのように規定が分かれるものではないということです。資料の17ページも同様の資料です。
  資料18ページですが、今申し上げました国有財産の無償使用、国の出資について、政令レベルの規定振りを整理しています。幾つかのパターンがありますが、要するに、ほとんどは土地、建物等であり、あるいは機関によっては、船舶、航空機を所有している場合がありますので、そういったものの現物出資を受けるということです。やや変わり種といたしましては、国立国語研究所の主務大臣が指定する権利というものがあり、貿易保険事業を行っております日本貿易保険の場合には、その事業にかかわる様々な債権等の財産上の権利というものが規定されています。
  資料の19ページは、同様に、国有財産の無償使用についての政令レベルまでの規定振りの状況ですが、基本的には、庁舎とか施設設備、そういったものが無償使用可能な対象物として整理されているということになります。
  続いて20ページをお開きいただきますと、第8条第2項の規定する政府による出資に対比して、政府又は国以外の出資についてはどうなのかという点についての整理です。結論から申しますと、独立行政法人通則法及び平成11年4月の中央省庁等改革の推進に関する方針におきましては、政府以外の者からの出資を特段禁止するという整理にはなっておりません。ただし、ということですが、政府以外の者の出資を受けるためには、個別法令においてその旨手当てをする必要があるという方針が採られました。その結果、一言で言えば、今般発足する独立行政法人中には、地方公共団体あるいは民間企業等からの出資を受ける規定を有する法人はありません。さらに付け加えていいますと、地方公共団体の方からの出資に関しては、地方財政再建促進特別措置法という法律がありまして、そこでは、政令で定める独立行政法人について、それに対する出資、寄付金等の名目は問わず、それらの法人に対する地方公共団体による支出を禁止するという趣旨の規定があります。これを受けて、実際には、今回発足するすべての独立行政法人が同法施行令の中で指定されておりますので、結果として、基本的に地方公共団体からの出資を想定されない状況になっております。なお、民間企業からの出資というのも、よく考えてみますと、独立行政法人は、利益を上げる企業体、事業体ではありませんので、仮に出資をしたとしても、見返りの配当ということがそもそも想定されていないこととなり、したがってそうした行為についてはそもそも経済合理性がないということになろうかと思います。
  ここでまた、ただしということなのですが、現在国会に独立行政法人オリンピック記念青少年総合センター法の一部改正法案が提出されており、その法律は、同センターに一つの基金を設けるという内容の改正案になっております。青少年の自然体験とか社会奉仕活動を行う青少年教育団体の活動についての助成金を出す基金、通称「子ども夢基金」を官民のマッチングにより構築するという構想になっています。ただし、その法案によりましても、政府が基金に出すお金は資本金としての出資という扱いですが、政府以外の者からの出されるお金については「出捐」ということになっていまして、この部分については資本金に組み入れるという想定になっていないということです。財務会計の関係の話は次回の説明に譲りたいと思いますので、この問題については、以上にさせていただきます。
  通則法の条文に戻りまして、第12条は、各府省におかれる評価機関である府省の独立行政法人評価委員会の規定です。これが独立行政法人の業務実績の第一次的な評価機関であるということになりますが、第12条第2項を見ていただきますと、府省の評価委員会は独立行政法人の業務の実績の評価を行うという趣旨が規定されています。同時に、この通則法等によって、その権限が付された事項を処理するということが書いてあります。
  この関係で資料の21ページをお開きいただきたいと思います。こうした府省の独立行政法人評価委員会が具体的にどのような体制になっているのかというのがこの表です。57の独立行政法人を所管するのは内閣府を始めとする9の府省です。9の府省に独立行政法人評価委員会が置かれ、そのうちあるものについては分科会が置かれています。それぞれの委員会や分科会が評価を担当する独法はその右の欄にそれぞれ掲げてあるとおりです。見ていただきますと、分科会の立て方も1法人1分科会というものもありますが、多数の独法を所管している評価委員会においては、ある種のグルーピングを試みて分科会を構成している例もあるということがわかります。
  続いて、資料の22ページをお開きいただきますと、政策評価担当組織と独法評価委員会の事務を担当している部局との異同を整理しております。府省の中には独立行政法人を所管していないものもありますし、また仮に所管する独立行政法人がある場合であっても、場合によっては担当部局が異なっている場合もあります。半数以上の場合において同じ政令組織等が政策評価の担当と独立行政法人評価の事務局とを兼ねておりますが、異同があるということの理由としては、これは、政策評価の対象範囲がおよそ当該府省の政策分野全般にわたるのに対して、特法については、当該府省の所掌事務の広がりのうち特定の部分にしか広がっていないということもあるためではないかと考えられます。
  資料23ページは、現在まで把握できた限りの各府省の評価委員会等の発足状況を整理いたしております。
  通則法の条文に戻っていただきますと、第15条が法人の設立の規定です。ここでは、主務大臣が設立委員を任命して事務を処理すると規定されておりまして、独立行政法人の設立は行政のイニシアチブによって行われるものであることがわかります。その意味では従前の法人類型である特殊法人とも共通の部分があるということになります。
  第18条第1項では、各特法には役員として法人の長1人及び監事を置くと規定されています。「法人の長1人」とされていることの意味合いですが、要は、合議制の理事会といったものが法人を管理をするわけではなくて、独任制の運営責任体制がとられておるというのが1点目の特徴です。ただ、監事については、通則法上は、「監事を置く」ということだけで人数が書いてありませんが、実際には11年4月の方針等におきまして、監事は複数置くこととし、うち1人以上は部外者をもって充てるという方針が採られています。
  その役員の関係の資料は資料の24ページです。個別法における役員の規定状況を整備しておりますが、一番多いのは理事長及び理事1人の組合せ、それから理事長に加えて理事がそれぞれ2人以内、3人以内、4人以内、及びその他の場合となっております。先ほど法人の職員数の規模イメージで見た場合、約3,000人規模の法人が2つあると言いましたが、その2つがこの理事数の多い「その他」に該当しております。経済産業省の産業技術総合研究所の場合には、理事長、副理事長1人及び理事10人以内といった規模になっております。ところで、このように役員数のパタンが分かれる一つの要因としては、今申し上げましたとおり、職員数に代表されるように独立行政法人の規模の問題が一つあると考えられます。しかし、恐らくそれだけではなくて、例えば国立美術館、国立博物館といった法人については理事長に加えて理事3人以内とされておりますが、職員数規模でいいますと、これは100 人〜200 以下の法人であり、必ずしも大きい規模とは言えませんが、傘下の主たる施設がそれぞれ3つずつ置かれているといった事情があり、役員数の規定ぶりについても、そのようなそれぞれの法人の事情等を踏まえて決められたものであると思われます。最後に、全くの参考までに、特殊法人の役員数との比較をしてみますと、試験研究をやっております日本原子力研究所は、職員数2,300人ぐらいですが、法律上の規定では役員11人以内とされています。同様に理化学研究所は、職員数630人ぐらいですが、法律上の規定では役員7人以内となっております。この点では、この2つの特殊法人の方が規定されている役員数が多めであるという見方も可能であるかと思います。
  資料の25ページは、役員の任期に関する規定状況です。役員の任期は、それぞれ個別法で定めるということになっておりますが、これについても幾つかのパターンに分かれています。最も多いのは「法人の長4年、理事及び監事2年」というものですが、それ以外のパターンも幾つかあります。しかし、ここで大事な点の1つは、法人ごとに3年から5年の間で主務大臣が定める中期の目標期間と役員の任期とが必ずしも連動していないという点です。決め方によっては連動する場合もあると思いますが、必ずしも連動していません。これはなぜかということですが、いずれにしても、仮に中期の期間と役員の任期とを連動させたとしても、実は、新しい中期計画の作成というのは、旧計画期間の最後の年に行われることになりますから、その意味では、新役員は新計画の策定に参加することにはならず、その意味で形式的に2つの期間を連動させたとしても、それゆえに責任関係がより明確になるということには必ずしもなりません。また、あるいはまた逆に、中期目標の期間についての業務実績の評価は、その期間の終わった後に行われるという意味で、機械的に連動させてもいずれにしても責任期間が一致するというわけにはならないということもあります。
  しかし、別の面から言えば、独立行政法人の仕組み自体、年度評価を厳しく課していくという仕組みであり、そうした評価を常にフィードバックしながら運営改善をしていくということが1点大事な点であると思います。それからまた最悪の場合という意味では、通則法第23条を見ていただきたいのですが、その第3項に役員の解任の規定があります。法人の長の場合は、任命権者は主務大臣であり、主務大臣は、役員の業務の執行が不適当であるため業務の実績が悪化した場合、引き続きやってもらうのが適切でないということで解任することができるという解任権が担保されております。言わば最後の手段が留保されていますので、役員の任期を機械的に中期目標の期間と一致させることは必ずしも必要とされていないということです。ただし、理事長以外の普通の理事につきましては、これは任命権者が主務大臣ではなく、法人の長になります。25ページの表を見ていただきますと、一番典型的な例は理事の任期が2年であるのに対して、法人の長の任期は4年ということで理事の2倍になっております、これは、任命権者である法人の長の任命権、引いては法人の業務運営の最高責任の所在を明確にするという意味合いでこのような整理が行われているものです。
  通則法の条文に戻りますが、第27条以下に、業務運営あるいはその評価の関係の規定が出てきます。条文の規定内容についえは、別途資料で整理していますので、条文の見出しだけ目で追っていただきたいと思います。第28条は法人の業務開始の際の業務報告書の規定、第29条が中期目標の規定であり、中期目標に掲げる事項も定められています。第30条は、同様に主務大臣が定めて法人に対して指示をするものである中期目標を受けて、各法人が定める中期計画の規定であり、中期計画に掲げる事項も7項目ほど掲げられています。
  第31条は、中期計画を更に年度別にブレートダウンした年度計画の規定となります。第32条以降がいよいよ評価の関係ですが、第32条が事業年度ごとの業務実績の評価の規定、同じように第34条が中期目標の期間、つまり3から5年の期間における業務の実績に関する評価の規定です。第35条が、中期目標の期間の終了時において、主務大臣が法人の組織の在り方等全般について検討を行って、所要の措置を講じるという主務大臣の権限が第1項に書かれています。それに対応する形で、同第3項では、当委員会が中期目標の期間の終了時という同じタイミングにおいて、独立行政法人の主要な事務事業の改廃に関し主務大臣に対して勧告することができるという規定があります。
  さて、資料の26ページを見ていただきますと、先ほど通則法の第3条において、独法の自主性、自律性の尊重の規定があるということを申しましたが、この独立行政法人の自主性の尊重と事後評価の重要性という観点との関係を簡単に整理しております。詳しくは御説明しませんが、一言でいいますと、独立行政法人の自主性、自律性というものと、厳しい事後評価の実施は、言わば表裏一体の関係であり一つのセットになっているということです。
  資料の27ページ以下ペーは、先ほどざっと目で追っていただいた通則法の条文の規定振り等を整理しております。28ページを見ていただきますと、中期目標と中期計画の定めるべき事項というものを表の形で整理しております。例えば、中期目標の第1号の「業務運営の効率化に関する事項」というものに対して、中期計画の第2号は、そういった「目標を達成するためにとるべき措置」、中期目標の第3号が「サービスその他の業務の質の向上に関する事項」であるのに対して、中期計画の第2号は、そのような「目標を達成するためにとるべき措置」等となっており、全体として、中期目標の設定した目標を達成するための執行上の措置を定めているのが中期計画であるということになっています。ただし、中期計画の3号から6号までは、予算などの項目が列挙されておりますが、ここは表の注として書いてあるとおり、予算、収支計画、審議計画等は、法人業務運営の全般を資金面から整理した文書・計画であるということであり、これが直ちに中期目標の4号にいう「財務内容の改善に関する事項」に1対1で対応するものではありませんけれども、基本的には、主務大臣が指示した中期目標を踏まえて、それをどのように達成するかという観点から法人の側でつくる執行計画が中期計画であるという、そういう整理になっております。
  資料の27ページは、通則法第32条と第34条の評価関係の規定をざっと整理しております。下の表の方を見ていただきたいのですが、当委員会が何をするのかというについては、実は年度評価の場合も中期評価の場合でも共通です。府省評価委員会による独法の業務実績についての評価結果の通知を受け、それに対して必要な意見をいうのがこの委員会の仕事であるということです。それでは、府省の評価委員会は、毎年度あるいは中期目標の期間においてどのような評価をするのかということについては、その下に整理しております。まず基本的な構図は一緒なのですが、府省委員会の評価の対象としては、それぞれの期間、つまり、年度評価の場合には当該年度、中期評価の場合には中期目標の期間、における独立行政法人の業務の実績について評価をするということになります。ところで、その評価を行うに当たって、何を考慮するかといえば、年度評価の場合には中期計画の実施状況についての調査分析を行って、その結果を考慮するということであり、また、中期の評価の場合には、中期計画ではなくその基になった大臣が指示をする中期目標そのものの達成状況にまで遡ってそれを調査分析することになるのが中期評価の特徴です。ただし、それらはいずれにしても一つの「考慮事項」であるとされています。最終的な評価としては、結局のところ、独立行政法人の業務の実施施行全体について総合的な評定をすることとされておりますので、最終的には一本化された「総合的な評定」というのもが府省評価委員会の出す評価結果として出されることになります。
  この点に関連して、資料の29ページをお開きいただきますと、11年4月の本部決定の方針の抜粋のうち14の(1)を引用しております。読み上げますと府省の「独立行政法人評価委員会による独立行政法人の業務の実績の評価は、その委員会の設定する客観的な評価基準による」と書いてありまして、さらに括弧書きでその「客観的な評価」とは、「例えば中期目標の達成度合に応じた数段階評価」であるとされています。したがって、優良可ないしABCDなどのようなわかりやすい段階評価などを最後にとるべきということになっております。以上を整理しますと、一つのイメージとしては、中期計画ないしは中期目標の諸項目について調査分析がされるわけですが、その項目ごとの評価がそのまま並列的に列挙されるわけではなくて、それらをまとめて最終的に総合的な評定がなされることになっており、そうした「評価結果」が府省評価委員会からこの委員会に対して提出されることになるということになります。
  以上が、実績評価についての独立行政法人通則法の定める基本的な法令上の仕組みです。これを、実際に評価の事務を進めていく場合にどのような時系列になり得るのかという意味で、スケジュールのイメージを表化してみましたのが資料の31ページ及び32ページです。このうち31ページが年度評価のスケジュールのイメージですが、独立行政法人が1年間活動を行い、1会計年度の業務の実績が積み上がりましたら、その年度業務実績報告書というものを作成して府省の評価委員会に提出するということになります。この報告書については、省令レベルで6月末までに提出することになっています。ここで府省の評価委員会の活動が正式に始まります。しかしながら、府省の評価委員会がいつごろ評価結果を出すのかとい は、省令レベルを含め法令等では一切決まっていません。したがって、私どものこの委員会にいつごろ評価結果が届くのかというのは、政省令の規定からでは判然としないことになります。
  ただし、この点に関しては、いずれにしても、独立行政法人の主たる財源は国からの運営費交付金であるということが重要です。その国からの運営費交付金は国の予算で決めるものですから、国の予算編成プロセスというものを考えれば、8月には概算要求、12月には予算案内示という大きなステップがありますので、そういったプロセスの中で、府省評価委員会を含む府省における独立行政法人評価活動及びその次年度予算等への反映というものが行われていくことになると考えられます。府省評価委員会による独立行政法人の評価結果についても、そういう流れの中で、然るべき時期に我が方が受け取るということになるものであると考えられます。
  なお、付け加えて言いますと、府省の評価委員会の評価結果が出る以前にも、例えば14年度の場合ですと14年度の各独立行政法人の年度計画といった当該年度の独立行政法人の活動にかかわる各種の基本文書が4月以降順次公表されてきます。また、各独立行政法人の財務諸表等も毎年6月末までに作成し、主務大臣の承認を求めることになっています。その意味では、当委員会の審議の重要な資料となる基本文書というのは、府省の評価委員会の評価結果が最終的に当委員会に通知される前にも種々あるということになります。
  資料の32ページは、中期目標の期間における評価の流れ図ですが、基本的には、年度評価のスケジュールイメージと同様です。ただし、中期目標の期間の終了時には、先ほど触れた通則法第35条の定める主務大臣の所要の措置ということがあります。それに対応して、同じタイミングで、当委員会にも、独立行政法人の主要な事務事業の改廃に関する主務大臣に対する勧告をし得るという権限が規定されています。
  資料の33ページは、独立行政法人に関係する様々な機関について、一覧表で整理したものです。
  通則法の条文に戻っていただきますと、第36条から第50条までの条文が財務及び会計についての関係の条文です。今回は時間の都合もあり、会計基準を含む独立行政法人の財務及び会計の関係につきましては、後日の機会に説明を譲らせていただきたいと思います。
  そこで、通則法の第51条以下ですが、広い意味で独立行政法人の人事管理の関係です。第51条は特定独立行政法人についての規定です。先ほど見ましたとおり、特定独立行政法人とは、役職員が国家公務員の身分を有する独立行政法人です。その特定特法の役員は、国家公務員法によってりまして特別職の国家公務員ということになっています。特定独法の職員については、その種の規定がありませんので、一般職の国家公務員ということになります。
  まず特定特法の役員の報酬及び退職手当の規定は第52条です。同様に、特定独法の職員の給与及び退職手当の規定は第57条です。また、特定特法以外の独立行政法人の役員の報酬及び退職手当については第62条に規定されていますが、基本的に第52条の条文をそのまま準用しています。特定独法以外の独立行政法人の職員の給与及び退職手当については、第63条に書いてあります。
  以上の内容につきまして整理したのが資料集の34ページの表です。これを見ていただきますと、独立行政法人の役員の報酬及び退職手当については、特定独法であっても非特定独法であっても、その役員の業績を考慮しなければならないというのが重要な点です。一つの違いは、特定独法の役員の場合には、その報酬及び退職手当の支給基準を定める際に考慮すべき事項として、「中期計画の人件費の見積り」という計画ベースの要素が考慮事項に入ってくるという点です。非特定独法については、このような計画に由来する考慮事項というのは入ってきません。いずれにしても、役員の報酬等については、各法人の独自基準により支給されるというのが、独立行政法人の大きな特徴です。
  職員の方を見ていただきますと、まず、給与については、特定独法であっても非特定独法であっても各法人の独自基準により支給される点は変わりありません。ただし、退職手当については、給与と比べてより長期の給付ベースであるというその性格を反映して、特定特法の職員の退職手当につきましては、国家公務員退職手当法に基づくということにされています。それに対して非特定独法の職員の退職定当は、各法人の独自基準によることとされています。
  要するに、公務員型の独立行政法人の職員の退職手当については、一般職の公務員と同じ制度が適用されますが、それ以外については、公務員型であれ非公務員型であれ、また役員であれ職員であれ、給与又は報酬であれ退職手当であれ、各独立行政法人の定める独自の基準に基づいて支給されるという仕組みになっています。
  また、職員の給与については、非公務員型の独法の場合には、端的に「職員の勤務成績を考慮」することとされています。これに対して公務員型の独法の場合には、「職員の職務の内容と責任」及び「当該職員の発揮した能率」を考慮するということになっています。これは、実は、現行の国家公務員の制度に照らしますと、一般職の国家公務員のうちの現業の職員の給与の仕組みと共通です。4現業とは、郵政事業、林野事業、印刷及び造幣事業ですが、そうした現業の職員と極めてよく似た給与体系を有するのが特定独法の職員ということになります。
  資料の35ページが、通則法の法文の上では、独立行政法人の役職員の給与等以外の面を含む人事管理一般について、細かい適用除外や法技術的な読替の規定がありますが、それらを一括して整理した表です。既に給与関係のところで見ていただきましたとおり、特定独立行政法人の職員の人事管理の関係は、一言で言えば、一般職国家公務員の現業職員、4現業の職員の労働管理ないし人事管理の体系と基本的に同様の仕組みがとられているということになります。
  資料の36ページ以降は、特定独立行政法人の職員についての国家公務員法の条文の適用関係を整理したものですが、大きく言えばその違いが出てくる要因は2つあることになります。つまり、第一に、労働基本権制約の違いよるものであり、これで例えば人事院とかの給与勧告の関係が整理されております。第二に、独立行政法人の経営面における自主性、自律性を尊重する観点からの適用除外ないし読替がされているものがあります。大きくこの2つの要因でもって国家公務員法の関係条文の適用除外、読替等がなされており、それによって特定独立行政法人の職員の人事管理関係が定まってきているということです。
  通則法の条文では第63条ぐらいまでのところが職員の人事管理の関係でして、それらのついて一括して表で整理をさせていただいたということにになります。
  最後に、通則法第66条の関係ですが、独立行政法人の成立はわかったけれども、解散についてはどうかという点については、通則法上、「独立行政法人の解散については別に法律で定める」ということになっております。実はこの法律の定めというのは、特定の制度が今考えられているわけではなく、法律は未制定です。個々の法人の解散が政策的に判断された時点において必要な法律上の措置を講ずることになるという仕組みがとられております。
  急ぎましたが、以上で説明を終わります。
村松委員長
    どうもありがとうございました。今から終わりまでのスケジュールなんですけれども、ほぼ5時に終わりたいというふうに思います。この前、二、三の委員の方から出ておりました兼任等の問題というのがございまして、少し御相談の時間をいただきたいと思います。それで、甚だいろいろな側面を持った独立行政法人の規定及び持っている資料情報の御説明をいただいて意見を交換するといっても時間が10分ほどかなと思うんですけれども、質問でも結構ですし、新しい制度でありますから、我々の知らなかった制度でありますから、新しい問題がたくさんあります。そういう問題について沿革及びこれまでこれがどういう制度であるかを研究しておられた事務局でありますから質問をしていただいても結構に思いますし、今後の運用に関して何か御意見があれば、それでも結構でございますし、どうぞどなたからでも意見を述べていただきたいと思います。
竹内委員
    この中身からいきますと非常に大きな話と、経営管理的側面と今日は2つの側面を教えてもらったですが、1つだけ印象だけ申し上げると、各個別法に基づいてつくられたものを各省庁が評価する。しかも省の中にある組織が評価するというのはすごく違和感がありまして、独立法人の職員が国家公務員であるということですけれども、評価する側が省の中に、もちろん評価委員会というのは、どのぐらいの独立性が担保されているかというところの問題になると思うんですが、そこに民間の方とか、研究成果を利用したい民間企業とかいろんな方が入っていれば別ですけれども、そこがはっきりしないと印象としては何をやっているかわからない。それから逆に我々の立場から言うと、それを評価する我々がまた国家公務員で、委員もまた総務省の中の、審議会の委員というような立場で本当にこれが独法の評価につながるのかというのが印象としては、素人的で申しわけないんですが、独立性の問題だと思うんですね。ですから、そこは村松委員長の独立性に極めてかかっているところがありまして、つまり総務省自体が独立行政法人くらいの独立独歩の印象をつくっていかないと誰が誰を評価しているかわからないというようなことになりかねないわけで、またそのクローズの中の人がまたクローズの中の人に評価する。
  外国の評価機関というのは、私はDLRというドイツの国立の研究所を見に行きましたけれども、半分ぐらいのお金(P)は民間企業から注文でやっているんです。つまり評価されるということは、民間企業からのキャッシュが入ってくるということであって、そのためには評価する人も研究成果をどのぐらいマーケットにおいて活用できるかということが必要なのであって、ここにも書いてありますように、国がやる必要はない、しかし民間に任せておくと実施されないおそれがあると、ここの解釈が非常に難しいと思います。民間に全く注目されないことをやってもいいのかという部分もあるし、ここの解釈がそもそも非常に難しい部分だろうと。ものによると思いますが、文化財とか輸出品というのは、社会の公平、公正というかそういうものにおいては恐らくいいと思いますが、宇宙研究とか、土木研究所なんか異常なお金を使っていて一度も公共事業についての説明責任を果たしたことがないという研究所もあって、外国へ行って土木研究所の話をしたらすごい予算だと。一桁違うんですね、160 億だと。使っている研究費の数が違うというようなこともあって、本当に印象論で申し訳ないんですけど、誰が誰を評価するかという担保が、それが独立性というものをどこまで出させるのかということについて、今の印象ですとちょっと内部的な印象が強いということでございます。
丹羽委員長代理・政策評価分科会長
    私も全く同感なんですけれども、私は民間人ですから、民間で言いますと経営上は、売上高利益率ですとか、ROAとか、ROEとかいろんな経営手法があるわけです。会社の指標があります。それが市場に評価されるということでしょうけれども、こういう場合にできるだけ客観的な業務実績を総合的に評価する、言葉はいいんですけれども、てきる限り定量的な数値で実績を出していただくということを努力していただく以外にないのではないかと思うんです。定性的な面の評価ですと極めて個人的な色彩が強いし、いろいろ人によって評価が全然違うということになりますから、今、竹内さんがおっしゃったようなことも起こり得ると思うんです。でも、定量的に基準を決めて評価をする努力をすれば、その定量項目をたくさんつくって評価するようにすれば、できるだけ客観的に近づくであろう。これを全部定量に落とし込むことは多分仕事の性質上難しいものがあるかもしれません。したがって、どの程度の定量化ができるかということを一度出していただく必要があるし、今までの評価が定量が抜けているとしたら、極力定量にしないと客観的なことは恐らく無理だろう。ここで評価をしても、人によって定性ですと様々な評価があります。あれはよくやっているとか、やっていないとか、やはり数字でできるだけ表すようにしていただく。どういう項目を具体的に数字の面で出していけるかということを次回ひとつ教えていただきたい。こういうふうに思います。
村松委員長
    後で御相談するというふうに申し上げていたのは、先ほどの誰が誰を評価するのかという問題にかかわってくることだったんですが、各府省に付置される独立行政法人評価委員会の委員構成、これは大臣に係るわけですね。ですから、そこでどういう任命をなされるかということにかかっているわけですね。私の知る範囲内では、第三者と呼べる当該府省に関しては第三者と言える人たちが既に任命され始めているというふうに思いますが、実態は全部わかっておりません。ただ、これは一般的な観察ですけれども、評価委員として各省が適当だと考える方に重複がありまして、そしてさらに、今ここの席についておられる委員の間にもできたら重複してほしいというような傾向があるのかもしれません。ですから、我々がこの委員会の中でできることは注意深く、法律で決まったことについては、それは法律がおかしいですよということは我々の経験の結果を議論できるかもしれませんけれども、とりあえずは、これでやれるという仕組みがあるということで、それをできるだけ法の趣旨に従って運営していくということであり、評価委員会の趣旨に合致した委員の選任が行われるということを期待するということだろうと思うんです。その点については後でもう一回議論しなければいけないこともございますので、後で樫谷委員からも御説明いただくことがございますので、ほかのことでいかがでございましょうか。
樫谷委員
    ここの27ページにあります独立行政法人の評価についてのところで、この審議会、この評価委員会と各府省の評価委員会の整理をしてあるわけですけれども、ここで各府省、特に当評価委員会ですけれども、各府省評価委員会における独立行政法人の業務実績についての評価の結果ということをやるわけですが、具体的に中身が決まっていないんじゃないかと思うんです。したがって、どういうものが出てくるかわからないというのでは評価のしようがないので、できましたら、走りながら考えるようなところがありますので、難しいかもわかりませんが、こういうものがほしい、こういうことを独立行政法人の分科会の方で検討して、少なくともこの項目については、こういう形で出してもらいたいというようなガイドラインというか、そういうものを出さないと出た結果を見て実際評価をしろといっても多分困るような実態が出てくるのではないか、こういうふうに思いますので、時間が余りない部分とある部分とあるんですけれども、ガイドラインの方をぜひ早急に検討していただきたいと思います。
村松委員長
    山谷委員どうぞ。
山谷専門委員
    客観性とかそういうことにかかわることで言うと、人とか組織の客観性ということと、もう1点は客観的な手法を使っているかどうかということにかかわる議論があると思うんです。業務の実績に関する評価というのが第12条の2項の1のところにあるんですが、余りはっきりしたイメージがないんです。一言で事務局に答えていただきたいんですが、例えば車検なんかで言うと、イギリスのエージェンシーというのがパフォーマンスインディケーターというのをつくってやっておりますが、あれに近いようなものをイメージしてよろしいでしょうか、いかがでしょうか。
村松委員長
    今まで出ていることについて事務局から答えられることはお答えいただきたいと思います。今のものを含めてお願いします。
高野評価監視官
    できるだけ定量的、客観的な評価指標、ないしはそういったものを計画に盛り込んでいただく必要があるのではないかという点につきましては、私ども事務局としても全くそのとおりだと思っております。また、中央省庁等改革本部でもそのような方針をとっておりまして、資料集の28ページにありますとおり、11年4月の方針の11の(1) というところでも、「独立行政法人の中期目標はできる限り数値によるなどその達成状況を判断しやすいように定めることとする」としておりますし、これを受けて、中央省庁等改革本部事務局では、通知等を発して、中期目標だけでなく中期計画についても、同様にきちんと具体的、客観的にできる限り数値を用いて決めるようにという指導を各府省に対して行っております。ただ、実際にどのような中期目標や中期計画等が定められることとなるのかについては、4月を待って実物をきちんと見る必要があると思います。
  また、通則法第12条第2項の規定は、府省の評価委員会の所掌事務の規定ですが、第2項第1号における「独法の業務の実績に関する評価に関すること」というのは、具体的には通則法第32条及び第34条の規定を指していると考えられます。その評価の一つのイメージとして、先ほど御説明しましたとおり、例えば数段階評価によるなどやるべしということが言われております。ただ、数段階評価といいましても、例えば目標を100と設定したときに、80以上がAなのか、95以上がAなのかについては、先ほどの方針に書いてありますとおり、各府省の評価委員会が基準を設定して評価を行うということになっております。このような各評価委員会による基準の設定に関しては、府省評価委員会による各独法の実際の業務実績についての評価結果を見た上で、当委員会として何らか意見を言う必要があるという判断をする場合には、当然、この委員会として「意見」を述べることができる範囲内であるということになります。
村松委員長
    これで独立行政法人のつながりでの御意見を最後にさせていただきまして、先ほどの委員のあり方についての議論に移りたいと思います。
樫谷委員
    それに関連することですが、今回多分4月までの間に中期目標と計画が決まると思うんです。目標の方は主務大臣が、計画の方は各独立行政法人が、ということになります。一旦これが決まってしまいますと、3年とか5年まで変えられないことになる基本的考え方なんですね。4月、3月に出てきて、この評価委員会に御提出いただいた場合に、これだととても評価できないというような目標が出てきたときに、そういう場合に果たしてこの評価委員会としては、もう一度やり直しと言えるのかどうか、法制度の問題もあるもあると思いますが、その辺がどうなっているのかお聞きしたいと思います。
高野評価監視官
    独立行政法人通則法の規定に照らします限り、中期目標や中期計画について直接に改定等を指示、勧告するような権能は当委員会には与えられておりません。他方で、評価をもう一度やり直すべしというような内容になるかどうかは別としまして、府省の評価委員会の行った評価結果については、審議の上、当委員会が必要と考える意見を述べることができます。府省の評価委員会についても、中期目標や中期計画等の策定プロセスにはかかわるわけですが、こと法人の業務実績の評価に当たっては、それらの目標や計画をとりあえず前提にして、それらの達成状況について評価を加えるという作用になると思います。ただし、府省の評価委員会は、そうした評価を行うに当たって、評価の基準を設定することになりますので、当委員会が府省の評価委員会から評価結果の通知を受けて審議を行う際、そうした府省の評価委員会の設定した評価の物差しの設定そのものについて必要があれば意見を言い得ることは当然であるという構成になっております。
村松委員長
    ただ、当該省が自らの目的を変えるということはあり得るわけですね。独立行政法人評価委員会、その省に付置された委員会に相談してやるということにたしかなっていますね。ですから、変更が予定されていないわけですけれども、この委員会との関係は今のお答えなんだろうというふうに思います。
丹羽委員長代理・政策評価分科会長
    中期目標というのは、毎年見直すということはないんですか。3年なら3年で決めたら永遠に3年ですか。世の中変わるんでしょうから、毎年中期目標を見直していくことが必要ではないですか。
村松委員長
    高野さん、今のローリングの話はいかがでしょうか。
高野評価監視官
    中期目標については、通則法の第29条になりますけれども、主務大臣の判断によりまして、中期目標を定めるし、または変更することができます。ただ同条第3項により、中期目標を策定しまた変更するときには、主務大臣は、府省の評価委員会の意見を聞いて行うということになっています。いずれにしても、必要に応じて中期目標を変更するということはあり得る前提になっておりますが、そこは主務大臣、主務省がどのように判断するかという問題になるかと思います。
村松委員長
    知るために検討しなければならないことがたくさんあると思いますけれども、本日は5時に近くなっているわけですけれども、5時を少々オーバーすることをお認めいただきまして、前回第1回のときに樫谷委員を含めて二、三の委員から問題提起のありました件につきまして意見の交換をしたいと思います。ただ、今日今すぐ決めなければいけないとかいうようなふうに私は考えておりません。皆さんのそれぞれの組織や個人としての意見の発展があるわけでございまして、それを情報交換しながら適切なところに落ち着くのがいいだろうというふうに考えております。公認会計士協会におきまして、独立行政法人の会計検査人と各府省の独立行政法人評価委員会との関係についての御議論をなさったということを伺っておりますので、その点について御報告いただけることがありましたらお願いいたします。
樫谷委員
    樫谷でございます。私ども会計士協会といたしまして、独立行政法人について資本金が100 億、あと一定のものを省きますけれども、これについては会計監査人の監査を行う。財務処理についての会計監査人の監査を行うということでございまして、その問題は、会計監査人というのは、第三者性というのでしょうか、独立性というのが一番重要な位置を占めておるわけです。独立性につきまして、経済的な独立性とか、精神的な独立性というのがございまして、中でも経済的にあるかないかとか、精神的にあるかないかということもあるんでけれども、特に最近はいわゆる外観性、つまり経済的にも精神的にもそれほど独立性について懸念を持たれることはないんだけれども、外観的におかしいじゃないか、こんなような議論をされております。そこで我々としましては自主ルールを決めないといけないだろうということでございまして、まず法的な見解はどうなんでしょうか。すなわち会計監査人の中で私どもの業界のことを御存じの方もいらっしゃるかもわかりませんが、いらっしゃらないということを前提にお話しいたします。
  公認会計士という制度でございますが、公認会計士という個人、それから監査法人という制度がございまして、監査法人の大きなところは数千人の規模のものも幾つかあるわけです。そのような規模のものと、個人でもちろん監査ができるということでございまして、今ほとんど大手の会社につきましては、大規模な監査法人あるいは中堅の監査法人、つまり監査法人が監査をしておるというようになっております。そこで、会計士が1万2,000 人ぐらいおるんですけれども、半分強は大手の監査法人に所属しているという現状でございます。そうすると今回の会計監査人と今の評価委員会に、特に府省の評価委員会との関係はどうなるのでしょうか。会計監査人あるいは個人たる会計監査人が果たして独立行政法人の評価委員会の委員になったときに、これはどうなんでしょうかとか、あるいは個人じゃない監査法人としての契約ではあるのだけれども、会計監査人を担当するものではないんだけれども、同じ監査法人に所属している。Aという監査法人が甲という独立行政法人の監査を担当している。ただし、監査法人の担当者は、評価委員会の委員ではないんだけれども、その場合には同じ法人の中ではないか。そうすると外見的に見て問題があるのではないか、こういう御議論があったわけでございます。それが真ん中ぐらいに「また」というふうに第4パラグラフぐらいのところにございまして、そのときに、経済的に見て、あるいは法律的に見て、あるいは精神的に見れば余り問題はないんだけれども、外観的に見て同じ監査法人の中に所属しているものが一方は会計監査、一方は評価委員会の委員をやるということについて外見性で問題になるということがあり得るので、そこで私ども会計士協会としては、一定のルールを設けよう、ファイヤーウォールも含めたルールを設けようということでございます。その下のところでございますが、「しかし」のところで説明します。私ども監査法人の仕組みを説明しますと、代表社員というのが監査法人の名前で契約しまして、監査に責任者として従事する、あるいは補助者を使うということになるわけですが、それが基本的には監査をして意見を表明することになるんですが、ただ、監査法人にはいろんな審査体制がございまして、一重、二重に審査体制がありますので、監査を契約する責任者の意見だけで決まるようにはなっていないということでございます。地区の、支部の審査委員、本部の審査委員ではございます。
  それから、そういうことがちゃんとなされているかどうか、つまり審査体制がちゃんとなされているかどうかにつきましては、実は去年一昨年ぐらいから会計士協会で各監査法人、もちろん個人もそうですけれども、品質管理レビューということで、そういう形でちゃんと整っているかどうかということをかなりシビアに審査を、あるいは品質管理のレビューをしております。そういうようなこともありまして、監査法人の中を御存じの方は、1人の担当者の意見でそれが左右されないということは御理解いただけるのではないか、こういうふうに思います。それが「しかし」のところでございまして、そのほかに当然監査法人の中では銀行でも同じ競争関係にある同業者でございますから、銀行を監査することがあるわけですが、そんなときには担当者を分けたり、保管場所を分けたり情報が漏れないような形にして、もともと守秘義務というのがございまして、当然これは監査法人の中だけではなくて、同じ監査法人の中でも守秘義務を守る、あるいは情報を遮断するというような仕組みができています。監査意見がフェアに形成される仕組みだと思っております。
  しかし、幾ら中でこうやっていますといっても、外観的に見て同じような問題、懸念の可能性がありますので、私どもとしましては、1ページ目の1、2、3、次ページの上の方で4、5、6というような申し合わせをいたしました。1ページ目の一番下の1でございますが、独立行政法人の監査に関与する、これは責任者だけではなくて、補助者も審査担当者も含むわけですけれども、当該府省の評価委員には就任しない。
  2番目、評価委員会に就任する者は、当該府省の所管である独立行政法人の会計監査に関与しない。これは裏腹のことを言っております。
  3番目、監査法人には改めて当該監査法人の所属する評価委員会、評価委員就任者と当該府省の所管である独立行政法人の監査に関与する者との間で、双方の情報が遮断された状態とすることを確認する。これは改めて確認するということでございます。
  それからその次のページの4でございます。外観性に関する懸念がございますので、それをさらに明確なものとするために、当協会及び評価委員就任者及び予定者を通じて各府省に対して、公認会計士の委員の場合、当独立行政法人の会計監査人に就任した監査法人の所属する他の公認会計士を委員、臨時委員又は専門委員として選任する場合には、個人や他の監査法人に所属する公認会計士1名以上に臨時委員又は専門委員として登用することを要請する。これは要請でございまして、この部分は各府省でお決めになることですので、できればそうしていただいたらより外観性が増す。つまりAという1人の意見で決まることではありませんので、個人と他の監査法人の方が入っていればよりチェック体制が整うのではないかということで、これはあくまでも協会としてはお願いでございます。
  5番目といたしましては、各府省の評価委員に選任された公認会計士は、自己の所属する監査法人の関与する独立行政法人に関して評価委員が主務大臣の参考意見を述べるに際して、委員長の求めに応じて意見を述べることを除いて、自己の意見を述べることを差し控えるとともに、その決議に参加しないということで、自分の所属する監査法人が関与する独立行政法人の、特に財務に関すること、財務諸表の承認に関することにつきましては、基本的に意見を言わない。ただ、委員長の求めに応じたことはありましても。当然決議には参加しない、このようなルールを決めております。
  6番目は追加でございまして、今回はとりあえず、独立行政法人に関する評価委員会と会計監査人の関係を述べたわけですけれども、その後これ以外にいろんなところで公的部門に関与する機会が多くなりましたので、できるだけ早い機会に利害関係等に対するルールを決めたいというようなことを申し合わせいたしましたということでございます。
  以上でございます。
村松委員長
    ありがとうございました。この公認会計士の方々の専門団体としては、この種のルールをお持ちになるということでございますけれども、何かこの点について御発言ございますでしょうか。
武田専門委員
    基本的にいろいろお考えになっていて、よろしいと思います。6番目の今後の改正ということで、総務省レベルで公正性を担保するという意味から、こういった基幹的なものを設けるということもあわせてお考えいただけるといいのではないかというふうに思います。
村松委員長
    この委員会の委員と各府省における委員会委員又は監査として参加されることあたりはどういうふうになるんでしょうね。応用的かもしれませんが。
樫谷委員
    この委員会と独立行政法人の会計監査人との関係につきましては、この委員会の権限というか業務は、あくまでも当該府省が行った行政評価の結果を検討することになるということで、直接の関係はないのではないか、このような整理の仕方をしたんですが、これが問題であるというのであれば、もう一度検討しないといけないかもわかりません。ただ、独立行政法人の会計監査をしている者がこの評価委員会、これは広い意味での評価委員会、すべての評価委員会の委員になるということはないという整理もしております。
村松委員長
    それでは、そのように公認会計士の団体ではお考えになっているということは我々は認識をするということでまいりたいと思います。この点、山本委員がお帰りになりましたけれども、前回御発言になったときの趣旨は、公認会計士の方々だけではなくて、もっと広く、先ほど竹内委員から私の名前が出ましたけれども、私がほかの府省の委員等との兼任がどうなるかというような問題があるわけでございまして、もう一、二回、一、二回以上でもいいんですが、ゆっくりと、しかしある時点ではみんなの了解が得られるというようなことで議論を進めてまいりたいというふうに思っております。さらにお考えいただきまして御意見をいただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、今日は時間をオーバーして甚だ申しわけございませんでした。後のことは事務局の方からお願いしたいと思います。
鎌田総務課長
    本日は長時間誠にありがとう存じました。次回はもう少し圧縮した運営に心がけたいと思います。
  さて、次回は3月23日の金曜日14時からということでお願いいたしたいと存じます。ちょうどその時期には、例の政策評価法案が閣議決定されていることが見込まれますので、それについて御説明したいと思っております。
  それから4月以降の日程でございますが、基本的に皆様方の御都合をお伺いした結果、毎月第4金曜日の午後2時から開催させていただくということを来年度は基本にいたしたいなと思っております。それで、お手元に本年の確定期日の予定を配付しておりますが、時刻が抜けておりますけれども、一応午後ということで14時からということで予定させていただいておりまして、先ほど原則として申しました第4金曜日以外の期日が3つございます。休日と重なる等の事情がありまして、このようにさせていただきました。平成14年の1月から3月につきましても、第4金曜日の午後と見込んでいただければと思っております。
  それからこのほかに開催する必要がある場合の予備的な日付といたしましては、同じ第4金曜日の午前が比較的皆さんの御都合がよろしいということを伺っておりますので、そういうところに追加して入るかもしれないということをつけ加えさせていただきます。
村松委員長
    それでは、第2回の合同会議でございますけれども、これをもちまして終わらせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
(了)