政策評価・独立行政法人評価委員会(第20回)議事録



1.日時   平成14年11月22日(金)13時30分から16時10分

2.場所   中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

3.出席者
  (委員会)
        委員  村松岐夫委員長、丹羽宇一郎委員長代理
富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫の各委員
 臨時委員   高木勇三、田辺国昭、新村保子、雨宮肇、黒川行治、黒田玲子の各臨時委員
 専門委員 翁百合、中山正邦、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清の各専門委員
  (総務省)
  若松副大臣、岸大臣政務官、塚本行政評価局長、広瀬官房審議官、橋口総務課長、新井政策評価官、讃岐評価監視官、新井評価監視官、市橋評価監視官、中垣評価監視官、水野政策評価審議室長   ほか

4.議題
 (1) 行政評価局が行う主要な政策評価の調査計画の審議(「特別会計制度の活用状況に関する政策評価」、「湖沼の水環境の保全に関する政策評価」)
 (2) 行政評価局が行った主要な政策評価の結果の報告(「地域輸入促進に関する政策評価」、「容器包装のリサイクルの促進に関する政策評価」)
 (3) 平成15年度の政策の企画立案に向けた各府省政策評価の実施状況等の報告






○村松委員長
   これより政策評価・独立行政法人評価委員会の第20回の会合を開会いたします。
   本日の議題に入る前に、公務御多忙の中を若松副大臣及び岸大臣政務官に御出席いただいておりますので、ごあいさつをお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

[若松副大臣、岸大臣政務官あいさつ]
○若松副大臣
   皆様こんにちは。日ごろは政策評価・独立行政法人評価委員会に御尽力いただきまして、深く御礼を申し上げます。
   10月2日に総務副大臣の留任を拝命いたしまして、引き続き務めさせていただくことになりました。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
   委員の皆様方におかれましては、政策評価並びに独立行政法人評価の推進のために多くのお時間をとっていただき、また大変膨大な資料等にもしっかりと取り組んでいただいているということで、本当に恐縮している次第でございます。
   去る14日には、各府省の独立行政法人評価委員会が実施した評価につきまして、当委員会としての第1次意見を御決定いただいたところでございます。そして19日にはこれを村松委員長から各府省の評価委員会の委員長に対して通知していただきました。委員の皆様方、特に富田分科会長をはじめ独立行政法人評価分科会の委員の皆様方には、長時間のワーキング・グループに御参加いただき、かつ精力的に御審議いただいていると伺っております。お話を聞きますと、委員の先生方に、目薬をさしながらやっていただいているということで、本当にこれほどハードな委員会はないと思うわけでございますが、運命と思い決めていただいて、引き続き国民のため、当委員会に御尽力を賜りたく、重ねてよろしくお願い申し上げます。
   独立行政法人通則法に基づく独立行政法人評価の結果に対する今回の第1次意見は、今後の独立行政法人評価のあり方や独立行政法人制度、またはその運営の改善等を進めるに当たりまして、大変大きな材料になると私どもは確信している次第でございます。本日は、政策評価、特に総務省が行う政策評価を中心にまた長時間の御議論をいただく予定でございますが、各府省の政策の統一性又は総合性を確保するための評価につきましては、その最初の成果を当委員会にお諮りする段階に至っております。また、客観性担保評価活動につきましては、法律が今年の4月に施行されて以来、各府省から評価の結果が続々と公表されているところでございまして、総務省としても、各府省が実施した政策評価についての審査の結果をできるだけ早期に示すべく取組を進めてまいる所存でございます。
   総務省といたしましては、引き続き政策評価及び独立行政法人評価に関する取組を更に鋭意推進してまいる所存でございますので、今後とも、引き続き村松委員長を始めとする委員の皆様方の御協力を重ね重ねお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。どうも本当にありがとうございます。
○村松委員長
   岸大臣政務官にお願いいたします。
○岸大臣政務官
   この度大臣政務官を拝命いたしました岸でございます。
   総務省には3人の政務官がおりますが、私は、大臣から行政評価局の所掌事務の担当を命じられたわけでございます。委員の皆様方から御指導をいただきたいと、このように思っております。よろしくお願いいたします。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   若松副大臣及び岸政務官におかれましては、公務のため、ここで御退席ということでございます。どうもありがとうございました。
   それでは、本日の議題に入りたいと思います。
   本日は、議題が大変多くございまして、いつもより長くお時間を頂戴するという予定になっておりますが、議題ごとに休憩を入れてリフレッシュをしながら進めていきたいと思います。

[行政評価局が行う主要な政策評価の調査計画の審議]
   初めに、行政評価局が行う主要な政策評価の調査計画の審議を行いたいと思います。
   「特別会計制度の活用状況に関する政策評価」及び「湖沼の水環境の保全に関する政策評価」の2件の政策評価の計画につきまして、まず事務局からそれぞれ御説明をいただきまして、その後、2件を一括して審議していただきたいと思います。事務局、説明をお願いします。
○新井評価監視官
   それでは、お手元の資料1に沿いまして、本年12月から始まります「特別会計制度の活用状況に関する政策評価」の計画案について御説明申し上げます。
   1ページめくっていただきますと、タイトルは、「特別会計制度の活用状況に関する政策評価(統一性評価)」となっております。タイトルを御覧になっておわかりのことと思いますが、実は特別会計制度自体は、財務省で所管されている制度でございます。したがって、この政策評価においては特別会計制度の活用状況、各府省が特別会計をどのように活用しているか、それによってどのような効果が上がっているか、こういう点を中心に調べてまいりたいと思います。特別会計の政策評価と申しますと、特別会計がファイナンスしているところの、例えば道路特別会計であれば道路行政であるとか、登記の特別会計であるとすれば登記の行政とか、行政の内容それ自体を見るということをイメージしがちかと思います。しかし、先ほど申し上げましたとおり、今回の評価は統一性評価ということで、すべての特別会計を横断的に調査、評価することによって、各府省が各特別会計をどのように活用しているか、例えば、わかりやすさや、外部からの検証が可能であるかといった視点から調査をしてまいりたいと考えております。
   それでは、まず、特別会計とは何かということで、資料の7ページを御覧いただきたいと思います。
   資料の7ページに、財政法の規定がございます。特別会計というのは、「国の会計を分って一般会計及び特別会計とする。」ということで、「国が特定の事業を行う場合、あるいは特定の資金を保有してその運用を行う場合その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合」、こういう場合におきまして、特に法律を以て特別会計を設置することができるとされております。実は特別会計においては、その下にありますように、会計法、財政法と若干異なる定めができることになっておりまして、これによって弾力的な運用ができるということになっております。
   具体的に特別会計にはどんなものがあるかにつきましては、4ページに一覧表が掲げてございます。現時点では37の特別会計がございますが、4ページには32会計を挙げております。これは、独立行政法人化等に伴いまして、郵政事業関係と印刷造幣関係で五つの特別会計が今年度末限りということになっておりますので、我々が、実際に横断的に調査、評価する対象としてはこの32会計、ここのページに書いてある特別会計を対象とすることを予定しているということでございます。御覧いただきますと、例えばわかりやすいもので言えば、一番下には空港、港湾、道路、治水等の公共事業関係の特別会計が並んでおります。それから中段には、保険関係ということで、厚生保険、国民年金、労働保険等の特別会計が置かれているところでございます。また、その他登記、国立学校、国立病院のように、授業料、診療報酬等の収入のある、半行政的・半企業的といいますか、行政的事業として行われているものについての特別会計も置かれております。
   一方、それらに当てはまらないような国債整理基金、あるいは交付税及び譲与税配付金特別会計というようなものもございます。特別会計と一口に言いましても、それぞれの性格に大きな違いがありまして、実はその違いが実際の経理の違いにも反映されているのではないかと考えております。このように性格の異なるものを対象として統一性評価を行うことは、なかなか難しいところがありまして、最終的には特別会計がどのように使われているかという点にならざるを得ないのは、こういうところに起因しているということでございます。
   1ページめくっていただきまして5ページですが、特別会計につきましては、20年ほど前に当時の臨時行政調査会から答申がなされております。行政改革に関する第5次答申と呼ばれているものでございますが、そこに若干の記載がございます。まず、下線の引いてあるところを御覧いただきたいと思いますが、5ページの中段のところ、「特別会計の設置・運営について」、全体として抑制的に考えていくべきだということ。それから、特別会計の有する特定の事業の事業収支や受益と負担の関係を明確にするという長所を活かすためにも、会計経理を明確化する方向で検討すべきだということ。更に詳しくはその後段のところですが、「特別会計は、一般会計と比較して、特定の事業についての事業収支や受益と負担の関係等をより明確に示すことができる」とか、あるいは「予算総則における弾力条項や特例的規定の設置等により、より弾力的・効率的な運営が可能となる」と、こういう長所を持っているということを言われている一方で、「特別会計の会計経理については、財政状況及び経営成績の表示が必ずしも統一されたものとなっておらず、また、中にはこれらの表示が不十分なものもあって、経営努力と事業成果の評価が困難なものが多い。さらに、一般会計と異なる特例的規定があるが、各特別会計で規定の仕方等が区々であり、各特別会計相互間の比較検討を困難にしている」ということで、財政法で予算・決算書等を決定している一般会計に比べまして、予算・決算書の表示が必ずしも統一したものになっていない、あるいは各特別会計で規定の仕方がさまざまであり、各特別会計の比較検討が困難になっているという問題点が指摘されております。
   こういった指摘を受けまして、今回、「特別会計制度の活用状況に関する政策評価」を行おうと考えております。
   それでは、資料の2ページにお戻りいただきまして、今回の調査の概要について御説明いたします。
   1は、「行政評価等プログラム」で、平成14年度から平成15年度にかけて特別会計制度の活用状況に関する統一性評価を行うということでございます。対象制度につきましては、ただいま御説明したとおり、各特別会計法に基づき設置されている32の特別会計でございます。今後の調査スケジュールにつきましては、ここで御審議いただいた後、12月に、特別会計を所管している各府省に対して調査対象とする旨の実施通知を行いまして、更に調査の詳細設計を深めた上で、本省における実地調査を進めていきたいと考えております。この政策評価につきましては、私以下、本省のみで調査をしたいと考えております。
   それから、調査のポイントですが、先ほども申し上げましたとおり、32の特別会計につきまして、各特別会計相互間の比較可能性に留意しながら、特別会計における受益と負担の対応関係、その他歳入と歳出の構造等が明らかになっているかなどの統一した観点により横断的に評価いたします。まず各特別会計の仕組み、歳入歳出、特例的規定の内容、種々のデータ、それから予算書、決算書などにそういったデータがどのように表示されているか、こういった点について調べたいと思います。その結果を相互に比較することによって評価を行いたいと思っております。具体的に申し上げますと、イメージといたしましては、特別会計の名前を縦軸に並べ、横軸には幾つかのチェックポイントを並べまして、それぞれどういう仕組みになっているかを調査する。チェックポイントの例といたしましては、一つの特別会計の中で二つの事業であるとか部門があるものがございます。特別会計の中には、そういった場合に勘定を設けて、それぞれの部門や事業について受益と負担の関係がわかるようになっているのもございますが、中には一つでやっているようなものもございます。また、歳入の方は二つに分かれていても、歳出は一部一緒になっているとか、いろいろなパターンがありますので、それを、例えばAパターン、Bパターンという形で整理して表の中に埋めていくということでございます。もちろん特別会計の性格というものがございますので、それを踏まえた上で、このチェックポイントがAパターンのものはどうか、Bパターンのものはどうかという点について評価することを考えております。また、特別会計の中には積立金を持っているものもあります。これにつきまして、実際に予算書、決算書等を見ますと、積立金をどのように運用しているかまで書き込んでいる特別会計もある一方で、積立金の残高さえわからないといった特別会計あるいは勘定もございます。そういったものも一覧表にしまして、特別会計の性格から見てどうなのかといった視点から評価をしていきたいと思っております。
   この評価の帰着点といたしましては、このように見ることによって、各特別会計において事務・事業をきちんと運営しているか否かを国民が評価できる環境が備わっているか、事務・事業の運営とその成果の評価が容易にできる環境の整備に資するということを考えております。我々はある程度、横断的な姿というのを最後に示したいと思っておりますので、横断的な姿を提示して、各府省にもこれでいいのか考えていただくことによって改善を図っていくということになると思います。
   特別会計につきましては、現在、財政制度等審議会のワーキング・グループにおいて、新たな財務書類を作成しようということで、今年初めから検討している動きがございます。実際に現在、特別会計、勘定ごとの新たな貸借対照表や行政コスト計算書を作成するということで、試作的な基準をつくりまして、各府省で作業が始まっている段階であると聞いております。財政制度等審議会における作業につきましても、特別会計の財務内容の透明性の確保あるいは、説明責任の向上等、我々が政策評価を行うのと共通した目的を持っていると考えております。それに役立つものがあるかどうか、財務省の担当ともよく話をしながら、この政策評価を進めていきたいと考えております。
   以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   次に、「湖沼の水環境の保全に関する政策評価」について説明をお願いします。
○市橋評価監視官
   続きまして、資料2に基づきまして、「湖沼の水環境の保全に関する政策評価」について御説明申し上げます。
   1ページでございますが、この政策評価は、名称にありますように総合性評価として行うものでございます。
   湖沼につきましては、第1段落の中ほどにございますが、水が滞留するために流入した汚濁物質が蓄積しやすいという水理上の特性に加えまして、湖沼の集水域における社会経済活動の発展に伴い、流入する汚濁負荷が増大することによって水質の汚濁が進行した結果、利水その他水域の利用上の支障が生じているものがございます。
   このようなことを背景に、従来からの水質汚濁防止法による排水規制の措置を前提として、昭和59年に湖沼水質保全特別措置法が制定されたところでございます。この法律のスキームといたしましては、まず国が湖沼水質保全基本方針を定める。その後、水質の汚濁に係る環境基準の確保が緊要な湖沼を、都道府県知事からの申出に基づいて国が指定するということになります。その後、都道府県知事が湖沼水質保全計画を策定いたしまして、これに対して国が同意をした上で、この計画のもと、関係省及び地方公共団体が各種の水質保全施策を総合的かつ計画的に推進するというスキームになっております。
   しかしながら、指定された湖沼全体の指定後における水質をCOD(化学的酸素要求量)の推移で見ますと、近年におきましては水質の顕著な改善は見られないという状況にございます。また、水質環境基準が当てはめられている湖沼全体のCOD値もほぼ横ばいで推移しているという状況でございます。具体的には、5ページのグラフを御覧いただきたいと存じます。5ページのグラフにつきましては、上が指定湖沼の平均、下が湖沼全体の平均でございます。横軸の下のところに、現在指定されている10湖沼の指定の年度を書いております。COD値はこのような推移になっております。個別の指定湖沼の状況につきましては、6ページに表しております。一番数値の大きいのが手賀沼でございまして、この動きによって全体の平均値が左右されている傾向にあります。手賀沼につきましては上がったり下がったりという状況になっておりますが、最近は主に導水の効果もあって数値が下がってきているという傾向がございます。他の湖沼につきましては、おおむね横ばいの状況で推移しているところでございます。
   また1ページにお戻り願います。
   このような湖沼の水質の推移も踏まえまして、この政策評価においては湖沼法及び湖沼水質保全基本方針の下で、総合的かつ計画的に推進することとされている政策につきまして、関係行政機関の各種施策が総体としてどのような効果を上げているかなどの総合的な観点から、一括して全体として評価を行うことを考えております。
   次に、2ページをお願いいたします。
   調査概要でございますが、まず湖沼の水環境の保全に関する政策評価につきましては、平成14年度の「行政評価等プログラム」におきまして、総合性評価として位置付けられております。
   対象政策につきましては、先ほど申し上げた政策を対象にするわけでございますが、具体的にどのような政策が盛り込まれているか、4ページに滋賀県における琵琶湖の例を掲げておりますので御覧いただきたいと存じます。
   琵琶湖の場合には、まず第1の柱といたしまして水質の保全に資する事業がございます。まず、排水対策ということで下水道の整備、これは都道府県、市町村が国の補助を受けて行うという形になります。それから、農業集落排水施設や合併処理浄化槽等の施設整備は、主に市町村が補助を受けて実施いたします。また、これらの排水対策の他に湖沼の浄化対策ということで、汚れている湖底の土を直接しゅんせつする対策、あるいは流入河川の直接浄化、これは、国が管理する河川の場合には国が直轄で行う対策となります。第2の柱として水質の保全のための規制その他の措置がございます。一つは工場・事業場の排水対策ということで、水質汚濁防止法に基づく濃度規制に加え、新増設の事業場等に対しまして、汚濁負荷量の規制をかけるという仕組みになっております。それから、一つ飛びまして、畜産業に係る汚濁負荷対策、魚類養殖に係る汚濁負荷対策、例といたしましては鯉の生けす等でございますが、このような規制もかかっております。また、今飛ばしました生活排水対策として、各家庭における下水道への接続、浄化槽の設置、さらには水環境への負荷の少ないライフスタイルの確立ということで、油を直接流さない等の家庭での取組もなされております。もう一つの特徴といたしまして、面源負荷対策がございます。今まで申し上げました規制のかかっている部分については、ある程度汚濁物質の排出場所が特定されておりますが、面源負荷対策は、例えば農地に肥料等をまいた場合、それが雨の際に流れて湖沼に入ってくる、あるいは道路上に積もった汚濁物質が流れて湖沼に入ってくるというような形で、汚濁負荷の原因になっておりまして、汚濁物質の排出場所が特定されない面源からの汚濁負荷に対する対策も講じられております。第3の柱といたしまして、その他水質保全のために必要な措置ということで、水質監視、調査研究の推進等が掲げられております。
   これらの施策につきまして、全体として効果を発揮しているか等の総合的な観点から評価するに当たってのポイント、視点を3ページに書いております。
   調査のポイントといたしましては、湖沼水質保全計画制度の下で、各種施策が総体としてどのような効果を上げているかという点でございます。そのアプローチといたしまして、1点目は、指定湖沼・地域の指定、これは流域を指定して規制をかけるという形になるわけですが、その指定が湖沼の水質の改善にどのように結びついているかということです。湖沼法の施行の前後、指定の前後を見まして、時系列的な観点からの分析、あるいは指定されている湖沼と指定されていない湖沼とを比較するという観点から、指定がどのように効果と結びついているかを見ていくということでございます。2点目が、計画を策定して各種施策を実施するということでございますので、計画どおり行われているか、それが効果を上げているかという観点から見ていきたいと考えております。3点目として、湖沼の特性、汚濁原因に対応した施策を総合的に講ずることによりどのような効果を上げているかということでございます。先ほど申し上げましたように、湖沼によって地理的条件、社会的条件が違いまして、生活排水系、産業系、あるいは面源負荷の部分等、汚濁原因のウェイトがそれぞれ異なっております。それら湖沼の特性に応じた対策が総合的にとられているかどうか、効果を上げているかも一つの視点であろうと考えております。最後に、計画制度の下で連携を図りつつ事業を進めていくということですので、適切な連携協力の下に進められているかということも見ていきたいと考えております。
   戻っていただきまして2ページでございます。調査スケジュールといたしましては、12月に実施通知を行い、その後本省調査ということで、総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の調査を行いまして、来年4月から地方調査という形で進めていきたいと考えております。ただ、先ほどの面源負荷対策等、厳密にこういう原因で負荷がある、あるいはこういう対策をとればよいという点が、未だ十分分かっていない部分もございますので、専門家の方の知見も活用しながら今後の調査設計を行いたいと考えております。その調査設計によっては、このスケジュール自体、弾力的に考えていきたいと思っております。調査体制といたしましては、当室、私以下6人で、管区行政評価局等を活用しながら調査を進めてまいりたいと考えております。
   以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   二つの評価計画の御説明があったわけでございます。皆様から御助言とか御意見、サジェスチョンをいただいて、そしてそれをいかしていただくということになるのだと思います。どなたからでも、いつものように御発言をいただきたいと思います。
   まず、特別会計の方についていかがでしょうか。
   樫谷委員、どうぞ。
○樫谷委員
   特別会計についてですが、財政状況、受益と負担の関係を明確に示しているか、弾力的かつ効率的な行政運営が可能となるとされているか等について、特別会計間の比較を行うと書いてありますね。2年ぐらい前に自民党の行政改革推進本部で行政コスト計算書を作成し、今回、財務省の財政制度等審議会でガイドラインを作成して、まだその資料は出てこないと思うのですが、出るタイミングというのはいつごろになるのですか。それをうまく利用できるものなのかどうなのかお伺いしたいのですが。
○新井評価監視官
   私の承知しているところでは、現在、ワーキング・グループで試作基準をつくっております。それを踏まえて、各府省にこの試作基準で作成してほしいということで作業を依頼しているというのが現在の段階であります。それで、2月ぐらいに各府省から作成したものを上げて、それを基にいたしまして、試作基準について必要な修正があれば加えた上で、来年の6月を目途に正式な基準を作成する予定であると聞いております。
○樫谷委員
   今回の評価にあたっては、そういうものを使っていただく必要があると思います。現状の特別会計には、財務諸表を作っているものと作っていないものとがあるし、特別会計の中でも勘定ごとに作っているものとそうでないものがある。それから、財務諸表を作っているといっても、非常にいいかげんな基準、「いいかげん」というのは「統一されていない」という意味ですが、そういう基準で財務諸表を作成しているということなので、財務諸表を見てもほとんど意味がないのではないかと思うのです。そうすると、前の自民党のものとか、今回財務省で作成しているものを参考にしていただかないと、なかなか評価の目的が達成できないのではないかと思います。実際に制度として正式に作成されているものと、財政制度等審議会の試作基準に基づき作成されているものとの関係を今回どのように整理していらっしゃるのか。この政策評価の目的からいうと、今の財政制度の中で作成している特別会計の財務諸表を見ただけではほとんどこういう判断ができないのではないかと思うものですから、どのように考えて統一性評価をされようとしているのかお聞きしたいと思います。
○新井評価監視官
   まずは現行の予算書、決算書の中にどういうものが表示されているか、それを比べてみたいと思っております。ただし、先ほど申し上げた幾つかのチェックポイントの中には、今回の財政制度等審議会の作業が進みますと解決されていく、ある程度統一的なものができていくというものも含まれていると思いますので、それらにつきましては、できる限り財政制度等審議会の成果物も参考にしながら、活かせるものは活かしていきたいと考えております。また、財政制度等審議会の作業にいかせるものがあれば、我々の調査スケジュールにかかわらず、何か言えればベストかもしれないと考えております。あるいは財政制度等審議会の作業が終わっても、統一性についてわかりにくいところがあれば、我々が指摘していくということになると考えております。
○雨宮臨時委員
   活用状況の定義の中に、結果の情報開示という部分は入るのでしょうか。
○新井評価監視官
   はい、まさに表示そのものということになると思います。
○雨宮臨時委員
   第三者といいますか、国民に対する情報開示の統一性という考え方で見ると理解してよろしいのですか。
○新井評価監視官
   主として、特別会計の経理状況を中心とした表示について国民にどれだけ開示されているかという点になると思います。そうお考えいただいて結構だと思います。
○村松委員長
   山本委員、どうぞ。
○山本専門委員
   平成15年4月現在における特別会計を調査されるということは、既に国立学校と国立病院につきましては独立行政法人化がほぼ決まっている状況でございますから、国立学校特別会計と国立病院特別会計は対象に入るかどうかということをお伺いしたいと思います。それから、特別会計は財務諸表や会計書類以外に、例えば弾力条項や財政投融資からの直接的な借入等、まさに特別会計としての特質があるわけで、そういう意味の調査はできると思うのですが、今申し上げた2特別会計につきまして、他の特別会計と全く同じような視点で評価されるのかという点を確認させていただきたいのです。個人的に関心があるというわけではないのですが、この委員会としても議論した方がよいのではないかと思ったものですから。
○新井評価監視官
   ただいま御質問がありました国立学校と国立病院でございますが、まず32特別会計とあります趣旨は、現時点までに、郵政、造幣印刷のように既に法律が成立して特別会計がなくなることが確実なものは除いてあるということでございます。しかし、御指摘の2特別会計につきましてはまだ法律が成立しているわけではありませんので、横断的ということですべて書いております。国立学校につきましては、法人の形態の変更により特別会計がなくなるものと承知しておりますので、弾力的に調査をしてまいりたいと考えております。おそらく特別会計がなくなることが決まった時点で、この調査の対象から外すことになるかと思います。国立病院につきましては、全体が独立行政法人化するわけではないと承知しております。国立病院特別会計自体がなくなるという意思決定まではなされていないと考えておりますので、国立病院特別会計が何らかの形で残るのあれば、そちらも対象としていくということで考えております。
○富田分科会長
   今回の統一性評価の観点で、特別会計における受益と負担の対応関係というのは、この調査で一番重要なポイントだと思います。社会的便益がどこまで波及しているかということについて見ることは、現在重要な問題となっている、例えば道路特別会計とか石油及びエネルギー特別会計は非常に難しいわけですけれども、それを統一性評価という観点から把握する、具体的な手法を既にイメージとしてお持ちかどうか伺いたい。受益と負担の対応関係は、特別会計の一番基本的な問題であって、それが微妙にとられているところが随分増えてきている中において、このような統一性評価を行うわけですから、具体的な方法論についてどのような準備があるかについて、事務局から御説明をお願いいたします。
○新井評価監視官
   第一義的に、我々がねらっておりますのは、受益と負担の関係がきちんと国民の手によって評価できるような環境が整っているかという点をこの政策評価によって明らかにすることでございます。具体的に個別の特別会計の問題点の指摘や評価を行うということになりますと、どうしても統一性評価の中では難しいところもございますので、国民がそれをできる状況をつくり出すことに主眼を置いているというところでございます。
○村松委員長
   吉野委員、どうぞ。
○吉野専門委員
   受益と負担の関係についてですが、特別会計によっては非常に長期にわたって受益と負担が生じるケースがあると思うのです。行政コスト計算書は単年度で見ていると思うのですが、政策コスト分析のように、将来まで考えた分析をやっていただければという希望でございます。
○新井評価監視官
   その点につきましては、個別の特別会計にどこまで入り込めるかというのはわからない部分もあるのですけれども、参考にさせていただきたいと思います。
○樫谷委員
   すみません、3ページの調査のポイント等の一番最後が今おっしゃったことだと思うのです。「上記評価の帰着点としては、国民等が各特別会計における事務・事業の運営とその成果の評価を容易に行える環境の整備に資するもの」ということですが、国民が評価を行い得る環境の整備が評価の帰着点であるということなんですか。
○新井評価監視官
   そうです。
○樫谷委員
   国民が果たしてどのような評価を行うのか、ちょっとイメージがわかないので、具体的にもう少し突っ込んで御説明いただけませんか。財務諸表をつくるということだけではなくて、今のような受益と負担の問題もあると思うのです。どのようなことなのか、これだけではイメージがわかないので、突っ込んで話をできませんか。
○新井評価監視官
   これからの詳細な設計にもよると思いますけれども、例えば詳細データといいましょうか、ある特別会計の中の特定の部分の受益と負担の関係がどのようになっているかということさえわからないような場合、それでいいのか指摘するといったことを考えております。
○丹羽委員長代理
   すみません、ほんの1〜2分お時間をいただいて、特別会計に関して一言私も申し上げておきたいと思います。
   実は、樫谷委員を始め皆さん十分おわかりになりながら、言いにくい部分があるのかなと思いまして、私が代わりに申し上げようと思ったのですけれども、この調査のポイントのところに是非入れていただきたい点があります。私も専門家ではありませんけれども、一般会計に比べて、特別会計には4.7倍とか5倍近い予算があるわけであります。第2臨調の報告も見ますと、会計経理が不明確であるから明確にすべきだという言葉が3回も4回も出てくる。こういったことは、明確になっていないから出てくるわけでして、そういう意味から言いますと、特別会計が伏魔殿になっているとまでは言いませんが、一般会計、特別会計、地方財政、財政投融資と相当複雑な経理になっているのではないかと思います。
   また、特別会計に対するチェック機能がほとんど働いていないのではないかという問題があります。各所管府省の裁量で行われている部分があるのではないか。例えば特殊法人等に資金を融通しているのかどうかわかりませんが、補助金、出資金、利子補給等いろいろな形でお金が動いて、その金額が何十兆円になっているのではないかと思うのです。
   以上のようなことは一般的にも言われているわけでありますが、そういうことを考えますと、資金の流れも調査ポイントの一つに是非加えていただきたいと思います。
○村松委員長
   御意見はまだあろうかと思います。必要があれば戻りますので、もう一つの湖沼の水環境の問題に移らせていただきたいと思います。こちらの方に対して、御助言、御意見等ございますでしょうか。どうぞ。
○樫谷委員
   4ページに琵琶湖の例が書いてありまして、いろいろな対策が打たれているわけですね。例えば琵琶湖が汚染されているというときに、どういう原因で汚染されているのか、大ざっぱにはもちろん分かると思うのですが、具体的に、下水道の利用によって大体どのくらい水環境の改善効果があるのか、何とかの理由によってこのくらいの改善効果があるということは、ある程度把握できるものなのでしょうか。
○市橋評価監視官
   7ページの資料を御覧いただきたいと思うのですが、都道府県知事が計画を策定する際に、発生原因別の汚濁負荷割合というものを把握して出す形になっております。御覧いただきますと、上から4番目に琵琶湖がございますが、汚濁負荷割合の内訳をみますと、生活系が25%、それから産業系、その他畜産系、農地系と続きまして、最後にその他43%という形で挙がっております。これが先ほど申し上げました面源負荷あるいは非特定汚染源と呼ばれているものですけれども、このような汚濁負荷割合になっております。そのほか10指定湖沼における計画ベースでの数字をここに掲げておりますけれども、それぞれ生活系のウェイトが非常に高いところから極端に低いところ、さまざまな状況がございます。
○樫谷委員
   これは毎年、汚濁負荷割合が測定されて公表されていると考えてよろしいのでしょうか。
○市橋評価監視官
   この負荷割合につきましては、計画を5年に一度見直す形になっておりまして、その際に、汚水処理人口等を新しい数字に置きかえて算出しているということでございます。
○樫谷委員
   生活系、産業系、水産系、農地系等の汚濁負荷原因と、4ページの琵琶湖の例でいう対策の分類というのは大体対応すると考えてよろしいわけですか。
○市橋評価監視官
   下水道、農業集落排水施設ですとか合併処理浄化槽は生活系というところに入ってくると思います。それから、家畜糞尿の処理施設が畜産系に、工場、事業場への規制は産業系というところに対応するという形になっております。その他魚類養殖の場合には水産系に対応します。ただ、ここでは農業地域対策を面源負荷対策の中に入れておりますが、汚濁負荷原因というところでは農地系を掲げておりますので、恐らくここに入ってくる部分もあるのではないかと考えられます。しかしながら、農地系、その他都市系といいますか道路系も似たような状況にございますので、その辺も含めてこれから勉強していきたいと考えております。
○樫谷委員
   そうすると、この7ページの数字が達成すべきゴールであり、汚濁の原因として生活系云々があって、それに対して施策が打たれていると、このように理解していいわけですね。
○市橋評価監視官
   はい。目標としては、7ページで申し上げますと、「環境基準値」「現状」「水質目標値」と書いておりまして、環境基準値、これがあるべき姿といいますか、達成することが望ましい目標でございます。しかし、余りにも現状と離れておりますので、とりあえず5年間の目標として水質目標値を目指していこうというアプローチになっておりまして、最終的にはこの環境基準値に近づけていくことになると思います。その際、対策を打つに当たって、汚濁負荷割合も考慮するということだと考えております。
○樫谷委員
   例えば琵琶湖の例で見ると、下水道の整備等いろいろ対策があるわけですが、そのコストは、どれぐらいかかっているのでしょうか。これは琵琶湖ですから、県とか市町村かもしれません。国もあると思うのですが、対策ごとのコストを年度別に集計することは可能なのでしょうか。
○市橋評価監視官
   国につきましては、これから詳しく聞いていかなければならないのですけれども、必ずしも湖沼の水環境の保全に係るコストという形で明確に把握していないように聞き及んでおります。ただ指定湖沼については県で計画を作成し、それに対する実績を把握するという形でフォローしておりますので、県から協力をいただきつつ実情を聞く中で、コストの数値も把握したいと考えております。
○黒川臨時委員
   湖沼について御質問しますが、この問題については、分析の視点あるいは観点がいわゆる環境会計の手法と非常に近いと思うのです。今、樫谷先生も最後におっしゃったのですけれども、環境会計ということになりますと、環境負荷の削減に対してどのぐらいコストをかけたかということと、コストに対して実際にどのぐらい環境負荷が減ったかということを測定して、個々のコストに見合った減り方があったかどうか、効率性を見る、そういう仕組みになっています。まず、一つの問題として、環境会計の前にまず環境マネジメントというのがなくてはならないということ、これが前提でございます。普通、環境会計では工場とか企業等のサイトが問題になります。同じように、湖沼に対するそれぞれの施策等のマネジメント・システムがどうなっているかがまず前提になくてはいけない。ですから、今樫谷先生がおっしゃったように、まずコストをベネフィットと対応させるように具体的に集計すると同時に、その前提となっているマネジメント・システムについても、是非詳細に検討していただきたいと思います。
   それからもう1点、環境会計に関しては、現在当てはまるかどうかわかりませんので参考として申し上げますが、バウンダリー、要するに境界線の問題があります。例えば一つの工場とか会社を見た場合に、その環境をよくしても、環境に対する負荷となっているものを外の下請け等に持っていってしまうとか、要するに境界の外に持っていってしまって、今注目しているところの環境をよくするという逃げ道、抜け道があるわけです。湖沼に関しても、指定されている湖沼の環境はよくしたけれども、そこに流れ込んでいる川、周りにある土壌等、境界の外側の環境を悪くしていることもあるわけです。例えば、しゅんせつした際にそれをどこに捨てるか、境界の外に移動したときにどう考えるかという問題があると思うのです。ですから、調査をされるときに、湖沼の環境をよくした一方で、湖沼から除去された物質が最終的にどのように処理されたのか、こういう点までも含めて検討される方がよろしいかと思います。
○市橋評価監視官
   ただいまお話のありましたコストあるいは便益の部分につきましては、便益をどう把握し評価するか、コストに関しては事業者部分についてどう把握していくか等、いろいろ難しい面があると思いますけれども、どこまで把握できるか、考えていきたいと思っております。それから、全体のマネジメントにつきましては、この対策自体がソフト、ハードの両面にわたり、また国、県、市町村、住民、事業者が協力しながら進めていくということでございますので、ただいま御指摘いただいた点を参考にさせていただきながら、今後、調査設計等を考えていきたいと思っております。
○新村臨時委員
   一つ質問なんですけれども、この法律は大分以前にできたものでして、計画を見ますと3期とか4期となっておりますが、過去の計画について、目標とその達成度と、それに費やした予算の実績等は把握されているのでしょうか。
○市橋評価監視官
   計画を策定し5年ごとに見直しを行っているわけですけれども、計画目標が達成されていないというところが多いという状況でございます。どれだけコストをかけたかにつきましては、現時点では把握しておりません。
○新村臨時委員
   計画策定時にどれだけの費用をどのような政策について使うのか、計画に対応した予算があって、実際に使った決算があると理解してよいのか、そうでないのかということを伺いたかったのですが。
○市橋評価監視官
   計画ベースでは、例えば下水道につきましては、処理人口をどれぐらい拡大するとか、ある程度事業量に対応した計画という部分がございますので、それにかかるコストがどれぐらいかは、当然県の方で算出しているのではないかと思います。まだそこまで突っ込んで話を聞いておりませんので、県からお話を伺う際にはお聞きしたいと考えております。
○村松委員長
   これらの湖沼が所在している県等において、実際に政策評価が行われているかどうかわかりませんけれども、このごろ政策評価とか事務事業評価を都道府県レベルでも行っておりますね。そうすると、その対象になって、ある程度情報が整理されているということはございませんか。
○市橋評価監視官
   まだ詳しく見ているわけではないのですけれども、滋賀県のホームページでは、行政評価という形で掲載されておりました。ベンチマーク方式ということで、湖沼の水質に関する評価の視点として掲げていますのが、琵琶湖の透明度、琵琶湖のヨシ群落の面積、これは生物で浄化するという観点だと思います。それからプランクトンの異常発生日数、琵琶湖の水泳場の快適ランクの箇所数、その他魚介類の中で漁獲される固有種の数等が挙げられております。
○村松委員長
   どうぞ、吉野委員。
○吉野専門委員
   水環境保全のベネフィット、あるいはその成果を見る場合に、各湖沼によって外的要因が大分違うと思います。例えば周辺の人口が非常に増えている湖沼とか、あるいは工場が立地してきているとか、そういう要因を除いた形でベネフィットを評価しないと公平にならないと思います。そのためにはやはり計量分析を行って、どういう変数が関係しているか把握することが必要なのではないかというのが一つです。
   2番目は、途上国でも環境問題が起こるのですが、水質浄化の技術が非常に発達すれば、輸出の大きな原動力になって、日本の産業の活性化にもなると思うのです。そういう技術進歩に対して政府が援助をするということは政策評価では考えないのでしょうか。
○市橋評価監視官
   まず、コストとベネフィットのお話でございますが、外的要因につきましては、人口、工場の集積等の要素もございますし、また水質という観点からは、例えば、水の量によって水質が変わってきてしまうとか、いろいろな要素があって専門的にも難しい部分がございますけれども、どのような視点で効果の測定を行うかという問題もよく考えていかなければいけないと考えておりまして、御指摘のありました視点からも分析をする必要があるかと思っております。
   それから、水質浄化の技術の関係につきましては、法律上も国が技術の研究開発を推進するという位置付けになっております。また、先ほど申し上げましたように、湖沼の水質がなかなか改善しない原因に関し、いろいろな意見があるようでございまして、例えば、現在の技術では非常に分解が難しい物質があるということで、それに対する取組をしなければいけないという問題意識もあるようでございます。そういう面からも、この分野の原因究明、技術開発の余地はまだあるのではないかという率直な感じを持っております。
○村松委員長
   黒田委員、どうぞ。
○黒田臨時委員
   今のお話に関係して伺います。例えば手賀沼を見ると、急激にCODが下がっているのは主に導水によるというお話なんですが、湖沼への流入や流出による変化は、湖沼の水環境の問題が解決したというのか否か、その辺が非常に難しいことではないかと思います。この点はどのように評価されるのでしょうか。
○市橋評価監視官
   おっしゃるとおりでございまして、手賀沼のCODの変化の原因が何かいうところが、必ずしも十分に特定されるに至っておりません。平成11年、12年の改善は導水で他から水を持ってきたのが主な原因だろうと言われておりますし、逆に平成3年から6年にかけての増加は、この時期渇水があって、その関係で流入する水量が減少したために、汚濁負荷が一定であれば濃度は上がってくるという要因が大きく影響しております。単純にこの動きだけを見ているだけではなく、評価の視点といいますか、ベースラインをどのように設定するかが非常に大事であると考えております。まず関係省が効果の発現をどのような脈略で考えているのかを十分聞きまして、また専門家の方のお知恵も拝借しながら検討したいと考えています。
○村松委員長
   武田委員、どうぞ。
○武田専門委員
   対象となる指定湖沼が10ということですけれども、目標値を見ますと、選ばれる基準がばらばらだという気がするんですね。政策という観点から評価するとしたら、現在指定湖沼になっているもの以外にも湖沼はあると思うのですけれども、それらも視野に入れて評価するということをお考えなのでしょうか。
○市橋評価監視官
   委員の御指摘の点は、一つの視点だろうと考えております。湖沼の指定につきましては、都道府県知事からの申出を受けて、国で指定するという形になっておりまして、対象となる湖沼といたしましては、水の利用状況、水質汚濁の推移等から見て特に対策が必要なものを指定するという形になっております。仮に水質が非常に悪いところがあっても、水の利用状況からみてほとんど利用されていないということであれば、指定する必要性は乏しいということになります。水の利用状況が似たような状況にあって、指定湖沼と指定されていない湖沼があれば、それを比べるということも一つの見方だろうと考えております。ただ、湖沼の条件がそれぞれ違いますので、比較すべき湖沼をどのように見つけていくかはなかなか難しい問題があると思いますけれども、そういう視点も持って取り組んでいきたいと考えております。
○村松委員長 
   富田分科会長。
○富田分科会長
   湖沼の水環境の保全は、複数の省が関係する政策であって、それがゆえに総務省の総合性評価が必要な領域であるというのはよくわかるんですけれども、平成14年度になぜこのテーマを取り上げるのかということですね。やはり貴重な政策評価の舞台にテーマとして何を取り上げるかについては、国民的なニーズの濃淡もいろいろあると思うのです。なぜこの政策評価を平成14年度に始めるかということについての説明が必要だと私は思います。
   それと、先ほどの御質問にも出ていますように、この政策評価に関しては単なる行政的な知識というよりも、さまざまな汚濁物質についての専門的な知識も必要なわけです。こういうところのノウハウを積み上げることが、総務省行政評価局における蓄積とどのように関係するのかということについて、6人も資源を割かれるわけですから、きちんと説明できなくては、他府省の政策評価を行う上でも影響してくると思うのです。
   なぜこの時期にこのテーマなのかという点、この評価を行うことがどのように国民的な政策評価能力の向上、そして総務省の政策評価能力の向上につながるかということをきっちりとまず説明することが大事だと思います。この評価は極めて高度な知識も必要であって、環境省がやってもいいことだろうし、あるいは地方分権を考えれば、計画を策定するところについては各府県が評価すべきかもしれない。それを総務省で行う理由について、きちんと局長から御説明いただきたいというのが私の質問です。
○村松委員長
   局長。
○塚本行政評価局長
   政策評価については、行政監察や行政評価・監視に比べて、その時々の重大問題に照らしてなぜこの分野のテーマを取り上げるのかという緊急性が低いと考えております。
   平成13年度、14年度の政策評価として何を取り上げるかの検討については、まだ制度としても我々の作業としても最初の方であるということで、これは国民にお許しをいただかなければならないわけですが、できる限りいろいろな評価のパターンについて、組織内にノウハウを蓄積するという考慮が働いたわけでございます。それから、政策評価の三つの方式の中では、総合評価というパターンに位置付けられるものが多いわけですが、これらについて各府省ではまだ手がついていない。各府省は、後ほど報告をいたしますとおり、実績評価を中心にやっております。そのようなことから、総合評価について各府省に先鞭をつけて、その結果を波及させていきたいというやや政策的な意図もありまして、この湖沼であるとか、既に実施されている経済協力等を選んだということでございます。したがって、政策のパターン、あるいは政策の組み上がり方というものに注目してテーマを選んだというところがあるのは実は否めないところでございます。その趣旨から言いますと、環境の問題について、どのように政策の効果を政策の寄与等と結びつけて見ていくかは、それとして価値があるものではないかという判断をしたわけでございます。一方において、統一性、総合性ということについて申し上げると、御指摘のように、関係各府省が集まって自分たちで評価しようということがあれば、それは可能であるし、あるいはひょっとするとその方がベターかもしれない。このようなことも考えておりまして、湖沼の水環境については、まだ各府省が総合評価方式で評価したいという話が、政策評価法に基づく基本計画や実施計画の中にないものですから、このテーマを選んだという点もございます。
   ちょっと説明が抜けましたけれども、総合性評価という形で我々が扱うことができる政策は限られているということが、平成13年度の「行政評価等プログラム」をつくるときに明らかになっております。その中から、先ほど申し上げたように、政策評価制度を今後発展・定着させていく意味でのプライオリティーの点で、湖沼の水環境の保全という、環境に着目したテーマを選ばせていただいたというのが実際のところでございます。
○村松委員長
   それでは、まだ御意見はあろうかと思いますけれども、担当者からまた御相談にあがることもあるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
   ここで、10分間の休憩をとりたいと思います。

(休憩)

○村松委員長
   再開させていただきたいと思います。
   次の審議事項ですが、行政評価局が行った主要な政策評価の結果についての御報告でございます。事務局から説明をお願いいたします。

[行政評価局が行った主要な政策評価の結果の報告]
○中垣評価監視官
   それでは、「地域輸入促進に関する政策評価」について御報告させていただきます。
   まず、資料3、参考資料の1ページを御覧ください。
   地域輸入促進政策の概要ということで、この政策につきまして簡単にまとめたものでございます。まず国が、FAZ地域設定の要件等を定めた地域輸入促進指針を策定する。自治体が、基盤整備や流通促進の支援事業に係るFAZ計画を作成いたしまして、それに対して国が承認あるいは同意を与えるというものでございます。そして、FAZ計画に基づく事業の実施ということで、輸入促進基盤整備事業を行う会社を設立いたしまして、輸入促進基盤施設を整備します。これに対して国が出資、税制等の支援を行い、併せて空港・港湾の整備を行うというものでございます。こういった措置がとられることによりまして、輸入貨物流通促進事業者の進出・集積が行われ、輸入貨物流通が円滑化する。その結果として地域輸入が拡大し、もって貿易黒字の減少、貿易の均衡も図られるというのがこの制度が当初の目的としていたところでございます。
   次に、説明資料の2ページを御覧ください。
   政策の概況でございます。この政策は、1990年代初頭の大幅な貿易黒字及びそれに関連した日米構造協議の指摘、すなわち輸入インフラの不足が輸入の妨げになっていること等、当時の経済情勢あるいは貿易の状態を踏まえて立案されたものでございます。この制度は平成4年から平成8年までの時限立法でありました。その後、平成7年に10年間延長されて、平成18年までとされておりまして、もともと恒久的な措置ではなくて、当時の状況に対応するための時限立法として制定されたものでございます。本政策の概要は、1) に書いておりますように、簡単に申し上げれば、まず輸入インフラの整備が行われ、地域に業者が集積する。それによって輸入が促進するという三段論法のような形の効果をねらった政策と理解いたしております。
   3ページを御覧いただきたいと思います。
   3ページの真ん中くらいから書いておりますけれども、この制度において投下された総事業費が約 4,883億円となっております。これは国、地方自治体の出資に限らず、事業者が出資した額も含まれますが、そのうち国からは、第三セクターに対する出資金、事業者に対する出資金、施設整備に関する補助金、政策投資銀行の低利融資、自治体が税の減免を行った場合の減収補てん措置等の形で支援措置が講じられております。(2)は、どのように政策の現状と今後の課題を把握していくかということでございます。先ほど申し上げましたように、1) 、2) 、3) という経路で政策の効果が発現する形なので、これを順に追って効果を把握していこうというものでございます。それをもちまして、一括して全体として評価するということでございます。
   4ページを御覧いただきたいと思います。
   i1)がインフラの整備に係る部分でございます。まず施設の整備状況については、22FAZ地域のいずれにおいても輸入の促進に必要な施設は整備されております。効果発現の第1段階はこういう状況でございます。
   第2段階として、集積状況の把握でございますけれども、1) に書いておりますように、FAZ施設へ新たに入居した事業者数について、賃貸型施設の入居状況で把握したところ、35施設中25施設が90%以上入居しており、残りの10施設も6割以上の入居率があるということなので、賃貸の施設にはかなり入居あるいは進出していると認められます。一方、こういった賃貸型の施設のみではなく、FAZ地域全体に進出した事業者数をどう把握するかということにつきましては、直接の統計はございませんし、直接調査・把握するということも実態上不可能であるということで、地域内における「事業所」の数が把握可能である事業所・企業統計による分析を行いました。どういった形で見るかといいますと、FAZ施設を整備して、集積が始まる前後で比較いたしました。要するに進出した企業と退出した事業者の差をとらえれば、集積が起こったか否かが把握できるのではないかということでございます。具体的にどの地域と比較をするかにつきましては、以前、日本全国との比較は時代と合っていないのではないかという御指摘をいただきましたので、FAZ地域と、同程度の空港又は港湾を持つ非FAZ地域との比較を行うことといたしました。ただ、現在と、平成3年当時とを比較いたしますと、事業所の大半を占める小売業を中心として、事業者数が全国的にも減少しているということもございまして、実は調査いたしましたFAZ地域、あるいはその対照となる非FAZ地域のいずれにおいても、事業所数は減少しているという状況にございます。したがいまして、効果の発現を把握する場合には、減少幅がより小さかったものについては何らかの効果があったと考えられるのではないかということで、検討しております。具体的には、5ページをお願いいたします。22FAZ地域のうち、利用可能なデータのある18FAZ地域の事業所につきまして、今申し上げた形で見ますと、同時期の非FAZ地域のそれよりも減少幅が小さく、集積しているのではないかと思われるものが12地域ございました。全体が18ですので、その3分の2ということになります。
   最後に第3段階として、集積に伴いアウトカムであります輸入実績はどうなっているかということでございます。この12FAZ地域について輸入実績を把握しますと、これらの地域すべてにおいて輸入実績、すなわち輸入量または輸入額のいずれか、あるいは両方の伸びが非FAZ地域を上回っていたということがわかりました。
   以上、i1) からiii3) までの分析を前提にいたしますと、輸入実績によって効果をとらえた場合には、本政策の実施に伴う作用が及んでいると見られるものは、18FAZ地域中12FAZ地域ということが言えます。
   この下は、私どもが調査・分析した上で気づいた事項を幾つか述べている部分でございます。資料中、「第1に」というところでございますけれども、現在22のFAZ地域がありますが、既に主要な中枢・中核国際港湾及び大都市圏・地域拠点空港をはじめ広く全国に設定されております。全22地域のうち20地域は、法施行時の平成4年から平成8年までの5年間のうちに同意あるいは承認されておりまして、FAZ地域設定の希望があった地域のうち、相当程度輸入促進に寄与すると判断されたものは、早期に同意を受けているということを示しているのではないかと思われます。それから、FAZ施設においては、インフラの整備が行われてきております。しかしながら、厳しい経済状況もあり、FAZ計画において予定していた事業者の利用が見込めないことから、施設整備を断念して、その結果FAZ計画そのものを中止した地域もございます。また、この制度の趣旨としては、インフラを整備すれば集積が起こるという前提でございましたけれども、インフラは整備されたけれども入居者の確保が難しいという場合に、地方自治体が賃貸料の一部を補助することによって入居の促進を図っているという例もあります。更に、コンテナの流通形態も変わってきているのではないかということも書いております。
   国内のみでなく国際情勢にも目を向けますと、日本の港湾も国内の港湾間の競争のみではなくて、既に近隣諸国の港湾との競争が非常に厳しい状況になっております。現在、近隣諸国の港湾・空港の整備動向等を見ますと、激化する国際競争に対応するために、港湾・空港機能の一極集中による効率的な港湾・空港の整備を進めているということでございます。我が国におきましても、厳しい財政事情もあり、これまでの分散型から中枢・中核の港湾あるいは空港へ政策の重点が移行しているのではないかということが言えます。
   次に6ページでございますけれども、先ほど申し上げました本政策の立案の背景を踏まえて、我が国の貿易黒字と米国との通商関係について見ております。貿易黒字は平成4年に13兆4,800億円でピークに達した後、減少いたしました。ただ、その後上昇いたしまして、平成10年には約14兆円まで上がったわけでございますけれども、それから後は再び減少傾向にあって、平成13年には約6兆円となっております。もちろん貿易黒字は為替レートの変動等の影響を大きく受けるわけでございますけれども、貿易構造の変化も一つの要因ではないかと考えております。今後の貿易黒字の動向についても、いろいろな要因の影響を受けるものでありまして、あらかじめ予測することは困難であります。ただ米国との関係では、米国の貿易赤字に占める日本の割合は、平成3年をピークに一貫して低下しておりまして、平成12年には対中国と同様の約20%まで低下しているという状況にございます。
   以上が私どもの分析でございまして、次に、私どもの意見、考え方について御説明申し上げます。今まで申し上げたとおり、地域輸入促進政策においては、輸入の効果的促進が期待できる港湾・空港は、ほぼFAZ地域として同意されており、また、近年の経済状況の下で、本政策の想定する形で事業者の集積による輸入の促進が発現するのが困難な地域も見られ、今後新たにFAZ施設の整備が行われても、それが十分な事業者の集積をもたらすことが必ずしも期待できる状況にはないということでございます。これは、既に出そうなところはもう大体出ているということと、それから当初に同意あるいは承認された地域でも、3分の2程度の集積がプラスになっているという実績しかないところを見ますと、今後新たなものはなかなか難しいのではないかと考えているということでございます。このため、新たなFAZ地域の設定に係る主務大臣の同意については慎重に対応すること、また、既存地域に係る新たなFAZ施設の整備への支援については、輸入の促進に寄与することが明らかに認められるものに限定することが課題であるということで、今後の新たな地域指定については慎重に対応するべきであると考えております。新規のFAZ地域は今後出てこないのではないかということ、それから、もう既に同意をしている地域の中の施設の整備についても、かなり厳正にやっていくことが必要なのではないかという趣旨を意見として考えております。
   以上でございます。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   続いて、「容器包装のリサイクルの促進に関する政策評価」についてお願いします。
○市橋評価監視官
   それでは、資料4をお願いいたします。
   容器包装のリサイクルの促進に関する政策評価につきまして御報告申し上げます。
   まず1ページでございます。
   評価の対象とした政策は、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」並びに同法に基づく基本方針による一般廃棄物としての容器包装廃棄物のリサイクルの促進等に関する政策でございます。この容器包装リサイクル政策は、容器包装廃棄物の分別収集及びこれにより得られた分別基準適合物の再商品化を促進するための措置を講ずること等により、一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理、資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全、国民経済の健全な発展に寄与することを目的としたものでございます。
   評価の視点といたしましては、容器包装リサイクル政策がその趣旨に沿って実施されることにより所期の効果を上げているかについて、一括して全体として評価を行うというものでございます。効果の把握の手法につきましては、2ページを御覧いただきたいと思います。中ほどの1) 、2) でございますが、本政策の実施に伴いまして、容器包装の減量化、再使用、再生利用に係る取組がそれぞれ全体としてどのように変化したのか。また、容器包装廃棄物の減量及び再生資源としての利用の状況が全体としてどのように変化したかを、可能な限り定量的に把握するという観点から評価を行ったところでございます。
   3ページ以下が、効果の把握結果でございます。
   まず3ページは、減量化(リデュース)の進展状況でございます。中ほどの1) にございますように、事業者の取組も見られ、また2) にございますように、分別収集実施の市町村に居住する方のほうが未実施の市町村に居住する方よりも、買い物の際に簡易包装化されている商品を選択するなど、減量化に取り組むようにしている割合が高くなっているという状況が見られたところでございます。これはアンケート結果から把握しております。
   4ページが再利用(リユース)の取組の進展状況でございます。これも中ほど以下でございますが、1) 、2) につきましては事業者としての取組が見られるという状況を書いております。ただ、3) でございますが、リターナブルびんの出荷量、リターナブルびんといいますのは、日本酒の一升びん、ビールびん、牛乳びん等の繰り返し使うびんですけれども、平成8年から平成12年にかけて39%減少しているという状況が見られました。一方、主な商品について容量ベースで容器の種類別の出荷量を見ましたところ、缶やペットボトルなど、1回限りの使用を前提としてつくられる容器での出荷が増えているという状況が見られました。5ページに、その背景といたしまして、一つには消費者の選択として、重くて割れる可能性があるガラスびんよりも、軽さや携帯性を重視するということがございます。また、お酒や炭酸飲料等、リターナブルびんを使っている商品そのものの消費量の減少も影響していると考えられます。もう一つには、リターナブルびんに関しては、自主回収ということで回収等に要する費用を事業者が持つことから、コストの面で使用を躊躇している面が見られる。また、この自主回収を担う酒類販売専門店等が、コンビニエンス・ストアやディスカウント・ストア等の量販店に顧客を取られて減少し、回収の基盤が失われつつあるということも背景として考えられるところでございます。
   なお、このリターナブルびんにつきましては、現在、90%以上回収する場合には、回収されない残りの部分も含めて再商品化の義務をすべて免除するという制度になっておりますけれども、事業者からはこの回収率の引き下げを検討すべきという意見も見られたところでございます。
   3番目に、リサイクルの取組の進展状況でございます。6ページを御覧ください。
   (1)分別収集の取組の進展状況ということで、分別収集の実施市町村の割合でございますけれども、平成7年の65%から13年の98%に上昇しております。また、品目別に見ましても、各品目とも実施市町村数が年々増加しており、更に収集量そのものも増加しております。また、当省の調査対象の市町村で、分別収集を実施していない、また実施品目が一部にとどまっているところに理由を聞きましたところ、費用負担や、住民の理解と協力を得ることが困難だということを挙げております。ただ、この費用負担を挙げていた市町村に、費用がどれぐらいか聞きましたところ、具体的に想定しているところはほとんどございませんでした。また、費用の実態について把握を試みましたけれども、包括的な把握はできなかったということでございます。7ページは事業者の取組でございます。事業者の再商品化量も年々増加しているという傾向がございました。また、リサイクルされた商品を買いますかという形でのアンケートを行ったところ、リサイクルにより再商品化された製品を購入しないという消費者は1%以下でございましたけれども、日用品に対する購入意欲は高い一方で、衣類等に対する購入意欲は低いという状況が見られたところでございます。
   次に、4といたしまして、容器包装廃棄物の減量及び再生資源としての利用量がどのように変化したかという点でございます。当省が関係団体等の資料等によりまして推計・把握をいたしました結果をまとめております。まず、容器包装廃棄物の排出量、これは消費量から再商品化量を引いたものでございますが、平成8年から12年までの変化を見ますと、43万トン、28%減少しております。一方、容器包装廃棄物の排出率(容器包装廃棄物の排出量/容器包装の消費量)は、この間、15ポイント低下しているところでございます。容器包装廃棄物の排出量の変化と容器包装廃棄物以外の一般廃棄物の排出量の変化を比較しましたところ、平成8年から11年にかけて、容器包装廃棄物が9.2%減少しているのに対し、それ以外の部分は 1.4%という緩やかな減少にとどまっているということでございます。それから、再生資源としての利用も平成8年から12年で29%増加、リサイクル率も15ポイント上昇しているという状況が見られたところでございます。
   次に、評価の結果及び意見について御説明申し上げます。ただいま申し上げました量の変化を踏まえまして、これらの結果は法の施行に伴う関係行政機関による総合的な取組の推進が一定の効果を上げていることを示しているものと考えられるということで、評価しております。なお、今回の調査の過程におきまして、いろいろな課題等も明らかになりましたので、それに対しての意見についても触れたいと考えております。
   まず1番目に、先ほどのリターナブルびんの出荷量が年々減少しているという状況に対しましては、リターナブルびんなどのリターナブル容器の環境面でのメリットを明らかにしそれを消費者に示すこと、またリターナブルびんなどの使用の事業者メリットを一層増大させることなどの方策を検討することが望まれるという意見を述べたいと考えております。
   また2番目に、市町村のリサイクルの取組につきましては、全く実施していない、または実施品目が一部に止まっている理由として費用を挙げております。しかし、費用について具体的に想定しているものはほとんどなく、また住民の理解も努力によって克服できない性格のものではありませんので、未実施等の市町村におけるより踏み込んだ分別収集の実施に向けた取組が望まれるという意見を考えております。
   3番目に、リサイクルの原材料としての用途の拡大という問題でございます。先ほどの消費者の動向等も踏まえまして、再商品化により得られた物の用途の拡大については、技術開発等により価格、品質面での改善を図り、あるいは一般消費者向け以外の製品の用途の開拓をしていくことについても検討の余地があると考えられるという意見を述べたいと思っております。
   市町村が分別収集等にどれぐらいの費用をかけているか、コストの把握の話があったわけでございますけれども、市町村の容器包装廃棄物に係る分別収集費用を把握しているところはごくわずかで、それにつきましても非常にぶれが大きいということで、なかなか全国的な把握には至りませんでした。分別収集費用、容器包装廃棄物の排出量等を直接示す既存のデータが存在しないということでございます。これらのデータにつきましては、本政策の効果的な実施を図る上で、また本政策について分別収集等に係る費用負担のあり方を見直すべきという、拡大生産者責任の徹底について議論を深める上でも必要と考えられることから、関係行政機関においてこれらのデータが体系的・継続的に把握されることが望まれるという意見を考えております。    参考資料の7ページを御覧いただきたいと思います。行政側、事業者側のコストを把握できる範囲内で調べたものでございます。国につきましては、リサイクルのための普及啓発、調査研究、それから市町村が整備するリサイクルのための施設に対する整備補助並びに技術開発等に対する補助という形である程度特定されているわけでございます。しかし、市町村のごみ処理経費、2兆円ほどずっと計上しておりますが、そのうち容器包装に係る部分がどれだけかという点がわからない状況でございます。ここでは一般廃棄物処理経費からし尿処理経費を除いたものを計上しておりまして、この内数であることは間違いないのですけれども、どの程度かが把握できないという状況にあります。環境省も把握の必要性は認めており、またいろいろ検討しているようですけれども、全体的に把握するところまで至っていないという状況でございました。それから、事業者側の数字といたしましては、再商品化委託料、これはリサイクルをする際に事業者側で費用を負担するということになっておりまして、その費用負担を掲げてございます。なお、この委託料が市町村の部分に一部ございますけれども、これは(注)の6にございますように、小規模事業者につきましては市町村の方で持つという形になっておりますので、その経費を計上しているところでございます。
   以上でございます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   それでは、15分ぐらいで御質問等を承りたいと思います。どなたからでもお願いします。 どうぞ、翁委員。
○翁専門委員
   FAZの件で申し上げたいと思います。先ほどの御説明の中で、新たな同意については慎重に対応すると考えているとのことで、そこは非常に結構なことだと思っています。しかし、新たなFAZ施設の整備への支援については、輸入の促進に寄与することが明らかに認められるものに限定するという意見を考えているということでしたが、私自身は「輸入の促進に寄与すること」ということが、果たしてそれでいいのか疑問です。それは、貿易黒字の問題が解消しているということだけでなくて、現在、日本の輸入はアメリカと並んで中国からの輸入も同じぐらいのレベルまでになってきていて、これに伴う新たなデフレの問題とか、経済環境がかなり変わってきていることがあるわけでございます。その意味で、輸入に頼らない形で事業所の集積効果が新たに出てきているとか、そういう場合については限定的に支援してもいいと個人的には思うのですけれども、輸入の促進を前提として掲げた上で、限定的な課題とするということについては、もう少し考えてもいいのではないかと思います。
○中垣評価監視官
   先ほど御説明申し上げましたのは、まず、新たなFAZ地域設定の同意について慎重に対応するということでございます。既にこれまで22地域が地域指定されておりますので、既に指定された地域の中で整備を行うということになると、今翁先生がおっしゃった趣旨とは逆の方向に行ってしまうのではないかということです。すなわち、新規FAZ地域は限定するけれども、これまで設定しているところは進めていくというようなニュアンスが出ることを懸念いたしまして、既に同意をしている地域であっても限定してほしいという趣旨で意見を考えていたところでございます。
○村松委員長
   吉野委員。
○吉野専門委員
   今の翁委員の御意見とちょっと関係するのですが、本来輸入すべきものを輸入しないで、そうでないものを輸入したことは、バブル当時の非常に大きな政策的な問題だと思うのです。例えば農産物とか建設業とか、本来そういうものを日本にもっと輸入するべきところを、そうでないものを輸入してしまいましたから、為替レートが本来ならばもっと円安になるところ、円高に行き過ぎた。それからもう一つは、金融政策を非常に緩めて、内需拡大で輸入を促進しようという政策をとっていたこと。以上2点は、マクロ的に見て、当時の大きな政策の誤りだったのではないかと思うのです。それが現在の景気の低迷にもつながっていると思っておりまして、その意味では、輸入されたものの中身がどういうものだったか、例えば内外価格差で見たときに、非常に高かったものがちゃんと輸入されていたかどうかというのも大きなポイントだと思います。
   それから、細かいところなんですけれども、幾つかの地域の中で減少幅が小さいか大きいかを測っておられましたが、その地域の経済状況が他と比べて悪ければおそらく減少幅も小さくなると思いますので、一律に全国平均と比較してどうかというのは、単相関だけを見ていることになりますので、少し気をつけた方がいいと思います。
   実際にFAZをつくった地域は輸入が増えたという評価なんですけれども、本来、ほかの地域で輸入していたものがその地域に移ったとしましたら、日本全体として輸入は増えていないわけですから、統計を見るときにも注意が必要かと思います。
   また、こういう政策を行うときに、日本政策投資銀行の低利融資、出資金、補助金、これらの政策コストがどれくらいだったのか。それから、輸入の促進の状況で、何%ぐらい輸入が増えたのか、そういうマクロの数字も出していただくとよいと思います。
   それから最後に、こういう政策を行ったことによって、中国や韓国に負けているハブの輸入が勝ってきているのかという点も非常に重要だと思いますので、是非そういう視点もお持ちいただきたいと思います。私はマクロ経済学をやっているものですから、政策評価にはやはりマクロ的な視点が一つないといけないような気がいたしまして、いつもマクロの話で恐縮なんですけれども意見を申し上げました。
○中垣評価監視官
   何点か御指摘があったので、十分お答えできるかどうかわかりませんけれども、最初に御指摘の、内外価格差の大きいものが多く輸入されて、価格差が解消の方向に向かったかという点については、実はデータがございません。
   2点目の、減少幅については経済状況に影響されるということ、貿易の伸びその他、港における輸入の状況につきましても、経済状況に大きく左右されるというのは全く御指摘のとおりでございます。そういった意味で、この政策のコスト・ベネフィットを考える際に、どれだけの投資で輸入が伸びたかを分析する場合には、政策に伴うものの寄与分が非常にわかりにくいということもございました。政策の仕組みは、先ほど申し上げました3段階の形になっておりますので、先に集積を見て、それを前提として分析したということでございます。
   それから、この政策を行って輸入が増えたとしても、オール・ジャパンとして変わっていなければ余り意味がないのではないかという御指摘につきましては、この政策について当時の国会の審議状況等を見ますと、当時非常に限られたところに貨物が集中していたのを地域分散させるというのも一つの目的だということを言っておりました。それが平成14年現在でみて妥当かというのはもちろんあると思うのですけれども、当時はどちらかというと分散させることに意味があるという議論だったのではないかと思います。
   低利融資その他の輸入促進施策により、どれぐらい効果があったかでございますけれども、先ほど申し上げましたように、どれぐらい各地域において出資をされたか、融資を受けたかというのはデータとしてございます。それを見ますと、例えば、非常に大きな出資あるいは融資を受けたところで集積が進んでいるとか、非常に輸入の伸び率が大きかったという相関は必ずしも存在していないという実態がございます。ただ、それをもって効果がなかったと言い切れるかというと、先ほど申し上げましたように、外部性が非常に高い部分なので、そういった分析はとっておりません。
   ハブの問題については、平成4年当時はどうだったかわからないのですけれども、当時はあくまでも日本国内の均衡ある成長、整備を図るという目的であったと思います。しかし、近隣諸国との競争激化ということで、日本の港だけではなくて、韓国その他の港もライバルということになりましたので、そういったことを踏まえまして、近年、所管府省においても政策の転換を図ってきているところだろうと思います。その結果、状況が変わってきているかについては、私どもはまだ承知いたしておりません。
   以上でございます。
○村松委員長
   丹羽委員。
○丹羽委員長代理
   私も皆さんの意見と大体同じなんですけれども、輸入促進というより、「地域」輸入促進という政策だったと思うのです。そうすると、地域ごとに本当に経済の発展に寄与しているかどうかということをマクロ的に取り上げるべきだと思います。例えば失業率やその地域のGDP等、輸入促進というのは経済の発展につなげるための政策だったと思いますので、その辺のデータは必ずあるはずです。そういう意味の評価というのは、データをベースにしてやるべきではないかと思います。
   それから、地域経済の発展という観点から見ると、この政策は私も明らかに失敗ではなかったかという気がいたします。そして、そういう評価を出すべきではないかと思います。今御指摘がありましたように、輸入を促進するという政策は、経済界としてもないし、おそらく政府にもないのではないかと思います。それを、先ほどの御説明のような形で評価をしていくというのはいかがなものかという気がいたしますので、「凍結すべき」だとかそういう評価があってもいいのではないかと思います。
○村松委員長
   お答えになりますか。
○中垣評価監視官
   よろしいでしょうか。地域輸入促進政策は失敗ではなかったか、輸入促進という政策はないのではないかという御指摘でありますが、日本は基本的には貿易立国ということで、貿易の収支の均衡も一つのポイントだと思いますので、輸入を全く無視していいということではないだろうと思います。
   それから、この政策は明らかに失敗ではないかという点でございます。正直申し上げまして、いろいろなデータを見た結果、私どもとしては、正直な話かなり消極的な意見になっておりますが、ただ、これをもって、この政策が全く効果がないと言い切れない部分もございます。もともとこの政策は、最初に申し上げましたように当時の経済情勢が非常に大きな前提としてあったもので、平成18年までの時限立法であるということを踏まえれば、先ほど御説明した意見で、かなり趣旨が伝わるのではないかと思っております。
○村松委員長
   評価が生ぬるいという御批判かもしれません。そして、御意見もまだたくさんおありかもしれませんが、黒田委員が御退席になるということで、先に御意見をお願いいたします。
○黒田臨時委員
   当時の政策に対しての評価ということなので、政策が正しいかどうか言えないということはわかるのですが、やはりすごく引っかかるのです。例えば総合科学技術会議で今問題になっているのは、科学技術に予算をたくさんつける、しかし、バイオ関係の場合ですとそのうち6〜7割はアメリカの機器を買う分に回ってしまうんですね。そういうことで、ともかく国産のものをつくらなければいけないということを皆さん声高に言っている。つまり税金を投じても、アメリカを潤すことになっているという図式が非常にはっきり出ているんですよね。世の中がそういう風潮になっているときに、先ほどの御説明のようなトーンの意見ではやはり違うのではないかということを私のような素人はすごく感じるわけです。FAZを輸入促進ではないけれども、何かほかのことに利用できることはないかぐらいのことを意見として言ってほしいというのが、行政も何もわからない者の意見なんです。それはきっと他の科学技術に携わる人、あるいは国民一般の共通した感覚ではないかと思いますので、是非考慮していただきたい。これは、先ほど丹羽分科会長がおっしゃったことと全く共通することではないかと思います。    
私これから会議がありますので、ここで退席させていただきます。失礼いたしました。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   次で輸入促進の問題についての最後の御意見ということにさせてください。
   どうぞ。
○中山専門委員
   このFAZにつきましては、私も実はいろいろな面でかかわっているものですから、内容をよく存じ上げております。FAZの実態は全部調査されて、よくおわかりかと思いますが、地域におきましてはFAZは一種の賃貸業なんです。現在、物流関係の荷物の縮小が行われておりまして、港の倉庫は非常に空いているわけです。そういう中で、地域にどうしてもとどまってもらわなければいけないということで、かなりの補助金が出ておりまして、実はこういう問題も本当のことを言いますと地域で困った問題になっております。ですから、新規の候補地として、新潟か仙台がまだ残っていたと思いましたけれども、やはりこの問題についてはもうちょっとトーンを強くするべきだと思います。平成4年当時の状況と今の状況とが違うのはもちろんわかるのですけれども、今の状況から見てどうかという評価もしていくべきではなかろうか。現地調査もされておりますので、監視官も実態はわかっておられつつ、なかなか意見を言うのが難しい部分もあるのではないかと思っておりますが、平成4年からもう10年近くたったわけですから、現状においてどうか等、もうちょっとトーンを強くしてもよいのではないかと考えています。
○村松委員長
   今の種々の御意見は同じ方向を指しているように思います。この点についてまた必要があれば戻るといたしまして、「容器包装のリサイクルの促進に関する政策評価」についての御意見も伺いたいと思います。
   どうぞ。
○田辺臨時委員
   1点だけ申し上げます。これは説明資料ですので、あまり詳しく書き込んでないのかなという感じはしておりますけれども、使っているデータとして、環境省の調査結果と関係団体のデータ、経済産業省のデータ、それに加えて総務省で行った幾つかの調査が挙げられております。特にアンケート調査、恐らく消費者と市町村を対象にしたものだと思いますけれども、それをどういう形で実施してこういう結果に結びついているか。「こういう」というのは、評価のレポートに結びついているかということですが、こういう手順で評価したということを評価書本体には詳しくお書きいただくようにお願いしたいと思います。
○市橋評価監視官
   本日の資料は要旨版のような形になっておりまして、評価書本体にはデータといたしまして、こういう対象は回収率がこれぐらいであったとか、個別のアンケート結果等の資料につきましてかなり詳細な部分を載せたいと考えております。
○村松委員長
   ほかの御意見はいかがでございましょうか。
   どうぞ。
○高木臨時委員
   この中のリデュースのところで、消費者の買い物袋等の話がありますが、東京都の場合、スーパーなどの買い物袋の減量はおそらく限界ではないかと思います。といいますのも、私もそれなりに家事をやっているものですからわかるのですけれども、ごみをスーパーの袋に入れて、更に東京都のポリ袋に入れて出すということで非常に利用価値があるものですので、そういった意味から、百貨店等はまだしも、スーパー等はもう限界に近いのではないかと思っております。それから、御説明のあった意見に関する部分で、容器包装廃棄物の分別について、努力によって克服できない性質のものではないという言い方をされておりましたが、私は努力というよりひとえに意識の問題ではないかと思っております。余り適切でないかもしれませんが、倫理の問題ではないかと思うくらいです。したがって、意識改革によって分別はかなり改善できると思いますので、そのような方向も示唆することがよろしいのではないかと考えております。
   それから、全体的に企業サイドの努力という面が強く出ているように思われるのですが、結局、企業も消費があるからつくるという側面があるわけでして、したがって全体的、総合的な意味でのリデュース等を考える場合には、やはり消費者の側面にある程度スポットライトを当てませんと、資源の浪費という問題は解決できないと思うのです。確かにリサイクルという話ですけれども、やはり資源浪費問題が一つの大きな眼目だと思いますので、消費者の分別も合わせたところの意識改革について、もう少し触れられた方がよろしいのではないかと思います。
○市橋評価監視官
   ただいまのスーパーの買い物袋のお話は、確かにそういう面もあろうかと思います。しかし、スーパーにおきましても、買い物袋持参の推進ということで、買い物袋持参に対して何らかのメリットを与える等の取組もあると聞いております。
   それから、分別収集の部分で意識改革が必要だという点は、おっしゃるとおりでございまして、現に私どもの行いましたアンケートにおきましても、分別収集をやっているところの方が、単に分けるというだけではなくて、減量化に取り組む等、広い範囲で意識改革が行われている傾向が見られたところでございます。先ほど努力によってと申し上げましたのは、市町村に対する意見でございまして、意識改革に向けていろいろ努力をしてほしいという気持ちを込めております。
   それから、企業サイドの努力では限界がある、消費者の問題もあるという御指摘についても、おっしゃるとおりでございます。特にリターナブルびんの関係で言いますと、最近特に増えておりますのが、ミネラル・ウォーターあるいはお茶のペットボトルの増加でございまして、数量的にも把握されております。消費者の嗜好については、なかなか難しい部分もあるのですけれども、そういう状況も踏まえた上で、リターナブル容器での環境面のメリットを消費者に示すということで、理解を得ていくことが必要であると考えております。
○村松委員長
   御意見で取り入れられるところは取り入れていただいたらよいのではないかと思います。
   新村委員。
○新村臨時委員
   一つだけ申し上げます。全体としてこの政策が行われて、3Rが進んだという評価ですけれども、リターナブルびんについては割合詳細な意見であるのに対し、それがペットボトルに移ったということについての評価がほとんどなかったという点が非常に気になっております。処理費用をきちっと生産者が負担する仕組みですとか、消費者の意識だけではなくて、その意識を誘導するような政策をとることを考える必要があるのではないかと思います。その辺について、リターナブルびんについて詳細に述べることでよしとしておられるようですけれども、やはりペットボトルの増加について、正面からきちっと取り組んだ方がよいのではないかという感じを受けました。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   お答えになりますか。
○市橋評価監視官
   ペットボトルにつきましては、一つは、拡大生産者責任についての議論がございますので、その辺にまだ踏み込めませんが、重要な議論だということでコストの把握ということで指摘しているところでございます。もう一つ、ペットボトルにつきましては、最近、ペットボトルからペットボトルを作る技術ができているということで、環境省では、環境に対する負荷をどのように考えるのか、ライフ・サイクル・アセスメントに取り組んでみたいと考えているようでございます。
○村松委員長
   二つの評価に対する御意見を伺っておりまして、それぞれ適切なポイントをいただいているわけですが、受け取れるものは受け取っていただくということだろうと思います。地域輸入促進については、御説明があった意見のトーンと委員会の議論とちょっとだけずれがあるというか、同じ方向を向いているのだと思うのですが、もう一歩踏み込んでいっていいのではないかというのが委員会としてのアドバイスになっているようでございます。ただ行政評価局としては、今日御報告いただいたところまで、評価が熟するように持ってきているだろうと思うのです。ですから、いろいろな御配慮もあろうかと思いますけれども、委員会においては、もう少しトーンが強くてもよいのではないかということですので、その辺御配慮の上、最終的な意見としていただきたいと思います。
○村松委員長
   樫谷委員、どうぞ。
○樫谷委員
   評価に関する意見の言い振りについてなんですが、リサイクルの意見の方では、総合的な取組の推進が一定の効果を上げていることを示しているものと考えられるということで、総合的な判断をされていました。ところがFAZに関しては、総合的なことは言っておられなかったと思います。丹羽分科会長がおっしゃったように、全体がこうなっている、ただし、なおこういうことがあるという形がよいと思います。全体を一旦総括した上で、個別的なこと、つまり今後はどうだと言う必要があると思います。過去の総合的な観点から見て、その中でなおこういう問題があるとか、こういうことをやればよかったとか書くとよいのではないでしょうか。FAZの方は総合意見が入っていないので、是非入れていただきたいと思います。
○村松委員長
   どうもありがとうございます。取りまとめにあたり、御検討、御配慮をいただきたいと思います。
   ここで5分間の休憩をとらせていただきたいと思います。

(休憩)

○村松委員長
   再開したいと思います。
   それでは、平成15年度の政策の企画立案に向けた各府省政策評価の実施状況等について報告していただきたいと思います。初めに丹羽政策評価分科会長から、政策評価分科会における審議の状況について御発言をいただきます。よろしくお願いします。

   [平成15年度の政策の企画立案に向けた各府省政策評価の実施状況等の報告]
○丹羽分科会長
   政策評価分科会は、5月24日を第1回といたしまして、9月12日までの間に合計5回、各省庁からのヒアリングを中心に会議を開催いたしました。ヒアリングの詳細につきましては、この後、事務局から御報告いただく予定になっております。私の方からは、各府省のヒアリングを聞いておりまして感じたこと、あるいは政策評価の実施状況につきまして検討いたしました、先月25日の会議の主要な問題について若干御報告をいたしたいと思います。
   まず第1点目は、数値目標化についてであります。
   各省庁からの説明を聞いておりますと、どの省庁も数値の目標化を行っていこうという努力のあとは感じられるわけですが、その一方で、目標の設定に対する抵抗感もまだ相当強いという感じを持ちました。確かに、行政の仕事の中には数値目標化になじまないものもありますけれども、そうしたもの以外はすべて数値目標化させる、あるいはそういう方向へ仕向けていくのが本委員会の重要な使命だと思っております。そのためにも、各省庁から嫌がられることがあるかもしれませんが、各省の政策評価の一層の数値目標化に向けて、これからも粘り強く言い続けていく必要があると思います。
   第2点目は、省庁間における連携についてであります。
   ヒアリングを実施した限りでは、まだ各省庁とも「縦割り意識」が非常に強いという感じを受けました。行政活動というのは非常に広範で多岐にわたっておりまして、例えば地球温暖化という問題一つを取り上げましても、環境省、経済産業省、文部科学省、農林水産省等多数の省庁の政策に直接、間接の関わりがあるわけであります。そうした省庁横断的なものに対しまして、省庁間で相互連携あるいは効率的な行政を行っていこうという意識が総体的に希薄ではないかという感じを受けました。省庁横断的な政策に関する評価は、正に本委員会の推進すべき業務でありますので、今後、各省庁に、より一層の政策連携をとっていただくような形で政策評価を行っていく必要があるのではないかと思います。また、委員の中からは、本委員会は単に二次的な政策評価を行うだけではなくて、そうした政策連携とか既存の政策の改廃を促進するために、何らかのインセンティブについて考えていくべきではないかという意見もございました。私も個人的にはその意見に賛成でありまして、本委員会は単なるリアクティブな委員会にとどまることなく、各省庁が国民の視点に立って前向きな行政を行うために必要な変化を促進させるという、プロアクティブな委員会であるべきだと感じます。
   第3点目は、生産者と消費者という両者の立場をどのようにアウフヘーベンして、各省庁として総合的な政策をまとめていくかという点であります。「中央の官庁には、国益はもとより省益の観点もなく、あるのは局益、課益のみだ」という言い方をされることもありますが、各省庁の基本組織は局単位、課単位となっているため、どうしても視野が狭くなって、同じ省庁の中にあっても政策立案が消費者か生産者かのどちらか一方だけに焦点を当てて行われることが多いように思います。吉野委員が発言されたことですが、例えば米の自給率などの目標設定に関しまして、生産者の立場からのみの見方となっておりまして、消費者側からの視点がほとんど考慮されていないという問題点があります。そういった意味でも、本委員会では、生産者だけではなくて納税者、消費者という国民全体の利益を反映した総合的で幅広い視点からの取組が非常に重要になってくるものと思います。
   4番目の点でありますが、これはヒアリングを通して感じたポジティブな面であります。
   各省庁ともに政策評価に関する情報公開を積極的に行っていこうという姿勢が感じられます。こうした姿勢は大変歓迎すべきものであることは当然でありまして、高く評価したいと思います。委員の中には、「あまり情報公開し過ぎても危険ではないか」という意見もございましたが、私の個人的意見としては、省庁によるこうした積極的な情報公開への姿勢は、これからも大いに奨励していくべきではないかと思います。また、幾つかの省庁からは、「この政策評価制度を手段として、行政の中身を改善していきたい」とか、「これをもとにして、当事者意識を向上させていきたい」という大変前向きな発言もありましたことを御紹介しておきたいと思います。ただ、この政策評価制度がどれほど浸透し、各省庁の人たちの意識をどれほど改善させているかという点になりますと、まだまだ不十分と言わざるを得ません。そういった意味で、今後ともあらゆる機会をとらえて、日本の行政史上における本制度の画期的な意味合いや重要性を広く国民各層に訴えて、それによって各省庁担当者の意識改善を図るということが重要ではないかと思います。
   それから最後になりますが、10月25日に開催しました前回の政策評価分科会における議論の内容を簡単にお話ししておきたいと思います。このときの会合では、9月の会合の際に、私から、分科会における議論に素材を提供するという意味から、各府省の政策評価の実施状況、実施結果の全体像について適当な時期に御報告をお願いしたいというふうに言いましたところ、早速その報告がありまして、その資料を基に議論を行いました。特に各府省の政策評価につきましては、「そもそも各省が設定したような政策目標で本当にいいのか」とか、「経済情勢がこれほど急激に変化しているにもかかわらず、従来からの政策を十年一日のごとく、同じような目標を掲げているのではないか」とか、これでは政策評価が政策を正当化するための手段となってしまう可能性があるわけであります。こういう意見がございましたことを御報告しておきます。確かにこうした各府省の政策目標設定の適切さをどう判断するのかということは、政策評価制度のみならず、本委員会の存在意義にも関わる極めて重要な問題だと思います。現在の法律では、残念ながら本委員会で各府省の政策目標設定を事前にチェックすることはできませんが、こうした目標設定の適切さをいかに担保する仕組みを構築していくかということが、本委員会にとっても根源的なテーマとして今後避けては通れないだろうと思います。
    いずれにいたしましても、官庁はもとより、私どものような企業も含めまして、どんな組織におきましても、何もしないでそのまま放置しておきますと、「慣性の法則」といいますか、イナーシャというものが働きまして、どうしても現状維持的な思考や行動様式に陥りがちかと思います。そういった落とし穴に陥らないためにも、本委員会としては、今申し上げました諸点を含めまして、政策評価制度が抱える様々な問題点を不断に改善していくことによって、国民にとってのよりよい行政を実現していく起爆剤の役割を果たしていくべきだろうというのが私の感想でございます。
   簡単ですが、私の方からはこれで、これまで開催いたしました政策評価分科会の報告を終わらせていただきたいと思います。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   続きまして、事務局から説明をお願いします。
○新井政策評価官
   資料5を御覧いただきたいと思います。
   1ページを御覧いただきますと、政策評価分科会の審議実績がございます。大きく三つに分かれておりまして、1点目に5月24日に、行政評価局が行う主要な政策評価の結果の取りまとめに関する審議ということで、地域輸入促進、容器包装リサイクルについて御審議いただいたところです。それ以外にも、三つ目の枠、6月28日にはリゾート地域、さらに10月25日には経済協力、障害者の就業等について議論していただきました。これを検討し、評価結果について本委員会に御報告申し上げるという段取りになっているところでございます。
   2点目は、6月18日から4回にわたりまして、各行政機関における政策評価の取組状況等ということで、今年4月から評価法が施行され、基本計画、実施計画を策定し、その状況を踏まえながら、今までの取組、また今後どうしていくのかということについてヒアリングを行ったところでございます。
   3点目が10月25日の最後のところでございますが、今、分科会長からお話がありましたように、法律に基づく政策評価の結果の実施状況の報告を踏まえたフリートーキングを行ったところでございます。これにつきまして、次のページの1番目ですが、各行政機関に対するヒアリングでの主な議論を整理してございます。最初が評価対象との関係で、総合評価等の方式で、具体的なテーマを個別に掲げている省もございますが、今後具体的なテーマを検討していくところについて、どのようなものを対象に考えていくのかという御議論があったところでございます。2番目が評価の方法・手法の問題でございます。目標の設定については、まず数値目標の設定について御議論がございました。上から四つ目まで、すべてそうした数値目標の設定という点についての御議論でございます。その次のところを見ていただきますと、国際競争力という視点、つまり目標の中でもこういった視点を盛り込んでいくべきではないかという御議論がございました。同様の御議論は、3ページの一番上を見ていただきましても、今、分科会長からもお話がありましたように、能力開発のように他省庁との連携が非常に重要な分野があって、そういった面もちゃんと考慮して目標設定をしていくべきではないか。また、上から四つ目でございますが、地球環境保全の点については国際的な貢献と各省の連携の確保という点についての取組が必要ではないかというポイントでございます。もう一つのポイントが、2ページの一番下の丸でございますが、指標について、アウトカムになるように指標の設定をきちっとしていくべきではないかという御議論がございまして、3ページの上から二つ目、三つ目と、アウトカムという点についての御議論をいただいたところでございます。
   次が評価の実施方法ということでございまして、どのようなものを対象にどのような点について評価をしていくかということが、一つ大きなポイントでございます。最初の一つ目の丸、経済活動に関する調査・研究をどのように評価をしていくのか。一つ飛びまして、金融の関係で国際競争力の視点。さらには不良債権問題や金融問題をどう扱うか。次は全政府的な政策を所管している部局の政策評価をどうするか。総務省の政策の協働促進をどう評価するか。一つ飛ばしまして、予算編成における外性的な要因をどう評価するか。教育のように効果の発現まで長期間を要するようなものをどう評価していくか等の点について具体的に御議論をいただいたところでございます。二つ目のポイントは、具体的な手法の問題でございます。3ページの上から六つ目の、評価そのものをなるべく定量的な評価にしていくべきではないかという視点、同じく下から三つ目の、コストの把握をどのようにしていくかという点、それから4ページの一番上のところでございますが、効率性の把握をどう図っていくか等につきまして御議論があったところでございます。
   次に、農林水産省、国土交通省に共通して、公共事業に関する幾つかの御議論がございました。4ページの上から二つ目以下、農林水産省について見ていただきますと、現在、事前評価を行っておりますが、結果として採択したものについての評価になっているのではないかということ。また、再評価というのはどのように行われているのか。さらには、評価の中身に関して、手法の改善や評価基準の共通化の問題につきまして、国土交通省にも同じような点で御議論をいただいております。
   それから、上から六つ目ですが、先ほども出ましたように、政策は生産面だけでなく消費面も含めたものとしてということで、御議論が出ております。その次は、評価の中で、政策手段をどのように選択していくのかという御議論が行われたところでございます。
   さらに、4ページの一番下を見ていただきますと、環境省における事前評価の取組がございました。これは規制について、私の認識では政策評価として初めて本格的に取り組んだものと思っておりますが、どのように評価をしていくのかという御議論をいただいたところでございます。
   次の5ページを見ていただきますと、その他ということで、まず評価の活用、総合的な政策の企画立案について、内閣府の関係ですが、個々の政策評価をどういうふうに活用していくのかという御議論をいただきました。
   次は公表につきまして、非常に守秘性の高い情報の取扱いという点についての御議論、それから評価そのものに係るコストの問題、さらには職員の意識改革がどう進んでいるのかという点に関しては、ある程度進んでいるというところと、これからというところといろいろ御回答をいただいたところでございます。
   以上のように各省ヒアリングを行う中で問題点の指摘をして、今後の取組について御示唆をいただいたところでございます。
   6ページを御覧いただきますと、先ほど申し上げました10月25日におけるフリートーキングでの主な議論ということで、何点か整理させていただいております。1点目は、費用便益分析は進んでいるけれども、直接効果なのか間接効果なのか、また外部効果をどう見るかなど、その中身をきちんと見ていく必要があるということ。2点目は、各省庁が設定している政策目標自体が本当にそれでいいのかどうかという点。また3点目は、経済情勢の変化の中で、前提が変化したような政策が評価の対象としてきちっと取り上げられているかどうかということ。また、各府省が行う評価の客観性を担保していくという意味で、農林水産省では実施手順を明らかにするということで工夫をしているけれども、他に工夫の余地がないのか。それから行政評価局は、各府省の行った評価に関して客観性担保評価を行うわけですが、再評価の必要性の認定までいくものは多くないと想定されるが、そこに至るまでの段階において工夫の余地はないのか。また、評価をよりよいものにしていくために、インセンティブをいろいろ検討していく必要があるということ。最後に、専門家が見て分析に使えるような情報を評価結果において世の中に出していくことが重要ではないか。以上のような御議論をいただいたところでございます。
   7ページからは、来年度の予算編成に向けて、各府省が政策評価にどのように取り組んだか、政策評価の実施状況について簡単に整理をしたものでございます。各府省とも、ここに書いてありますように、事前評価、事後評価に取り組んでおります。なお、厚生労働省については11月20日に評価書が送付されてまいりましたが、整理の都合上空欄にしております。
   具体的には、事前評価、事後評価についてどのような政策を対象に取り組んだのかを次のページ以下に整理しましたので、御説明いたします。
   事前評価につきましては、政令で政策評価を実施することが義務付けられている研究開発課題、個別公共事業に取り組んでおります。ただし、政令で定める「10億円以上」という区切りよりは各府省ともかなり広く取り組んでいただいているところです。件数的に少ないのは、これが予算要求に当たっての評価であるためで、予算の大枠が決まった後の個々の箇所付け等の事前評価が今後かなりの数出てくることになると思います。
   その他の分野の事前評価につきましては義務ではございませんが、積極的に取り組んでいるということでございます。内閣府、警察庁、防衛庁、文部科学省は、予算要求に当たって重点としている政策について事業評価を行ったということ、国土交通省は政策アセスメントという形で新規施策等について48件の事前評価を行ったということでございます。また、先ほど申しましたように、環境省が規制についての評価を行っております。
   9ページからは事後評価でございます。おおむね施策レベルを対象とする評価ということで、各府省とも、実績評価あるいは場合によっては総合評価で取り組んでいるところでございます。見ていただきますと、この中で内閣府、公害等調整委員会、法務省については、ガイドラインに基づき実施した評価、その他は法律に基づく評価でございます。本年度が法律施行の初年度ということですが、実績評価というのは前年に目標を立てる必要があり、目標を立てた時点はまだ法律の施行前ということで、ガイドラインに基づくと整理したところと、積極的に法律に基づくものと位置付けたところとがございます。各府省とも実績評価という方式により、事後評価を基本的に施策レベルで実施しているということでございます。
   10ページが、それ以外の事業レベルの評価を整理したものでございます。上の表が個別公共事業以外のものということで、公共事業以外でも継続的に行われているもの、また事業が終わったものについても、評価に取り組んでいるということでございます。
   下の表は個別公共事業で、いわゆる未着手・未了の関係の評価に取り組んでいるということでございます。
   簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。
○村松委員長
   どうもありがとうございました。
   各府省からのヒアリングや分科会での議論の結果をまとめていただいたということで、今後の検討の材料にしたいと思います。
   それでは、事務局から今後の日程等についてお願いします。

[次回日程等]
○水野政策評価審議室長
   次回の本委員会でございますが、12月20日金曜日の15時40分から予定しております。本委員会の前に政策評価分科会が開催されることになっております関係上、15時40分とさせていただいております。場所はこちらの会議室、議題は、「府省評価委員会から通知を受けた独立行政法人評価結果の審議及び意見の決定」の第2次分等でございます。
   同じ日の14時30分から政策評価分科会を予定しておりまして、「政府金融機関等による公的資金の供給に関する政策評価に係る調査の分析状況に対する審議」をお願いすることになっております。
   また、独立行政法人評価分科会につきましては、必要に応じまして、ワーキング・グループ及び独立行政法人評価分科会を開催させていただきます。日程等についてはまた別途御連絡いたします。
   この後、引き続き、政策評価分科会が開催される予定になっております。よろしくお願いいたします。
   以上でございます。
○村松委員長
   ありがとうございました。
   それでは、以上をもちまして政策評価・独立行政法人評価委員会の第20回の会合を終わります。本日はどうもありがとうございました。



〔了〕