政策評価・独立行政法人評価委員会(第22回)議事録
(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会及び独立行政法人評価分科会の合同)



1.日時   平成15年1月24日(金)14時から16時30分

2.場所   中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

3.出席者
  (委員)
          村松岐夫委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、永井多恵子の各委員
金本良嗣、田辺国昭、新村保子、雨宮肇、黒川行治、黒田玲子の各臨時委員
木村陽子、田中常雅、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、山本清の各専門委員
  (総務省)
  片山大臣、若松副大臣
  (事務局)
  田村行政評価局長、柚木官房審議官、橋口総務課長、新井政策評価官、讃岐評価監視官、熊埜御堂評価監視官、神谷評価監視官、水野政策評価審議室長 ほか

4.議題
 (1) 委員長互選、委員長代理指名、分科会長指名等
 (2) 行政評価局が行った主要な政策評価の結果等の報告(「リゾート地域の開発・整備に関する政策評価」、「障害者の就業等に関する政策評価」)






[委員長互選、委員長代理指名、分科会長指名等]
○橋口総務課長 
   それでは、定刻になりましたので、ただいまより政策評価・独立行政法人評価委員会の第22回会合を開会いたします。
   本日は、委員改選後の初めての委員会ということでございますので、委員長が選出されるまでの間、便宜上事務局が議事進行を務めさせていただきます。
   まず初めに、7名の委員の方々につきましては、1月22日付で2年間の任期が終了いたしました。すべての委員の方につきまして、総務大臣から再度任命の発令をさせていただきましたので、引き続きよろしくお願い申し上げます。その辞令をお席に置いてございます。
   次に、委員長の選出をお願いしたいと存じます。
   委員会令第4条により、委員長は委員の方々の互選により選任していただくこととされております。委員の皆様方、適任と考えられる方がおられましたら御推薦をいただきたいと存じます。いかがでしょうか。
   樫谷先生、お願いいたします。
○樫谷委員 
   前というか、現委員長というのでしょうか、村松先生が一番適任だと思いますので、是非推薦したいと思います。
○橋口総務課長 
   ありがとうございます。
   村松委員への御推薦がございましたけれども、他の委員の皆様はいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
   村松委員への御推薦がございました。村松委員、引き続き委員長に御就任されるということでお願いしたいと思います。それでは、これからは村松委員長に議事進行をお願いしたいと存じますので、委員長、よろしくお願いいたします。
○村松委員長 
   引き続き委員長を務めさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
   本日は、公務御多忙の中を、若松副大臣にお越しいただいておりますので、ごあいさつを頂戴したいと存じます。なお、片山大臣には、国会からお戻りになり次第、お越しいただいてごあいさつをいただくということになっております。
   では、若松副大臣、よろしくお願いいたします。

[若松副大臣あいさつ]
○若松副大臣 
   もう何度もお聞きになったと思いますが、明けましておめでとうございます。また今年もよろしくお願い申し上げます。
   行政評価法は今年で法律の施行から2年目を迎えます。村松委員長を始め委員の皆様方には、実質3年目となる大変長い御協力、心から感謝申し上げます。
   また、本日は今年初めての委員会でございますが、今年も昨年以上の御負担を先生方におかけすると思いますけれども、昨年、今年といわゆる離陸、上昇をいたしまして、これから安定軌道という段階になりますので、先生方の引き続きの御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
   私から、評価に関する動きを3点御報告したいと思います。1点は、昨年の12月7日に、成蹊大学で、廣野先生が会長を務めておられる日本評価学会の第3回大会が行われました。私も、行政評価法の立法の当事者ということで、先生方の御苦労話をさせていただきましたところ、各方面から大変関心を持たれまして、恐らく第4回目の評価学会等に、先生方のお出ましが求められるのではないかということを是非御報告したいと思っております。
   2点目ですが、これは1月17日、一監査法人の主催で「行政の内部監査とリスクマネジメント」というセミナーがございました。私も副大臣会議のリスクマネジメントの主査を仰せつかっております。内部監査には会計監査と業務監査という切り口があるわけでありますが、特に行政評価の場合には、いわゆる内部監査のうちの業務監査的な意味合いがあろうと思います。今後の行政の内部監査をどうしていくかというのがまだまだ未整理という状況でありまして、恐らくこういった大きな行政の内部監査の枠組みの中で、この行政評価の位置付けをまた新たな観点から、御議論いただく必要があるのではないかと実感しております 
   三つ目は、アメリカのGAO、もしくは英国のNAO等、議会に直属する会計検査院が行政の会計監査だけではなくて業務監査も行うと、こういった仕組みになっている点についてでございます。日本は今のところ会計検査院は行政の会計のみということでありますが、ちょうど先週でしょうか、参議院の決算改革を中心として、小泉総理と参議院の与党の代表とでお話があったということで、会計検査院の在り方も、与党と国会で議論が始まっております。そういった大きな流れの中で、行政評価の位置づけというのも再度議論がなされる機会があるのかなと思っておりまして、恐らく年々、委員の皆様方の役割、使命が大変大きくなっていると理解しております。引き続き、村松委員長以下、皆様には今年もまた目薬を使っていただいて、大変お世話になりますが、何とぞよろしくお願い申し上げまして、御礼の言葉とさせていただきます。本当にありがとうございます。

[委員長挨拶等]
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。引き続きまして、私からも一言ごあいさつさせていただきたいと思います。
   引き続き、委員長の大役を務めさせていただくことになりました。政策評価は、アカウンタビリティーの徹底、質の高い行政を獲得すること、成果重視の行政に転換するということ、そういう方向に向けて努力する手続でございます。
   また、独立行政法人評価に関しましては、信頼性を得、実効性を高めるということで、当委員会が大きな役割を担うということになっているわけでございます。その委員長といたしまして、大変重要なことであるという認識を持って頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
   第1期といいますか、13年1月発足以来の2年間の活動に関しましては、政策評価は法律に基づきまして基本方針についての審議を行い、総務省が行う評価についての審議も行いました。
   また、客観性担保評価活動のための審議も行ってまいりましたし、独立行政法人につきましても、13年度の業績評価に基づいて、第1次意見、第2次意見をまとめ、決定をしてきたところでございます。
   本年で法施行後2年目を迎える政策評価については、その質の向上や結果の予算等への反映、独立行政法人の評価については、これは第2次意見で使った言葉ですけれども、厳格性・信頼性の一層の向上を図るために、調査審議に力を入れ、取り組んでまいりたいと考えております。
   皆様におかれましては、客観的、専門的な立場から、幅広く御意見を賜りまして、当委員会の審議の有効性を高めていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
   ここで、公務のため、副大臣は退席されます。
○若松副大臣 
   では、どうぞよろしくお願いいたします。
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。
   続きまして、委員会令第4条に基づきまして、委員長代理を指名させていただきたいと存じます。委員長代理は、本日御欠席ではございますけれども、第1期に引き続きまして丹羽委員にお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
   臨時委員及び専門委員の皆様方につきましても、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
   それから、この度中山専門委員が1月22日付けで辞任されたことに伴いまして、田中常雅さんが専門委員に就任されましたので、御紹介いたします。田中委員、簡単にごあいさつをお願いいたします。
○田中専門委員 
   こんにちは。御紹介にあずかりました田中でございます。出身は、東京商工会議所の少子・高齢化特別問題委員会というところになっております。少子・高齢化の問題というのは、個人のライフスタイルから、教育社会システムとか、それから産業構造等にわたる今後の幅広い範囲の問題ということで取り組んでおります。仕事は建設業、不動産業の会社を経営しております。また、同時にまちづくり芸術支援協会というNPO活動を行っておりまして、日ごろソフト、ハード、両面からまちづくり活動を行っています。
   この委員会には、経済人であり市民というような視点からお役に立ちたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。
   次に、委員会令第5条でございますけれども、これに基づきまして、委員、臨時委員及び専門委員の方々に、政策評価分科会と独立行政法人評価分科会のそれぞれに所属していただくわけですが、その指名をさせていただきたいと存じます。
   田中専門委員につきましては、中山前委員の後任として政策評価分科会に所属をしていただくということでお願いしたいと思います。
   田辺臨時委員でございますけれども、山谷委員が辞任されたことに伴いまして、当面の間ということで、独立行政法人評価分科会の方にも所属をいただいて御苦労をいただいたわけでございます。今回、政策評価分科会のみの所属ということで、元に戻っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
   その他の皆様方につきましては、従来の所属で引き続きお願いしたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
   さらに、分科会長でございますけれども、これも引き続きまして、政策評価分科会長は丹羽委員、独立行政法人評価分科会長は富田委員にお願いしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
   事務局から、新しい委員名簿を配布いたしますので、御参照いただきたいと思います。
   また、この度、当委員会の事務局にも人事異動がございました。紹介させていただきます。
   塚本局長の後任として田村局長が着任されました。ごあいさついただけますでしょうか。
○田村行政評価局長 
   1月17日付けをもちまして、総務省の自治大学校長から、行政評価局長に着任いたしました田村でございます。非常に責任と権限の大きいこの委員会の事務局として、全力を尽くしてまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。
○村松委員長 
   さらに、広瀬官房審議官の後任といたしまして、柚木官房審議官が着任されました。ごあいさつをお願いします。
○柚木官房審議官 
   柚木でございます。統計基準部長から、先週末に着任いたしました。行政評価局は、約12年ぶりの勤務でございます。新局長の下、一生懸命にやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○村松委員長 
   それでは、早速でございますが、本日の議題に入らせていただきます。
   お気づきのように着席の形が変わりまして、委員が真ん中の方に寄って、事務局が両脇に分かれるという形になりまして、これでやっていきたいということでございます。

[行政評価局が行った主要な政策評価の結果等の報告]
   行政評価局が行った主要な政策評価の結果等について、2件の報告をしていただきます。まず、事務局より2件を一括して説明していただいた上で、一旦休憩をとり、その後、質疑応答という順序でやっていきたいと思います。
   御説明をいただきたいと思います。
○熊埜御堂評価監視官 
   規制改革担当室の評価監視官をしております熊埜御堂でございます。本日は、「リゾート地域の開発・整備に関する政策評価」について御説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
   お手元に、資料1というのをお配りしていると思いますので、それから順を追って説明をさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
   「リゾート地域の開発・整備に関する政策評価」は、今どういう状況になっているかということについて御説明いたしますと、この政策評価につきましては、平成13年1月から着手をしておりまして、3月に委員会に内容について御説明をし、また、昨年6月に政策評価分科会で、方向性について議論をいただきまして、現在大体方向性を固めまして、主務省等との間でとりまとめ作業に入った段階でございます。
   本日、「結果等の報告」という議題でございますけれども、このリゾートの政策評価につきましてはまだ結果という段階まで至っておりませんで、当局としての評価書の方向性は、大体これまで把握した効果の把握状況からこういったことが言えるのではないかと、それに対して各省からはこういった意見が出ていることを受けて、どういった方向でまとめていくかという段階にあるということですので、必ずしも結果等の報告ということではなくて、その状況について御説明した上で御議論をいただきたいという趣旨のものであるということをあらかじめ御了解いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
   それで、資料の方に入っていきますと、最初にまず、1枚紙で「リゾート地域の開発・整備に関する政策評価説明資料」というのがございまして、未定稿と書いてございますが、これが、今当方の方で、大体こういった方向でまとめたいということで粗々まとめているものでございまして、これを簡単に御説明させていただきたいと思います。
   次の1枚紙の下に入っている紙が、表題はございませんけれども、1ページから、1に「評価の対象とした政策」とありまして、1、2、3、4と書いてございますが、この紙を見ていただきながら、この紙と、それから1枚紙の説明資料とで御説明をさせていただきます。
   1枚紙の方ではなく、1、2、3、4と書いてある方で御説明いたします。まず、当方の方で評価の対象とした政策でありますけれども、総合保養地域整備法、「リゾート法」に基づく総合保養地域の整備の促進に関する政策ということでございます。
   政策の背景、内容については、これは3ページ、4ページに政策の概要、内容、これは昨年の6月に分科会にお諮りした資料でございますが、ここに載っております。本日はちょっと時間の関係でこの詳細は省かせていただきますが、また質疑等で出ましたら、逐次説明させていただきたいと思います。
   それで、一応そういうリゾート法に基づく総合保養地域の整備の促進に関する政策について、どういう観点で見ていくかというものが3でございまして、これは1枚紙の左上の方にも書いてございますが、リゾート法に基づき、関係する行政機関、国の行政機関でございますが、総務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、内閣府、財務省、文部科学省、厚生労働省、及び環境省と、特に主務省と言われております、また後で主務省という用語が出てまいりますが、リゾート法につきましては、主務省、先の四つ、総務省、農林水産省、経済産業省、国土交通省が主務省ということでやっている政策でございますが、これに限らず、関係する国の行政機関が総合保養地域の整備の促進に関する政策を総合的かつ計画的に進めていくこと等により、所期の効果を上げているかという観点から評価をしているというものでございます。
   4のところで、政策効果等の把握の手法と書いてございますが、本政策においては、リゾート法に基づき、主務大臣が、これは法に基づく基本方針というものでございますが、昭和62年にこの方針をつくりまして、この方針において、都道府県が作成する、これを「基本構想」と申しておりますが、総合保養地域の整備に関する基本構想の指針となるべきものを示しまして、主務大臣の同意、これは地方分権の改革法が通るまでは承認だったわけですけれども、今は同意ということになっておりますが、主務大臣の同意を得た都道府県の基本構想に基づく総合保養地域の整備を促進するという内容になっております。
   その基本方針の中には、総合保養地域の整備に当たって、長期的展望に立ちつつ、当面、おおむね10年間程度を目標として、計画的・一体的な整備に努めることとされておりまして、10年程度でどのようになっているかということを調べるということは、ここを根拠にしてできるのではないかということで、後で出てまいりますが、一応そういう把握をしております。
   本政策評価において、効果をどう見るかということが一つポイントになるわけですけれども、一応この二つということで整理をしておりまして、一つは、特定地域内の重点整備地区において、民間事業者などによる特定施設が計画的に整備されるということ。それから、二つ目が、整備される重点整備地区及び特定施設がそれぞれ相互に有機的な連携を有することにより、総合保養地域が整備されるということで、注のところにちょっと書いてございますけれども、効果としてはまたいろいろなことが考えられるわけでして、例えば基本方針に載っていることを受けて考えていきますと、特定施設と道路、下水道等の公共施設が総合的・一体的に整備されるとか、施設整備と併せてサービスの質の高い運営が行われるということも、効果として想定され得るわけですけれども、公共施設の整備については、全体として効果を把握する適当なデータが見出せなくて把握できなかったということ。また、特定施設の設置・運営に関わる効果については、利用者数、雇用者数等の把握可能であったデータの範囲で分析を行っているということでございます。
   それから、1枚おめくりいただきまして2ページに行きますと、これらの効果についてどういうことを行ったかということでございますが、当省の管区行政評価局・事務所も活用した関係府省、関係地方公共団体等からの資料収集、ヒアリング調査を行った上で、以下の把握分析を行ったということで、大きく三つ行っております。
   一つは、各特定地域における特定施設の整備の推移、現状の把握・分析。二つ目が、民間事業者による特定民間施設の整備及びこれに対する国及び地方公共団体による支援措置の推移、現状の把握・分析。それから三つ目が、供用特定施設における利用者数、雇用者数などの推移の把握・分析。
   また、本政策が、昭和62年の立案当時との関係でどうなっているかということについて、62年の立案当時についてはこういう考え方であったということでここに三つ列挙しております。まず、国民の自由時間の増大や生活様式の多様化等により、余暇活動に対する国民の需要は今後ますます増大するとともに、その内容もますます多様なものとなっていくものと考えられた。それから、経済のサービス化等の産業構造の変化に対応して、地域の資源を効果的に活用しつつ、第三次産業を中心とした新たな地域振興策を展開し、国土の均衡ある発展を図っていく必要がある。それから、三つ目で、内需の拡大を図り、国際的に調和のとれた対外均衡の達成や国内雇用の創出にも資することが求められている。
   こういった認識が示されておりまして、この下に、このような社会的経済的環境の変化というものに対応して、総合保養地域整備を促進するとされていることがどうなっているのかということについても把握をしたということが、大体評価の観点並びに把握の手法でございます。
   それで、1枚紙の方に戻っていただきますと、効果等の把握状況というものが、1枚紙で左側の方で、図表のところでございますけれども書いてございまして、今申し上げたものを、総合保養地域の整備の促進状況はこうなっているということ、また、立案、政策に係る背景事情ということで、社会的経済的環境の変化をどう理解するかということについて整理したものでございます。
   本日は時間の関係で把握結果の結論部分だけ簡単に触れさせていただくということで御了解いただきたいと思いますが、この1枚紙の方を見ていただきますと、「各特定地域における特定施設の整備の推移及び現状」というところでは、リゾート法施行後5年間程度は、特定施設の整備が進行し、新たに供用される特定施設数が増加したが、その後は減少傾向にあり、リゾート法施行後13年を経過した平成13年1月1日現在、これは国土交通省のデータが、こういう時点で推移しているということでこの時点を書いてございますけれども、41道府県の42特定地域、これは全体で42特定地域があるわけですけれども、いずれにおいても同意基本構想で想定されたように特定施設の整備は進んでいない。
   また、各同意基本構想に掲げられた整備予定特定施設で供用されるまでに至っていない特定施設について見てみますと、整備中とされている施設においても、実際には工事は未着手又は中断しているという状況が見られること。計画中又は構想中とされている施設で、事業主体が未だ確定していないものが全体の半数近くあるということで、特定施設の整備が進展する状況にはなっていないということ。
   それから、民間事業者による特定民間施設の整備及びこれに対する国などの支援措置の状況について見ますと、特定民間施設の整備というのは、総合保養地域の整備に当たっては、民間事業者の能力の活用に重点を置きつつ、同意基本構想に基づいて行うとされているわけでございますが、同意基本構想どおりに進まなくなってきているということで、実際上の特定民間施設の供用割合を見ますと、地方公共団体等により整備された特定施設の供用割合を下回っている。
   それから、特定施設の整備を特に促進すべきとされている重点整備地区においても、特定民間施設が全くないという地区が3割以上を占めている。
   また、この法制の中で、税制、資金、財政面の支援措置というのがあるわけですけれども、これも利用されなくなってきているということで、廃止・縮小が行われているものもある。
   それから、供用特定施設の利用状況でありますが、これはあるデータで分析しますと、1施設当たりの利用者数、売上高、雇用者数はいずれも減少する傾向にあり、また、利用者数、雇用者数については基本構想の当初見込みを大きく下回るものとなってきているということ。
   それから、政策に係る背景事情についての分析でございますが、リゾート法制定当時においては、民間事業者におけるリゾート開発に対する投資意欲の高まりがみられ、民間事業者の能力の活用に重点を置いた道府県の基本構想に基づき、総合保養地域の整備が進む条件があったと言えるが、バブルの崩壊及びその後の経済の長期低迷が続く中で、民間事業者のリゾート開発に対する投資意欲は減退し、特定施設の整備を予定していた民間事業者の撤退や、施設整備の中止・中断が生じるなど、同意基本構想どおりに各特定地域における特定施設の整備は進まなくなってきており、本政策により、総合保養地域を整備することを可能とする条件が失われてきている状況にある、という分析をしております。
   それから、国民の自由時間、滞在型余暇活動に対する需要ということで、滞在型余暇活動という概念もなかなか明確なものがあるわけではないのですけれども、現状において国民の自由時間は増大しているものの、年次休暇の取得の困難さ、不況の長期化による家計消費支出、自由時間関連支出及び旅行関連支出の伸び悩み等もあり、法立案当時の想定とは異なり、これは国内が中心でありますけれども、滞在型余暇活動に対する国民の需要は顕在化していないと言えるのではないかという分析をしております。
   こういったような分析を受けて、当方としては、こういう結果でこういう意見が言えるのではないか。意見のところはまだ、各省とも議論中でありますので、今口頭で補足させていただきますけれども、一応評価の結果及び意見ということで、こういうことが言えるのではないかという整理をしております。
   本政策による総合保養地域の整備については、以下のような課題が認められるということで、本政策立案当時は、内需拡大を図ること等が我が国の国際的な役割として期待され、その後のドル安・円高の進展、金融緩和等を背景として、民間事業者のリゾートに対する投資意欲が高まりつつあった。
   このような社会経済情勢の下でリゾート法が制定され、同法及び主務大臣が策定した基本方針に基づき、平成10年1月までに、41道府県で42の基本構想を作成し、主務大臣による承認を受けて、各特定地域において整備が行われている。
   おおむね10年間程度を目標として、計画的な整備に努めることとされていたけれども、大半の同意基本構想が10年を経過した段階でも、整備予定特定施設のうち、整備が完了し供用された特定施設の割合が最も高い特定地域で52%、平均では20%程度にとどまっているということで、いずれの特定地域も、法、基本方針及び基本構想において想定されたように総合保養地域の整備が進んでいない。
   また、13年1月現在、各基本構想に掲げられた特定施設のうち未だ整備に着手するまでに至らないものが76%あり、特定施設の整備を特に促進することとされ、特定施設の整備が確実と見込まれていた323重点整備地区において供用された特定施設が全くない55地区を含め、最近の5年間に新たに供用された特定施設がない地区は半数以上ということで168地区あるなど、法、基本方針、基本構想において想定されたように総合保養地域の整備が進む状況にない。
   特に民間事業者による特定民間施設の整備は、同意基本構想どおり進まなくなっており、税制、資金及び財政面の支援措置についても利用されなくなっており、支援措置の中には廃止・縮小が行われているものもある。
   バブルの崩壊及びその後の経済の長期低迷が続く中で、近年においては、供用特定施設における1施設当たりの利用者数、売上高、雇用者数はいずれも減少傾向にある。また、大規模施設を運営している第三セクターや民間事業者などの施設の運営において、経営状況の悪化、倒産等により閉鎖・休止する特定施設が平成12年度までに131施設あり、10年度以降増加する傾向にある。
   また、本政策立案当時においては、国民の自由時間が増大する傾向にあることにより、余暇時間の増大が着実に進み、それに対応して滞在型の余暇活動への需要が顕在化してくることから、長期滞在型、これは平成5年の国土庁の報告書では1週間程度ということにされておりますけれども、リゾート施設の整備の必要性が増大するとの認識の下に、これまで総合保養地域の整備が進められてきている。
   しかしながら、昭和62年から平成12年までの間についてみると、国民の自由時間は増大しているものの、国内の宿泊観光レクリエーションの動向については、平成4年以降、1人当たりの旅行回数、宿泊数は減少傾向にあり、また、1回当たりの平均宿泊数は2泊を下回る程度の実績で推移している。
   このように、本政策の立案当時想定されたようには、国民の滞在型余暇活動に対する需要は顕在化していない。
   したがって、どういう結論になるかというところについてでありますけれども、現在、関係省との間で議論しているところにおきましては、ここのところは、本政策を引き続き実施する合理性は乏しく、主務省においては、その廃止に向けて所要の措置を講ずることが必要ということで、一応各省に意見を求めるということをやっております。
   我が方としては、廃止に向け、では具体的にどういうことをやるかとか、所要の措置はどういうことをやるかというよりは、まず、こういう考え方を打ち出したときにどういう問題があるかということで各省と議論して整理してみようということで整理を始めた段階でありまして、今回これについて方向性として委員会にお諮りするということもあって、主務省はどういうことを言っているかということについて整理する必要があろうということで、御説明させていただきます。
   主務省の意見の主なものとして、まず、主務省の方が言っておりますのは、政策目的に照らしたアウトカム評価を実施すべきだということで、リゾート法1条にあるとおり、ゆとりのある国民生活のための利便の増進並びに当該地域及びその周辺の地域の振興を図ることが政策目的である。したがって、政策目的であるゆとりのある国民生活の実現、地域の振興という観点から、政策効果の把握を行うべきである。整備の度合いだけでなく、政策目的の達成の状況について検討し、供用された施設の利用状況、地域経済への波及効果など実証的なアウトカム評価も行うことが不可欠であると考える。
   それから、地域ごとの実態に即した評価の実施ということで、総合保養地域の整備は、様々な政策が採られているが、周辺環境や地域の状況に差異が大きく作用し、「地域の振興」という観点からアウトカム評価を含めた政策評価を実施する際は、ケーススタディなどを実施することにより、実態に即した評価を行う必要があると考える。
   それから、総合保養地域整備法に基づく政策に則って、地域の活性化に努力し、成果を上げている地域も、雇用面や地域経済面についてあり、地域の努力に水をさすことのないよう、地域現場の動向を十分に踏まえたものとすべきである。
   それから、供用特定施設、先ほど1施設当たりで我が方はまとめていると申し上げましたが、これについての意見として、供用特定施設1施設当たりで論じているが、供用特定施設の規模は様々であるので、1施設当たりで論じることに意味があるのか。利用状況、売上高、雇用状況などの各種指標による評価は、それぞれの指標の全国の動向や他の地域の動向等との比較分析が必要ではないかということ。
   それから、滞在型余暇活動に対する国民の需要も、先ほど我が方はこういうことということは申し上げましたけれども、これに対する意見として、法や基本方針においては、滞在型余暇活動は1週間程度のものに限定しておらず、1泊2日程度の週末滞在型の余暇活動も含まれる。滞在型の余暇活動に対する国民の需要については、これらも含めるべきである。総理府の世論調査では、平成11年8月ですが、滞在型の旅行に係る意向として、20代から50代までの各年代とも、滞在型の旅行をしたいと思う人は50%を超えている。顕在化していないという論旨を仮にとられるのであれば、顕在化していない国民のニーズを実現させていくのが政策ではないか。それから、観光振興に関する副大臣会議というのが最近開かれているわけでございますけれども、「休暇の長期連続化、分散化を通じた日本型長期家族旅行の普及、定着」、「国民のニーズの多様化に応えられる、地域の多様な資源を活用した観光交流の空間づくりの推進」を提言しており、関係省庁において、観光振興を推進している。また、平成14年6月より、観光対策関係12省庁で、「ゆとり休暇」取得促進に係る共同広報などを行っている。さらに、都市と農山村交流や「グローバル観光戦略」の策定など、各省庁一体となった観光振興を進めている状況を踏まえた提言とされたい。
   それから、特定施設、重点整備地区、特定地域の見直し、地域間交流促進等の今後の取組との関係ということで、リゾート法に基づく政策に則って、地域の活性化に努力し、成果を上げている地域もある。雇用面や経済面である。今後、本政策の下で、各地域の特定施設、重点整備地区、特定地域の見直しを適切に行い、実現性を踏まえて整備するとともに、地域の独自の魅力の追求、運営・経営上の工夫、人材の育成、地域全体の連携強化といった機能の充実、それらの機能や施設を活かした地域間交流の促進等の取組を進めていくこととしており、これらの状況を踏まえたものとすべきである。
   それから、地方分権改革推進会議、政府の「国と地方に係る経済財政運営と構造改革に関する基本方針」、閣議でやられたものですけれども、それとの関係ということで、地方分権改革推進会議で、リゾート法に関して、「総合保養地域整備の在り方について、政策評価や『総合保養地域に関する懇談会』の検討結果等も踏まえ、見直しを検討する。その際、この間における社会経済情勢の変化を踏まえ、今後の進捗の見込みがなく、実現性が乏しくなっている地域の同意基本構想については、廃止される方向で整理する」との提言がなされたところである。また、この内容については、平成14年12月24日の閣議において政府がとりまとめたところであり、これらの状況を踏まえたものとすべきである、という意見を言っているというところでございます。
   それで、「総合保養地域に関する懇談会報告について」というものがございます。これは、今ここで説明しました地方分権改革推進会議の提言において、「懇談会の検討結果等も踏まえ」というふうに最後のところで記述があったわけですけれども、この懇談会でございます。
   この懇談会報告の性格でございますが、国土交通省において平成13から14年度に実施している「政策評価、総合保養地域の整備、リゾート法の今日的考察」ということで、これに、第三者から示された専門的知見からの助言として反映させるということで出されたものでございます。
   当方には事前に何の連絡もありませんで、昨日公表されたわけですけれども、これの中身がどうかということは、またこの主務省との意見をいろいろやっていく中で参考にしていくということしか、本日のところは申し上げられないわけですけれども、これでどういうことを言っているかということについては、概要ではありますけれども、今後の施策はこういうことだということは、この懇談会報告の中ではこう言っているということがございます。
   特定施設重点整備地区基本構想自体の削除や、廃止も含めた再検討、政策評価の定期的実施ということをやっていくということとか、整備の工程表の策定とか、そういうのを現状、こういう認識に基づいてやっていくということでございます。
   つくりとしては、評価をどういうふうにやっていくかということについての報告書のつくりになっているようでございますが、これについてはまたちょっと、一応本日のところは参考までにお示しさせていただいたということで御了解いただきたいと思います。
   また、昨年6月の分科会でいろいろ意見をいただいたわけですけれども、我が方としては、それは大きく、6月の方向性を示したときには3点の意見をいただいたのではないかというふうに理解しております。
   一つは、政策に係るトータルの費用、コストを把握して、ベネフィット、便益等比較すべきではないか。それから、二つ目が、本政策と社会経済的環境の変化をどのようにとらえるのか。それから、三つ目が、国が奨励策、プロモーションのための政策を実施することがどのような影響をもたらしたか。この三つでございます。
   これに関しての当方の、この分科会でいただいた意見についての認識というものは、以下のように考えているということを整理しておりまして、まず、総合保養地域の整備に関わる費用については、供用特定施設の整備に係る事業費、税制上の特例措置による減税額、政府系金融機関による融資額、第三セクターへの出資額などについては把握していて、これらをもとにした記述を行っているわけですけれども、整備中の特定施設に係る整備事業費、総合保養地域の整備に関連して実施されている道路、下水道等の関連公共施設の整備事業費等のデータが把握できなかったので、結局コストを整理して分析するということはできなかったと整理しております。
   それから、リゾート法の目的である、ゆとりのある国民生活のための利便の増進、地域の振興ということでございますが、これに関わる効果のとらえ方が、本政策においては必ずしも明確なものが示されていないということで、総務省行政評価局も、独自に何かつくれないかということで検討はしたわけですけれども、効果としてとらえられる指標を見出すことはできなかった。便益の面からは、供用特定施設に関わる利用者数、売上高、雇用者数等については、あるデータからその推移を施設数の推移と対比して整理分析を行ったということでございます。
   それから、本政策と社会経済的環境の変化とをどのようにとらえるのかということについての整理は、説明は省略いたしますが、一応我が方としては、1枚紙にまとめたとおり、背景事情はこういうことだということで整理を行ったものというふうに理解をしております。
   それから、三つ目の、国が奨励策、プロモーションのための政策を実施することがどのような影響をもたらしたのかということに関しては、国においては社会経済情勢の変化に対応した基本方針の見直しを行う仕組み、これは仕組みの問題としてはそういう仕組みとか、基本構想に対する承認を行う時点で、基本構想の熟度、特定施設の整備の実現可能性についてチェックをする仕組みがあったわけですけれども、実際には計画どおりに総合保養地域の整備が進まない状況が続く中で、基本方針の見直しというのは行われていませんので、昭和62年につくった基本方針の流れの中でまだやり続けているという状況にあると。また、実際に基本構想の見直しを行うか、実際に特定施設の整備をどのように進めるかというのは、基本構想は地方公共団体の責任でつくる、それから、事業を行うかどうかは事業者の判断ということになっていますものですから、主務省が本政策を総合的かつ計画的に進めていくことで所期の効果を上げているかという観点で国から見ていきますと、このあたりは抜け落ちざるを得ないということで、限界があるということを御理解いただいて、その上で、必要があることはやっていく必要がある、というように考えているところでございます。
   今現状を申し上げれば、この1枚紙で申し上げましたような把握状況というものをベースにして、この情報量、分析の状況ということを踏まえた上で、評価の結果、意見というものをまとめていかざるを得ないと考えておりまして、この評価結果で、今申し上げましたような、廃止に向けてとかということが言い得るのかどうかと。それから、引き続き実施する合理性が乏しいということが言い得るのかどうかということ、そういう意見が言えるのかどうか。あるいは、どのような意見なら言えるのかどうかと。
   また、御紹介しました各省の意見の主なものについて、こういうところはこういうことがあるのではないかというコメント等を、本日の委員会でいろいろいただきまして、当方としては、それらを参考にさせていただいて、評価結果をできるだけ早く取りまとめていきたいと考えているところでございます。
   説明は以上でございます。
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。
   それでは、もう一つ、神谷評価監視官の方から説明をお願いします。
○神谷評価監視官 
   厚生労働担当評価監視官の神谷と申します。私からは、「障害者の就業等に関する政策評価」について御説明申し上げます。
   この政策評価は、平成13年8月に本省レベルでの調査を開始しまして、その後、現地レベルでの調査を行いまして、本年度に入りましてから、分析、取りまとめを行ってきたものでございます。
   今日は、我々担当の方でこの政策評価の結果の取りまとめ案を作成しましたので、御審議いただきまして、今日の御審議を踏まえつつ、最終的な取りまとめをしたいということでお願いしているものでございます。
   資料としましては、3種類お配りしてございます。説明資料と図表などの参考資料、それから、「障害者の就業等に関する政策評価書(案)について(概要)」、その三つでございますが、時間の制約もあるということで、三つ目の概要を中心にポイントを説明し、必要に応じ、他の資料を参照したいと思います。
   概要の1の「評価の対象及び観点」でございますが、障害者対策全般につきましては、関係省庁が集まって策定します障害者対策に関する新長期計画、10年間をタームとしました長期計画等を中心として推進されております。その中に書かれております障害者の就業等に関する政策につきまして、関係行政機関、具体的には文部科学省と厚生労働省が講じている政策が総合的に実施されることにより、効果を上げているか等について評価するというものでございます。
   評価の方法、手順でございますが、まず、障害者の就業に関する政策は、障害者の社会的・職業的自立の促進等を目的として実施されております。
   これを踏まえまして、実情を見ますと、多くの障害者の方が盲・聾・養護学校の高等部、健常者ですと高等学校の段階に当たるものですが、そこまで進学されていて、その段階での教育を受けた上で、さらに進学、あるいは卒業し、就職されている。そうした方が多数おられるという状況を踏まえまして、この盲・聾・養護学校の高等部、それから、高等部を卒業して就職されまして、その職場での適応・定着という、この段階、これが重要であるということで見ていくということでございます。
   教育の側から学校教育、具体的には進路指導ですとか職業教育。それから、労働行政の側から、職業リハビリテーション、これは一般の方ですと、職業紹介、職業指導、職業訓練等に当たるものですが、障害者の方につきましては、より濃密に支援していく必要があるということで、障害者の方がどのような職業、職域に就く可能性があるかという職業評価から入りまして、手厚い職業指導、職業訓練、職業紹介、さらには、就職してからも、職場に適応・定着されるために、障害者の方、あるいは就職された事業所の方へ指導・支援を行っていくわけです。このような一貫した取組を行っており、職業リハビリテーションと称しておりますが、この職業リハビリテーションの側と学校教育側からの取組が総合的に行われて、効果を上げているかということを見ていくわけでございます。
   中でも、知的障害者は若年の障害者の半数以上を占めること、それから、身体障害者に比べて、就業について、だんだん改善されてきてはいるもののいまだ厳しい状況の下にあるということから、知的障害養護学校の高等部、及び、その卒業後を中心に分析しております。
   具体的な場面としましては、学校教育、養護学校の側と、職業リハビリテーション機関の側では、公共職業安定所、地域障害者職業センターとが連携協力をする場面を取り上げております。4場面ございます。
   一つ目の場面は、養護学校の生徒に2学年次の前半に、地域障害者職業センターの職業評価を受けてもらう。これによって、養護学校が生徒の職業能力、適性等を把握するのに資するというものです。
   二つ目の場面は、養護学校の3学年次の初めですが、生徒の進路を一応決定して、いろいろな準備活動を始めていくということで、生徒、保護者、養護学校が集まって進路相談、就職を希望される方については職業相談になるわけですが、これを実施します。この場合に、公共職業安定所が情報を提供したり、直接相談に参加するといいますか、加わるというものです。
   三つ目の場面としまして、養護学校で現場実習を行います。特に知的障害者の方は、座学だけではなくて、事業所の現場へ赴いてそこで実際の仕事を手伝ってみると、そういうことによりまして職業能力のアップも図れますし、社会の中での適応性も向上していく。そういうことで現場実習を含む作業学習という形態が重視されておりますが、その現場実習先の開拓に当たって、公共職業安定所等が協力していくというものです。
   それから、四つ目の場面としまして、卒業して就業された障害者に対して養護学校の側からと公共職業安定所の側から、両方から、職場への適応・定着の支援を行う。
   この4場面について、見ていくことといたしました。
   次に、具体的な分析、それから効果の把握ですが、3ページを見ていただけますでしょうか。政策効果の把握の例としまして、「養護学校における職業評価の利活用」が事例として挙げてございます。
   問題意識としましては、養護学校が、障害者の職業リハビリテーションの専門機関である地域障害者職業センターの職業評価を利用し、その評価結果を利用し、その後の職業教育・指導、例えば現場実習等を的確に実施することにより、生徒の就業可能性の増大、卒業後の社会生活、職業生活への円滑な移行等の良い影響を与えることが期待される、ということで分析したわけでございます。
   表を見ていただきますと、職業評価の結果として、二つの指導区分がございます。生徒がどちらの指導区分か、さらに、何回の現場実習を受けておられるかということで表を作成してございます。
   職業評価結果ですが、セクションI1は、直ちに職業に就くことが適当であると判断される生徒でございます。セクションII2は、必要な訓練や教育を受けることによって、初めて職業に就くことが適当であると判断される生徒でございます。
   さらに、現場実習の履修回数で分けて就職率を見ていきますと、セクションI1とされた生徒につきましては、一定程度以上の就職率が確保されていると考えられるのに対しまして、セクションII2の方につきましては現場実習履修回数が0回、1回など、回数が少ない方については低い就職率になっているということが分析結果の一つでございます。
   さらに、表の一番右を見ていただきますと、セクションI1の生徒の平均の現場実習履修回数は1.74であるのに対して、セクションII2の生徒については1.46回であり、セクションII2とされた生徒の方が少なくなっているわけですが、これは少しおかしいのではないか。セクションII2の方は、訓練や教育を受けることによって初めて職業につくことが適当であるとされているのに、現場実習の履修回数が少なくなってしまっているのではないかということで、結論としまして、このことは、職業評価の結果に基づき、必要な訓練や教育を受けることが適当と判断される者に対して現場実習を手厚く実施することにより、これらの者の就職の可能性が高まることを示しているとしております。例えばこのような分析の仕方を4場面に対して行いました。
   こうした分析の結果としまして、評価の結果及び意見については、次のとおりとしたいと考えております。
   評価の結果としましては、養護学校の生徒の「職業能力・適性等の評価」、「進路相談(職業相談)」、及び「現場実習」、並びに、就業した卒業生の「職場適応・定着の4場面」、各場面において、養護学校と公共職業安定所、地域障害者職業センター等労働関係機関の連携協力に係る政策効果を把握した結果、両者が連携協力して生徒・卒業生に対して指導・支援を総合的に実施していくことが、生徒・卒業生の就業の促進や職業生活への適応・定着に効果を上げることが示されたということでございます。
   関係行政機関である、文部科学省及び厚生労働省に対する意見の案は次のとおりです。
   関係行政機関は、今後における本政策の実施に当たり、次の点について十分配慮する必要がある。
   一つ目は、盲・聾・養護学校の高等部及び公共職業安定所、地域障害者職業センター等労働関係機関は、本政策評価の結果を踏まえ、必要な各場面において連携協力を図り、生徒・卒業生に対して総合的な指導・支援が行われるよう努めること。
   養護学校の数で言えば68校ほど見てまいりました。さらに統計的分析を主にしたわけですが、見てみますと、中には連携協力が十分に行われていないと思われる養護学校、それから安定所等がございます。さらに、連携が実施されていても、いろいろな場面において、当省の調査結果なども踏まえながら、更に工夫していただく余地がある養護学校、安定所があるのではないかということで、こういうことを1点、言わせていただこうと思っております。
   それから、二つ目につきましては知的障害者についてですが、知的障害者が職業生活等への適応性の向上、就業の促進を図るため、現場実習が大変重要な役割を果たしているということが調査で分かりましたので、養護学校は現場実習をより積極的に実施していくこと。それから、先ほど紹介しました分析につながるところでございますが、特に地域障害者職業センターの職業評価等の結果、訓練や指導・援助による支援を受けることが適当であると判断される者等について、現場実習の履修の機会を数多く付与すること等により、その就業の可能性を高めるよう努めること。
   この2点を、文部科学省、厚生労働省に対して、意見として申し述べたいと考えているところでございます。
   最後に、1点だけつけ加えさせていただきます。この障害者の就業等に関する政策評価につきましては、昨年10月の政策評価分科会で御審議いただきまして、いろいろ意見、コメントをいただいたところでございます。
   それに関しまして当方で検討した結果につきまして、2点に要約して御説明申し上げます。
   一つは、御意見としまして、今回はこの調査で、盲・聾・養護学校の高等部、それから卒業後の職場への適応・定着支援の場面を取り扱ったわけですが、もっと評価の対象範囲、領域を広げられないか、それが無理ならば、障害者の就業の政策の中で、取り扱った領域の位置付けはどうなっているのか明確にすべきであるという御意見でございます。
   これにつきましては、当局の方で、対象範囲を広げられないかということで、既存の統計データ等を見てみましたが、当局から新たにものを申し上げる、評価結果を出すというようなことには至りませんでした。それから、新たに大規模な調査を実施するということになりますと、関係者の方に再度調査負担を与え、更に取りまとめまでに時間もかかるというような事情もございまして、領域を広げ、あるいは他の領域を扱うということについては、また別の機会にそれを実施することが可能かなどを検討していくこととさせていただきたいということでお願いしたいと思います。
   それから、どのような位置付けになるかということにつきましては、盲・聾・養護学校の高等部、及びその卒業後ということで、再度問題意識を明確にしたところではありますが、参考資料の1ページ目を見ていただけますでしょうか。障害者対策全体の中でも、今回取り扱った領域を位置づけてみました。障害者対策は、表題の下に二つ理念が書いてございますが、障害者のライフステージの全ての段階における全人間的復権の実現という「リハビリテーション」の理念と、障害者が障害を持たない人と同等に生活し、活動する社会の実現という「ノーマライゼーション」という理念のもとに実施されているわけでございます。今回は、障害者の就業等に関する政策ということで、その中の、障害者の社会的自立、職業的自立の促進、支援ということに絞らせていただきました。それから、障害者対策の中での位置づけでございますが、左側の長方形の三つの枠を見ていただきたいと思います。その中でも一番大きな枠、我々が今回取り扱った領域であるのでちょっと詳しく書いてあって大きくなっておりますが、「社会的自立を促進する」。その下の長方形の枠に、「地域の中で共に生活する」。それから、一番下が、「社会生活環境の整備等」、バリアフリーなどを含むものですが、このように整理させていただきまして、その中で、社会的自立を促進する、特に就業の関係を取り扱いますので、社会的自立、職業的自立を促進する場面を見るということでございます。
   これにつきましては、教育面からの施策と、雇用、就業面での施策がございますが、今回は後期中等教育段階の教育、それから、労働行政の側からの職業リハビリテーション、それらが総合的に実施され効果を上げているかどうか、さらに連携協力を図るべきではないかという視点から見させていただいたわけでございます。
   それから、コメントの二つ目でございます。
   一昨年の12月に、特殊法人等整理合理化計画が出されまして、その中で、地域障害者職業センターの設置運営を行っております日本障害者雇用促進協会につきましても、独立行政法人化するということが決定され、さらに職業リハビリテーションについて、厳格な外部評価を実施するという方針が出ております。この厳格な外部評価ということと、今回の政策評価とうまくマッチさせるような形で提言できないかという御意見でございました。
   そこで、この外部評価がどのようなスケジュールで進んでいるのかということを確認しましたが、それにつきましては、日本障害者雇用促進協会が15年10月に独立行政法人化されてから本格的な検討実施が進められるということで、まだ外部評価の方が着手がされていなかったということで、取り入れることができませんでした。
   以上でございますが、このように取りまとめましたので、御審議いただきたいと思います。
○村松委員長 
   それでは、先ほど申し上げましたように一度、5分間休憩をして、その後、質疑応答ということになりますけれども、多分その間に大臣がお見えになると思いますので、ごあいさつをいただきたいと思っております。
   では、今から皆さんの時計で5分間、休憩ということでお願いします。

(休憩)

○村松委員長 
   国会審議の御多忙の中でございますけれども、片山大臣にお越しいただきました。ごあいさつを頂戴したいと思います。よろしくお願いします。

[片山大臣あいさつ]
○片山大臣 
   それでは、一言ごあいさつを申し上げます。
   委員の皆様には、2期目の委員も快く御了承いただきまして、今日は2期目の第1回目の会合でございますけれども、御多忙の中、御出席を賜りましてありがとうございます。心からお礼申し上げます。
   国会の方が予算委員会なものでなかなか抜けられなくて、もうほっとしました。地獄から極楽に来たようで大変喜んでおりますけれども、第1期目にはいろいろと当委員会として御活動を賜り、2回にわたり御意見をいただきまして、大変ありがとうございました。
   今、内閣の中では、政策評価、あるいは独立行政法人の在り方についての認識が進みまして、経済財政諮問会議も、今後の予算編成にこの委員会、あるいは委員会の活動を是非活用しようと、こういう空気になってきております。
   私は、是非一つのルール、仕組みをつくりたいと、こう考えております。また委員の皆様には何かとお願いすることが多かろうと思いますけれども、我が国で初めて行います政策評価、独立行政法人評価というものについても、今後とも御指導、御支援、御協力を是非お願いいたしたいと思っております。
   今日はありがとうございました。簡単ですがごあいさつとさせていただきます。
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。
   ただいまの大臣の御意見、あるいは少し要請も含まれていたかと思いますけれども、踏まえまして、審議に取り組んでまいりたいと思います。
   ここで、大臣は退出されます。
○片山大臣 
   それでは、すみません。
○村松委員長 
   それでは、再開したいと思います。
   先ほど二つの案件について御説明がありました。二つでございますので、やはり別々に御意見を伺ったほうがよいかと思います。まずリゾート地域の開発・整備に関する政策評価の方から始めたいと思います。
   いつものように、どなたからでも御意見をお願いしたいと思います。どうぞ、木村委員。
○木村専門委員 
   それでは、リゾート法について3点ほど申し上げたいと思います。
   第1点は、主務省の意見についてですけれども、いろいろなところで成果を上げている地域もあるというものが出てきております。それで、このように一つのトピックを選んで評価するときに、主務省が成果を上げている地域もあるというような意見を出してきた場合に、相手方に立証してもらうというか、どういった点から成果を上げていると言えるのかというデータも、きちんと出していただくということをするのがよいのではないかと思います。というのは、スタッフの方々が限られた人員の中でこういう評価を行われるわけですから、相手方に立証というのを求めるのがいいのではないかということです。
   2番目は、自治体の意見ですね。実際にリゾート開発に関わった自治体の意見や反省点というのも、是非聞いておく必要があるのではないか。実際には、やはり不良債権が残って、大きく傷ついた自治体、過疎地の財政力の弱いところでも傷ついた自治体というのがあるのではないかと思っております。主務省だけではなくて、実際の自治体の意見も是非聞いていただきたい。
   それから、あと一つは、この政策評価をする上で、日本国土の中でこれだけの地域を選んだ妥当性についてです。幾つもの地域を同時に選んでありますけれども、日本の開発の一つの欠点として、横並びが大きくて、かえって一つのところの効果が出にくいということもあると思います。ですから、これだけの地域を同時に選んだことの妥当性という点も検証すればいいのではないかと思います。
   以上です。
○村松委員長 
   担当者として、今のことについて御説明をいただけますか。
○熊埜御堂評価監視官 
   今の委員の御指摘、ありがとうございました。
   主務省の意見について、今日は紹介、本当にこの委員会のためにまとめて紹介した話ですので、これの内容がどういうものかということについては、我が方としてきっちり明確にしていく責任があると思っておりますので、それについてはそういうふうにやってまいりたいというように考えております。
   成果を上げている地域もさることながら、この意見、詳細はまた、意見をやり取りすると非常に細かい話になるわけですけれども、そういう問題意識を持ってやってまいりたいというふうに思っております。
   それから、自治体については、ある程度主務省とまとまった後で、こういう結論でどうかということは聞きたいと思っておりますので、これはちょっとその後で、余り早い段階で聞くとまたいろいろ混乱のもとにもなりかねませんので、もう少し主務省との意見を詰めた後で、自治体も全部というわけにはまいらないと思いますが、ある程度聞きやすいところから聞いてみるということは試みてみたいというふうに考えております。
   それから、これらの地域を選んだことの妥当性ということに関しましては、奥野誠亮さんの著書を読んでも、何か五つぐらいだと思っていたら40できてしまったみたいなことが確か記述であったと思いますし、そういったような、当時の政策責任者もそういうふうに言っているということもありますので、そのあたり、今の段階で政策評価の検証としてどういうことが言えるのかということも含めて、主務省と議論してまいりたいというふうに考えております。
○村松委員長 
   木村委員の御発言の中で、効果があったと主務省が言う場合に、挙証責任は先方にあるというように言っておられましたけれども、その辺のやり取りも、大体そういうふうに進んでいるのですか。
○熊埜御堂評価監視官 
   それに関しては、まだ、一報としてこれを言ってきただけですので、これが論拠があるかどうかと、成果を上げているのはどこか、どういうものかというようなことを議論していきながら詰めていくということになると思います。
○村松委員長 
   そうですか。どうぞ。
○吉野専門委員 
   幾つかあるのですが、一つは、これは13年間経過してこういう評価になったわけですけれども、より早いタイミングでこういうことを見直すためには、他の政策も同様ですが、今後どうしたらいいかということを是非結論の中に入れていただければと思います。これから、いろいろな政策が、ある時点で転換しなくてはいけないけれども、転換できないという場合に、何がネックなのかという点はこれからの政策にとって非常に重要だと思います。是非そこはお願いしたいと思います。
   それから、2番目は、結論のところで、一律に廃止とか、やめろというのが一番簡単な結論だと思いますが、恐らくこの42の基本構想の中で、まだ、こうすればうまくいくというところがあるかもしれないと思います。例えば、私はこの分野は全然知らないのですけれども、アジアの人は雪を見に来たい、スキーをしたいとかということがある。そうなれば、日本国民を対象としないでそういう地域をアジアの人たちのために開放すればいいでしょうし、あるいは欧米の人たちにこういう施設を使ってもらうとか、そういう形で、せっかく作ったものをどうすればうまく利用できるか。そのように個別にもう少し見ていただいて、ここは廃止し、こういうところはやる方がいいというふうに結論を出していただければ一番よいのではないかと思います。
   それから、最後は、いろいろヒアリングした中で、ある金融機関の方から聞いたわけですが、このリゾート法ができるときに、首長や県の方々が民間金融機関に対して、是非ここに融資してほしいと。これは県の目玉としたい、あるいはこの地域の目玉としたいと。金融機関の方というのは、非常に躊躇されていたわけですね。ところが、それをどうしてもやってくれと言われて貸したところが不良債権になったとか、その人たちに文句を言おうと思ったら、もうその人たちは既に役職を辞めているというわけですね。今や金融庁に、何でこんな融資をしたという、そういう話も私は聞きました。ですから、先ほど木村委員が、いろいろな傷ついた自治体とおっしゃいましたけれども、恐らく傷ついた金融機関というのも相当あると思いますので、そういうところも、もしヒアリングで聞ければ、是非お願いしたいということです。
   逆に言いますと、こういうことをやったことで、それが日本の不良債権にどの程度結びついてしまったのかということも、マクロ的には重要な視点ではないかと思います。以上です。
○村松委員長 
   ありがとうございました。
   第1番目の指摘は、およそ政策の効果を、リゾート法に限らず、有効か無効か、何かの方法で判断する仕組みというのが要るという御指摘かなと思います。これはちょっとここだけで議論するのはしんどいなという感じがしますけれども、その点も、もしできれば何か。例えば、御経験の中で、こういうことに気づいたということがあれば、それは一般化できるかもしれないので。
○熊埜御堂評価監視官 
   今の吉野委員の御指摘でございますが、まず、より早い段階で見直しをどうしたらよいかということに関しては、この政策も、実は平成5年の段階では行政監察もやっているというようなこともあったり、それから、いろいろなこと、研究会報告も平成5年にやっているとか、その時点ではまだ経済状況はどうだったかということもあるのかもしれませんが、現在、政策評価というスキームの中でどういうふうにやっていくかということに関しては、我が方は今後の、このテーマに関しての議論展開ではありますけれども、廃止ということとか、政策の妥当性とかいう中で、どこが妥当でないのかとか、どこをどう変えていけばいいのかとかいうことを議論しながら、政策の転換ということもしくは見直しということに、何らかの素材を提供できるというところに結びつけることができないかということも含めて、考えてまいりたいというようには思っております。
   ただ、いかんせんリゾート地域の話ですので、それが他に応用動作が効くかどうかというのは、ちょっとまだ今の段階ではよくわからないところがありますけれども、そういう今の委員の御指摘も念頭に置きながら、詰めていきたいと思っております。
   それから、2番目の御指摘で、こうすればうまくいくところがあったのではないか、個別にみていくということに関しては、正直申し上げまして、もう今の段階まで来て、また個別のところをみてどうのこうのということまで申し上げるような余力はほとんどないという感じはあるのですが、ただ、国土交通省の方も、政策評価でこういうことを言っているとか、こういうことはということが、懇談会報告、またそれを受けた政策評価がいつ出てくるかわかりませんが、そういう流れもありますので、個別にみていくということよりも、こういう方向で見直しをするというところは必要なことがあるのではないかと、こういうふうに変えていくべきなのではないかというようなことを何らかの形で指摘し、次につなげていくということができないかという方向で模索をしていきたいというふうに考えております。
   それから、金融機関との関係というのはいろいろと、不良債権云々という話は聞くのでございますが、なかなかこれも、実証的なデータとしてどうだということになると難しいところがあって、6月の分科会当時でも御指摘があったことをいろいろ考えたのですけれども、なかなか難しかったということがあるのですが、リゾート法のどこが問題だったのかということを示す中でどういったことが言えるかというようなことで、少し関係省とも議論しながら考えていきたいというふうに思っております。
○村松委員長 
   永井委員、どうぞ。
○永井委員 
   このリゾート法につきましては、法律が制定された直後からもう既にいろいろな問題点があるということは指摘されておりました。ですから、見直しについては、やはりしかるべき時期にやるべきであったと思います。
   それと同時に、今朝でしたか午前中のニュースで、国土交通省が報告を出しておられまして、今現在、施設ができ、実際に利用されているのは全体の2割だという報告がございました。したがって、その他のところは、もうある意味では市場の中での勝敗がついているのだと思います。残ったところをどのようにうまくやっていくのかということが一つ。それから、実際にはこの法律そのものの目的は、私どもの余暇も増えるわけですし、こういうものがあってしかるべきだとは思うのですけれども、しかし、その事業手法について余りにも知恵がなさすぎた。全体的にデザインが非常に貧弱であったと。こういうプロジェクトというのは、本当に客が来るのか来ないのかという点がなかなか予測がつかないことではあるのですけれども、やはりもっと慎重に、知恵を出した事業計画であるべきだったのではないかなと感じます。
   それから、最後の、何のためにやったのかというところなのですが、地域振興とか波及効果というのが目的だったわけですね。これに対してどうであったかというような評価測定というのは、なかなかできないというお話もあるのですけれども、やはりきちっとすべきではないかなと感じます。以上です。
○村松委員長 
   ありがとうございました。関連して何か。金本委員。
○金本臨時委員 
   まず、政策評価の中身は何かということについて、もうちょっと政策評価らしいものが必要ではないかということがあります。
   それともう一つは、事務局から説明があった結論の部分ですけれども、政策評価によって何らかの結論を出すというときには、やはり論理必然性がないといけないと思うんですね。
   今の事務局の分析、それから、それによる結果の案のようなものについて、そういう必然性のある論理があるか、廃止すべきだという論証があるかというと、ないのではないかなという気がしています。廃止すべきだというのは、その法律があることによってコストの方が便益よりも大きい、有害だということが言えないと、政策評価としては論理の必然にはならない。
   もちろん、ここの委員の方々等が、廃止すべきだと、だから、という言い方はできると思うのですが、政策評価としてこういう評価だから廃止すべきというのはまずいのだろうという気がしております。
   あと、国土交通省の報告書については、私もちゃんと見ていませんが、それはある意味で逆のことも言えるだろうと。法律は継続すべきだと言ったとすると、行政担当者として言うというのはいいかもしれませんが、政策評価として、こういう評価があるから、論理必然として継続すべきだと言うまでのロジックはできていないという気がするんですね。その辺を、やはり注意してまとめていく必要があるのだろうという気がしています。
   ですから、分析があって、その結果、論理必然的にこういうことをしなければいけないという格好でなるべく書いていく。それで書けないことは書かないといった規律がないと、政策評価というのは何かふわっとしたもので、みんながいいかげんな結論を出しているというふうになってしまうのではないかという気がいたします。
○村松委員長 
   どうぞ。
○山本専門委員 
   今の金本委員の御意見とも少しは関係いたしますが、当委員会として、どういうものがアウトカムとして効果があったかどうかという、一つのテクニカルな方法なのですが、実はかなり危ないなという点があると思います。FAZは今回国土交通省が報告書で述べている論理というか、手法的なアプローチをとっているわけですね。すなわち、似たような地域で、FAZがあるところとないところとを比較するということです。
   それに対して、今回のリゾートに関する政策評価のアプローチというのは、目標と実績を比較するという手法をどちらかというと総務省、我々の評価委員会はとろうとしているわけですね。
   それは、両方ともかなり危ない、国土交通省もこっちもかなり危ないところがあって、実は当該政策以外について、類似性がどれぐらいあったかどうかというのが、実はFAZの件でも、まだ若干問題が残っていると私は個人的に思っています。国土交通省もそういう意味においては単純に全体の特性、全国と当該の指定があったところとの比較をしておりまして、それも非常に問題があるわけですね。
   特に、特定施設の、平成6年から10年間において新たに供用されたところが入った格好で、全国平均で比較しているという意味においては、かなりバイアスがかかっているわけですね。多分、全国平均の伸びというのは、当然、保養施設ですからたくさんつくるということそれ自体が一つの目的に入っているわけです。その増加率と、全国的な宿泊、利用施設の増加率は明らかに違うわけです。それは、国土交通省のレポートを読むと、うそではなくてちゃんとリマークはしてあるわけですよ。リマークはしてあるけれども、比較しているのは単純な平成6年と平成13年の比較だと。そういう意味においては、国土交通省の全国平均よりは上回っているからいいという論理展開も非常に危ないところがあるのですが、それと同じようなことは、今、金本先生が御指摘されたように、当委員会のアプローチについても見受けられるわけですね。
   したがって、やはり我々としては、評価の専門家だと世間から言われているわけですから、もう少し外部的な審査というか、専門家の目に耐えうるような、例えば当該保養施設等の立地環境と、他のところがどういうような位置付け、状況にあるのか、挙証責任は国土交通省なら国土交通省でもいいと思うのですが、そこら辺をもう少しやる必要があるだろうと思います。
   いずれにしても、国民が見た場合に、我々評価委員会のアプローチというのが、FAZの場合は類似的な比較であって、リゾートについては目標と実績の比較で、両方とも他の要素が正しければいいのですが、そういう意味において単純なアプローチだという点が、両方ともちょっと気になっていまして、日本の全体の評価の底上げのためにも、もう少し専門的なアプローチが必要ではないか。専門委員の立場から。国土交通省のこのアプローチもかなり危ないところがあるという気がしております。
○村松委員長 
   まだ関連した御質問があるでしょうけれども、永井委員から幾つかのポリシーに関する御指摘や、地域振興への波及といったようなことも測定できないかという御意見がありました。金本委員はコストのことを指摘しておられるんですね。山本委員の御意見も関連があると思うのですけれども、どのように進めてきたのか、分析の可能性ですね、そのあたりはどうお考えですか。
○熊埜御堂評価監視官 
   すみません、かなり多量のことを言われたので、私自身、十分にこなしきれているかどうかという話がありますけれども、ちょっと一つ一つトレースしていきたいというふうに思います。
   まず、永井先生からの御指摘で、法律を制定した直後から問題点があって、見直しはしかるべき時期にやるべきであったのに、今現在利用されているのは2割しかないと、残ったところをどうやっていくかということが問題なのではないかということの御指摘と、それから、事業手法について知恵がなさすぎたということで、もっと慎重に事業計画をみるべきだったのではないかと。地域振興とか波及効果というのが目的で、これに対してどうであったのかというような評価測定をきちんとすべきでは、というような御指摘があったというふうに私は受けとめたのですが、永井先生の御指摘、ごもっとものところもありまして、私どもとしては、こういう問題があったということ、また、事業手法が問題だったのではないかということは認識はしているわけですけれども、結局、政策評価としてどういったような効果の把握ができるか、それから、どういう論証ができるかというときに、言えることだけ言っていくと、このような状況になっているということでして、この状況の論理の弱いところ、また問題があるところについては、また、この御指摘も踏まえながらちょっと補足をしていき、主務省とも議論しながら補充、補強をしていきたいというように考えているところであります。
   それから、金本先生の御指摘は、政策評価の中身について、政策評価らしいものにするためには論理必然性が必要であると。それで、廃止すべきというには、コストが便益より大きいということが言えるということが必要であって、そうでなければ廃止すべきとは言えないのではないかという御指摘だったと思います。私どもとしては、まず、変な言い方ですけれども、主務省の方が議論のテーブルに乗ってくる、議論をいろいろ情報を出してやり取りするという関係に持っていくのに相当苦労しているという状況であるということは、ちょっと御理解いただきたいと思っております。それはなぜかというと、国土交通省の方も国土交通省なりの政策評価を進めている状況と、我が方も我が方なりの政策評価を進めている状況と、どちらも政策評価として立っていられるかどうかということは、今御指摘があったようにまたいろいろ御議論はあるところだと思いますけれども、我が方としては、平成13年1月当初始めたころからの具体的なデータの把握、その状況のもとで工夫をしながら、この程度でこういうふうに言えるのかなということでやってきたという状況ですので、正直申し上げまして、今始めたもしくは最近始めたもののコストの把握、便益の把握というもののアプローチに比べれば、はるかに政策評価についての認識が十分でないままにスタートしてしまって、その中で何が言えるかということについて、それは実際の調査もそうでございましたし、それから調査の後のトレースもそうであったのかもしれませんけれども、そういうことで進めてきているということは言えるのではないかと思っております。
   ただ、そういう状況だから、論理的必然性がなくていいと言っているわけでは全然ございませんで、論理的必然性があるような政策評価を、今のような流れの中でどこまで言えるのかということについて整理をした上で、言えることがどこまであるのか、論理性があることが言えることがどこまであるのかということを整理して、主務省の方なり関係省の方に示してまいりたいというように考えております。そういう意味では、今、本日お示ししておりますのは仕掛り品に近いものでございまして、今後どうやってロジックを詰めていくのかということも、いろいろ御示唆をいただければということで出しておりますので、論理必然性を詰めていくということについては、廃止という結論がどうかという話はまたちょっと全然別の次元の話だと思っておりまして、論理必然性を詰めていくということに関しては、そういうふうにやってまいりたいと考えております。
   また、国土交通省の方の行っているアウトカム評価に関してどうみるのかとか、それから、具体的に実例をどう挙げて、成功例なり、一部の成功例があることをどうみるのかとか、それが政策評価との関係、全体との関係でどう整理する必要があるのかということは、これはこれでまた整理をしていかなければいけないと思っておりまして、そのあたりは、この今回出されました懇談会の報告書を我が方もいろいろ読み込みまして、議論を進めてまいりたいというように考えております。
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。
○永井委員 
   ちょっと1点、よろしいですか。
○村松委員長 
   どうぞ、永井委員。
○永井委員 
   政策効果などの把握の手法と書いてありまして、本政策評価においては、その効果の把握が、1も2も、何かハードの整備そのものに偏っていますよね。この法律の目的はこれでいいのか、というところがすごく疑問だったんですね。実際にそれが利用され、活用されというところまでなければ、建てればいいんだ、施設を整備すればいいんだというのは。1と2が、「有機的に連携を有することにより」とありますが、1と2はそんなに変わらないですよね。だから、何かちょっと評価目的としては変ではないかなというのが、私の感想です。
○熊埜御堂評価監視官 
   よろしいですか。
○村松委員長 
   どうぞ。
○熊埜御堂評価監視官 
   今の永井委員の御指摘、利用され、活用されというところがなければというのは、もうおっしゃるとおりだと思います。つまり、整備の促進が、ハードがこれだけできて、それで結果としてこう言えるということを言って終わりということではないと思っております。ただ、正直申し上げまして、その利用、活用の状況とか、数字とか、そういったようなものが非常に欠けている。十分に現れていない。これはもう全く私の個人的な所感となってしまうかもしれませんけれども、この法律の体系が、国が基本方針をつくり、地方が構想をつくり、民間事業者なり地方公共団体が施設の整備をしていくという、非常に、ハードをつくっていく、あとはうまく流れていくのだろう、頑張ってやってくれというような感じになっている法律体系なものですから、そのソフトの面が十分に把握できるとか、それを分析するとかということについて、非常に意を配っていない体系になっているのではないかというふうに、これは、個人的な感想になりますし、それを評価に活かすということになるとどうなるかというところはちょっとなかなか申し上げにくいのですけれども、そういったような状況なのではないかと思っております。
   それで、先ほどちょっと便益のところで少し申し上げましたが、結局、わかるデータで利用者数なり雇用状況なり、そういうところで分析をしてこうだというところまでしか行けていないというところで、内心忸怩たるところもあるわけですけれども、この利用、活用の状況、また一方で主務省の方は、こういうことでこういう成功例があるとかということを恐らく言われるのだと思うんですね。うまくいっているところはこういうところがあって、こういう活性化なり、及んでいるところがあると。ただ、それも、ピックアップすることが意味があるのか、この政策からどう出ているのかということも整理しないと、なかなかきっちりした結論には導けないのではないかというふうにも思っておりまして、総務省として、評価専担部局としてどういうことが言えるかということは、よく整理をして結論に導いていきたいというふうには思っております。
○村松委員長 
   どうぞ、富田委員。
○富田分科会長 
   評価の一番基本となる要素についてきっちり記述があり、把握されているかということについて、幾つか疑問に思うのです。
   というのは、まずコストとして幾らこれにかかったのか。それは、事業費についてはこの国土交通省の方の資料にあったり、税の優遇だとか、あるいは政府系金融機関からどれだけ融資を受けたとか、地方債を出したとか、この法律に関して、やはりそういう点についての把握がまず必要だと思うんですね。
   それから、農地を転用したり、林野を開墾したり、いろいろなコストもかかっているわけでして、そういうコストに対して利用者が何人ということからベネフィットを考えるわけですけれども、結局はそういうコストがどれだけかかっているかということすら、今日御説明いただいたものでははっきり出ていないわけでして、その点、やはりコスト分析云々の前に、実態把握をやる必要があると思うんですね。いろいろ障害があるようなことをおっしゃいましたけれども、やはり評価を専担する部局としては、必ず、各地方自治体の分も含めて、そういうことが把握できるような体制を、国としてそういう位置付けを盛り込まないとできないということにもなるので、まずはそういうことをきっちりやることだと思うんです。
   私がこの問題を大事だと思いますのは、今、観光立国とかということで、海外の方に日本に来ていただこうといろいろな事業を、と言われているようですけれども、結局そこでも大事なのは、どの程度の需要を見込み、そして、どの程度のお金をかけてという基本的なことから捉えて新しい事業を行う必要があるということだと思います。やはり評価の定着を通じて、そういう計画全体の在り方、新しい事業の在り方の基本要素として、費用と便益というものを考える基礎を定着させるためにも、金本先生の御指摘の点と重複するのですけれども、やはり事前評価にもつながるようなもの、そういう基本的なフレームワークが提示できるものでないと、かなり寂しいかなと。ちょっと寂しい思いも、さっきからしているのですけれども、それが私の印象です。
○村松委員長 
   重要な御指摘ですので、お答えもあろうかと思いますが、今、私が見る限りで手を挙げておられる田中委員と田辺委員に御発言をいただいて、お答えいただいて、目標は4時なのですが、4時よりちょっとだけお時間をいただきたいというふうに思います。その順序で御質問、御意見をいただきたいと思います。
○田中専門委員 
   2点ほどあるのですが、1点は永井委員と同じように、施設ありきという評価をしているのではないかと思います。地域ということよりも、むしろその施設開発がどうだという評価であるならば、富田分科会長がおっしゃるように、やはり費用対効果が何かというのは、具体的な数字が出されて判断されるべきだと思います。
   それから、もう1点は、本当にそういう評価でいいのかと感じているところがありまして、もともとの目的のサービスとは何か、保養地域の在り方とは何かといったことが議論されないと次の展開ができないと思います。この中で、特に今、休みが減っているからといったようなことではなくて、ライフスタイルに合わなくなってきているのだろうという議論が当然出てしかるべきだと思います。例えば、アグリ・ツーリズムだとか、ナショナル・トラストだとか、もっとスローライフのゆとりを持った生活をしたいというニーズはあるわけですから、それに応えるような政策は何かというのは、必ずしもこういう施設をつくることではないのかもしれないので、何か定量的なことと、性格的なことも、やはりここで議論されるべきではないかなと感じます。以上です。
○村松委員長 
   続いて、田辺委員、お願いします。
○田辺臨時委員 
   まず、第1点目は、この評価に関する議論というのは、時間的にいつまでやっていてもしょうがないと思いますので、一定の期間の中で一定の結論を出し、報告書を出すという姿勢は、こちらとしても貫いた方がいいような気がいたします。それは、各省との間で必ずしも収束しない点がある。それでもやはり、レポートとしてその評価を出すという姿勢は、持っていないと、いつまでも、恐らくデータを収集せずに、議論だけずっとやっているという状態が続く可能性があります。それは無駄だと思いますので、一定の区切りをつけるということが必要だろうと思います。
   2点目は、どこが対立になっているかというと、結局、法律を廃止するのか、それとも国土交通省が言うように、基本方針や、個別の施設、政府の方針自体の修正でよいのかというところなのだろうと思います。国土交通省の方の評価が、ここまで言っているわけですから、恐らくこちらも当然ながら、基本方針や構想に関しては修正、削除が必要であるということは同意できるのだろうと思います。他方、法律自体の枠を外していいかということは、どちらも挙証されていないというのが実態なのだろうと思います。そこで、どうするかというと、結局のところ、法律を廃止するかどうかというのはきちっとは言えない。ただ、これは課題として出てくるという形で表現しておいて、それを相手側に投げてみて、それに対するコメント自体をこちらの評価書の中に書き込むという形で対応できないかというのが一つの案であります。
   それから、最後に、3番目の教訓としては、やはりエヴァリュエーションデザインのときに、きちっと我々が意見を言うということと、それを反映するような形で、データ収集ができるできないという問題はありますけれども、早いうちにきちっと方法を固めるということをやっていただかないといけないと思います。データがないとか、それからリサーチ方法が間違っていたというようなことを、何回も結論の段階でやるというのは問題があると思いますので、そういう点に関しては御考慮をいただきたいと思います。
   以上、3点です。
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。
   大変有益な指摘が行われておりまして、今担当者の方からお答えいただける部分と、もうちょっと頑張りますという部分と、全体として、リサーチデザインのようなところは今後の課題として受けとめるべき問題と、いろいろあると思うんですね。お答えいただけるところをお願いします。
○熊埜御堂評価監視官 
   また、何点か御指摘をいただきましたが、富田分科会長から御指摘をいただきましたコストの問題に関しては、我が方もかなりトライしたけれども、結局は分析を十分にできなかったという言い訳ではなくて、やはりコスト分析ということに対する行政側の対応なり感覚なりが、まだやはり甘いところがかなりあると私は思っておりますので、今回仮にコスト分析、ちょっともう少しまた今回も御指摘、富田先生から、また金本先生からもありましたので、コスト分析というものはどういうもので、そのためにはデータがどういうことが欠けているかみたいなところは検証してみたいと思いますけれども、恐らくそのデータを集めてどうのこうのといってまた各省と議論して、そのデータがどうだと言い出すと、本当にかなり時間がかかるというか、まとまるのかという話になりかねませんので、そこは局内でもいろいろと、今日の委員会の御指摘をどう評価書に反映していくかということも含めてよく整理をさせていただきたいと思っております。
   正直申し上げて、コスト分析というものはなかなか難しいということは御理解いただいた上で、その上でも何らかの形でコスト分析をやろうとしたけれども、こういうデータがないからできなかったので、今後はこういうことをちゃんとやれとか、ちょっと思いつきで恐縮ですけれども、そういうことも含めて考えていかなければいけないのかなというふうには思っているところでございます。
   それから、田中委員の御指摘の施設ありきという評価になっているのではないか、それから、いろいろサービスとか保養地域の在り方、ライフスタイルということはどういうことになっているかということについての評価が十分にされていないのではないか、効果の把握がされていないのではないかということに関しましては、これはまさに効果の把握をどういうふうにやっていくのか、結論ありきではありませんので、把握をどうやっていくかという御指摘の中で、できるだけ早い段階で我が方もよく聞く耳を持たなければいけないですし、そのためのデータがどういうことかということも含めてやっていくべき話、私が言うのも変ですけれども、私は一担当ですからそうですけれども、そういうことについてよく、データがどうあるのかということも含めて、またその工夫をどうトライしていくかということも含めて、よく考えていかなければいけない話なのかなというふうに考えております。
   それで、田辺委員の御指摘について、一定の結論を出して報告書を早くまとめないと議論がずっと続くということに関しては、正直申し上げまして担当官としてすごくそういう懸念を持っておりまして、これの議論を始めたら、結局はどういうデータだ、どういう結論だということを延々と議論しなければいけなくなる可能性もあるわけでして、そのあたりは、ある程度こういったところで、ここまではこういう方向性のことがこういうデータからは示せたけれども、こういうデータがないので示せなかったと、このデータについては今後の政策転換については補足する必要があるとか、そういうような工夫も含めて、ちょっと議論を収束する方向も模索しながら、我が方としては結論を導いていきたいというふうに考えております。それから、廃止するとするのか、基本方針の修正でいいのかというところは、確かに議論を起こすためにそういう議論を投げかけて、こういう結果を、こういう現時点における主務省の意見をいただいたというところですので、ここは廃止か、基本方針の修正かどうするかということが最初にあるわけではございませんで、どういった問題が、この政策についてあったのかということに関して整理をしていく必要がありますので、できるだけ相手方にいろいろなコメントを求め、また、事実どこまで持っているのかというのも、我が方、正直言って十分に把握しきれないところもございますので、そのあたりの整理をした上でやっていく必要があるというように考えているところでございます。
○橋口総務課長 
   すみません、事務局の方から一言、ちょっと補足的に御説明させていただきたいと思います。
   昨年の11月に御説明させていただき、28日に公表を予定しております、地域輸入促進、容器包装のリサイクルの促進、それから、本日御提示いたしまして御意見を賜っております障害者の就業等と、今のリゾート、この4本につきましては、これまでも何度か御説明させていただいてきたものでございます。平成13年に政策評価制度というものが発足して、まだ、私ども十分にどのような形でやっていくのかが定まらないうちに、もう少し申し上げますと、各府省との枠組みと申しますか、土俵がまだ定まらないうちに、それでもやはり総務省として、総合的なものとして何らかの形で評価できないかということで取り組んできたものでございます。
   そのときに、先ほどから御意見をいただいておりますコストの面、例えばインプットとしてどのような投入が行われたのか、お金、人的にどうだったのかという面と、それから、そういう投入でどのような活動が行われたのかという面と、そして、その結果何が起こって、成果としてどのようなものが変わってきたのかという面、そういう一連のものを把握していくというのが政策評価であろうと言いつつも、各府省と、それぞれの政策評価に取り組む中で、十分な議論を行えないままに着手してきたという経緯が実はございます。例えばそれぞれの政策について、その目的が何かという話と、それから、その効果をどの範囲でとらえるのかという詰め、この部分で十分に各府省と同じ土俵に乗れないままにやってきたという面がございます。そうではあるのですけれども、総務省としてできる範囲のことはやっていこうということで、調査をかけ、いろいろ先生方からも御指摘をいただきながら取り組んでまいりました。
   ただ、今の段階で、確かに御指摘いただいておりますように、把握できない面が多々あるという点と、それから、そうは言っても、いつまでもこれに取り組み続けることはできないだろうということも思っております。総務省としては、この政策をこの範囲で見させていただいて、不十分な点は今後の課題としていくということで、取りまとめざるを得ないのではなかろうかと思っているところでございます。地域輸入促進、容器包装のリサイクルについても、一応成果ということで公表を考えさせていただいております。また、本日のリゾート、障害者についても、いつまでもこれに関わっていることもできないだろうと思いまして、ある程度のところで、私どもの考え方としてまとめさせていただきたいと考えているところでございます。
   先ほど、デザイン、設計のときに、もう少しいろいろ考えてやっていかないとだめではないかというお叱りをいただきましたので、そこは、先日も局長の方から申し上げたと思いますが、今後十分留意していきたいと思っております。本日の2件につきましては、今日担当からも、更に検討したいと申し上げましたが、限界的なものがかなりあるのではないかと思っておりますので、そこは是非御了承賜われればありがたいということでございます。
○村松委員長 
   やらなければいけないことは幾つか指摘されていて、重要なものが含まれているけれども、他方、実務的に処理しなければならないという要請も、今の課長の御指摘のとおりで、私どももそれはわかることであります。
   別にまだまとめていませんので、御発言いただきますが、その辺も踏まえながら更に御検討をいただきたいと思います。全体を伺っていて、リゾートの方に時間をたくさん割くべきだと思いましたので、そういう進行になっておりますけれども、障害者の就業等に関して御意見もあろうかと思いますので、それも伺いたいと思うんですね。そういうことで、あと10分ほどお時間をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
   それでは、御発言を。
○新村臨時委員 
   リゾートの方なのですけれども、いいですか。
○村松委員長 
   いいです、どうぞ。
○新村臨時委員 
   私は、この法律について、政策評価のターゲットが明確でないために、ちょっといろいろ混乱をしていると思うんです。どの政策をどのレベルで評価するのかと。
   例えば、実施主体は地方公共団体と民間企業ですね。そうすると、そこでのコストとベネフィットをすべてとらえるのが今回の評価の目的なのか、それとも、国の政策としてのリゾート法を評価するのかというところが、ごちゃまぜになっているような気がするんですね。国の政策としての評価ということ、それしかできないと担当者の方はおっしゃった。そうでないと、結局国土交通省が言うように成功例もあるというと、この地域では、例えばコスト、便益分析をしたって成功している、そんな例は幾つもあるというのは、あり得るけれども、議論はすれ違っていると思うんですね。
   むしろ、このリゾート法が、そもそも時代背景の変化に対して、法律の目的が合っているか、それから、それを達成するために、国としてのスキームが正しいかどうかというところが、多分国の政策としての評価の対象ではないかと思うのです。そうしますと、コスト、ベネフィットといっても、国のコストというのは限られた税制の優遇措置とか、それから若干の規制の緩和とかそういうのはあるわけですけれども、そんなに大きくはないのだろうと思うんですね。そこまではチェックなさった。しかし、各地方自治体がどれだけ無駄をしたか、どれだけロスを生じたかというようなことを全部把握するというのは、私は無理だろうと思うのです。私の感じでは、リゾート法の現在のスキームがうまくいっていないというのは衆目の一致するところであると。そもそもの目的がどうかということについては、若干、前回の委員会でも議論がありまして、私は高齢社会においては重要だと思っているんですね。
   しかし、うまくいかなかったのは、恐らく時代背景に合わせたチェック・システムもなかったし、要するにやり方が悪かったのではないかというところまでが、国の政策の評価ではないかと思います。個別の、地方ごとのプロジェクトのコスト、ベネフィットまでを、国の、総務省の評価でやることは、恐らく、先ほど担当官の方が一生懸命におっしゃっておられるように非常に難しいことであるし、そういうやり方をとると、国土交通省みたいに、成功例もあるではないかという議論になってしまう。だから、評価の対象分野をもうちょっと明確にした方がよいのではないかという印象を、今の議論を聞いていて思ったのです。というのは、先ほど来、費用という議論がありましたけれども、費用対効果分析というのは、むしろ地方における政策評価で、地方が自分たちのつくった基本構想に基づいてやったリゾート対象プロジェクトのときには重要なものであるけれども、国の政策としては、そこまでコミットしていないのではないか。そうすると、どこまでを評価するのかというところをきちっとしないといけないと思うんです。
   地方分権の時代ですので、これからこういうケースはいっぱいあると思うんですね。枠組みだけ国がつくって、奨励策を若干用意して、あとは各地域がやるというようなところがたくさんもちろん出てくると思うのですが、そういうときの政策評価というのは何を対象として評価をするのかというところを、もう少し明確にした方がいいという印象を持ったものですから、ちょっと時間をいただいて言わせていただきました。
○村松委員長 
   ありがとうございました。
○金本臨時委員 
   今の点ですが、国のこういった政策というのは、評価が実は非常に難しいというのは当然なわけです。ただ、評価をするとなると、基本的にこれをやめろという結論を出したいとすれば、国の仕組みがある場合とない場合と、代替として何があるかというのを比較して、これがあることによって害悪があるということを論証しないとできないという話で、実態上それは無理だろうというのは当然ですね。でも、それができなければ廃止すべきだという明確な結論は出ないということです。
   やはりこういうスキームは非常に増えてきていますから、それがだめでやめようということをちゃんと言うためには、このことによってどういう帰結があったということを一応つかまえないと、明確な結論は出ないという話になるのだと思うんですね。
   その前の段階で何かいろいろなことを分析して、それでやめろというところの論証は無理なのだろうと。無理なことをやれと言っているわけではなくて、それは無理ならばそういうことは言わないようにすればいいという、それだけの話です。
○新村臨時委員 
   ちょっと私、誤解されているかもしれませんね。私はまず法律をやめるということが最初にあってはいけないと思うんですよね。だけれども、最初に、法律自体を今回は対象としているわけで、法律には目的と、それが規定しているスキームとがあるわけです。目的がもし現在に合っていなければその法律は要らないねというのは、これは言うことができると思うんですね。
   それから、その次に、そのスキームがその目的達成に、法律で規定されている部分が役立たなければ、それもやめろと言えると思うのです。
○金本臨時委員 
   ただ、目的が今の時代に合わないねというのをどう論証するかというと、そんなに簡単ではないですよね。
○新村臨時委員 
   例えば、昔、輸出促進政策がございましたよね。それが、黒字になったときにはもう要らないというのはある程度言えるわけですね。
○金本臨時委員 
   ニーズがなくなったというふうな、要するに全く便益がなくなったということのもう一つの言い方なんですよね。ですから、そういった形で言えればいいのですが、言えないときに、無理にそういうことは言う必要はない。
○新村臨時委員 
   別に、やめろということが最初にありきではおかしいというのを今申し上げたわけでございまして、むしろスキーム自体にどういう問題点があるかということを明確にしていけばいいのではないかと。それが、国の政策であって、個別のプロジェクトは国の政策ではないのではないかと思ったのですが、そこまで全部を評価するというのが金本先生の御意見なのでしょうかということを伺いたかったのです。
○金本臨時委員 
   今の話は、要するにどういう結論を出すかというところで、細かいスキームのここをちょっと変えようというときには、変えたことによってどういういいことがあるかということを分析して示す必要があると。
   そのときに、場合によっては、そのことによって地方自治体がどう行動して、どういう結果が出てくるかというところまで分析しないとできないものもあるでしょうし、そういうこととは関係ないこともあるかもしれないと。要するに、基本的に何かこれをやれというときには、そのバックとなる分析が必要だということだけなのですね。
○村松委員長 
   お二人のおっしゃられているところが、もしかするとちょっとすれ違っているかもしれないところもあるのですが、御意見、ともによくわかります。
   それで、そのあたりも深く参照して、可能な限りの詰めをして、評価局において結論を出していただきたいということです。ここで全部我々が結論を出すというわけにもいかないような役割分担だと思いますし、しかし、こういう考え方でなければそもそもあり得ないというところまで言っては困るということは、我々としても言えることであるし、その辺をうまく整理をしていただくということでやっていきたいと思います。
○金本臨時委員 
   障害者の方について、若干。
○村松委員長 
   障害者の方についても、ちょっとだけお時間をください。どうぞ。
○金本臨時委員 
   一つ、その前に、こういう評価は、総務省が責任を持つ評価であって、この委員会が責任を持つ評価ではないという制度設計になっているというのが私の理解であります。我々は御意見を申しますが、責任を持たれるのは局長であるという理解ということです。
   あと、こちらの方については、一つは、何か現場実習をやったら改善したという統計的な結果があると。だから、やるべきだといった話になっていますが、この辺は、幾つかのことについてきちっと詰める必要があると思います。
   一つは、統計的に有意かという話があって、実習をした方がいいというのが、平均とかそういったことで言えたとしても、それは誤差の範囲内かもしれないということがあります。
   もう一つは、単なる現象的な一致にすぎないのではないか、因果関係ではないのではないかということがあります。実習が本当に因果関係としていい結果をもたらしたということが言えるかどうかということもあるということで、そういうところまである程度詰めておかないと、だからやれというふうにはいかないということになります。
   もう一つは、ハローワークと連携してどうこうという話がありますね。いいように見えるのですが、やっていないのは多分何らかのコストがあるわけです。そのコストを上回る便益が本当にあるのか、そこまで突っ込まないと、これをやるべきだというふうな結論は、当然の帰結としては出てこないと思います。
○村松委員長 
   今の三つの点、お答えいただけますか。
○神谷評価監視官 
   まず、1点目の統計的に有意であるかということにつきましては、二つに区分したものについては調べてございまして、統計的に有意でない結論については有意でなかった、有意であったものについては有意の差があったという書き方にしております。
   それから、現場実習回数などで階層別に見たものにつきましても、例えば0回と、1回以上、あるいは、0回及び1回と2回以上というふうに、結論を得るために必要と思われる部分については、できる限りの検証はしております。御意見をいただきましたことを踏まえて、統計の専門家とも相談しつつ再検証してまいりたいと思います。
   それから、現象的一致にすぎないものもあるのではないかということにつきましても、再度持ち帰って確認してまいります。
   それから、ハローワークと連携していない養護学校もあるであろうけれども、コストと便益のバランスの問題があるのではないかということでございます。今の段階になってしまいますと、一つ一つすべて検証するということはなかなか難しい部分があるかと思いますけれども、今まで得られたデータの中で、何らかの試算などができないかどうか、これについてもちょっと試みてまいりたいと思います。
○村松委員長 
   それでは、後半と言えないほど少なくなってしまいましたけれども、特に御意見があれば伺いますが。
○富田分科会長 
   先ほど新村委員がおっしゃった点は、私はちょっと違うように思うんですね。つまり、国としての負担が少なく、企業とか自治体で、そのコストが発生したのではないかと。そして、結局それは、この法律が施設整備を促進する、それに乗っかった方が悪いのだという御指摘だと思うのだけれども、結局この法律等が、やはり国民全体から見れば、大きな機会費用を発生させているわけですね。
   だから、そういう全国を覆うような法律、とりわけ誘導指導をするようなものについては、やはりその事業費がどれだけかかったとか、発生したとか、そういう基礎的なものはやはりとらえておかねばならないと思うんですね。
   それで、私が申し上げたかったのは、この法律によって、全体の需要、リゾート地の宿泊をどれぐらいと見込んでいたのか。それをベースにして様々な前提を置いて便益を計算するのでしょうけれども、そこまでやるかどうかは別にして、少なくともこの法律がどれだけの需要を見込み、そしてどれだけのコストを発生、つまり事業費だとかを見込んだかということを、本当は、当初からこういう施設誘導型のものであれば出しているべきだと思うんですね。
   だから、個別のところを評価するかどうかというのはまた別の問題であって、やはり法律がもたらしたコストと、抽象的ですけれども、具体的なコストと便益というのはやはりきちんとレビューしていく必要があるというふうに思います。
○新村臨時委員 
   おっしゃるように、私もそう思うのです。よろしいですか。
○村松委員長 
   どうぞ。
○新村臨時委員 
   そう思うのですけれども、その把握をもって政策の評価にすると、国土交通省が言っているように、うまくいっているところもあるではないかみたいな議論に行ってしまうと、基本的な政策の評価にならないと思うんですね。
   私は、まず最初に、この法律が、日本経済全体におっしゃるようなものすごい機会費用も含めたコストをもたらしたという認識はあるのです。ただ、そのときに、実施の責任主体が国かというと、これは今の地方分権になるともっとそれが進むと思うのですが、地方自治体が自分のところで計画をつくってやるわけですね。それに同意を大臣がするというスキームだったと思うんです。
   そうすると、何が問題かというと、その基本構想の中に、各自治体が需要をどのように見込んで、それに対してどのような供給を見込んだかということを、例えば国がチェックする仕組みがあったのか。それで、チェックしたのか。
   それから、経済情勢がこんなに変わった中で、13年もそのまま同じ基本構想があるなんていうこと自体がおかしいわけですよね。それを途中でチェックする仕組みがあったのかなかったのかというようなところが国の政策ではないかというのが私の理解です。個別の各都道府県の基本構想のうち、とんでもない構想を立てているところもあるかもしれないし、堅実なのをつくったところもあるかもしれないわけですよね。堅実なところだけをもって、これがよかったのだという評価に行ったらおかしいので、やはりそれをチェックする仕組みとして、その制度ができていなかったことが、この法律の最大の欠陥ではないかというのが、私の見解なんですね。
   そうだとすると、実際のプロジェクトがうまくいったかいかなかったかということの前に、国の政策の評価としてどこを評価するかというと、そういうチェックする仕組み、ブレーキをかける仕組みがなかったことというところが一番大きな評価のポイントかなと思います。もし目的自体を許容するならば、ですが。
   以上のように思ったものですから、総務省のこの総合性確保評価でどこを評価するべきなのかというところについて、ちょっと先ほどの御議論の中で気になったので申し上げたのですけれども。ちょっと舌足らずで、すみませんが。
○村松委員長 
   事務局では、適切にこれをくみ上げていただきまして、ちょっと文章の整理を必要とするところもあると思いますが、更に可能な時間の範囲内で処理をしていただきたいというふうに思います。
   そろそろ終わりにさせていただきたいのですけれども、ちょっと今のように議論をし尽くしていない感じも我々の委員会の中にありますので、必要に応じて委員の皆様にまたちょっと御相談をすることがあるかもしれません。事務局に今日の意見を十分に参照していただいて詰めていただくということで、またそのときには、私も御相談に乗りたいと。そして、必要であれば、皆様にもまた御相談したいということでよろしゅうございますでしょうか。
○永井委員 
   一言よろしいでしょうか。障害者雇用に関してなのですけれども、やはりこれについては、職業安定所と文部科学省というか、学校が連携をとって、本当に一生懸命にやってもらわないと困る。要するに、障害者雇用というのは相変わらず低くて、ポイントも下がっているわけですね。
   この辺、1と2で、「努めることが望まれる」とか、ちょっと弱いと思うんですよね。こういう状況の中で、「努めることが望まれる」ではなくてやはりもうちょっと強い、充実するような言い方、よりプッシュするような言い方、つまり実務担当者を奨励するような書き方が、こういう場合には必要なのではないかなと思います。できるかどうかは、私は法律の専門家ではないのでわかりませんが、もうちょっとはっきり書いていただきたいと思います。
○村松委員長 
   田辺委員、どうぞ。
○田辺臨時委員 
   今の永井委員の御意見へのサポートなのですけれども、こういうものを書くときに、効果があるというだけではなくて、例えば連携をすれば何パーセント上がるとか、そういう数字自体を分析できているわけですから、きちっとエグゼクティブ・サマリーの中にも入れ込む方がよい。それで、ある意味ではコスト感覚と、それからベネフィットの間で、これだけまだできるではないかということにもなりますし、また、メディアの関心を引くことにもなりますので、そういう数字を入れ込むという工夫は、エグゼクティブ・サマリーにおいてもやっていただきたいと思います。以上です。
○村松委員長 
   十分に受けとめてください。
○田中専門委員 
   もう一つですけれども、今この分析結果だけから言うと、セクションII2の方がより実習機会を多くした方がいいということが出ていると思うんですね。同じ回数だと、就職率が低いですから、何かそれも分析結果として言えるのではないかということが一つです。
   あとは、離職率についての因果関係を、やはり見る必要があるのではないかと思います。
○村松委員長 
   時間の許す限りで、やっていただきたいということでございますが。
○神谷評価監視官 
   御意見を踏まえて、更に調査をするというような大規模なことはできないのですが、今まであるデータ、更に少々データ資料を探索しまして、可能な範囲で対応させていただきたいと思います。
○村松委員長 
   それでは、最後に次回の委員会の日程等につきまして、事務局から説明をお願いします。

[次回日程等]
○橋口総務課長 
   次回、第23回委員会は2月28日の金曜日、14時からこの会議室で予定しております。平成15年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマのとりまとめに関する御審議をお願いしたいと考えております。
   それから、今後の委員会の開催日程でございますけれども、これまでどおり原則、毎月の第4金曜日ということで予定させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
   それから、次回の分科会等につきましては、また別途御連絡させていただきます。
   最後にもう1点でございますが、FAZ・リサイクルの政策評価につきましては、昨年11月に御報告させていただきましたけれども、来週の火曜日、28日に、関係府省に通知することとしております。
   同日の閣議におきまして、総務大臣から関係大臣に対し、本評価結果を、予算を始め、関係政策に適切に反映するよう特段の尽力を求める、それから、各大臣に対しては、政策評価の取組の一層の推進への尽力をお願いするということにしております。
   以上でございます。
○村松委員長 
   どうもありがとうございました。
   それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会の第22回の会合を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

[了]