政策評価・独立行政法人評価委員会(第27回)議事録
(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会、独立行政法人評価分科会の合同)


1.日時 平成15年12月18日(木)10時00分から12時10分

2.場所 中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

3.出席者
 (委員)
       村松岐夫委員長、丹羽宇一郎政策評価分科会長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、伊藤元重、樫谷隆夫、永井多恵子の各委員
金本良嗣、高木勇三、田辺国昭、黒川行治、松田美幸、宮脇淳の各臨時委員
稲継裕昭、翁百合、田中常雅、武田尚仁、山本清の各専門委員
 (総務省)
  麻生総務大臣、山口総務副大臣
 (事務局)
  田村行政評価局長、柚木官房審議官、橋口総務課長、新井政策評価官、讃岐評価監視官、神谷評価監視官、中垣評価監視官、安治川政策評価審議室長 ほか

4.議題
(1)  独立行政法人教員研修センターの組織・業務全般の見直しに関する政府行政改革推進本部からの意見聴取に対する意見について
(2)  行政評価局が行う主要な政策評価の調査の状況について(「少子化対策に関する政策評価」、「留学生の受入れ推進施策に関する政策評価」)

5.配付資料(PDF)
(1)  少子化対策に関する政策評価 説明資料
(2)  留学生の受入れ推進施策に関する政策評価 説明資料
(3)  平成16年度予算編成の基本方針(抄)
(4)  地方公共団体における行政評価の取組状況

6.参考資料(PDF)
(1)  教員研修センターの見直しに関する政府行政改革推進本部への意見について
(2)  「独立行政法人教員研修センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項を踏まえた見直し案
(3)  「平成15年度に中期目標期間が終了する独立行政法人の見直し案に対し意見を求めることについて」について(意見)(案)






○村松委員長
  時間がまいりましたので、これより政策評価・独立行政法人評価委員会の第27回の会合を開会いたします。
  本日は麻生大臣、山口副大臣にお越しいただきまして、ごあいさつをいただくことになっております。麻生大臣には11時過ぎにお越しいただいて、ごあいさつをいただくということでございます。ここで山口副大臣が入室されますので、ちょっとお待ちいただきたいと存じます。
(山口副大臣入室)
  それでは、公務御多忙の中を山口副大臣にお越しいただきましたので、ごあいさつを頂戴したいと存じます。よろしくお願いします。

 [山口副大臣あいさつ]
○山口副大臣
  皆さん、おはようございます。ただいま御紹介をいただきました、副大臣を務めさせていただいております山口俊一でございます。委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中を政策評価及び独立行政法人評価の推進にいろいろと御尽力を賜っておりまして、厚く御礼申し上げる次第でございます。
  政策評価につきましては、今年の7月、もう皆さんも御案内のとおりでありますが、参議院の本会議におきまして、「政策評価に関する決議」が全会一致で採択されました。評価結果を次年度の政策に適切に反映させるために、政策評価書の早期作成、公表及び評価の充実に努めること等が政府に要請されております。総務省といたしましても、各府省における評価結果の政策・予算等への適宜、適切な反映、活用を促進するとともに、評価専担組織として、各府省にまたがる政策についての統一性・総合性確保評価や各府県の政策評価の客観性のチェック等に、今後とも取り組んでまいりたいと思っております。
  独立行政法人の評価につきましては、先般、当委員会から「独立行政法人の実績に関する評価の結果についての意見」及び「独立行政法人教員研修センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」について通知をされましたが、今後、中期目標期間の終了を迎える独立行政法人が増加いたします。これに伴い勧告の取組が本格化いたします。また、特殊法人等の改革、あるいは国立大学法人の設立等に伴いまして、評価の対象法人がこれまた著しく増加いたしてまいりますので、この委員会の役割もさらに重要になってくるであろうと思っておる次第でございます。
  私どもも麻生大臣の補佐をさせていただきまして、政策評価及び独立行政法人評価に一層取り組んでまいりたいと考えております。委員の先生方におかれましては、大変お忙しいと思いますが、そうしたこれからの流れの中で、さらに御支援、御協力、また適宜御指導を賜りますように、心からお願いさせていただきまして、ごあいさつといたします。ありがとうございました。

○村松委員長
  ありがとうございました。山口副大臣におかれましては、公務のためにここで御退席になります。

(山口副大臣退室)
  それでは早速ですが、本日の議題に入らせていただきます。「独立行政法人教員研修センターの組織・業務全般の見直しに関する政府行政改革推進本部からの意見聴取に対する意見について」の御審議をお願いしたいと思います。
  これは8月1日に閣議決定されました「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについて」に基づきまして来週早々にも書面により意見を通知することとなるものでございます。予算編成スケジュールとの関係上、通知スケジュールがどうなるか流動的でございまして、本日その準備のための決定をさせていただきたいということでございます。
  これについて、まず事務局から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

 [独立行政法人教員研修センターの組織・業務全般の見直しに関する政府行政改革推進本部からの意見聴取に対する意見について]
○讃岐評価監視官
  それでは御説明させていただきます。まず「教員研修センターの見直しに関する政府行政改革本部への意見について」御説明したいと思います。
  独立行政法人は、御承知のとおり中期目標期間が終わったときには、主務大臣が組織・業務全般について、その存続自体を含めて見直しを行うということになっております。それに当たって、当委員会が、主務大臣に対して主要な事務・事業の改廃についての勧告を行うことができるということになっているわけです。そして、見直しは中期目標期間終了時となっておりますけれども、最短で3年間の中期目標期間が設定されている法人は教員研修センター1法人であり、15年度末に中期目標期間が終了することになっておりますので、この取組というものは初めてのケースであるわけでございます。
  そこで、スケジュールについて御説明します。今年8月1日に閣議決定されました「中期目標期間終了時における独立行政法人の組織・業務全般の見直しについて」に手続が定められてございます。中期目標期間終了時に見直しを行うということでございますけれども、終了時は3月31日ですが、4月1日からすぐ次の新しい期間が始まるということになりますので、スムーズなスタートを切るためには、その前の予算編成の期間において見直しの内容を実質的に固めておく必要があり、8月の概算要求から作業が始まりまして、11月13日にこの委員会から文部科学大臣に対して「教員研修センターの主要な事務及び事業改廃に関する勧告の方向性」を通知したところでございます。12月の今の段階ですが、この当委員会の示した方向性に沿って、今度は政府の側における見直し案についての意思決定を行うタイミングでございます。さらに年度末までに新しい中期目標、中期計画において次の業務内容を具体化していき、4月から新しい業務が始まるということになるわけでございます。
  12月には、政府の側における意思決定のプロセスということで、主務大臣である文部科学大臣が見直し案を決定するということになるわけですけれども、文部科学大臣の決定に当たっては、総理大臣を本部長とし全閣僚がメンバーとなっている政府行革推進本部でその文部科学省の案を了解してよいかどうかという議を経るということになるわけです。その議を行うに当たって、政策評価・独立行政法人評価委員会が、11月に出した「勧告の方向性」に沿っているのかどうかということについて意見を求められ、当委員会から意見を表明するというプロセスになっているわけでございます。そして、本日の議題は、この意見についてということであります。
  文部科学省からの見直し案というものが出てきてございます。まずこれについて御説明します。基本的には16年度予算編成過程はもう大詰めになっているわけでございますけれども、現段階までに当方の「勧告の方向性」について具体的な結論が得られたものについては、「勧告の方向性」に沿っているものと判断されます。しかし、年末の16年政府予算案策定までには具体的な結論が得られていないものについて、特に17年度、18年度等の具体的な内容についてはまだ具体的な研修の内容等が固まっていないということもございますので、年度末までの中期目標、中期計画を策定するまでの間に、「勧告の方向性」に沿った具体的な見直しの内容について、文科省において引き続き検討を行ってもらい、当委員会としては、その検討の取組を注視して、必要な場合には勧告を行うという趣旨の意見を述べるという方向です。
  それでは、次の資料がございます。文部科学省が今考えている見直し案ということでございます。この見直し案について意見を求めるという公文書が、手続き的には、予算編成の一番最終段階の12月24日付けで来るという予定になってございます。中身は現段階でほとんど固まっているものでございます。
  それでは、文部科学省が示した見直し案というものが、当委員会が11月に示した「勧告の方向性」と対比してどのようなものになっているのかということについて、まとめてございます。当委員会の「勧告の方向性」と文部科学省が示している見直しの考え方というものを対比したものになっております。これはかなり詳細でございますけれども、このような具体的な結論が得られているものと、さらにこれからまだ検討しなければいけないものはどのようなものであるのか、簡単にポイントを絞って御説明したいと思います。
  「勧告の方向性」の指摘事項の大きな方向としては、まず、教員研修センターがどうしてもこれから国として行っていく事務・事業だけに業務を特化していくことが必要であるということで「勧告の方向性」をまとめたわけです。国としてどうしてもやっていかなければいけない事業として、1)として校長・教頭等に対する学校のマネジメントの向上のための研修、2)として喫緊の重要課題として、学習指導要領が変わったときなどに現場にその内容を浸透させるための研修等、3)として、例外的に、規模の利益などの観点から国としてサービス的に行う研修の3つに特化するとともに、1)の校長・教頭等に対するマネジメント能力の向上に関する研修に重点化をしていく。こういう方向で見直すというものでございます。
  見直しの基本的な考え方として、「民間にできることは民間にゆだねる、地方にできることは地方にゆだねる」との基本的な観点に立って検討を行うべきだと、当委員会の「勧告の方向性」においても総論的に述べていたわけですけれども、そういう考え方に立って文科省においても見直しを行う必要があるということです。
  具体的な見直し案について御説明いたします。先ほどの1)2)3)に沿って、まず1)の校長・教頭等に対する学校の管理についての研修については、当委員会として、まず中核的な教員、地方で活躍していくような校長・教頭、そういった教員を養成する、そういったところに絞って研修を行っていく必要があるとしたところについては、中核的な活躍が期待されている教職員を対象とすることを明確化するという文科省の見直しの内容が示されているわけでございます。
  それでは具体的な研修の見直しについて御説明いたしますが、まず、「教職員等中央研修講座」とは、校長・教頭等に対する、つくばにある研修センターに集めた研修でございます。中核的な役割を担う校長ということで、全校長の3分の1がこの研修を受けていることが必要であるということで、3分の1に対し研修を行おうとすると、今の校長全体の人数と、辞めていく先生と入ってくる先生といったものを勘案しますと、大体合計で1,800人ずつ毎年行う必要があるという積算が出ております。
  さらに、この研修の期間は22日あるいは32日ということになってございましたが、この期間につきまして、内容的には演習・討論の研修と、講義を受ける研修があり、講義の部分はできるだけe−ラーニングなどを活用することによって、より効率化を図るとともに、さらにいろいろな人が受けられるような方策を採る必要があり、それによって集合研修の日数を短縮しつつ、その中で演習・討論に重点化していく必要があろうという方向を述べたわけでございます。
  今の検討状況として、校長・教頭等につきましても22日から19日等に縮減するというふうに言ってございます。これは相当検討したものでございますが、ただ、さらに研修内容の精選等を行って、日数の縮減を検討していく必要があるということでございます。これは今後の検討課題の一つということでございます。
  次に、「教職員短期海外派遣研修」についてでございます。今は毎年約2,000人の規模で派遣を行っているわけでございますが、研修意欲のある人を選抜して、また規模を見直していく必要があり、それを18年度には1,300人程度に縮減していくという方向性と、さらに、意欲のあるものを選抜するというプロセスが示されているわけでございます。
  次に、先ほどの2)の喫緊の重要課題についての研修については、喫緊の課題に限定し、継続するものについても時限あるいは見直し期限を設けるとともに、受講者を地方における指導者層に限定するということを明確化する必要があります。そこで、喫緊の課題に当たらないようなものは廃止するということで、15年度をもって廃止する研修は、10出てございます。さらに、16年度以降に廃止するものについても3つ出ているわけでございます。ただし、それ以外の研修につきましても、具体的な受講対象者、研修内容、見直し期限等についてまだ明確になっていないものがございますので、さらに明確にしていくということが今後の検討課題です。
  次に、「地方公共団体の共益的事業として例外的に実施する研修」につきましては、例えば、新産業技術研修等、先端技術の現場を技術系の先生方に見せるような研修には、規模の利益を考えると国で行うことが適切であると考えられるものもあるわけです。しかし、それについては、これまでは国が運営費交付金ですべて賄っていたのですけれども、地方からの負担を求め運営費交付金に依存しないようにする必要があります。地方の負担について、次の中期目標期間において2分の1の負担を求めるということで検討を行うという措置を取るという具体的な見直し案が示されているということでございます。
  最後に、地方公共団体の学校関係職員に対する研修についての指導、助言及び援助とございまして、これは地方公共団体で研修を行うに当たって、国で、効果的に行えるような研修のプログラムを提供するということでございます。これにつきましては必要なプログラムづくりを推進していく方向で見直すという内容が示されているわけでございます。
  最後に、予算についての今の段階の考え方ですが、16年度予算につきましては「勧告の方向性」に沿って具体的な見直し案が示され、それに基づいて予算編成作業が行われてきているところでございまして、その内容については了解し得るものであります。しかしながら、17年度、18年度の業務、予算につきましては、中期目標、中期計画策定までの間にさらに絞っていく、あるいは重点化をしていく等の観点から具体的な見直し内容を詰めていく必要があろうということでございます。
  例えば、2)の喫緊の課題についての研修ですが、受講対象者の見直しを行う等の検討の方向は出ておりますが、予算額は16年度、17年度、18年度と3年間同額で推移するという想定が示されているものなどがございます。どのように必要に応じて重点化を図っていくのかについてこれからさらに具体的に検討していく必要があろうということでございます。また、指導力不足研修、組織マネジメント研修、国語指導者能力研修の3つが新しく喫緊の課題として始めるというものでございますが、17年度以降に始める2つについては、この必要性等についてさらに検討していくということが必要でございます。
  最後に、3)の地方公共団体の共益的事業として行うものは地方から2分の1の負担を求めるということですけれども、これについては予算上、今の半額ということになっているわけでございます。また、研修のプログラムをつくって地方公共団体に提供するというものについてでございますが、15年度予算額は、「研修支援のための情報の提供」については3,000万円となってございます。これは地方公共団体によりよい研修のプログラムを提供することによって、地方で自立的に研修が行われることを支援することが必要であるということから17年度、18年度について予算額がさらに伸びるという想定が示されておりますけれども、具体的に何をするのか、どこまで必要なのか、何が効率的なのかということは、さらにこれから詰めていく必要があろうかということでございます。
  このように、16年度に行うものについては具体的に成案が得られていると考えますけれども、さらに詰めていくべき点があるということで、当委員会の今の意見、スタンスをまとめ、行革推進本部長からの意見を求めるという公文書に対して当委員会の意見を出すことになります。その案としてまず、平成16年度予算編成過程において具体的な結論が得られた見直し案並びに今後中期目標、中期計画の策定時に結論を得るべく引き続き検討を行うものについて検討の方向性が示されてございますが、これはいずれも当委員会が11月に示した「勧告の方向性」におおむね沿っているものであるということです。
  そこで、今後検討をしなければいけないものについては、新中期目標、中期計画の策定に向けて、当委員会の考え方に沿ってさらに検討を進めてもらいたいと述べ、最後に、所管省である文部科学大臣における今後の検討の取組を注視するとともに、必要な場合には勧告を行うことはあるということを述べ、勧告を行った場合には、政府の行革推進本部へ所要の報告を行うとしています。このような意見を述べるという案でございます。
  これについての意見を12月24日同日付で通知するというものでございます。
○村松委員長
  ありがとうございました。それでは審議に入りたいと思います。先般の当委員会が出しました「勧告の方向性」に照らして、文科省における検討結果が妥当かどうかということを議論をしていただくことになるのだろうと思います。どなたからでもご発言をいただきたいと思います。どうぞ、山本委員。
○山本専門委員
  喫緊の重要課題については、私は今の説明で全く問題ないと思っておりますが、直接関与していない立場から少し、今後の課題ということかもしれないと思うのですが、3点ばかり申し上げたいと思います。
  1点は、「民間にできることは民間に、地方にできることは地方に」というのは、これはその通りなのですが、民間とか地方でやったとしても、本来それが必要かどうか、あるいは効果があったかどうかという視点が、やはりまだ文科省自身も、あるいは我々の視点としても、この研修効果の測定なり評価ということについても押さえる必要があるのではないかというのが1点であります。
  それと2点目は、少し気になっておりますが、研修期間を短縮する、あるいは宿泊料収入が減にもかかわらず、相変わらず施設整備費が付いているわけです。そうすると、そのスペースマネジメントといいますか、場合によっては、若干稼働率が低下するおそれがあるとすれば、それは別の委託に出すとか、状況は私は承知しておりませんが、そういうことも考えていいのではないかということであります。
  3点目は、派遣者負担というのが平成17年度から導入されるということですが、それは多分わずかであるから、自己収入が平成17年度でも減になっているのは、あまり効いてこないのだと思うのですが、ほかのいろいろな自己収入に関する委託等の関係がございますものですから、そこら辺のコストの負担等は今後また御議論していただきたい。以上でございます。
○村松委員長
  今の点、事務局でどういうふうに把握しておられますか。
○讃岐評価監視官
  最初に、「民間でできることは民間で、地方にできることは地方で」ということでございますけれども、これは本当に大きな大原則のようなもので、もちろん山本先生のおっしゃったように、やるのであれば、より効果が上がるようなやり方が必要であるという観点からも検討を行って、この「勧告の方向性」というものをまとめたわけでございます。したがって、総論的に述べていることをそのままここの冒頭で引いたわけでございますので、十分有効に効果が上がるようなやり方で大幅に研修の見直しを行うことが必要だということも、すべてここで包含します。「真に担うべき事務及び事業に特化・集中する」としておりますが、その上で、この方向性の中の各論の中で研修の効果、有効性を高めるために業務の大幅な見直しを行うべきということを示しているわけでございます。それを踏まえて、今後の評価の中では、研修の効果を測定していくことが重要であろうと考えます。
  それから、スペースマネジメント等のことがございましたけれども、確かに宿泊研修の日数などを縮減していくと施設が空くということでございまして、この空いたところを、例えばより多くの校長・教頭が集合研修を受けられるようにするというやり方も一つあるのだろうと思いますが、そこについては今の講師の状況などを踏まえて今この人数ということになっているわけでございます。さらにスペースマネジメントをどうしていくのかというのは、これから評価の中でいろいろ見ていく検討課題の一つかというふうに思います。
  自己収入についても、どのように増加を図られたのか等々、これからの評価の中で見ていく課題になろうかと思います。
○村松委員長
  第1の点については、分科会のときにも山本委員から御指摘がありました。全体としては、今の讃岐監視官の言っておられるように、そういう方向で評価の努力は我々もしてきたのだろうと思いますが、さらに考え方などを高めていくことがあるなというふうに思います。
○樫谷委員
  2点あります。非常によく整理していただいたので、私はこの内容については大変評価しているのですが、1つ心配なのは、「中核的な役割を担う校長」の「中核的な役割を担う」というのはイメージとしては何となく分かるのですが、では具体的にどういう人をつくろうとしているのかということが、まだこれだけではよく分からない。それと、この講座がありますが、その関係ももう一つ、何となく言いたいことは分かるのだけれども、何なんだということをもう少し明確に、どこかでしてもらう必要があるのではないか。つまり、どういう人をつくるんだということをしっかりイメージした上で、カリキュラムがあって、体制が出てくると思うのです。その辺がどうもまだ、言葉としてはいいのですけれども、具体性が少しないのではないかというのが、まず1点です。
  それから、トータルとして運営交付金を15%ほど減額するということになっているわけです。それはそれで評価をするのですが、また委託費とかどこかで復活するのではないかというような心配もありますので、その辺の歯止めというのをどこでどうかければいいのか。その2点ご質問したいと思います。
○村松委員長
  17年度以降は、第2期の中期計画の目標計画の中で議論が出てくる。そして、今もう始まっているのでしょうね。その辺さらに検討していくという、当委員会の指摘の中でも、一応姿勢は述べているということだと思います。
○黒川臨時委員
  予算についてですけれども、この1)の「基幹たる校長・教頭等の教職員に対する学校管理研修」というところに絞って重点化をしていただきたいというのが当委員会の「勧告の方向性」の大きな柱だったわけです。予算の科目で、圧倒的に多いのが、海外研修のところで1けた以上違う。要するに、普通校長・教頭等の教職員のトップマネジメントをイメージしているわけですけれども、予算から見ると、海外研修のところが圧倒的に金額が多いということが分かります。それで、その経費の削減というのも、ここの人数を減らすことで圧倒的に効いてくるというようなイメージを持てばいいのではないかと思うのです。
  我々の意図が、海外研修も重要だろうとは思いますが、トップマネジメントの研修をもっとやってくれというわけですから、海外研修が減っていくことを見つつ、マネジメント研修は増えてもいいわけです。
  要するに我々の方向としては、メリハリを付けろということですから、やってくれというところについては予算を増やしてもよかったかもしれない。ですから、今後見ていく場合に、海外研修の減少率を見つつ、マネジメント研修は、もっとお金が要るかもしれないわけですから、その辺をちょっと考えていただきたいと思います。
○村松委員長
  ありがとうございました。
○武田専門委員
  今のお話ともちょっと関係するのかもしれないのですが、喫緊の重要課題についての研修ということになりますと、こちらの方も適宜縮小していくような方向かと思いますが、喫緊といいますと、その時代に応じて課題が出てくるような気がするのですが。このあたりはどういうスタンスで文科省の方は考えられているのかということをお伺いしたいのですが。
○村松委員長
  数字はそんなに計画的に予測できないのではないかという御趣旨になるわけですか。その辺の議論はどうなっていますか。
○讃岐評価監視官
  幾つか出たのですが、相互に関連するところもあると思います。まず、武田先生の喫緊の課題ということですけれども、さらにこれ以外に喫緊のものが出てくれば、文部科学省からの委託という形での研修ということも当然あり得るということは考えて、その点は見直しの中に示されているわけであります。
  もう一つ、樫谷先生の、委託で事業を行うことについてどう考えるのかということですけれども、委託で行うことにつきましては、基本的に主務省の方できちんとコントロールをし、そこで予算というものがきちんと必要性を認められるものを委託するという歯止めがかかるのだと。そこで喫緊性などが認められるかどうかということであろうと思います。
  そして、樫谷先生のおっしゃった、校長・教頭についてどのようなものを中核的とするのか、その具体的な内容を研修プログラムでどのように実現していくのかということにつきましては、集合研修をいったいどのように行っていくのかについてはまだ具体的なイメージにこれからよく固めていくということになると思いますので、中期目標、中期計画をつくっていく段階で、さらに引き続き検討していくことになろうと思います。
  黒川先生のおっしゃった、メリハリを付けて、増えるべきものは増え、減らすべきものは減らすということについては、誠にそのとおりでございまして、それでは校長・教頭について、単に集合的研修で集めて泊まる宿泊費と、講師の費用と、さらに旅費を考えますと、この程度の額でございます。これも若干初年度は減らし、その後は同額で推移ということでございます。これにつきましては、当初初年度から増やそうかという議論もあったのですが、何をどう減らしてどこをどう増やすのかという説明がまだ十分に付けられなかったということで、この予算編成の段階においてはその説明が文科省としても十分できなかったということがございますので、こういう規模になっているわけです。
  さらに、これからまさに樫谷先生の問題関心のとおり、どういう人を育成していくのか、そういうイメージを固めていきながら、よくまた議論していくということになろうかと思います。
  海外研修については、相当程度、規模は縮減しているということであろうと思います。
○村松委員長
  黒川委員、よろしいですか。
○黒川臨時委員
  はい。
○村松委員長
  そのほかは何かございますでしょうか。
  それでは、だいぶ御意見をいただきまして、今後のベースになるかと思います。基本的には先ほどの説明の通りで、本委員会におきましてはその準備のための決定ということでございますけれども、政府行政改革推進本部からの求めがあった場合にこれを通知することとしてよろしいでしょうか。(異議なしとの声あり)
  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
  引き続きまして、議題には上がっておりませんが、評価対象法人数の増加などを踏まえた今後の当委員会の体制等についてご報告がありますので、事務局から説明をお願いします。

 [評価対象法人数の増加などを踏まえた今後の当委員会の体制等についての報告]
○讃岐評価監視官
  報告事項が二つございます。一つが、今後の評価の体制についてでございます。もう一つは、「独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の退職金について」でございます。これは新しい話でございますが、独立行政法人、特殊法人の役員の退職金が、これまではあまり退職する方が出ていませんが、これから出てくると、給与と同じように、高過ぎるのではないかという指摘がまた出てくることもあろうかということで、内閣官房のほうで方針を取りまとめたものでございます。
  まず役員の退職金についてですが、内閣官房で決めたのは退職金の水準ということですが、独立行政法人、特殊法人も同じでございますけれども、在職月数一月につき、一月務めると退職金は100分の12.5、月額の12.5%ずつ加算されていくということを基準としようということで、実はもともと去年の4月までは100分の36であったわけです。それを特殊法人改革のときに100分の28まで引き下げたのですが、さらに大幅に引き下げて、100分の36に比べるとその3分の1まで引き下げるとともに、ただ下げるだけではなく、やはり業績に応じてということが必要だろうということで、業績率というものを0.0から2.0の範囲内で定め、2を取れば100分の25までアップすることができるということでございます。その業績率については、やはり業績の評価を行っている第三者機関である各省の独立行政法人評価委員会が定めることが適切であろうということでございます。
  そこで当委員会に関係するのが、各省の評価委員会が業績率を定めるに当たっては、あらかじめ当委員会に通知をし、当委員会は必要があれば意見を述べることができるとしているものです。もともと、当委員会としては給与あるいは退職金の支給も含めて、毎年の評価結果について意見を述べる過程で、各省から業績以外にもその給与の支給状況なども含めて、それを評価結果の中でフォローして、必要があれば意見を述べるということではあったわけでございます。今回の閣議決定では、業績率という方式をつくり、府省委員会で業績率を定め、それについて意見を述べることができることとしたわけでございまして、その運用は、今後よく考えていかなければいけないものです。
  もう一つ、今後の評価の体制についてですが、特殊法人からの移行独法が10月に約30増えまして、来年から評価対象が95法人になります。今は62あるわけですが、それが95になります。そこで、今は省庁別の3つのワーキンググループで作業を進めていただいているわけで、60法人を3つに、1ワーキンググループで20法人程度を担当していただいておりますが、約100に増えるわけですから、5つのワーキンググループで検討していかざるを得ないということでございます。5つにつきましては、省庁別に大体20法人ずつになるように割り振りを、委員長、分科会長とも相談させていただきながら決めたいと思います。
  そこで、今は4人ずつの3つのワーキンググループでございますけれども、2つワーキンググループが増えるということで、やはり委員についても8人程度増員しなければいけないということで、人選作業を進めているところでございます。この人選作業を終えまして、来年1月の下旬ぐらいからは新しい体制が発足ということを今考えているところでございます。
  また、新しいワーキンググループにつきまして、縦割りの各省別のワーキンググループとともに、もう一つ、これまでの委員会の議論で、横断的な視点の整理というものも必要だろうという議論がございました。これにつきまして、現在、財務内容の検討につきましては、財務内容の改善についての研究会を逐次開催しております。これに加えて、今の素案でございますけれども、研究開発法人の評価も重要な課題であろうと思います。また、既存独法につきましてはもう一つ、教育・指導・訓練等を行う法人も横断的な検討課題の一つだと思います。さらに、新しい特殊法人移行型の独立行政法人が入ってきますと、振興助成・融資関係の法人、さらに公共用物・施設整備関係の法人も大きなグループを形成すると思います。
  財務の研究会に加えて4つ横断的な研究会を、それは最大限ということだと思いますけれども、開催していき、1月から6月ぐらいまでの間、各省の評価が始まるまでの間は、横断的な研究会で横断的な視点を検討し、9月に各省の評価結果が出るわけですが、各省の評価が始まる前の6月末くらいまでに、横断的な視点を各省の評価委員会に見解として表明しておく。それを踏まえて各省に評価を行ってもらって、9月からは各省庁別の当委員会のワーキンググループで作業を進めていくという段取りで進めていこうかというように検討しているところでございます。
  実際にそうしますと、分科会あるいは委員会についても毎月必要に応じて開催するとともに、横断的研究会についても最大限各5つを月1回ぐらいできればと思います。これを1月から7月まで行うとともに、9月からは大体ワーキンググループを毎週1回のペースで2カ月半ほどお願いせざるを得ないということでございます。
○村松委員長
  御報告ということではありますが、委員会の体制にもかかわることでありますので、何か御意見があればお伺いしたいと思います。いかがでございましょうか。
  それでは、また何か建設的な御意見などありましたら、よろしくお願いいたします。
  これで本委員会の案件はこれまでということで、引き続きまして、政策評価分科会の案件として、「行政評価局が行う主要な政策評価の調査の状況について」の御議論をお願いすることになります。それでは、議事進行を丹羽分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 [行政評価局が行う主要な政策評価の調査の状況について(「少子化対策に関する政策評価」、「留学生の受入れ推進施策に関する政策評価」)]
○丹羽分科会長
  それでは引き続きまして、政策評価分科会の案件として、ただいま村松委員長からお話がありました「政策評価の調査の状況について」の御報告をいただきたいと思います。「少子化対策に関する政策評価」と「留学生の受入れ推進施策に関する政策評価」については、7月に調査計画について御審議をいただいております。現在、それを踏まえて行政評価局で調査を進めております。この2本の政策評価の調査の状況について、事務局から一括して御説明をお願いしたいと思います。
○神谷評価監視官
  それでは、資料1によりまして、「少子化対策に関する政策評価」の進捗状況について御説明申し上げたいと思います。ただいま分科会長からお話しいただきましたように、この政策評価は7月の政策評価分科会で御審議いただき、8月から着手しております。この12月から当局の出先機関であります管区局・事務所を使いまして現地調査、アンケート調査を実施することにしておりまして、その評価スキームについて御説明させていただきます。
  資料の1ページ目、2ページ目につきましては前回の分科会でもお配りした資料でございますが、ポイントだけ御説明申し上げます。
  1ページ目の「政策評価計画」でございますが、まず第1段落目でございますが、1人の女性が一生の間に産む子どもの数、合計特殊出生率が低下の一途をたどっているということで、急速な少子化が社会経済に与える深刻な影響が懸念され、少子化対策が打たれているわけでございます。
  現在動いております少子化対策は、主に平成11年末に関係閣僚会議決定された基本方針、その下部のものとしまして、基本方針のうち重点的に取り組むべき施策について集めました「新エンゼルプラン」でございます。この「新エンゼルプラン」は12年度から大体16年度までの5年間を目標期間としております。
  そういう状況でございますが、並行いたしまして、ここ1〜2年のうちに新たな動きがございました。平成14年の当初に新たな人口推計が出ましたが、それを契機としまして、「次世代育成支援に関する当面の取組方針」(関係閣僚会議決定)が策定されたり、前通常国会で「次世代育成支援対策推進法」、「少子化社会対策基本法」が成立したところでございます。これらにつきましては、主要な部分は主に平成17年度から本格的に立ち上がることになっております。
  そのことと、新エンゼルプランも16年度が目標年次であるということで、17年度から少子化対策が新たな装いになるということでございまして、今の時期に新エンゼルプランが効果を上げているかどうか等を中心に評価を行いまして、今後の少子化対策の在り方の検討に参考にしてもらうため、この政策評価を実施しております。
  2ページ目の脈絡図でございます。真ん中のあたりに新エンゼルプランが図式化してございます。1から8まで、保育サービス、雇用環境面、それから教育ですとか、住まいづくり、まちづくりの分野に至るまで、新エンゼルプランの各分野、各施策が相まって、政策目標としましては、仕事と子育ての両立の負担感や子育ての負担感の緩和・除去、環境整備がまず目指されておりまして、さらに、子育てをしやすい社会づくりが最終的な政策目標になっております。
  3ページ目からは、この政策評価のために研究会を開催して、データの把握・分析、アンケート調査の実施についてお知恵をいただきながら進めています。6名の方に御協力をいただきまして、3名は、少子化現象ですとか少子化対策にお詳しいですとか、子育て支援のNPOを主宰しておられるですとか、企業の立場から少子化対策にかかわっておられる方でございます。他の3名の方は、政策評価の手法ですとかアンケート調査などにお詳しいということで、お願いしております。
  今日お諮りします中心は、6ページから7ページにかけての評価のスキーム、9ページから10ページにかけましてのアンケート調査についてでございます。
  評価のスキームでございますが、6ページから7ページにかけて、大きな項目でI1からV5までございますが、中心となりますのはII2の「「新エンゼルプラン」推進の現況と効果」と、III3の「新エンゼルプランの効果の発現に関する状況等」の2つでございます。II2の「「新エンゼルプラン」推進の現況と効果」につきましては、主に、新エンゼルプランの各分野の項目を一番左の欄に掲げておりますが、それぞれの分野にぶら下がっております施策ごとに、まずは把握データとしまして、施策の進捗状況、事業の実績という面からデータを取ります。それから、効果の発現状況、施策の対象に与えた影響という面からもデータを取ってまいります。その中で効果の発現状況につきましては、個別の分野・施策に直接的に対応しているようなデータはほとんどございません。ですから、間接的に、ほかの分野・施策も関係してくるわけですけれども、この分野の施策が打たれることによって影響してくるであろうものを列挙いたしまして、総体的に分析してまいりたいと思います。
  それからIII3でございます。こちらのほうは4項目あります中で、1〜3までは、アンケート調査で実施することになっております。中身につきましては、真ん中の欄でございますが、新エンゼルプランに掲げます分野・施策について、ニーズが高いか、低いかということについて調査することが1つの柱でございます。もう一つは、新エンゼルプランに掲げる施策につきまして、それを利用してみて子どもを持ちたいと思えるようになったかどうかというような観点から質問するというのが、2つ目の柱でございます。
  アンケート調査をもう少し詳しく見ていただくために、10ページをお開きいただきたいと思います。上の3分の1ぐらいでございますが、全国の20代・30代の男女、未婚の方も結婚されている方も、それから、女性でいえば出産を経験されている方も経験されていない方も含め、都道府県ごとに6,000人を無作為で抽出してアンケートを取るということでございます。
  質問の内容でございますが、1は導入的な質問でございまして、2、3については、先ほどお話ししましたように、施策のニーズなどについて、ニーズの高いものを列挙した項目のうち大体3分の1ぐらいを選択していただくという形でございます。それから、施策を使ってみてどうであったかということにつきましては、効果があったものについてはすべてを選択できるということにしてございます。調査対象者の属性につきまして、年齢、性別、住んでいる地域、子ども数、婚姻の有無、職業、就業時間、職場の出産・育児支援制度、親との同居・近隣の有無ですとか、住居の広さなどを取りまして、クロス分析をしてまいるという形のアンケート調査にさせていただいております。
  なお、調査のうちニーズにつきましては、新エンゼルプランに掲げる分野・施策だけではなく、別途ロジック分析、グループインタビューなどを行いまして、潜在的にニーズがあるのではないかと思われる候補を抽出いたしまして、調査項目に付け加えるということにしております。
  このように、今申し上げました新エンゼルプランの実施状況、効果の発現状況、アンケート調査から見ましたニーズですとか、実際に使ってどうであったかという作用度などをいろいろ見ながら分析していくことが中心になりますが、そのほかに、地域におきまして先駆的な少子化対策を実施しているところの取組ですとか、最近合計特殊出生率が上昇したり下降している市町村におきまして、それが少子化対策によってそうなったのか、それとも別の外的要因があるのかということなどを調べたり、さらに必要に応じて海外における少子化の動向、少子化対策についても調べる形で評価をまとめてまいりたいと考えております。
  最後に、前回いろいろ御意見をいただきましたもののうち幾つか御紹介させていただきます。少子化対策を行うことによりまして女性が職場に進出しやすくなるという効果があるけれども、実際に子どもを産むというところにつながっているのかという御意見がございました。これにつきましては、まずはアンケート調査の中で、実際に利用してみて子どもを持ちたいと思えるようになったかという側面からの項目を立てております。さらに既存のデータからも分析してまいりたいと考えているところでございます。
 それから、今の少子化対策の中で児童手当等経済的負担の軽減の部分が少し薄いのではないかという御指摘がございました。これにつきましては、同じくアンケート調査において、子育てに伴う経済的負担の軽減のニーズについて把握することとしておりまして、それらの結果、あるいは既存のデータを基に分析してまいりたいと考えているところでございます。
  さらに、コスト面についても評価してほしいという御意見がございました。我々もコストの評価までいかなくても、まず把握について何とかしたいと思いまして、事前のテスト調査を行いました。幾つかの自治体についてヒアリングなどの調査をしました結果、少子化対策、子育て支援対策等として関連の施策・事業をパッケージしている地方自治体は少数のようであるということでした。そして、このような事情もあり、一般に国の少子化対策・事業に対応した自治体の施策・事業にかかる予算額を把握することは、こちらの調査にかかる手数としましても、相手方にかかる負担としましても非常に大きなものがあり、さらに結果としても使えるようなデータが出てこないだろうということで、地方レベルのコストのデータまでには入り込めないという状況でございます。
  以上、御報告させていただきました。
○中垣評価監視官
  それでは引き続きまして、留学生の受入れ推進施策に関しまして御報告させていただきます。
  留学生につきましても、前回7月の御審議以来、8月に、資料2の1ページに書いてございます調査対象機関、文部科学省はじめ各省に対して実施通知を行いまして、この12月からは私どもの出先でございます管区・事務所での調査を、大学等教育機関が中心でございますが、行っておるところでございます。
  具体的にどうやって進めていくかにつきましては、資料2の3ページ及び4ページにまとめておるところでございますが、それぞれ前回の各委員の御意見を踏まえて対応させていただいておるところでございます。
  具体的に申しますと、コスト分析につきまして、国費、私費の方でどれくらい掛かっておるか。あるいは学部レベル、大学院レベルというレベルの違いでどうかということもございましたので、それも調べようと思っています。
  それから、主に非常に強い意見がございました、質の重視という部分については後ほど詳しく御説明させていただきますが、アンケート調査の中で、その帰国後の地位でございますとか、最近質が落ちているのではないかというようなことも言われておりますけれども、そういった質の推移ということを、大学関係者、あるいは企業に対するアンケートから調査できないかと考えております。
  あと、各大学のほうへ調査に行くわけでございますけれども、その卒業率と申しましょうか、大学あるいは短大等におきまして、留学生の除籍率がかなり高くなっておるというようなことも聞いておりますので、卒業率を調査できないかと考えております。それから、就職状況も重要だという御指摘もございましたので、卒業者の就職率であるとか、それに伴います企業ニーズといったものについても調査したいと思っております。
  それから、いわゆる留学生と一口で言っても、その送り出し国によってかなり違うのではないかという御指摘がございましたので、それは背景事情の調査と、一部海外調査を実施したいと思っております。
  それから、アンケートにつきましては、その対象者の選定によってかなりアンケートの結果が左右されるという御指摘がございましたので、原則無作為の形でやらせていただきたいと思います。ただ、若干例外が出てまいりますが、それについては後ほど御説明させていただきます。
  資料の5ページをご覧ください。アンケート調査の概要という形にいたしております。今回5種類のアンケートを実施しようと思っております。具体的には、日本の大学等に在籍している今の留学生、留学終了後引き続き日本国内に在住する方、それから、留学終了後、あるいはその後就職された方もあるかもしれませんけれども、現在帰国されている方、それと、大学等の指導教官等、さらに企業の人事担当者の5種類のアンケートを実施することといたしております。
  このうち、帰国者につきましては、通常の形で無作為に抽出して送付するというだけでは、おそらくかなり回収率が低くなるということが予想されます。そういったことで、かなり国によって状況は違うようでございますけれども、日本留学経験者の集まりといった会が組織されている国等もあるようでございますので、このあたりを外務省とも相談して、なるべく回収率が上がるような形で実施したいと思っております。
  それぞれの調査事項につきましては、この「○」を打ってある項目について、それぞれ調査しておくということでございます。
  次に6ページでございます。「高等教育機関別調査対象一覧」ということで、私どもの出先の管区あるいは事務所が調査する対象でございます。具体的には大学が当然中心になるわけでございますけれども、各都道府県におきまして、少なくとも国立大学、私立大学1カ所ずつは調査する、基本的に留学生数の多いところを調査するということでございます。御承知のとおり、留学生数につきましては東京が圧倒的に多いので、東京についてはおおむね500人以上の留学生が現在在籍している大学について調べたいと思っております。10カ所ということでございます。大学を中心に調査ということで、留学生の担当の教官、あるいは事務職の方からいろいろ話をお伺いしてくるということになろうかと思います。
  御承知のとおり、質の問題ということでいきますと、短期大学の問題がありますとか、あるいは、18歳人口の減少に伴い、それの穴埋めに使われているのではないかというような御指摘もございますので、そういったあたりも踏まえて調査をしていきたいと思っております。
  今後の予定でございますが、年明けからアンケート調査を発送したいと思っておりますのと、なるべく早い時期に海外調査を行いたいと思っております。
  本件につきましては、前回の御議論の中でも20年前との違いというようなことがかなり指摘されたわけでございますが、現在文部科学省の中教審の方で検討されていて、ちょうど昨日報告が出ている状況でございます。
  それから、いろいろ留学生に関する報道等を見ましても、当然量の時代ではなくて質の時代だというのが共通いたしておりますし、一部の報道では、留学生が絡んだ犯罪が増えているという厳しい指摘もあるところでございます。そういった状況も踏まえまして、今後調査を続けていきたいと思っております。以上でございます。
○丹羽分科会長
  それでは、ただいまの説明につきまして、どなたからでも結構ですが、御質問や御意見などがありましたらお願いしたいと思います。まず少子化対策につきましてお願いしたいと思います。続いて留学生の受け入れ推進施策ということで質疑を進めたいと思います。ただし、両方共通の視点があれば、一括してお話をいただいても結構でございます。
  それでは、まず少子化対策のほうから、どなたからでも結構です。お願いいたします。
○黒川臨時委員
  少子化対策のほうでございます。これは分析に当たってのお願いでございますが、1ページ目にもございますように、地方と都心では違うとか、どうも全国一律の原因ではないのではないか。そうすると対策も地方ごとに特色を生かしたような、それぞれの地方の特色に合った対策ということもあり得るのかなと思いますので、分析をするに当たっては、その辺を配慮しながら細かく分析をしていただきたいと思います。
○丹羽分科会長
  大変いい御指摘だと私は思います。それはぜひ御配慮をお願いしたいと思います。ほかにございませんか。
○金本臨時委員
  一般的な話ですが、大体コンサルタントの仕事を見るときに、アンケート調査をやっているのと、それから投入産出分析をやっているのというのは、楽して金をもうけようと思っているな、というふうに私はいつも思うもので、一般論として、アンケート調査に過度に依存するというのはまずいと思います。特にこのケースがどうこうということではございませんが、アンケート調査に依存する前に知恵を絞っていただきたいという、ごくごく一般的なお願いが第一です。
  あと、少子化に関しては、コストの把握ということを以前申し上げましたけれども、地方自治体のコストの把握というのは難しいというのは、多分そのとおりだと思います。しかし、これは、一つは国の政策を評価しているということで、国レベルの負担はどうなっているのか当然きちんと調べるべきで、各担当省庁もそれに関する説明責任は持っているだろうと思います。
  あと、これが地方自治体も含んだ政策として国が企画しているということですと、国の政策の責任として、こういうものの効果があるというふうに組み立てる必要があるということで、そういうふうに組み立てられているかどうかということの評価も必要ではないか。要するに、地方自治体で何が行われているか、どういうコストが負担されているか、というチェックがない形で政策を組み立てるということ自体が問題ではないかと思いますので、政策の組み立て方自体についても評価をお願いしたいと思います。
○丹羽分科会長
  その辺についてはどうですか。事務局のほうでコメントございますか。
○神谷評価監視官
  今の御指摘は、ごもっともであり、可能な範囲で問題意識を持って取り組んでいきたいと思っております。
○丹羽分科会長
  どうぞ、松田委員。
○松田臨時委員
  今の点にも関係しますのと、両方に関係するところなのですが、少子化対策に関する施策の脈絡図の左下のところを見ますと、対策の趣旨の「推進体制」のところに、国民生活全般に深く関連するので、関係省庁が密接な連携の下に進めるとございます。これは、総合性を評価するものすべてがそうだと思うのですが、密接な連携が本当にどこまで取られているのかとか、連携を取る上での課題は何なのかというところをきちんと押さえていただくと、また次の施策に、あるいはその執行に反映されるのではないかと思います。その視点も、施策そのものではなくて、推進の仕方についても御検討いただきたいと思います。
○丹羽分科会長
  ありがとうございました。では、高木委員、お願いします。
○ 高木臨時委員
  少子化問題に関して私のマクロ的なところでの理解というのは、まず従前は結婚されない方がかなりの割合に上った。しかしながら、一方では結婚されている世帯においての子どもの数は2.2ぐらいありまして、その数字自体は比較的十分な数字であったと。しかしながら、平成14年1月の調査で、私もがく然としたのですが、1世帯当たりの子どもの人数が、1.6ぐらいでしたか、大幅に減少しておるわけです。そういうような状況の中での少子化対策ということを考えていかなければならないと思うのです。
  私も、前回の分科会の後、近いところにいる若い人間とかにいろいろと話を聞いてみましたが、確かに新エンゼルプランが対象としているような経済的な政策というか、ハード的な政策の観点から子どもの育成というふうな観点に不安を持っている人間もおるのですが、社会とか個に対しての不安感から結婚を躊躇する、あるいは結婚をあまり考えないですとか、さらに子どもを持つこと自体が別に善とは全く考えないというところから、子どもを生むことを考えないなどの話などがありまして、いわゆる倫理的なところに絡むものが今の日本の出生率の問題についてはかなりのウエートを占めているのではないかという仮定が置けるのではないかと思っております。
  そういうとらえ方をした場合には、いわば新エンゼルプランというのはハード部分の政策と言えるかと思いまして、そのように考えた場合には、ソフト部分に対する政策がどうも欠如していると言えるのではないかと、このような仮定を持ちますと、ソフト部分のところが欠如しているかもしれないというところが浮かび上がるような政策評価が必要なのではないかと考えております。アンケートの中でもそのようなものが浮かび上がるような工夫を設けていただければというのが、私の1つ目の意見であります。
  また、先ほど申し上げたような時系列の中での変化の状況ですので、新エンゼルプランに関する政策評価そのものも、これは下手をしますと効果が上がっていないのではないかというふうな結果が出るリスクがあるかと思うのです。私は、おそらく新エンゼルプラン自体は、それなりの有効性は果たしていると思うのですが、先ほどの出生率の状況から考えますと、逆の評価もされてしまうおそれがあるので、評価を行うに当たっては少々工夫が必要ではないかと思います。以上2点を意見として申し上げます。
○丹羽分科会長
  質疑の途中ですが、麻生大臣がごあいさつのためにお越しになるということですので、ここで中断をいたします。入場されるまで、今しばらくお待ちいただきたいと思います。

(麻生大臣入室)
○村松委員長
  本日は公務御多忙の中を麻生大臣にお越しいただきました。ごあいさつを頂戴したいと存じます。麻生大臣、よろしくお願いいたします。

 [麻生大臣あいさつ]
○麻生大臣
  遅れて参上して恐縮ですけれども、まず、村松委員長をはじめ委員の方々、常日ごろより大変お世話になりまして、誠にありがたく、厚く御礼申し上げます。
 評価につきましては、いわゆる独立行政法人というものが、今回は国立大学法人を含めていろいろ新しい形になって、数が増えてきておると思います。行政に対する国民から見た信頼性という意味で、いわゆる第三者から見た評価というのは極めて大事なものだと思っております。
  今いろいろな意味で、明治この方130年やってきました中央集権のところからかなりのものが地域主権のほうに大きく力を移しつつあるという流れの中にあって、移されたものの中には、大学が分かりやすい例かもしれませんが、大学だけで約20万人弱、17万人ぐらいの人が公務員から非公務員になります。そういう流れの中にあって国立大学法人等々新しいものが一挙に出てくるのですが、その中でいい意味での競争が起きてくるというのが期待されているところで、その競争の結果がその法人のコストを削減し、効果を上げ、いろいろな形で期待されているところが大きいと思っております。
 そういった意味で、ぜひこの委員会の皆様方のいろいろな意味での評価を大変大事にしたいと思っております。そして、ただ評価しただけでは意味がありませんので、それを基にして基本的には予算に反映していかないといけないと思っております。
  そうすると、評価された法人と同じようなことをやっております法人と比較し、こちらの法人のほうが経営能力が高いということになります。市町村も多分そういった形で、今後の流れとしては、行政権限、税の自主権等々を含めていろいろなものが移管されていくことになると、首長さん方も、同程度の規模の市で片方は極めて内容がよく、片方は悪いのはなぜか、組合対策ができないのか、もしくは経営能力がないのか、いろいろな意味でその能力を問われることになる。それが流れだと思います。
  地方の時代というのは地方が競争することを意味しますので、地方間の競争が起きなければ意味がないと思っております。うまくいかなければ、それはその地方が、そういう経営能力のない首長を選挙で選んだ方が悪い。能力がないならば替えればいい。選挙というのはそういうものだと思ってもらう。だから4年間に、その能力がないのを選べば、自分たちが責任を問われるのであって、そういった能力がないのを選んだためにえらい勢いで赤字になったから、その差を「総務省、何とかしてください」という時代ではありません。
  そこだけはっきりしておいていただかないと、何となく具合が悪くなったらすぐに中央政府にいくという130年やってきた発想自体を「やめようや」という話が今の流れでしょう。「具合が悪くなったら……」という話をやめていただく意識改革が必要だと思っております。
  御存じかと思いますが、今、日本の国の公務員の数というのは、1,000人当たりの労働人口からいったら約36人。主要先進国の中で一番少ない。先進国の中で、フランスの90何人、アメリカの80何人、イギリスの70人などに比べて、日本の36人というのは圧倒的に数が少ない。加えて、さらに削減しようとしているのですから。そういった中にあって、いろいろな形でITを使って、行政手続をほとんどすべて2005年までにオンライン化するなど、業務を効率化することとしています。
  それに対応できない町役場は、提出ができないということになるので、向こう2年間で必死に自分たちでやらない限りは、少なくとも町として、パソコンを見たらそのまま手がすくんで出ないような職員を雇っているのは、辞めてもらわなければしようがない。そういうことを申し上げているのであって、そのための人材育成が必要だというのであれば、それに対して積極的に援助をするのはやぶさかではありません。それは私どもとして、大いにやっていかなければいけないと思っております。
  流れとしてはそういう方向だと思っております。ぜひ皆様方の御理解をいただいて、そういった意味でほかのところと比較した場合、やはり自分たちで見て、おれのところはここが遅れている、あちらのほうがここのところは進んでいるんだというところが分かるような形にしていただけると、もっとありがたい。私どもは基本的にそう思っておりますので、ぜひ今後とも、いろいろな意味で評価につきましては、他の独立法人と、もしくは他の市町村と比べて自分たちはいいとか悪いとかいう話になるような世の中にしていかない限りは、なかなかという感じがいたします。
  いずれにしても、長い間の習慣をひっくり返す話ですから、そんなに簡単にできる話ではないのであって、ぜひいろいろな意味での新しい改革が出てくることを心から期待申し上げておるということを申し上げて、ごあいさつに代えさせていただきます。
○村松委員長
  ありがとうございました。
  ただいまの麻生大臣の御見解を踏まえまして、審議に取り組んでまいりたいと存じます。
  ここで大臣におかれましては御退室になります。
○麻生大臣
  よろしくお願い申し上げます。

(麻生大臣退室)
○丹羽分科会長
  それでは、質疑を再開いたしたいと思います。
  先ほど高木委員からの大変難しい御質問、御意見がございました。なかなか重要なポイントだと思いますので、皆さん、御意見ございましたら。
  では、翁委員。
○翁専門委員
  高木委員の御意見とも関連するのですが、1つは、こちらの研究会にも入っておられる国立社会保障・人口問題研究所の分析で、5年ごとのコーホートで見ると、結局1960年代以降の合計特殊出生率がものすごく減っておりまして、その原因が何かということについては幾つかの原因が示唆されているのですが、それについては明確な回答が今回社会保障・人口問題研究所から、今年の初めに出た報告書では出ていません。ぜひ、1960年代以降の女性の出生率がなぜ下がっているのかということの原因が、一つでも示唆できるような、原因が抽出できるような形でこのアンケートが活用されるといいというのが1つです。
  1960年代以降というと、アンケートは39歳までですので、本当は43歳ぐらいまでの年齢層なので、その5年間のところについては1年ぐらいしか入らないのですが、実際にはそこで非常に大きく変動していますので、その辺のところにとても関心がありますし、何らかの示唆が出ればというのが1つです。
  あと数点あるのですが、2点目は、先ほど金本先生がおっしゃった点と非常に関連するのですが、アンケートで調査をすると、おそらくすべての項目についてのニーズというのがそれぞれあって、評価をする際に、本当にコスト見合いで何が最も効果のある施策であるのか、どの施策を割り当てるのが一番効果的なのかという視点からコストとの関連で優先度を付けるべき施策というものをぜひ考えていただきたいと思います。それが2点目です。
  それから3点目は、これは高木委員がおっしゃったこととちょっと関連するのですが、ソフトの面ということですけれども、具体的に私のイメージでは、例えば保育園とかそういったところに対する権限の委譲の在り方。一番最初のところに延長保育とか休日保育とかいったことについてございますけれども、自治体によってはかなり保育園に権限を委譲していて、それによって利用者のニーズに応えられるというような形が出てきているということがあります。そういう意味では、体制の在り方というか、ハードの面だけではなく、どういったニーズに応えるような対処を取っているかということも、一つ大きなポイントになるのではないかという気がいたします。
  最後ですけれども、新エンゼルプランというのは平成11年策定のもので、その後については平成15年に少子化社会対策基本法という新たな施策も決まっているわけで、今回の評価というのがその新たな施策についての評価もできるような形で活用されるように提言していただきたいということです。以上です。
○丹羽分科会長
  特にソフトの保育園の権限というのは、やはり規制緩和の問題ですか。
○翁専門委員
  それもありますし、あと、自治体の運用の仕方というのも多分あるのだろうと思うのですが。そこはいろいろなケースがあり得ると思います。
○丹羽分科会長
  ほかに。田中委員。
○田中専門委員
  今日ほとんどの委員の皆さんが、少子化の原因の究明ということをおっしゃっていたのですが、少子化の原因の究明は多分とても難しいと思うのです。ですから、複合因子を分析するようなことをやらないと、とてもアンケートとか今までほとんどいろいろなところでやっている調査からでは、浮き彫りにはならないと思います。
  ですから、今回のアンケートでも、例えば所得を入れようとか、社会環境を入れようとかというような話をして、では、そこにその結果が浮き出すような形までできるのかというと、とてもそこまでは行かないのだろうと思っています。
  多くの少子化対策というのは、皆さん少子化対策とは何だろうということについてはコンセンサスが取れていないような気がするのです。例えば出生率を上げるのか、現象に歯止めをかけるのか、出生率が下がった段階で労働力を維持するような対策を考えるのか、いろいろな考え方があると思うのです。この辺があいまいになっていると思います。
  その原因の一つは、例えば新エンゼルプランを見ても、女性が社会進出をすることについての環境整備がほとんど中心になっています。それは出生率を上げるためにプラスになっているのか、マイナスになっているのかというような検証についても、割とさまざまになっています。例えば、多くの方は、女性の社会進出、要するに就業率が上がると出生率も上がるんだというある幾つかのグラフをもってそういうお話をされる方がいるのですが、それは、ある環境にいる人は職に就くことも楽だし、子どもを生むことも楽だという、両方「結果」を表していることで、それを「原因」と「結果」みたいに考えてとらえている方が多いように思います。
  ですから、新エンゼルプランの目的は、出生率を上げることとは必ずしも割り切れないとなると、その評価もどうしたらいいのかということが非常にあいまいになってくるということが事実だと思います。一方では、労働力が少なくなってくれば、女性の社会進出は当然受け入れなければならないし、推進しなければならないということからいえば、それは効果が上がっているというふうに考えられると思います。
  そんな中で我々がどんなふうにこれを評価するかというと、なかなか難しいというのが現実で、いつもここに来て感じていることは、通信簿を見るとその科目は5なのか4なのかという評価ではなくて、どちらかというと、生活態度がどうかとか、元気だとか、よく返事ができるとか、こちらのほうの評価にとどまっているのが現状だと思います。そういう全体の流れからいうと、今回のアンケート調査は、どちらかというとこちらの生活態度についての評価は浮き彫りになるのではないかというふうには考えています。私が感じているところはそういうことです。
○丹羽分科会長
  ありがとうございました。
○永井委員
  皆さん、既にいろいろなことをおっしゃっていらっしゃるのですが、やはり8つの分野の新エンゼルプランというのは、徐々に環境を整備する目的のもので、これという決め手が目に見えていないというのが多分特徴だろうと思います。しかし、少子化というのは今の日本の経済社会の陰の部分というのを象徴しているものでして、重要な政策の分析であろうと思います。
  ですから、先ほどおっしゃったように、仕事と子育ての両立のための雇用環境の整備が果たしてどうかというよりも、その背後の複合因子の分析というのを指摘するということが、重要ではないかと思います。それ以前に、我が国は健全な労働環境と賃金との調整はできているだろうかというような指摘までいくことができれば、あるいは、教育費の増加というものが子どもを持たないということの原因になっているのは分かっているわけですけれども、それも文科省の公教育がうまくいっているかどうかというような指摘を視野に入れながら分析していくことが、非常に重要なのではないかなと思います。
  都市と地方の違いというのがあるわけですが、これはあいまいな分析になってしまうのでしょうけれども、ここに象徴される暮らしの在り方というようなものがある種、示唆をしている部分もあるわけで、この辺でやはり複雑な因子というものを今後指摘していくことが、緩やかながら出生率を上げていくことになるのではないかと思います。
  ミクロで見ますと、IT産業というのがグローバリゼーションの中で重要になって、これは欠かせないわけですけれども、IT産業の中でどれだけ、24時になっても帰らないような労働者が多くなっているかということは、目に見えて私どもが知っていることです。そのようなことについても示唆を与えるような分析があってしかるべきだというふうに考えます。
○丹羽分科会長
  非常に複合的ですね。たくさんの要因がこの問題には入っていると思います。翁委員がおっしゃったように、やはり今回のアンケートで1つでも2つでも本当にこの問題の原因が浮き彫りになるようなアンケートにしていただくということが非常に大事ではないかと思います。いろいろな要因が、都市も地方もございましょうし、それから、評価も、高木委員がおっしゃったように、その効果というのはどこで見るのか、子どもの出生率が増えれば効果があったということになるのか、そのところが非常に難しい問題だと思うのですが、すべてこれで解決というわけにはいかないだろうと思います。
  まだ御意見あるかと思いますが、留学生の受け入れについても少し御審議をいただきたいと思います。もちろん少子化についてもまだ御意見があればお願いしたいと思います。黒川委員。
○黒川臨時委員
  留学生については、私も留学生を受け入れておりますので、感じるところでございます。一つだけお願いで、アンケートのほうの具体的な項目を見ていないのですけれども、アンケートの中で留学生の方々に率直に、こういう問題を解決してくれればもっとよかったのにとか、自分の留学生生活の中で、日本でもう少しこういうことをやってくれればもっとよかったのにとか、何かそういう自由に書いてもらう項目を最後にでもいいですから置いておくと、意外とそこに書かれているものから問題が出てくるのかなという気もします。既にあればよろしいのですが、なければ入れておいていただきたいと思います。
○丹羽分科会長
  今の御指摘は、入っていますか。
○中垣評価監視官
  最初に先生の御指摘にございましたように、そのアンケートの中ではあまり、あれも欲しい、これも欲しいみたいな形にはならないように考えておるのですが、最終的には、何を困っておったかとか、そういったことで自由記述にしておる部分もございます。それは入れておくということで考えております。
○丹羽分科会長
  ほかに、どうぞ。田中委員。
○田中専門委員
  個人的な意見なのですが、留学生の方が日本に来ると日本を嫌いになって、アメリカに行くとアメリカが好きになるというようなことをよく聞くのですが、それは本当にそうなのかなとか、それだと意味がないなとか、どうしてそうなんだろうとかというのは非常に興味があります。もしそういうような、直接聞くのは難しいまでも、何かそういうところが聞けるといいなというふうに思います。
○樫谷委員
  少子化と留学生と両方なのですが、少子化につきましても、国家戦略といいましょうか、人口をどうするんだというような国家戦略が多分ないのではないかと思うのです。人口政策が出てきますと、出生率をどうしなければいけないのかという話になってくると思うのです。それをまず決めないといけないし、これは全国で決めなければいけないし、ということは、また、各地域に落として、地域ごとの目標を持ってやらないといけない。地域でいろいろな工夫をしていって、それを成功させる。成功する場合もあるし、失敗する場合もある。成功例をよく分析しながら、また全国に広げていく。そういうような地道な努力もしていかないといけないと思います。
  まず数値目標をしっかり持たないと、今新エンゼルプランの内容を見ていますと、どうも出生率の低下を遅らせる程度の施策はできるかも分かりませんが、積極的に上げていくという施策はなかなか難しいのではないかと思います。ですから、そういう国家戦略をしっかりしてくださいということを、むしろ評価に入れないといけないのではないかと思います。
  留学生につきましても、どういう留学生を受け入れるのか、いくらぐらい受け入れるのかということと、そのためには世界の大学の中で日本が本当にどうしても行きたい大学なのか、できればどなたかに、アンケートで聞くとしたら、本当に行きたいのは日本は何番目なんだということを聞いていただいて、それを上げていかないと、本当に優秀な人が入ってこないのではないかと思います。
○富田分科会長
  今樫谷委員が指摘されたことに、ちょっと違和感を感じました。人口の数値目標ということですが、決して国家は独立行政法人ではないのです。少子化対策にしても、やはりそういうことの問題ではないと思うのです。あるいは留学生の場合だと、その目的を明確化して、数値目標というのもあり得るかもしれない。ただ、我々が生きている民主主義と市場経済の国というのは、そこまで選択を制約することはやはりできないわけでして、この両問題に共通する問題は、政策で何かをやったら変わるというものだけではなしに、先ほど高木委員も田中委員も御指摘のように非常に複雑なものになっているわけでして、他の調査・研究と違って、政策評価・独立行政法人評価委員会として、何かやはり委員会らしい特長を持ったものにして世の中に貢献するというところにやはり力点が置かれるべきだと思います。
  おそらくいわゆる少子化対策が、国の政策がこうなっており、具体的にどのように実施されているのかといったことについて、国と地方との業務がどういうふうになっているかといったことが実際に分からないわけで、おそらく中央にいると、プランをつくればいいんだというふうに思いがちです。けれども、それは実際にどういうふうに具体化されているかといったことについて、やはり力点が置かれるべきであろうと思います。
  そういう意味で、アンケート重視というよりも管区において実際に行われている少子化対策についての実態調査を、この国全体の政策体系とそれぞれの地域における実施状況ということでまとめてみるというのが、まず最低限必要だと思うのです。
  それと、おそらく新エンゼルプラン以外にもっと広い意味での少子化対策もあるわけでして、そういうところが多分、我が国におけるほかの少子化対策についての調査・研究では得られていない部分でありましょう。確かに少子化の原因についてはみんな知りたいところですけれども、因果の関係はなかなか容易には解明できないのではないかというふうに思います。
  留学生についてもやはり同じような多面的な要素を持っていますので、まず少なくとも明らかにすべきことは、国において府省をまたがってどういう政策体系でなされているか、それが個々の、国から国税が投入されているところの国立大学なり、私学助成金などを受けている私立大学でどう使われているかといったことも含めてやりませんと、なかなかこれは多様な問題なので、まずはこの当委員会の特長を最大限に生かせるものにしませんと、似たような報告が官民合わせていっぱいあるので、そこだけはぜひとも特長を生かしたものにしていただきたいと思います。
○田中専門委員
  今のお二人のおっしゃったことは、とても重要なので、ちょっと私も感じているところを話したいと思います。やはり何か目標がないと駄目だというのと、ではそんな目標がつくれるのかということなのですが、その辺の検証を何もしていないことは事実だと思うのです。
  今出生率が下がってきて、先進国はみんな下がっているのです。新大陸を除いては北欧の1.8ぐらいが最高で、2以上の合計特殊出生率を望むのは無理に違いないと思うのです。では、日本はどのくらいが現実論なのだろうということでいえば、例えばドイツとかイタリアとか、社会規範がある程度日本と近い国、要するに非婚出生率が少ない国というようなところで見ると、よくても大体1.5ぐらいということみたいなのです。
  となると、日本は現実的に考えると、今から1.5ぐらいになるような環境整備をしていかなければいけないだろうという目標が現実的だろうと、私は個人的に思うのです。そうすると、その部分は女性の社会進出で、労働力はある程度確保しなければいけない。となると、女性の社会進出をしやすくして、かつ、その女性が子どもを生みやすい環境にしようということは合っているような気はするのですが、何かそういう目標に対しての国としてのイメージがないことは確かなので、やはりその辺の検証は、必ずしも子どもを生めということではなくて、現実論としてどういう環境整備が必要なのかというような目標は必要であるようには思います。以上です。
○金本臨時委員
  留学生について、10万人といっても、中はすごく違って二極化しているのだと思います。私自身は、上の極というか、ほかの国のリーダーとなるべき人を留学生として受け入れて、育ててといったタイプのものについて、もう少しご検討いただけないかと思っています。
  まずそれについてやるべきことは、米国のフルブライトプログラムとか、イギリスですとブリティッシュカウンシルのプログラムとか、最近は日本からほとんど受け入れていないですが、フルブライトはまだ残っていますけれども、そういったものと人数とか、出しているお金とか、目的とか、効果とかを比較をすることを、まずやる必要があるのだろうと思います。
  もう一つは、国ではないかもしれませんが、各大学ではないところが行うプログラム、選ぶのも大学が選ぶのではないし、お金も別から出ているというプログラムと、大学が持っているプログラム、これはアメリカの大学等ですと、別に外国人でも、優秀な人間には奨学金を出すということをやっていますので、こういったものを合わせたものがどうかといったところを見ていただく必要があるのかなと思っております。
  全体の印象からしますと、特に国費留学生の場合は在外公館で選別が行われるのが主であって、その時点ではどこの大学に行かれるかというのは分からないという状況になっています。そうすると、本当に自分はトップのところに行かれると思っている人間がそこで受けてくるかというと、あまり受けない。アメリカに通ればアメリカに行ってしまうといったことになる。そういうようなことがベースにあるのだろうと思います。そういったことについて、少し立ち入った検討をお願いできればと思います。
○松田臨時委員
  先ほどから留学生の政策についての戦略性がないことを指摘されていると思うのですが、一つずつの施策、プログラムを評価していくというのは、現状把握としては大事だと思いますけれども、本来根本のところの議論をもう少ししっかりする必要があるだろうということと、そのときに、環境の変化として、当初は「国際交流の一環として」というような枕詞からスタートしているものが、現実にはもう受け入れる教育機関にとっては産業として生き残るための欠かせないものになっているわけで、そのあたりも含めた戦略性の評価というものが必要であるということが一つあります。
  それと、いわゆる総合性を評価する場合、さまざまな府省庁にわたった政策の場合ですけれども、その当事者である、ここで言いますと調査対象機関が、省庁横断的にその戦略性をまず自ら議論をし、そしてその環境の変化に対してどうなのかということを、御自分の所属する省庁を越えて議論されたり、課題を抽出された上で、こういう委員会の役割があるのではないかと思います。そのあたり、今後のそういう横断的なテーマに関する評価の仕方について、大前提をもう少し見直す必要があるのではないかと思います。
○丹羽分科会長
  時間が来ておりますが、私もちょっと発言させていただきたいと思います。少子高齢化の問題で、この10ページにありますけれども、無作為抽出で選挙人名簿でやると書いてありますが、測定の目標が、子どもを持ちたいと思うようになったかということですけれども、これは男性に聞くよりも、やはり無作為ではなくて女性を中心に調査をされたほうがいいのではないかと私は思うのですが。男性にいくら聞いても、経済的な側面からの理由は結構多いかもしれませんが。実際に出生率の低下をある程度止めなければいけないとか、日本の国の人口が本当に減っていって高齢化していくと、やはり衰退する可能性もあるわけで、そこが経済的な成長の制約要因になっているわけですから、そういう意味からいうと、出生率の低下をある程度止めていく施策というのはないのかということが、多分今政府の中では議論されていることだと思うのです。
  やはり無作為抽出で男性と女性というよりも、女性を中心にこの調査をする方法はないものかというふうに、ちょっと参考までに、私はそういうふうに思っております。
 我々の会社でも、女性を中心にして育児の問題とか介護の問題を、いろいろ意見を聞いているのですが、男性に聞きましても出生率の問題についてはなかなか難しいと思うのです。日本は男性社会ですので、何でも男性中心の会議になってしまいますけれども、これはちょっと間違っているのではないかなと最近思っています。これはご参考までに、ちょっと言わせていただきます。
○村松委員長
  男性も影響力がありますので。両方聞かないと、障害がどこにあるか分からないことが。
○丹羽分科会長
  それはそうですね。でも、女性をちょっと多くしてほしいです。
○永井委員
  応援します。女性の意見を多くというのは、非常にユニークな視点だと思います。それから、もう既にあるものは活用して、なるべくアンケートについては重点的に絞ってやっていったほうがいいと思います。
○黒川臨時委員
  留学生のほうでもう一つ。議論が散漫になるかもしれませんけれども、私の経験で、やはり手間を掛けるということが現場の人間としては最大のことで、知日家、あるいはそれを親日家にするというのは、いかに教員及びその学生の仲間の日本人がその人に対してコミットし、手間を掛ける。ここに尽きるように私は思います。
  そういうようなことがアンケートから浮き彫りになるかどうか分かりませんけれども、そのときに大切なことは、我々現場の教育・指導員に対して、大学の学長とかが、留学生に対してどういう方針でやってくれというようなことをきちんと言ってもらうということと、それから、それに対する支援体制なんです。要するに、ティーチングアシスタント、学生のアシスタントを1人とか2人とか付けなくてはいけない。それで手間を掛けるという仕組みもきちんとやっていけば、親日家になっていくのだろうと、私の経験からすればあります。
  そこは戦略性の問題なのですが、要するに、大学等々に、私のところは幸か不幸か、先ほど金本先生がおっしゃった、トップのほうの、帰ったならば各政府あるいは企業のトップ層になるだろうということが期待されるような人が比較的多いわけですけれども、それに対しては今言ったようなことが大切なので、それが実際に政策として各大学等々に、あるいは大学でも受け入れるところが二極分化していれば、それは大学のほうの対策も違うでしょうけれども、それがきちんとなされていって、浸透しているのかどうかです。それがまず1点。
  それから、中国にこの間調査に行ったときに、政府の研究部長等々と話したのですが、その時に、彼は日本の大学の博士号を取って帰って、非常に親日家だったのですが、中国全体の日本に留学した人たちのポジションが非常に弱くなっているということを嘆いておりました。
  要するに、アメリカに留学した人たちのほうが圧倒的多数になっている。日本に留学して、博士号も取って、日本語も非常に堪能で、親日家なんですけれども、嘆いていたのは、自分たちの日本に留学していた仲間が、政府部内において以前よりも非常に少数派になりつつあるということです。
  これをどうするかということですが、私が思ったのは、ぜひともそういう人たちをフォローするというのでしょうか、日本政府もそういう人たちをフォローする、あるいは、私も例えばメールでコンタクトを取っておくとか、その後のフォローということも大切なんだなというふうに思いました。
  第3番目は、雲南省のほうへ調査に行ったのですが、そこで2カ所の大学で、慶應大学と提携したいというような申し出がありました。これについては、私は全然権限もないし、全く即答できないわけですけれども、相手の国情、中国でも北京と雲南では全く違います。北京ではそういうようなニーズはないけれども、雲南ではもっと日本に期待するところがある。雲南大学の一つのキャンパスなんですけれども、そのような話になったときに、これも政策で、例えば慶應義塾大学にそういうような話があったら即お金もあって何かできるというような、今でも大学間には協定はありますし、いろいろ個々にやっていますけれども、組織的にできるそういうような対策があれば、かなりもっと動けると思います。
  また、成都に行ったときに、新希望集団という有名な会社がありますが、そこの副総裁と面接をした際に、慶應大学で幹部候補生を何人か受け入れるプログラムをつくってくれないかと、こういうことを言われました。そんなお金は慶應義塾には全くないわけで、そんなものは不可能ですというわけですけれども、そのときに、新希望集団のトップ層を慶應が受け入れてまた送り返せば、親日家の経営陣を作るということで重要なことです。それが戦略なのではないかと思いますので、その辺が浮き彫りになるというか、私のは単なる事例でけれども、そういうようなものが出てくればいい、あるいは少しでも調査結果として、知見として出てくればいいなと思います。
○丹羽分科会長
  ありがとうございます。時間がかなりオーバーして、誠に申し訳ありません。大体この辺で終わらせていただきます。この場でいただきました御指摘を踏まえて、さらに調査を進めて、評価書のとりまとめにぜひ反映させていただくようにお願いします。
  ここで、本日の議題にはございませんが、最近の政策評価をめぐる動きにつきましての御報告がございますので、事務局からお願いいたします。

 [最近の政策評価をめぐる動きについての報告]
○新井政策評価官
  それでは資料3を御覧いただきたいと思います。政策評価は、先ほど大臣も言われましたように、やはり政策に反映、特に予算との関係で予算要求、また作成に反映、活用していくということでいろいろ取り組んできました。資料3−1を御覧いただきますと、平成16年度の予算編成の基本方針が12月5日に閣議決定されておりまして、その中で政策評価を位置付けていただいているところでございます。
  1ページの中程の下の、「予算配分の重点化・効率化を行うため」という段落の一番最後のところでございますが、「その際、政策評価等の結果を一層活用する」ということで、歳出面についてもいろいろ政策評価を活用していただくとなっております。
  それから、次のページを御覧いただきますと、今、新しい予算手法のイノベーションということで、2つの大きな動きがございます。1)の「モデル事業」。これはイノベーションとしての一つのモデルとしてまずは取り組もうという意味でのモデル事業です。それから、2)で「政策群」という新しい編成作業の動きが出て来ておりまして、その中でも、アンダーラインのところですが、事後評価については「政策評価や予算執行調査等を活用する」ということで、閣議決定レベルでも政策評価が位置付けられたところでございます。
  また、この平成16年度予算への政策評価の活用状況につきましては、現在財務省のほうで今年も取りまとめていただいていると聞いております。
  次のページを見ていただきますと、地方公共団体におきましても行政評価の取組が行われてきておりまして、これは総務省の自治行政局が取りまとめたものでございますが、国の政策評価の導入もいろいろと見ていただきながら、いろいろと進んでいるというものの参考資料でございます。以上で説明を終わらせていただきます。
○丹羽分科会長
  ただいまの御報告につきまして、特に御質問等はございませんでしょうか。
  ないようでございますので、分科会はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
  それでは、議事進行を村松委員長にお戻ししたいと思います。

 [次回日程等]
○村松委員長
  どうもありがとうございました。最後は日程でございます。事務局、お願いいたします。
○橋口総務課長
  今後の政策評価・独立行政法人評価委員会の審議スケジュールについて御説明いたします。次回の委員会は1月下旬目途に予定しております。先ほど御説明いたしました独立行政法人の評価への体制ということで、臨時委員、専門委員の方々の体制等について御報告をいたしたいと思っております。
  それから、独法の分科会として新設独立行政法人についてのヒアリングということで、本年10月に発足いたしました独立行政法人を中心にヒアリングをしていただきたいと思っております。
  政策評価分科会のほうでございますが、2月中旬の開催を予定しておりまして、主要な政策評価の結果の御報告ということで、「検査検定制度」、「経済協力」を予定しております。それから、来年度の行政評価等プログラムにおけるテーマ等についての御検討をいただければと思っております。
  その後は恐縮でございますが、具体的な日程がはまっておりません。早急に調整させていただきまして、また追って御連絡させていただきたいと思っております。
  それから、来年度以降でございますけれども、日程につきましては基本的には原則毎月第4金曜日に開催ということで予定させていただきたいと考えております。また、できる限り前広に御相談させていただきまして、調整の上御連絡させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○村松委員長
  ありがとうございました。それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会の第27回会合を終わります。ありがとうございました。

〔了〕