国立高等専門学校の運営に関する調査結果(要旨)

通知日: 平成12年6月1日
局長通知先: 文部省
実施時期: 平成10年4月〜12年5月


 

 

                                                                       
調査の背景事情等
 国立高等専門学校(以下「高専」という。)は、中学校卒業生を対象に、実験・実習を重視した5年一貫の教育を行い、発想力豊かな実践的技術者を養成する高等教育機関として、昭和37年度に創設(平成11年3月末現在、学校数は54校、教職員数は6,797人、在学生数は約4万9,000人)
 高専については、技術職員等の要員配置や業務の在り方について検討の余地がみられるとの指摘があるほか、過去の監察において物品等の契約事務等に係る不適切な事例を指摘
    調査対象機関: 文部省、高専16校
    調査担当部局: 行政監察局、管区行政監察局(北海道、東北、関東、中部、中国四国)
       

調査結果

国立高等専門学校の管理・運営の見直し
  (1)  助手の配置等の見直し
 
   
高専には助手を置くこととされ、助手の職務は教授又は助教授の職務の補助(学校教育法第70条の7第1項・5項)
   
16校の助手の配置数:7人〜13人
   
   
 高専間において助手の配置数及び教授等の補助者として担当する授業時間には較差がある。
   
機械工学科(15校): 助手2人配置8校、1人配置7校と区々
1人1週間当たりの担当授業時間は最多24時間、最少12時間 (2倍の較差)
   
 16校に配置の助手 148人の担当授業時間には相当の較差がある。
   
助手の1週間の担当授業時間:20時間以上の者→9校で23人(15.5 パーセント)。15時間以下の者→15校で58人(39.2 パーセント)。10時間以下の者→4校で4人
   
 本来、専門科目の担当とすべきところを、一般科目の担当として配置
   
一般科目(体育等)に専任で1人配置2校、1週間の担当授業時間は15時間以下
   
 
   
改善所見
 文部省は、各高専に対し、助手に係る担当科目、担当授業時間等について自己点検を行わせ、助手の職務内容及び配置を見直すよう指導する必要がある。
   
  (2)
技術職員、事務職員及び栄養士の配置の見直し
   
   
高専には、学校教育法に基づき、主として技術的な職務を担当する技術職員を置くことができるとされ、また、事務職員を置かなければならないとされている。
   
高専では、学寮を設置し、給食の提供を行っており、栄養改善法第9条の2の努力義務規定に基づき、ほとんどの高専では栄養指導を行わせるため栄養士を配置
   
   
 技術職員の配置数には、高専間で相当の差が生じており、同一学科設定の高専間の技術職員数も区々
   
16校の技術職員数:12人〜20人 → 技術職員1人当たりの学生数は最多73人、最少52人( 1.4倍の較差)
   
同一学科を設定している高専間の技術職員数:機械工学科−2人(9校)、1人(6校)、物質工学科−3人(2校)、2人(4校)、1人(1校)
   
技術職員の配置:学科に3人〜12人、実習工場に3人〜8人
技術職員の1週間当たりの担当授業時間:抽出調査した3校とも実習工場配置職員の方が学科配置職員よりも職員平均で約1時間ないし2時間少ない
   
 事務職員の配置数には、高専間で較差が生じている。
   
5学科の高専(12校)の事務職員数:学校規模(25学級、学生約 1,000人)が同程度であるにもかかわらず、最多38人、最少33人
   
3学科の高専(1校)では、事務職員が35人配置され、5学科及び4学科の高専(6校)を上回る
   
8校では、学生課教務係の中に学科担当として専任の事務職員を1人から3人配置
   
 16校においては学寮の給食業務についていずれも外部委託し、これに伴い献立表の作成等の栄養士本来の業務が減少しているが、うち13校では栄養士を各1人配置
   
10校の栄養士は、献立表の作成を行っていない(献立表は委託先業者の栄養士が作成)
   
栄養士を配置していない3校では、委託先業者の栄養士が献立表の作成等栄養管理業務を担っており、そのことによる支障なし
       
   
改善所見
   文部省は、次の措置を講ずる必要がある。
1.
 技術職員の業務の在り方を検討するとともに、高専に対し、技術職員及び事務職員について集約化等による配置の見直しを行うよう指導すること。
2.
 栄養士については、栄養管理業務の外部委託を推進するよう高専を指導すること。
     
  (3)
共通役務業務の外部委託の推進
     
   
 
 庁舎管理等設備・施設等の管理業務については、引き続き包括的民間委託の手法を含め、民間委託を推進(「中央省庁等改革の推進に関する方針」(平成11年4月27日中央省庁等改革推進本部決定)の「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本的計画」)
   
 
   
 共通役務業務(清掃、ボイラー運転、校舎等の保守・警備)について、高専(13校)では外部委託を進めてきているが、いまだ部分委託にとどまっている高専がある。
   
清掃業務:事務室の清掃、樹木の剪定等を除く部分委託(13校のうち9校)
   
ボイラー運転業務:曜日限定の部分委託(13校のうち1校)
   
校舎等の保守・警備業務:時間外のかぎの収受等を除く部分委託、職員による宿直を実施(13校のうち2校)
   
 
   
改善所見
 文部省は、清掃業務、ボイラー運転業務及び校舎等の保守・警備業務について部分委託にとどまっている高専に対し、全部委託を推進するよう指導する必要がある。

契約事務担当職員の適正配置及び契約方法の適正化
   
 
   
契約事務担当職員に関して、不正防止の観点から同一の職員が同一の職に長年在職しないよう通知(昭54.11.26文部事務次官通知)
   
国が行う契約は、一般競争によることが原則(会計法第29条の3第4項)
   
指名競争に付すときは、競争に参加する者をなるべく10人以上指名(予算決算及び会計令第97条第1項)
   
   
 
契約事務担当職員の中には同一職に長期間在職している者がみられる。
 
同一職に3年以上の在職者:10校で11人、うち10年以上の在職者4人(4校)
 
契約の方法が不適切なものがある。
  i) 本来、競争契約に付すべき案件であるにもかかわらず、随意契約により実施
 
管理・共通棟等改修工事に係る設計業務(1校)、学生等の定期健康診断に係る委託契約(1校)、学寮の給食業務(2校)
  ii) 一般競争契約において参加業者が非常に少なく、競争性が十分発揮されていない
 
一般競争契約(3校、平成7年度〜9年度):91件のうち64件(70 パーセント)が参加業者数1人から3人。競争契約情報を関係者に広く周知する措置を講じていないことが一因
  iii) 指名競争契約において、指名業者数が少なく、競争性が十分発揮されていない
 
指名競争契約(3校、平成7年度〜9年度):37件のうち23件(62 パーセント)が10人未満の指名。指名業者が少ないのは、指名要件として、業者の所在地を高専の地元の市及びその近郊に限定、当該建物での改修等の工事実績のある者に限定
             
 
改善所見
  文部省は、次の措置を講ずるよう高専を指導する必要がある。
1.  契約事務担当職員について、長期間在職の解消を行うこととし、地域内における他の高専、国立大学等の間で人事交流の促進を図ること。
2.
i)
 契約案件について十分検討を行い、一般競争契約によることとされるものについては、随意契約を適用しないこと。
 
ii)
 一般競争契約においては、多くの競争参加者が得られるよう、公告方法の改善を図ること。
 
iii)
 指名競争契約においては、指名要件の緩和を行い、指名参加業者数の拡大を図ること。