我が国においては、昭和27年に有料道路制度が本格的に導入され、同制度に基づき、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団が、首都圏及び阪神圏における都市高速道路の整備を推進している。
しかしながら、近年、首都高速道路及び阪神高速道路については、密集市街地における事業展開に伴う用地取得費の増加、地形上の制約及び環境への配慮に基づくトンネル工事の増加、さらには阪神・淡路大震災を契機とする耐震性向上のための改築事業等建設コストの増加要因が重なっている一方で、利用交通量が供用延長の伸びに伴って増加しておらず、料金収入が伸び悩んでおり、採算性の確保が課題となっている。
また、「特殊法人の整理合理化について」(平成7年2月24日閣議決定)において、両公団を含む公共事業関係の特殊法人については、社会資本の整備水準、厳しい財政事情及び受益と負担の関係を勘案し、引き続き適正な事業執行に努めるとともに、建設費及び管理費の節減等の経営合理化を進めることとされ、特に両公団については、1.
道路審議会の答申を踏まえ、料金水準、公的助成の在り方について所要の検討を行うこと、2.
関連事業の検討等増収対策を推進するとともに、より徹底したコスト意識の下、建設費、管理費等の経費の一層の節減を図ること、3.
関係地方公共団体との一層の連携強化、料金徴収システムの改善等を図ることとされている。
さらに、「特殊法人等の整理合理化について」(平成9年12月26日閣議決定)において、両公団については、採算性の厳しい見通しに照らし、組織及び事業について抜本的な見直しを行うこととされている。
この監察は、このような首都高速道路公団及び阪神高速道路公団をめぐる事業環境の現状にかんがみ、両公団の経営及び事業運営の状況を調査し、関係行政の改善に資するために実施したものである。
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都市高速道路事業の透明性の確保 | ||||||
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業務の合理化 | ||||||
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3 |
業務委託等契約の適切化 | ||||||
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組織・要員の合理化 | ||||||
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