−速報のため事後修正の可能性あり−


政策評価・独立行政法人評価委員会(第4回)議事要旨
(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会及び独立行政法人評価分科会の合同)


1.日時  平成13年4月20日(金) 14時00分から16時20分

2.場所  東海大学校友会館(霞が関ビル33階)阿蘇の間

3.出席者
(委員会)
村松岐夫委員長、丹羽宇一郎委員長代理・政策評価分科会長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、竹内佐和子、竹中平蔵の各委員
宇賀克也、高木勇三、田辺国昭、新村保子、雨宮肇、大田弘子、黒川行治、黒田玲子、宮脇淳の各臨時委員
翁百合、木村陽子、中山正邦、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清、山谷清志の各専門委員
(総務省)
塚本行政評価局長、熊谷官房審議官、鎌田行政評価局総務課長、新井政策評価官、高野評価監視官ほか

4.議題
(1) 今後の委員会の進め方について
(2) 独立行政法人会計基準等について
(3) その他

5.会議経過
(1) 事務局より、今後の委員会の進め方について説明が行われ、引き続き質疑応答を行った。
  質疑応答の主な概要は以下のとおり。

  ○  政策の目標、計画について良いものは良いと、また、評価の結果、実績があがった政策については良いと指摘することもあわせて考えていかないと正しい評価はできないのではないか。
  ○  独立行政法人の評価の中では、会計基準以外にも、何らかの客観的なデータを活用することが必要である。
  ○  評価に際して、利用者、国民の立場もみることが重要であり、アンケート結果の数量化等の手法により、利用者側のニーズ等も評価に含めていくことが必要である。
  ○  府省横断的な評価を行う場合、複数の省や国と自治体とで同じようなことを行っていないかという視点も含めて数量的評価を考えてほしい。
  ○  国民本位の評価は大切である。そのため、どのようなデータ等を活用するか、調査内容、調査コスト等を勘案しながら、検討していくべきである。
  ○  当初の事前評価における需要予測と余りにもかけ離れた結果が出ている事案をめぐって評価を行う際には、事前評価を誰がどういう手順で行ったのかという点までさかのぼってみることになるのか。
  ○  顧客満足度的な視点にはメリット、デメリットの双方があるので、当委員会としてはその調査方法の適切さのチェックを行うなど監視役に徹するべきである。
  ○  独立行政法人評価における視点の設定に関しては、優良事例や留意事項を集めた資料を作成し、参考とすべきではないか。
  ○  必要な対策を講じないという政策判断に対する評価については、国民へのアカウンタビリティの点から、当委員会としてどういう対応ができるかを考えていくべきではないか。
  ○  初年度は各府省の評価結果が出されないにしても、行政評価局の勧告に対して委員会がきちんとものを言う、あるいは、基本方針ができた際に、基本方針と各府省の基本計画の関係を見ていくことはできるのではないか。
  ○  当委員会の活動を効率的に進めていくためには、行政機関の事業計画、具体的施策及び政策の予算化の仕組み等についてのイメージを持つことがまず必要である。


(2) 事務局より、独立行政法人会計基準等について説明が行われ、引き続き質疑応答を行った。
  質疑の主な概要は以下のとおり。

  ○  企業にあっては、費用も収益も会計の世界で測定されるものであるが、独立行政法人にあっては、費用は会計の世界で測定されるものの、成果は会計の世界では測れない。したがって、独立行政法人に企業会計原則をそのまま当てはめると矛盾を生じることとなるので、その矛盾を解決するために手当てをしたのが、独立行政法人会計基準であると思う。
  ○  本来、エイジェンシーにあっては、業績の成果に対してお金がもらえるという契約関係の中に緊張関係が生まれる。運営費交付金受入れ時の会計処理のように「業務の進行に応じて収益化する」といっても、何が「収益」に当たるのか吟味が必要であり、ある意味では「偉大なる無駄」である公部門の評価に当たっては、より根本的な議論が必要なのではないか。
  ○  独立行政法人会計基準上は、コスト100を用いて成果120を出した場合には、会計上の「利益」がまったく出てこない。こうした点についての切り分けが必要であり、財務諸表に全てを期待するのではなく、会計基準だけで業績評価はできないということを理解しておく必要がある。
  ○  府省における評価やこの評価委員会の中で、どのようにベネフィットをコストに結び付けて相対的なバランスの評価をしていくかについて、今後検討していくことが必要と考える。
  ○  運営費交付金の「収益」化については、本来は管理会計的な手法で厳密に積上げ式でやるべきものであるが、現実には、管理会計的な基準を作っている法人は余りないと聞いており、残念に思う。
  ○  独立行政法人の業務の達成度につき、マーケットでの換算はできないとしても、最低限、昨日よりも今日のほうがパフォーマンスが上がっているかどうかという見方を入れていくべきである。
  ○  当委員会の活動の一環として、当委員会のホームページから、独立行政法人のホームページ及び各府省の独立行政法人評価委員会のホームページにもリンクを張るなど、事後評価だけではない活動をしていくことも重要であり、事務局に必要な作業を進めていってもらいたい。独立行政法人のガイドブック、評価年報の作成についても、当委員会の活動の一環として行っていくべきである。
  ○  評価には、毎期の期間計算と長期のプロジェクトに対する評価とがあり、長期の評価によって初めて分かることがある。毎期の評価は一つのデータにはなるが、それだけで評価するには限界もある。
  ○  財務会計上の収益が上がることと、何をやったかというパフォーマンスは別の問題である。二次的な立場から評価をするに当たっては、パフォーマンスに対してどれ位のコストがかかったかを考えることが重要であり、当委員会としてはパフォーマンスの評価の定量化の努力が重要である。
  ○  事前の計画段階における評価の問題は、意思決定への参画、つまりガバナンスの問題として論議していくことが必要である。


(3) 次回は、5月25日(金)14時から、開催予定。


以上

(文責:総務省行政評価局)