―速報のため事後修正の可能性あり―

政策評価・独立行政法人評価委員会(第10回)議事要旨

(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会、独立行政法人評価分科会の合同)



1. 日時   平成13年11月30日(金)14時00分から16時30分

2.場所   中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

3. 出席者
(委員会)
   村松岐夫委員長、丹羽宇一郎委員長代理・政策評価分科会長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、 伊藤元重、樫谷隆夫、竹内佐和子、永井多恵子の各委員
宇賀克也、田辺国昭、新村保子、雨宮肇、黒田玲子、宮脇淳の各臨時委員
翁百合、木村陽子、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山谷清志の各専門委員
(総務省)
   塚本行政評価局長、鎌田行政評価局総務課長、新井政策評価官、讃岐評価監視官、堀田法施行準備室長ほか

4. 議題
(1) 行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づく政令について
(2) 政策評価に関する基本方針についての検討状況について

5. 会議経過
(1) 事務局より、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づく政令について説明が行われ、審議を行った。審議の主な概要は以下の通り。

事前評価については、義務付けをした後、何をするのか、評価の部分を少しきちんと書くべきではないか。

研究開発について、一部では他とは全く異なったフィロソフィーで行われており、そうでなくてはブレイク・スルーのある成果を得られない面がある。評価は必要であるが、評価のための評価ということになり、本質的な研究ができなくなることがないように注意しながら、評価を行わなければならない。

可能な範囲内で、できるだけたくさん評価をやるという考え方で「多額」の内容を決めるべきであり、単なる絶対額だけで決めると偏りができるため、額は政策の種類ごとに分ける必要があるのではないか。また、投下した資本だけではなく、その後の運営コストも考慮する必要があるのではないか。

上位いくつを評価するとか施策の種類ごとに順番をつけるというやり方がよいのではないか。

事後評価については、工事終了後のメンテナンスや経営の問題があり、未着手と未了の二つの概念では本当の事後評価にならない。例えばEU のように5年ごとに評価を行うなど、もう少し時間のサイクルを考えなければ、事後評価の意味がないのではないか。

第9条1号要件については、かなり多くの場合は「多額の費用」のところでおさえられる。上位からどれだけというより、額で切っていった方が良いと思う。

第9条1号要件の「相当程度の影響」については、目に見えない社会的なコストを前面に出し、国民に判断していただくという姿勢をできるだけ明確にするということが必要なのではないか。

第9条2号の要件について、府省は自分ができないということをもって事前評価の方法が開発されていないと考えがちである。それを防ぐため、非常に問題のある場合にはこちらの方で専門家にヒアリングを行って、世界的には評価方法は確立しているというようなチェックを入れる必要があるのではないか。

義務付けの対象になって事前評価をやれというときに、フォーマットをどの程度決めておくのか。フォーマット等に関して、少なくとも費用と便益に関しては金額でできるものはきちんと組み込んでいくことが必要になってくるのではないか。

(2) 事務局より、政策評価に関する基本方針についての検討状況について説明が行われ、フリートーキングを行った。意見の概要は以下の通り。

統一性又は総合性を確保するための政策の対象について、対象としての政策の範囲とそのうち何について重点的かつ計画的に評価を実施するかについて、切り分けをはっきりさせておいた方がよい。

評価の手法について、世銀で使っている手法や国際機関で使われている手法はできるだけ活用すべき。

手法は千差万別で、例えば要求省庁が高い成長率を見込んだり、出生率においても見通しが違ったりする。それに対して、当委員会や総務省が共通の尺度を与えるということが大事。

総務省自身が行う評価についても、コスト・ベネフィットを考えていかなければならない。

客観的かつ厳格な実施を担保するための評価について、会計の監査にいうシステム監査のいわば政策評価版に重点や課題を置くより、評価しないからこちらが評価するということをはっきりさせる手続ややり方を明らかにしておくとすっきりするのではないか。

客観的かつ厳格な実施を担保するためには、内容面に踏み込む必要があり、政策の必要性などについてもある程度客観的に見るとともに、チェック&バランスの仕組みがうまくできるか、また、各省庁の政策評価の体制に関しても、総務省が見ていく必要もあるのではないか。

政策評価の観点は、政策とその他の代替的な手段の政策との比較というようなことをもう少し明示的にするように働きかける必要がある。

総務省の2次評価にも人員的に限界があり、まずは各府省での1次評価がしっかりしていることが大事。

実施体制について、各省庁の政策評価担当組織が、もう少し独立した組織あるいは位置付けとすることが非常に重要ではないか。

研究開発については、基本方針の基本的なところにこれを盛り込めないか。研究開発は性格が違うように思える。

政策評価とは政策決定や政策判断そのものではなく、それに使う情報や材料を提供することであり、そこがあまりよく理解されていない。例えば、ダムの場合、一方で治水、もう一方で環境保全と全然その議論がすれ違う中で、それを解決するために政策評価があるんだと誤解される場合がある。その誤解を解く任務にあるのが総務省行政評価局や当委員会ではないか。

各府省の原局原課が何のために仕事をやっているのかということについて、府省をあげて、政策評価の仕組みの中で再認識することが大事。評価の原点は、政策の目的と手段の関係が整合的かということであり、評価を通じて意識改革させることが重要。

(3)   次回は、12月 21日(金)14時から開催予定。


以 上

(文責:総務省行政評価局)