―速報のため事後修正の可能性あり―

政策評価・独立行政法人評価委員会(第13回)議事要旨

(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会、独立行政法人評価分科会の合同)


日時    平成14年2月22日(金)1400分から1620

場所    中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

出席者
(委員会)
   村松岐夫委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、竹内佐和子の各委員
宇賀克也、金本良嗣、高木勇三、田辺国昭、新村保子、黒川行治の各臨時委員
翁百合、木村陽子、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清、山谷清志の各専門委員
(総務省)
   若松副大臣、塚本行政評価局長、広瀬審議官、橋口行政評価局総務課長、新井政策評価官、讃岐評価監視官ほか

議題
(1)   平成14年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの取りまとめに関する審議

(2)   政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営についての取りまとめに関する審議

会議経過
(1)   事務局より、平成14年度4月以降の当委員会における審議スケジュールについて説明が行われた。

(2)   事務局より、平成14年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマの取りまとめについて説明が行われた後、審議を行った。審議の概要は以下の通り。

   それぞれの政策評価テーマの対象政策が、景気対策や構造改革など上位の政策目標とどう結びついているかということも考えて評価を行うことが必要。また、それぞれのテーマには相互に連関性があるように思う。省庁横断的な政策評価こそ総務省にやってもらいたいことであり、各テーマごとに一つ一つ評価するのではなく、それぞれの政策の連関性を踏まえることが大切。

   留学生受入れ対策について、上位の目的を視野に入れた上で、留学生の数のみならず、その質をいかに確保するかという観点や、留学生にいかに親日派になってもらうかといった観点から評価を行っていくことが大切。

   統一性評価・総合性評価については、あまり手を広げすぎて浅い評価になるよりは、重要なものに絞って深く評価を行うという方針でよい。

   政策評価が経済的、効率的、かつ有効に行われるためには、ある程度の事前調査が必要。
   また、特別会計制度の活用状況については、各特別会計間で比較を行い、個々の会計制度がどうなっているかを明らかにすることがポイント。ただし、現在、公会計制度そのものの見直しが行われているため、総務省が行う政策評価テーマとしてふさわしいものとなるよう見直しが必要。

   価格規制や検査検定制度については、規制緩和についてモニタリングを行っている総合規制改革会議との連携・協力が必要。規制に関する政策評価の場合、その制度がなかったとした場合と、その制度によってどうなったのかということの比較を行うことが必要だが、その有用な手法はまだ確立されていないので、各省とも意見を交換しつつ、スタンダードとなるものができるような形で評価を行うことが重要。
   また、政策評価のデザインを固めていく際には、研究者のアイディアを積極的に取りこむととともに、一連の評価の過程にコミットしてもらうことが重要。

   政策の目標と結果について国民が判断を下せるような、分かりやすい政策となっているか、説明責任が果たされているかという観点からも評価が必要。

   評価を行うに当たり、政策効果の長期的な推移も含めて見ていってほしい。また、政策評価は、評価結果について将来のフォローアップを行えるような仕組みとすることが重要。

   テーマ選定に際し、我々の国家や国民生活がどのような要素から成り立っているのかという大きな問題意識から考えるとテーマが浮かび上がり、抜けのない評価の枠組みができる。
   また、環境問題に関する政策評価は、最終的には、経済の持続的発展と環境の保全をどのレベルで両立させるのかという問題に行き着くのではないか。環境問題は非常に重要であり、毎年度評価テーマとして採り上げられてもよい。

(3)   事務局より、政策評価・独立行政法人評価委員会における独立行政法人評価に関する運営についての取りまとめについて説明が行われた後、審議を行った。審議の概要は以下の通り。

   独立行政法人制度を創設した理念は、国民に対して優れたパフォーマンスを最低のコストで提供するために、最大限の自由度を持たせる代わりに、パフォーマンスをきちんとチェックするというダイナミックな点にある。説明のあった案については、基準に従っているかどうかという官僚統制的な表現のトーンが強くなっており、独立行政法人制度本来のダイナミックな理念や趣旨が見えなくなるおそれがあるので、書き方の工夫が必要。

   独立行政法人は、国民、納税者の立場から考えると、主務大臣等による事前の関与が制限されているという意味で、立法府を通じた民主主義的な統制もかかりにくく、また、民間企業と違い市場メカニズムによる統制も効かない。言わば、それに代わりパフォーマンスをチェックするものとして各府省の評価委員会があり、その各府省評価委員会の評価がきちんと行われているかどうかについて当委員会が後ろ盾としての役割を果たすという仕組みである。このようなことを考えると、民主主義的な統制という見地からは、厳格であることが重要。

   独立行政法人制度の基にあるNPMの考え方は、組織に運営上の裁量を与える代わりに、成果やアウトプットで管理をしようというものであるが、裁量を与えずにがんじがらめの運営の下で成果だけを評価することは、NPMの効果をないがしろにするもの。統制を厳格にして当委員会としての評価の基準を明確にすることは必要なことであるが、その前提として、主務大臣や財政当局から過度の関与がないことが必要であり、その趣旨を一般論として盛り込むことが必要。

   いわゆるベンチマーキングの手法については、機械的な比較ではなく、その組織のパフォーマンス向上のために最善のベンチマーキングを組み立てることが重要。横断的に評価結果を見る場合にも、ベンチマーキングが本当に有効なものとなっているかという視点によることが必要。

   評価の結果が良いパフォーマンスに結び付いているか、例えば、中期計画を5年の期間の途中で見直した場合、それがどのように業績に結び付いているかについても、見ていくことが必要。

   各府省評価委員会の評価の結果、中期計画の見直しも行われ得ると考えられるが、当委員会としてどのように考えるのかについても議論しておくことが必要。

   各府省評価委員会の評価結果が、「公正妥当な評価であると認められるために必要と考えられる水準」を満たしていると言い得るためには、各府省評価委員会が設定する評価基準を横断的に考えてみた際に、ある一定のレベルが確保されていることが必要。

   各事業年度の評価と中期目標期間終了時の評価とでは、結果の利用という点から考えると、求められる情報の質に違いがある。前者は基本的には次年度の業務運営等に利用されるものであるが、後者は次期中期目標や中期計画の策定等に利用されるものであり、そうした見方や利用のされ方の違いを反映した評価が行われるよう、当委員会としての考え方を示すべき。また、「主要な事務・事業の勧告」についても、中期目標期間の評価をベースにして行うものと考えられ、その点の記述を工夫すべき。

(4)   次回は、3月 22日(金)14時から開催予定。 


以上

(文責:総務省行政評価局)