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客観性担保評価活動は、評価の外観を見ることも必要であるが、各府省のマニュアルが客観性・厳格性に耐えられるかを検討することが基本。そのためには、専門家を集めて対応していく必要があり、早めに手を打っておかないと、いざやろうというときに予算がないということにもなりかねない。
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適切なタイミングで、どれくらいの期間をかけて評価が行われたかをみることが、非常に重要。
また、各府省が評価に用いた手法、結果に関するデータ及び評価の方法が国民に分かるように開示されることにより、評価の検証可能性を高めることが大切。
さらに、良いことにトライしたにも関わらず、失敗すると悪い評価がなされがちだが、その試みが後に生きてくることもあり、評価の実施に当たっては、新しい施策へのインセンティブを損なわないような配慮が欲しい。
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(上記意見に関連して)評価結果が分かりやすい形で公表されなければ、第三者がその客観性・厳格性について検証することはできないのであり、各府省の評価書が分かりやすく公表されているかをチェックするのも、総務省の役割ではないか。
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事前評価に際し、便益を推計するための前提条件が府省ごと、事業ごとなどで異なっており、便益にバイアスがかかりがちであるため、評価のプロセスを見ると同時に、予測の前提条件についても客観性が担保されているかの検討が必要。
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評価には完全に客観的・絶対的であるということはあり得ないが、総務省が、自分たちが正しいと思っている方法で評価を行い、その結果に基づき、各府省と対話を行っていくことが重要。
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ある政策について、予想した成果と実際の結果が乖離した場合には、それについての説明責任を各府省に果たさせるようにすることが重要。
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客観性を担保するためには、相手府省とはあえて異なる手法や専門家などが妥当だという手法で評価を行い、違った意見をぶつけてみることも考えられる。
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PFIでは、支出を繰り延べるという効果が便益として発生するが、その推計に当たっては、現下の低金利にも関わらず、各省共、公共事業の評価の割引率を援用し、4%の割引率を用いている。割引率を引き下げると全く便益が発生しなくなるようなケースまであり、緊急な検討・取組が必要。
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客観性・厳格性の達成水準ということになると、ある程度のポリシーや観点を持っていないと、何が客観的でどこまでが厳格なのか明確にならない。また、実際に評価を行っていく中でポリシーを発展させていくことも必要。
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客観性担保評価の目的には、各府省の評価をレビューし、ある種の緊張関係を与えるという点と、政策評価制度が政府全体での動きを把握し、当初の想定と比較の上、制度の再構成に結び付けていくという点の、2つがある。事業評価、総合評価については、数字が出てくるので問題点を指摘しやすいが、実績評価については、評価の質の向上のためにはどういう点を共通認識として確立していくことが必要であるかという観点から意見を言っていった方が良い。実際、GAOのレビューでは、実績評価の目的と手段の体系は整合的か、この指標で本当に業績を測定できるのかという問いかけを行っており、これら通じて、評価制度全体として、質を向上させていくことは可能。
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客観性担保のためには、評価のためのノウハウを各府省で共有していくことが大切であり、そのためには、客観性担保評価結果のフィードバックの仕組みを考えると良い。
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客観性担保評価では、評価の土台となる「事実」が重要。現在の制度下では、事実に対する真実性、第三者性に関する客観性は、第一義的には各府省の評価の中にあるが、その土台となる情報をどのような形でとらえていくかということについて、客観性担保評価の中でみていってほしい。
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