―速報のため事後修正の可能性あり―

政策評価・独立行政法人評価委員会(第21回)議事要旨

(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会、独立行政法人評価分科会の合同)


日時    平成141220日(金)1540分から1740

場所    中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

出席者
(委員会)
  村松岐夫委員長、丹羽宇一郎委員長代理、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、
永井多恵子の各委員
金本良嗣、高木勇三、田辺国昭、新村保子、黒川行治、黒田玲子、松田美幸の各臨時委員
木村陽子、中山正邦、吉野直行、稲継裕昭、梶川融、武田尚仁、山本清の各専門委員
(総務省)
  塚本行政評価局長、広瀬審議官、橋口総務課長、新井政策評価官、讃岐評価監視官、水野政策評価審議室長 ほか

.議題

(1 )府省評価委員会から通知を受けた独立行政法人の評価結果の審議及び意見の決定(第2次分)
(2 )平成15年度以降において評価の対象とすべきテーマに関するフリートーキング

.会議経過
(1) 事務局より、府省評価委員会から通知を受けた独立行政法人評価結果に対する意見(第2次分)(案)について説明が行われた後、審議が行われた。審議の概要は以下のとおり。
 
   独立行政法人の評価に関しては、当委員会がスタンダードと言えるものを作成することが望ましいと考えていたところであり、今回「評価活動準則」に当たるものを、このような形で作成したことは適切。
   本意見の前文に、公表後も当委員会の委員長と各府省委員会の委員長との意見交換を進め、当委員会の考え方を伝えるとともに、各府省の評価委員会の考え方をも聞き、本「準則」の充実を図っていくというような趣旨を盛り込むことを要望する。
   前文について、重要なことは、「多数の法人」が独立行政法人に入ってくるということもあるが、むしろ性格の違う「多種多様な」法人が独立行政法人に移行してくるということであり、そのように修文した方がよい。
   「試験研究」と「研究開発」という用語に関して、科学技術基本法及び基本計画には「試験研究」という用語は用いられておらず、すべて「研究開発」となっている。本意見においても「研究開発等」という用語を使う方がよい。
   ブレイクスルーをする研究というのは息が長く、評価者としては、基礎的なフロンティア研究の芽を摘まないようにしなければならないということを常に思い悩むもの。そのような意味で「国の研究開発評価に関する大綱的指針」中、「新しい知の創出が期待される」基礎研究の評価に関して言及していることは適切。
   「新しい知の創出」が期待される分野を「基礎研究」という用語で括っているが、研究開発の実態からすると基礎的研究以外の研究、例えば応用研究などについても該当するものがあるので、配慮が必要。
   独立行政法人は、企画立案というよりも執行を担う組織であり、また、現在独立行政法人となっている研究機関についてみると圧倒的にルーティン的な研究を行うものが多いと考えられ、ブレイクスルーに配慮した評価を行うのは、例外的、限定的な場合であるという点を明確にしておくことが必要。
   現在の独立行政法人制度は、完璧に企画と執行の分離という発想で捉えられないという側面があること、法人の長がリーダーシップを発揮して経営を自由に行い、その代わり責任をとるという体制を国から法人格を別にする形で作り上げていること、及び税金を使っていることから、そのアカウンタビリティを問う仕掛けの一つとして評価というシステムがあることを考え併せると、執行という形で完全に評価とリンクをさせることは、研究機関若しくは研究開発を行っている機関には難しい面もある。
   独立行政法人については、たとえどんなに先端的なものであっても評価しなければならないという仕組みになっており、評価してはいけないというような議論になっては困る。あくまでも的確な目標と計画を作り、的確な評価をすることが重要。
   短期と中期の話の関係で、予算、収支、資金計画に関しては、文面でみると1年とか2年という非常に短期での資金計画を考えている。もし、そのように中期、長期のことまで考えるのであれば、このような計画における計算についても将来までの割引現在価値で行うことも考えた方がよい。
   独立行政法人の評価は5年単位で行うというのがポイントであり、ある程度中期的なスパンで考えてそれなりに各組織でがんばっていただくということもポイント。そのような中長期的な視点を持ち込むべき。

   以上の審議の結果、本意見案については、委員長一任の下必要な修正を行った後、当委員会の第二次意見として、通知し、公表することとされた。

(2) 事務局より、平成15年度以降において評価の対象とすべきテーマに関する資料について説明が行われた後、フリートーキングを行った。主な意見の概要は以下の通り。

 
   200万人ものフリーターが存在するという問題は、教育制度と雇用の連携がうまくいかないことによるミスマッチに起因するものであり、文部科学省、厚生労働省、経済産業省等複数の府省に関わる問題。また、医療分野での教育や経済的配分の問題も重要。さらに、公益事業分野における市場参入等も総務省として研究すべき。
   「ヒト」・「モノ」・「カネ」という三要素の切り口で見てみると、「ヒト」に関しては、失業対策・少子化対策・教育等広く取り上げられているが、「モノ」・「カネ」に関しては手薄。「モノ」に関しては、製造業の国際競争力の強化、「カネ」に関しては、金融の問題が重要。
   テーマの選定以前に、専門的知識を有する人材による評価の質の向上が必要。また、社会資本整備の費用便益分析や規制関係の評価の状況の把握等は、総務省が取り組むのに値する横断的なテーマ。
   重要な行政上の課題は多く、総務省ですべてを取り上げるのは難しいことから、各政策課題について、評価の視点や政策目的による分類を行った上で検討すべき。
   評価の手法やコンセプト、または「評価の軸」を持つことが重要。また、各府省の社会資本整備の評価マニュアルや、便益計算の際の原単位、需要予測の客観性、あるいは研究開発の評価手法等を横断的に把握することも一つのテーマ。
   テーマの選定に際しては、政策評価の浸透・定着の観点から選ぶテーマと、手法の向上の観点から実施すべきテーマとを組み合わせて、タイミング、優先順位に留意しつつ戦略的に行うべき。また行政コストの削減等の効果が大きいものを中心に選定することも重要。

以上
(文責:総務省行政評価局)