―速報のため事後修正の可能性あり―
  

政策評価・独立行政法人評価委員会(第27回)議事要旨
(政策評価・独立行政法人評価委員会、政策評価分科会、独立行政法人評価分科会の合同)


.日時  平成15年12月18日(木)10時00分から12時10分

.場所  中央合同庁舎第2号館 第1特別会議室

.出席者
   (委員)
   村松岐夫委員長、丹羽宇一郎政策評価分科会長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、伊藤元重、樫谷隆夫、永井多恵子の各委員
金本良嗣、高木勇三、田辺国昭、黒川行治、松田美幸、宮脇淳の各臨時委員
稲継裕昭、翁百合、田中常雅、武田尚仁、山本清の各専門委員
(総務省)
   麻生総務大臣、山口総務副大臣
(事務局)
   田村行政評価局長、柚木官房審議官、橋口総務課長、新井政策評価官、讃岐評価監視官、神谷評価監視官、中垣評価監視官、安治川政策評価審議室長 ほか

.議題
(1) 独立行政法人教員研修センターの組織・業務全般の見直しに関する政府行政改革推進本部からの意見聴取に対する意見について
(2) 行政評価局が行う主要な政策評価の調査の状況について(「少子化対策に関する政策評価」、「留学生の受入れ推進施策に関する政策評価」)

.配付資料(PDF)
(1) 少子化対策に関する政策評価 説明資料
(2) 留学生の受入れ推進施策に関する政策評価 説明資料
(3) 平成16年度予算編成の基本方針(抄)
(4) 地方公共団体における行政評価の取組状況

.参考資料(PDF)
(1) 教員研修センターの見直しに関する政府行政改革推進本部への意見について
(2) 「独立行政法人教員研修センターの主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項を踏まえた見直し案
(3) 「平成15年度に中期目標期間が終了する独立行政法人の見直し案に対し意見を求めることについて」について(意見)(案)

.会議経過
(1)    麻生総務大臣、山口総務副大臣より、挨拶が行われた。

(2)    事務局より、独立行政法人教員研修センターの組織・業務全般の見直しに関する政府行政改革推進本部からの意見聴取に対する意見の方向性について説明が行われた後、審議が行われ、意見の方向性について決定された。審議の概要は以下のとおり。

   民間・地方にできることは民間・地方にゆだねるという観点に関しては、その前提として本来当該研修が必要かどうか検討する必要があるのではないか。研修そのものの必要性を検討するためには研修の効果測定の視点を明確にすべき。研修期間の短縮により研修施設の稼働率が減少するにもかかわらず、従来どおりの施設整備費が要求されているのはおかしいのではないか。研修施設の有効活用のためにも研修施設の貸出し等のスペースマネジメントの在り方についても考えてよいのではないか。さらに、自己収入についても今後議論してほしい。
   「中核的な役割を担う」とあるが、具体性に乏しい。中核的な役割が明確になって初めてカリキュラム・体制を明確化することができるのではないか。
   今回の見直しでは海外派遣研修の定員見直し等による経費削減に主に着目しているようだが、勧告の方向性においては「各地域の基幹たる校長・教頭等に対する学校管理研修」への重点化も大きな柱であることから、その削減経費の一部を利用し、校長・教頭等に対する学校管理研修が充実したというメリハリのある見直しがみえる方がよいのではないか。

(3)    事務局より、行政評価局が行う主要な政策評価の調査の状況(「少子化対策に関する政策評価」、「留学生の受入れ推進施策に関する政策評価」)に関して説明が行われた後、質疑応答が行われた。意見等の概要は以下のとおり。
  <少子化対策に関する政策評価>
 
   分析をする際には、全国一律ではなく地方の特色に合わせた対策にも配慮してもらいたい。
   このケースがどうこうというわけではないが一般論として、アンケート調査に過大に依存するのはまずい。また、国レベルのコスト負担とともに、地方自治体でのコスト負担の状況も含めた政策の組立てを行っているかどうかの評価を行ってほしい。
   施策の推進をみる上では、各府省の連携がどこまで密接にとれているか、またそのための課題は何かを押さえて調査すべき。
   少子化の一要因として、社会に対する漠然とした不安感、子どもを持つことを善と考えない、という倫理的な理由も考えられる。このため、新エンゼルプランのようなハードの政策だけでは対処しきれないので、ソフト部分の政策が欠如しているかもしれないということが浮き彫りになるような工夫を、アンケート調査では講じてもらいたい。
   1960年代以降の出生率が低下している原因が一つでも示唆できることを、今回のアンケート調査に期待する。また、評価をする際には、コストとの関係で効果的な政策に優先付けができるようにすべき。さらに、利用者のニーズに応えるために、保育園等への権限委譲など体制の在り方の見直しがなされているかという点も大きなポイントとなる。新エンゼルプラン以降の、少子化社会対策基本法に基づく新たな施策についての言及もできるようにしてもらいたい。
   各委員が指摘した少子化の原因を究明するのは難しく、所得や社会環境を調査項目に盛り込んでもアンケート調査では浮き彫りにならない。また、新エンゼルプランの政策目的が出生率の向上なのか、女性の社会進出なのか等、コンセンサスがとれていない状況で、どのように評価していくかであるが、政策が少子化に与えた効果をとらえることは難しく、政策の現状をとらえるにとどまってしまうのではないか。
   少子化の背後にある複合因子を視野に入れて分析することが大事。都市と地方の違いに象徴される暮らしのあり方が、ある種の示唆を与えるのではないか。
   国として今後人口をどうしていくのかという数値目標があるべきで、地域ごとの目標を立てる必要もあるのではないか。数値目標を入れるという視点があってよいのではないか。
   少子化については、人口の数値目標を入れるのは難しいのではないか。類似の調査がある中で、独自性を出すことが重要であり、そういう意味では少子化対策における国の推進体制と地方の実施状況の関係等について、地方における調査において把握する情報は他の調査においては得られていないという点での意味合いがあるのではないか。
   少子化の進行状況等現状も考慮した上で、国としての環境整備の目標を検証し直すべきである。

<留学生の受入れ推進施策に関する政策評価>
   アンケート項目の中に、自由回答欄等をつくることで、その他の項目からは分からなかった問題点を浮き彫りにしていくべきではないか。
   日本へ来る留学生は日本を嫌いになると言われているが、そのあたりの理由が聞けるといい。
   そもそもどういった留学生を受け入れるべきかという目標をたてる必要があるのではないか。
   明らかにすべきことは、国においてどういう政策、体制でなされているか、国税がどう使われているかということも調査し、当委員会の特長を最大限生かすべき。
   留学生のタイプは二極化している。将来リーダーとなるべき留学生については、諸外国の受入れ政策と比較するという視点を入れるべき。また、大学と大学以外のプログラムの違いについてもみていくべき。
   アンケート調査については、既にあるアンケート結果をできるだけ活用することとし、無駄な調査をしないようにすべき。
   留学生の受入れについては、受け入れる大学側の留学生に対する支援体制も含めた戦略性があるかという視点が重要である。留学生が帰国した後のフォローも大切である。また、留学生を送り出す国によっても地域によりニーズが異なるので、多様性に応じた対処ができるようにすべき。

  以上

(文責:総務省行政評価局)