生字幕放送の概要
リスピーク方式、キーボード入力方式について、図を用いて説明している。

以下、それぞれの方式の説明。

1)リスピーク方式
大相撲 生字幕
放送 
DGBS2 15時12分から18時(月曜日から金曜日)
DHV 16時から18時(月曜日から金曜日)

アナブースと生字幕室で制作をおこなう。

アナブースに必要な人員は、字幕キャスター、修正担当者、サイドリポーターである。
生字幕室に必要な人員は、編責、字幕プロデューサー、字幕ディレクター、辞書管理者、制作技術者、送出技術者である。

○リスピーク方式による字幕制作の流れ

アナブース
スタジオからの映像・音声がアナブースに入ってくる。
字幕キャスターは、スタジオからの番組音声を聞きながら、要約していく。

生字幕室へ

字幕キャスターの声は、生字幕室へ送られ、音声認知機装置で文字化される。
この音声認知機装置は、字幕キャスター専用の音響モデル、相撲専用の辞書を使用している。
(音響モデル、辞書についての詳細は後述する。)

再びアナブースへ

文字化された音声は、再びアナブースへ戻され、修正担当者によって、チェックが行われる。

最後に生字幕室へ

チェックされた字幕は、生字幕室の送出端末によって、放送されていく。


○音響モデル、辞書の詳細について
音響モデル 字幕キャスターごとに最低2時間以上の音声データを作成し、個人の音響モデルを使用。
辞書作成 音声認識用の一般辞書に、専用の単語や文節を加えた専用の辞書を作成。放送ごとに辞書に追加を行い変換率向上を図る。

補足:
・リスピーク方式では、他に「プロ野球」などを実施
・リスピーク方式の他に「音声ダイレクト認識方式」で「MLB野球」の生字幕を実施。

2)キーボード入力方式
NHK歌謡コンサート 生字幕
放送
DG 20時から20時43分(火曜日)

キーボード入力室と生字幕室で制作をおこなう。

キーボード入力室に必要な人員は、キーボード室担当プロデュサー、字幕入力オペレーター(3名)、オペレーター管理者
生字幕室に必要な人員は、編責、字幕プロデューサー、字幕ディレクター、制作技術者、送出技術者である。

○キーボード入力方式による字幕制作の流れ

キーボード入力室
入力用パソコンを使って、字幕入力オペレーターが、短いセンテンスで交代しながら、音声を入力していく。
オペレータをサポートするための補助要員も配備されている。

生字幕室へ
生字幕室で、修正端末を使って、字幕がチェックされる。
チェックされた字幕は送出端末によって、放送されていく。

○キーボード入力方式の特徴について
通常のパソコン3台を使い、短いセンテンスで交代しながら字幕データを制作している。この方式は辞書作成の必要はないが、要約はできない。また、初見での入力が難しく、リハーサルを行う番組しか対応できない。また長時間の入力は困難。

補足:
・キーボード入力方式では、他に「ETVワイド」「紅白歌合戦」
・テキストデータによる字幕送出も実施。(完全テキスト送出、テキスト・キーボード併用での送出)