| 通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する基本的な方針 (郵政省告示 第503号) (1)現状の認識 社会経済の情報化の進展に伴い、社会生活や経済活動における情報の果たす役割の重要性が増大しており、必要な情報を円滑に入手及び交換できることが、あらゆる人々にとって、社会生活を営んでいく上で欠くことのできないものとなっている。 近年、多様な新しい通信・放送役務が実用化され、いわゆる「多メディア・多チャンネル化」が急速に進展している一方で、身体上の障害を有する人々は、情報の入手及び交換手段としての通信・放送役務を利用することが不自由な場合があり、その利便性を十分に享受できているとは必ずしもいえない現状にある。 テレビジョン放送、ラジオ放送、電話といった もっとも基本的な通信・放送役務についてみても、視聴覚障害者の利用には著しい不便がある。これを補うものとして、例えば、テレビジョン放送については、解説番組や字幕番組等の放送があるが、その放送時間は十分でなく、また、放送対象地域も極めて限られている場合がある。 こうした現状を踏まえ、誰もが等しく通信・放送役務の利便性を享受できるようにするという通信政策の基本に基づき、身体に障害があるために通信・放送役務を十分に利用できない者についても、当該通信・放送役務を円滑に利用できるようにしていくことが必要である。 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律(以下「本法」という。)は、以上のような状況にかんがみ、通信・放送身体障害者利用円滑化事業を推進することにより、通信・放送役務の利用に関する身体障害者の利便の増進を図るものであるが、施策の基本的な方向は次のとおりとする。 (2)施策の基本的な方向 多様な通信・放送役務が開発され、利用されているなかで、あらゆる通信・放送役務が身体障害者にとって利用可能となることが求められているが、とりわけ、テレビジョン放送において、視聴覚障害者への対応が喫緊の課題となっている。 このため、当面、通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関しては、テレビジョン放送における視聴覚障害者への対応に重点を置くこととし、解説番組及び字幕番組の放送時間数の拡大及び放送地域の拡大に努めることとする。 なお、その他の通信・放送身体障害者利用円滑化じ業についても、財源の状況や身体障害者のニーズ等を勘案しつつ必要な措置を講じていくこととする。 (1)通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する基本的な事項 本法において、その推進を図ることとしている通信・放送身体障害者利用円滑化事業は、身体障害者の通信・放送役務の利用に関する利便の増進に著しく寄与するものであることが必要である。具体的には、テレビジョン放送、電話等広く国民に普及している通信・放送役務であって、その利用について身体障害者のニーズが高いものである必要があり、さらに事業実施の効果も全国的に広く及ぶものであることが望ましい。 また、この通信・放送身体障害者利用円滑化事業は、身体上の障害のために利用に支障が生じている通信・放送役務について、身体障害者がこれを円滑に利用できるようにすることを目的とするものであり、具体的には、特定の通信・放送役務の利用について身体上の障害のために困難が生じている場合に、当該通信・放送役務を実質的に利用可能にするために、これを補完し、代替し、又はそのアクセスの改善を図るものである。 (2)通信・放送役務を提供し、又は開発する業務(本法第二条第四項第一号の業務) 本業務は、解説番組及び字幕番組の放送その他の身体障害者のための通信・放送役務を提供し、又は、これまで、実施されていない身体障害者のための通信・放送役務を開発することにより、身体障害者の通信・放送役務の利用の円滑化を図るものである。 通信・放送役務を開発する業務は、必ずしも技術開発を伴う必要はなく、既存の技術を用いて身体障害者向けの通信・放送役務を開発するものも含まれるものである。 また、開発された通信・放送役務は、その後開発を行う者により実際に提供されることを前提とするものである。 (3)通信・放送役務を提供するための電気通信設備に付随する工作物を設置する業務(本法第二条第四項第二号の業務) 本業務は、身体障害者が車いす等で利用できるよう公衆電話ボックスの床面積を拡大し、電話の位置を低くする等の整備をして提供する車いす用公衆電話ボックスの整備を主な対象とするものであり、その整備の促進により身体障害者の通信・放送役務の利用の円滑化を図るものである。 (4)解説番組、字幕番組その他の放送又は有線放送の放送番組を制作する業務(本法第二条第四項第三号の業務) 本業務は、テレビジョン放送において送られる静止し、または移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組である解説番組、及びテレビジョン放送において送られる音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字放送番組である字幕番組のほか、手話付き番組その他の視聴覚障害者の放送の円滑な利用を図るための放送番組を制作し、これらの放送番組の放送の増加に寄与するものである。 (1)身体障害者のための通信・放送役務を提供する事業は、全国的にみて地域的な偏りのないよう実施されるものとすること。 (2)一事業者の役務提供対象地域が、地域限定的である通信・放送役務については、当該役務が提供される地域ができるだけ早期に全国的に拡大するよう図るものとすること。 (3)視覚障害、聴覚障害、肢体不自由等の障害の種別に応じてバランス良く通信・放送役務の充実が図られることが望ましいこと。 |