高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(平成十二年五月十七日法律第六十八号)最終改正:平成一八年五月十九日法律第四十号

(目的)
第一条  この法律は、高齢者、身体障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性が増大していることにかんがみ、公共交通機関の旅客施設及び車両等の構造及び設備を改善するための措置、旅客施設を中心とした一定の地区における道路、駅前広場、通路その他の施設の整備を推進するための措置その他の措置を講ずることにより、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性及び安全性の向上の促進を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

(基本方針)
第三条  主務大臣は、移動円滑化を総合的かつ計画的に推進するため、移動円滑化の促進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2  基本方針には、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  移動円滑化の意義及び目標に関する事項
二  移動円滑化のために公共交通事業者等が講ずべき措置に関する基本的な事項
三  第六条第一項の基本構想の指針となるべき次に掲げる事項
イ 重点整備地区における移動円滑化の意義に関する事項
ロ 重点整備地区の位置及び区域に関する基本的な事項
ハ 特定旅客施設、特定車両、特定経路を構成する一般交通用施設及び当該特定旅客施設又は一般交通用施設と一体として利用される公共用施設について移動円滑化のために実施すべき特定事業その他の事業に関する基本的な事項
ニ ハに規定する事業と併せて実施する土地区画整理事業(土地区画整理法 (昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)、市街地再開発事業(都市再開発法 (昭和四十四年法律第三十八号)による市街地再開発事業をいう。以下同じ。)その他の市街地開発事業(都市計画法 (昭和四十三年法律第百号)第四条第七項 に規定する市街地開発事業をいう。以下同じ。)に関し移動円滑化のために考慮すべき基本的な事項その他必要な事項
四  移動円滑化の促進のための施策に関する基本的な事項その他移動円滑化の促進に関する事項
第二章 移動円滑化のために公共交通事業者等が講ずべき措置
(基準適合義務等)
第四条  公共交通事業者等は、旅客施設を新たに建設し、若しくは旅客施設について主務省令で定める大規模な改良を行うとき又は車両等を新たにその事業の用に供するときは、当該旅客施設又は車両等(以下「新設旅客施設等」という。)を、移動円滑化のために必要な構造及び設備に関する主務省令で定める基準(以下「移動円滑化基準」という。)に適合させなければならない。
2  公共交通事業者等は、新設旅客施設等を移動円滑化基準に適合するように維持しなければならない。
3  公共交通事業者等は、その事業の用に供する旅客施設及び車両等(新設旅客施設等を除く。)を移動円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4  公共交通事業者等は、高齢者、身体障害者等に対し、これらの者が公共交通機関を利用して移動するために必要となる情報を適切に提供するよう努めなければならない。
5  公共交通事業者等は、その職員に対し、移動円滑化を図るために必要な教育訓練を行うよう努めなければならない。
(移動円滑化基本構想)
第六条  市町村は、基本方針に基づき、単独で又は共同して、当該市町村の区域内の重点整備地区について、移動円滑化に係る事業の重点的 かつ一体的な推進に関する基本的な構想(以下「基本構想」という。)を作成することができる。

(公共交通特定事業の実施)
第七条  前条第一項の規定により基本構想が作成されたときは、関係する公共交通事業者等は、単独で又は共同して、当該基本構想に即して公共交通特定事業を実施するための計画(以下「公共交通特定事業計画」という。)を作成し、これに基づき、当該公共交通特定事業を実施するものとする。
2  公共交通特定事業計画には、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  公共交通特定事業の対象となる特定旅客施設又は特定車両
二  公共交通特定事業の内容
三  公共交通特定事業の実施予定期間並びにその実施に必要な資金の額及びその調達方法

(公共交通特定事業の実施に係る命令等)
第九条  市町村は、第7条第一項の規定による公共交通特定事業が実施されていないと認めるときは、公共交通事業者等に対し、その実施を要請することができる。
2  市町村は、前項の規定による要請を受けた公共交通事業者等が当該要請に応じないときは、その旨を主務大臣に通知することができる。
3  主務大臣は、前項の規定による通知があった場合において、公共交通事業者等が正当な理由がなくて第一項の公共交通特定事業を実施していないと認めるときは、当該公共交通事業者等に対し、当該公共交通特定事業を実施すべきことを勧告することができる。
4  主務大臣は、前項の規定による勧告を受けた公共交通事業者等が正当な理由がなくてその勧告に係る措置を講じない場合において、当該公共交通事業者等の事業について高齢者、身体障害者等の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、第五条第三項の規定により命令をすることができる場合を除くほか、当該公共交通事業者等に対し、移動円滑化のために必要な措置を講ずべき旨の命令をすることができる。ただし、鉄道事業法 その他の法律の規定で政令で定めるものによる事業改善の命令がある場合にあっては、当該命令によるものとする。
第二十五条  次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一  第五条第二項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二  第五条第三項又は第九条第四項の規定による命令に違反した者
三  以下、略