情報通信のトップへ

インデックスへ 調査研究会

資料8−1


電子申請システムにおけるアクセシビリティの確保


スライド0(表紙)
資料8−1
電子申請システムにおけるアクセシビリティの確保
2005年11月25日
「公共分野におけるアクセシビリティの確保に関する研究会」事務局
総務省 Ministry of Internal Affairs and Communications

スライド1
■既存の電子申請システムで見られるアクセシビリティの問題

電子申請システムを政府機関・地方公共団体等に納入しているベンダー各社からのヒアリングした結果、現在提供されている電子申請システムでは、利用者が行う利用の準備作業も含めて、以下のようなアクセシビリティ上の問題が見られる。ただし、これらの問題のすべてがひとつの電子申請システムに見られるわけではなく、各ベンダーの提供システムによって該当する問題に違いがある。

(1)利用の準備段階で見られる問題
電子申請システムの利用に際して、利用者はまず必要なソフトウェアのダウンロードやインストール、ブラウザの環境設定、民間認証局やオンラインバンキングの利用契約等を行う必要がある。これらの多くは、電子申請システム以外のホームページで申し込みや利用操作を行う必要があり、それらのホームページのアクセシビリティに問題があるケースが見られる。

(2)電子申請の手順で見られる問題
電子申請の利用手順や表示される画面遷移は各システムによって異なるが、次の点でアクセシビリティ上の問題が発生する場合がある。
○利用者登録、ログインのための情報入力フォームの読み上げやキーボード操作
○申請様式や公文書のダウンロード操作画面の読み上げ
○各種申請書類の入力フォームの読み上げ、キーボード操作
○入力の時間制限
○申請時に必要となる書類添付操作での読み上げ、キーボード操作
○セキュリティの警告メッセージや、ファイル保存、印刷時にシステムが表示するメッセージやダイアログの読み上げ

スライド2
■電子申請システムにおけるアクセシビリティ上の課題例

(以下は課題例の表の内容の説明です。区分、項目、読み上げ対応での課題例、キーボード操作での課題例の順に抜き出しています。)

・準備
・操作説明(マニュアル等)
・PDF等で提供する場合は、読み上げについて留意する必要がある。
・空欄

・準備
・動作環境の確認
・ブラウザによっては、機能設定(インターネットオプション等)の読み上げが正しく行われない。
・空欄

・準備
・必要なソフト等の事前インストール
・ダウンロードサイトのアクセシビリティに依存。
・ダウンロードサイトのアクセシビリティに依存。

・準備
・電子証明書の取得
・認証サービス提供サイト等のアクセシビリティに依存。
・認証サービス提供サイト等のアクセシビリティに依存。

・申請
・利用者登録
・Javaを使用している場合、入力欄等の読み上げが正しく行われない。
・Java を使用している場合、画面のスクロール等がキーボードのみでは正しく操作できない。

・申請
・ログイン
・操作パネルにJava を使用している場合、読み上げが正しく行われない。
・Java を使用している場合、一部キーボード操作に対応していない部分がある。

・申請
・入力等
・様式のダウンロード、入力欄等にJava を使用している場合、読み上げが正しく行われない。
・Java を使用している場合、画面のスクロール等がキーボードのみでは正しく操作できない。
・申請
・必要書類の添付
・ファイル選択ダイアログ等にJava を使用している場合、読み上げが正しく行われない。
・空欄

・申請
・電子署名の付与
・セキュリティ警告メッセージ等にJava を使用している場合、読み上げが正しく行われない。
・空欄

・申請
・保存、印刷
・印刷、ファイル保存のダイアログ等にJava を使用している場合、読み上げが正しく行われない。
・空欄

・申請
・手数料納付
・オンラインバンキングサイトのアクセシビリティに依存、オンラインバンキング専用カード上の記号や数字を入力しなければならないものもある。
・オンラインバンキングサイトのアクセシビリティに依存。

・申請
・申請状況確認、公文書取得
・Javaを使用している場合、読み上げが正しく行われない。
・空欄

・全般
・メッセージ表示
・メッセージダイアログ等にJavaを使用している場合、読み上げが正しく行われない。
・空欄

・全般
・無通信時間
・無通信時間を監視しており、オーバーした際にはセッションタイムアウトとなり、セッションが切られる。
・無通信時間を監視しており、オーバーした際にはセッションタイムアウトとなり、セッションが切られる。

(表はここまで)

スライド3
■対応の考え方
国内で多く使われている画面読み上げソフト等ではJavaを読み上げることができないなど、障害者の利用において想定される技術的な問題については、当面、次のような対応をとることが有効と考えられる。

(1)電子申請システムのユーザーインタフェース(画面表示等)に係る部分はHTMLベースとする。
(2)HTMLベースのユーザーインタフェースを実装する際には、各画面のアクセシビリティはJIS X 8341-3の要件に準拠する。
(3)電子申請システムの内部処理にJava等を用いる際に自動的に発行される警告メッセージ等の表示については、利用者の安全性確保の観点から、現時点では信頼できる支援者のサポートを受けて本人が表示されたメッセージ内容を確認し、必要な回避策をとる。
(4)運用中の電子申請システムについて、画面読み上げソフト等での読み上げやキーボードのみの操作及び主要支援技術での操作の問題点を把握し、問題点がある場合はその内容をホームページで情報提供し注意喚起する。

◆今後の方向性について
  国内の画面読み上げソフト等の支援技術のJavaへの対応については、すでに一部のものではJava表示画面の読み上げ対応を開始しているほか、国内でJavaアクセシビリティAPIに関するドキュメントを整備する動きが活発化しており、Javaへの対応が遅れている画面読み上げソフト等でも、今までよりJavaへの対応が容易になると思われる。加えて、今後は、Java等を活用したより高度なウェブサービスが一層普及していくことが予想されるため、支援技術側での対応も進むことが期待される。

(以上)


トップへ