III. 無線局免許

電波法
第四条 無線局を開設しようとする者は、郵政大臣の免許を受けなければならない。
(略)
  1. 無線局免許の手続
    無線局を開設しようとする者は、郵政大臣の免許を受けなければならない。
    無線局の開設とは、無線設備を設置し、それを操作する者が電波を発射できる状態にし、無線局を構成することをいう。無線局の免許申請に当たっては、次の書類を提出する必要がある。
    1. ) 無線局免許申請書
    2. ) 添付書類等
      • 無線局事項書及び工事設計書
      • 当該無線局が技術基準適合証明設備を使用するときは、当該無線設備が技術基準適合証明を受けたものである事実を証する書面
    なお、平成九年十月より特定無線局の免許の特例(包括免許制度)が導入されている。特定無線局の免許の申請にあたっては次の書類を提出する必要がある。
    1. ) 特定無線局免許申請書
    2. ) 添付書類
      • 特定無線局の無線事項書及び工事設計書
    また、PHS端末やコードレス電話など発射する電波が弱いものについては、技術基準適合証明の取得等を条件として、免許を要しないこととされている。
  2. 審査
    1. ) 予備免許
      郵政大臣は、無線局の免許申請に対し、欠格事由に係る審査のほか、
      1. ) 工事設計が電波法に定める技術基準に適合すること
      2. ) 周波数の割当てが可能であること
      3. ) 郵政省令で定める無線局の開設の根本的基準に合致すること等について審査を行い、その結果、申請書の内容がこれらすべての事項に適合していると判断した場合、予備免許を与える。
      なお、新規事業者が、新たに電気通信事業用の無線局を開設しようとする際には、電波監理審議会への諮問を経て予備免許を与えることとする。
    2. ) 審査基準
      無線局の免許の可否に該当する事項を基準として規定している。
    3. ) 標準処理期間
      無線局の種別等により異なるが、例えば、基地局、陸上移動局の免許申請については、原則としてそれぞれ一・五か月、一か月で処理する。
    4. ) 欠格事由
      原則として、
      1. ) 日本の国籍を有しない人
      2. ) 外国政府又はその代表者
      3. ) 外国の法人又は団体
      4. ) 法人又は団体であって前記 i) から ii) に掲げる者がその代表者であるもの又はこれらの者がその役員の三分の一以上若しくは議決権の三分の一以上を占めるものには、免許が与えられない。ただし、電気通信業務を行うことを目的として開設する無線局については、前記にかかわらず免許が与えられる。また、電波法や放送法に規定する罪を犯し罰せられた人、免許の取消処分を受けた人などは、二年間は免許が受けられないことがある。
    5. ) 落成後の検査
      予備免許を受けた者は、工事落成後に無線設備及び無線従事者等の検査を受け、検査に合格した場合は免許が付与される。
      ただし、無線設備等の点検の事業を行うことについて、郵政大臣の認定を受けた認定点検事業者により行われる点検の結果を記載した書類が提出された場合は、郵政大臣は検査の一部を省略することができる制度(認定点検制度)が実施されている。
    6. ) 簡易な免許手続き等
      携帯・自動車電話など、郵政大臣の行う技術基準適合証明を受けた無線設備を使用する場合は、「予備免許」及び「落成後の検査」を省略する簡易な免許手続きにより免許を受けることができる。
      なお、技術基準適合証明は、(財)テレコムエンジニアリングセンターにおいて実施されている。
    7. ) その他必要な手続き
      1. ) 国際電気通信連合(ITU)業務規則無線通信規則(RR)に定める手続 衛星通信網を構築し運用する場合には、国際電気通信連合業務規則無線通信規則(RR)に規定する国際調整及び通告手続が必要とされている。
        人工衛星局・地球局の免許申請の際は、関係する主管庁の計画又は運用されている衛星通信網との国際調整状況について確認している。
        人工衛星局・地球局の免許申請の際は、関係する主管庁の計画又は運用されている衛星通信網との国際調整状況について確認している。
        なお、申請する地球局の調整区域に他の主管庁の領土が含まれる場合は、その主管庁との調整が必要となる。
      2. ) 無線従事者資格
        無線局の無線設備の操作は、原則として、無線従事者、又は主任無線従事者の監督を受けている者でなければ行ってはならない。
        1. ) 無線従事者免許取得の手続
          国家試験合格 ] 等 → 免許申請 → 免許
          養成課程修了
        2. ) 免許申請に必要な書類
          • 申請書
          • 国家試験合格又は養成課程修了等を証する書類
  3. 技術基準適合証明制度
    1. ) 概要
      1. ) 携帯・自動車電話端末、コードレス電話端末等の「特定無線設備」(小規模な無線局に使用するための無線設備であって郵政省令で定めるもの。)が電波法に定める技術基準に適合していることを証明する制度。
      2. ) 技術基準適合証明を受けた特定無線設備については、無線局の簡易な免許手続が可能となることやコードレス電話端末等の免許が不要となる等のメリットがある(2.の「6) 簡易な免許手続等」を参照)
    2. ) 制度
      1. ) 技術基準適合証明:個々の設備について個別に審査を行い、証明する制度。
      2. ) 工事設計の認証:メーカーの品質管理能力等(ISO9000s等)について審査し、同じタイプの設備にあれば、全ての技術基準適合証明がなされるものとみなされるタイプ(工事設計)ごとの認証制度。
    3. ) 審査に係る書類等
      1. ) 技術基準適合証明
        • 申請書
        • 工事設計書
        • 申請設備の操作及び保守の方法及び記載した書類
        • 申請設備(注)
      2. ) 工事設計の認証
        • 申請書
        • 工事設計書
        • 確認方法書
        • 当該申請に係る工事設計に基づく一の特定無線設備 (注)
        (注)
        郵政大臣が認定した民間の点検事業者(認定(外国)点検事業者)の行ったテストデータ(認定点検結果通知書)及び当該設備の写真等が提出された場合は、申請設備又は当該申請に係る工事設計に基づく一の特定無線設備の提出は不要である(技術試験は行わない。)。
    4. ) 審査機関
      (財)テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)
      ホームページアドレス:http://www.mkk.or.jp/

技術基準適合証明制度と設計認証制度の比較