凡例 第1章 特集 ITがひらく21世紀 第2章 情報通信の現況 第3章 情報通信政策の動向 情報通信年表・注記・調査概要

第1章 第4節

3 趣味・娯楽

音楽やゲームソフトのネットワーク配信等が開始

 インターネットやパソコンは、それ自体が趣味・娯楽の1つの分野として確立しつつあるが、11年には、インターネットを活用した音楽やゲーム等の分野におけるサービスにも広がりが見られるようになってきた。
1)音楽配信
 従来、音楽ソフトウェアを購入する場合には、レコード、CD等のメディアに録音されたものを購入して、再生するのが一般的であったが、近年、インターネット上での音楽データ配信が注目されている。
 最初に話題を集めたのは、MP3(MPEG1/AudioLayer3)と呼ばれる音声データの圧縮技術である。この技術を用いると、パソコンを使って、高音質な音声データを簡単に小容量のデータファイルに変換し、インターネット上で流通させることができる。しかし、その手軽さのため、無許可でCD等から音楽データを複製し、インターネット上で流通させるといった、著作権上の問題も発生している。
 このような問題に対して、容易に複製のできない圧縮技術を用い、専用の再生機でのみ再生を可能とすることで著作権の保護を実現するインターネット上での音楽配信サービスが11年に開始された。また、MP3を用い、音楽データに組み込まれたID番号が再生機のID番号と一致した場合のみ再生可能とし、複製が出来ないよう工夫したサービスも、今後提供される予定となっている。
2)家庭用テレビゲーム機等
 現在のインターネット接続端末は、パソコンが一般的であるが、現在注目を集めているものとしては、携帯電話端末(1-2-4参照)と家庭用テレビゲーム機が挙げられる。現在、家庭用テレビゲーム機でインターネットに接続可能なものとしては、セガ・エンタープライゼスの「Dreamcast(ドリームキャスト)」があり、同社によれば、ドリームキャスト向けのインターネット接続サービス登録者数は、12年2月に全世界で100万人を超え、このうち日本における登録者数は52万人と発表されている。本サービスでは、インターネット上のウェブコンテンツ閲覧等ができるほか、日本中のどこにいる人とでも対戦型ゲームを楽しめるネットワークゲームサービスや、ゲームソフトウェアのダウンロードサービス等が提供されている。
 また、ソニー・コンピュータエンタテインメントは、同社が12年3月に発売したコンピュータエンタテインメント・システム「PlayStation2」(PS2)を接続端末とする、CATV網を活用した広帯域ネットワークを、13年より構築するとしている。ユーザーは、PS2を同ネットワークに接続することで、より大容量のコンテンツをダウンロードすることが可能となる予定である。

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写真提供:ソニー(左)、ソニー・コンピュータエンタテインメント(中)、セガ・エンタープライゼス(右)

関連サイト: ソニー(http://www.sony.co.jp/
  セガ・エンタープライゼス(http://www.sega.co.jp/
  ソニー・コンピュータエンタテインメント(http://www.scei.co.jp/