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第1章 コラム3

コラム3 インターネットを活用した郵便貯金サービス

安全で便利なインターネット上の決済サービスを推進

 インターネット利用者の増加に伴い、インターネットを活用したショッピング等の取引も次第に活発化してきており、安全な決済方法などのインターネット上の金融サービスに対するニーズが高まってきている。このようなことから、郵政省では、インターネットを利用する郵便貯金の預金者の利便向上を図るため、インターネット上において、郵便貯金の各種サービスを利用できるようにするための実証実験を12年3月から実施している(3-8-2参照)。
 実証実験は、参加モニターを2万人とし、うち1万人は「ICカード利用モニター」として口座間送金等のゆうちょサービスの電子認証データの保管をICカードで行い、他の1万人は「ハードディスク利用モニター」として電子認証データをハードディスクに保管する。ICカードは最先端の高セキュリティな電子認証データの保管媒体として将来性が注目されており、また、ハードディスクは利便性と汎用性が高く本格サービスに適した媒体として期待されていることから、この2つの方式により実証実験を行い、使い勝手の違い等を検証する。なお、12年度においては、さらに2万人のモニターを追加募集することとしている。
 実証実験における具体的なサービス内容は、ゆうちょホームページに連動する「郵貯インターネットホームサービス」の画面から口座間送金や居宅送金などのサービスを提供しているほか、バーチャルモールや民間金融機関等と連携し、インターネットショッピング等に伴うデビット決済サービスを提供している(図表1))。
 また、オープンなネットワークであるインターネットを用いる取引は、ハッカーなどに情報を盗まれたり、情報を改ざんされたりするなどの危険性があるため、万全なセキュリティ対策を講じる必要がある。そのため、現時点において採り得る最高度のセキュリティ対策を行い、サービスを提供している(図表2))。さらに、民間金融機関等と連携して「日本インターネット決済推進協議会」を設立し、安全で使い勝手の良いセキュリティ方式の標準化に取り組んでおり、その方式を本実証実験にも取り入れている。
 郵政省では、実証実験や日本インターネット決済推進協議会における取組等を通じて、インターネット上の金融サービスを一層便利に、かつ、安心して利用できるようにするための環境整備の促進に努めることとしている。

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関連サイト: ゆうちょホームページ(http://www.yu-cho.mpt.go.jp/
  日本インターネット決済推進協議会(http://www.jippa.gr.jp/