凡例 第1章 特集 ITがひらく21世紀 第2章 情報通信の現況 第3章 情報通信政策の動向 情報通信年表・注記・調査概要

第3章 第3節

1 ネットワークインフラの整備

(1)次世代ネットワーク構築に向けて

現在の1,000倍の通信速度が10年後に実現

 郵政省では、21世紀初頭の次世代ネットワーク像及びそのネットワーク上で展開されるアプリケーション、コンテンツ、プロダクツを展望するとともに、高速・低料金の次世代ネットワーク基盤の構築、提供される新サービスの実現のための環境整備及びそれらの推進方策について検討を行うため、11年1月より「次世代ネットワーク構想に関する懇談会」を開催し、同年6月に報告書を取りまとめた。同報告書の概要は以下のとおりである。
1)21世紀に向けたアプリケーション、コンテンツ、プロダクツの将来像
 同報告書は、インターネットの普及に伴い、ネットワーク、アプリケーション、コンテンツの関係に変化が生じ、「ネットワークがアプリケーション、コンテンツを規定する時代」から「アプリケーション、コンテンツがネットワーク構築をリードする時代」へ転換すると展望している。アプリケーション等のイメージとしては、発展した既存アプリケーション(電子メール、情報検索等)と新たなアプリケーションが共存する状況を予想している(図表1))。
2)次世代ネットワークの在り方
 今後のネットワークの通信速度は、17(2005)年までに、各家庭で動画像を含む現在の100倍の高速データ量を扱う(「100X」)通信社会が、22(2010)年までには動画像を含む現在の1,000倍のデータ量を扱う(「1000X」)超大容量ネットワーク社会が到来し、17(2005)年頃の通信速度は、バックボーン網で10Tbps、アクセス網については家庭で5〜10Mbps、企業で10M〜1Gbpsになると展望している(図表2)、3))。
 また、データ通信トラフィックが増大していることから、次世代ネットワークとしてはインターネットに代表されるIPネットワークが有望であるとしている。
3)推進方策
 アプリケーション開発を含めた次世代ネットワークの構築については、基本的には民間主導で推進することが望ましいとしながらも、次世代ネットワークの利用形態に対応した環境整備、公正な競争環境の整備等については、政府の貢献が必要であるとしている。
 郵政省では、本報告書を踏まえ、インターネットの常時接続・定額料金制の導入、柔軟なネットワーク接続の実現、電子商取引等のインターネット上のアプリケーションの普及、民間事業者等が次世代ネットワークを円滑に構築するための支援方策等の実現に向けた検討を行っていくこととしている。

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