4 環境問題への対応  地球温暖化、酸性雨、有害廃棄物等の環境問題は、人類の生存基盤に深くかかわる重要な問題であり、また、社会経済活動やライフスタイルのあり方に大きな影響を与えるものである。 我が国の国内使用電力量と一次エネルギー供給量は増加を続けており(図表5)、6))、二酸化炭素(CO2)の排出量は米国、中国、ロシアに続き世界第4位となっている(図表7))。このように我が国は世界有数のエネルギー消費国であり、かつ二酸化炭素排出国として積極的な取組が求められている。  こうしたなか、我々の生活環境を維持し、これを子孫に伝えるために、交通量の低減を図り、環境への負荷の抑制を図ることや、自然環境の保護等に取り組むことが重要である。  以上の問題意識を踏まえ、本特集では、21世紀の課題の克服を主なテーマとして、分析を進めていくこととする。  情報通信メディアとしては、我が国のIT革命において中心的な役割を果たすと考えられるインターネットやモバイル通信を取り上げることとする。構成としては、序節においてインターネットやモバイル通信の現在における普及状況を把握するとともに、若干の将来予測を行う。第1節では世界の動向について、第2節では利用者の動向についてデータを中心に解説する。さらに、第3節ではビジネスの面において、第4節では暮らしの面においてデータと事例をまじえて紹介し、インターネットやモバイル通信が21世紀の課題の克服にどれだけ貢献し得るかについて示唆する。そして、第5節では21世紀に向けた情報通信政策の基本的方向性について、第6節では情報通信の課題とこれに対応する政策について述べることとする。