(5)チャーン現象 今後、最も重視するポイントは、月々の料金の安さ  モバイル通信の個人市場の拡大、機種・サービスの進化や価格競争が激化するにつれ、近年に特徴的な消費行動としてサービス種類の変更、高品質や価格条件を求めた事業者変更等が見受けられる。こういった解約を伴う加入者のサービス選択行動は「チャーン」と呼ばれている。  「生活の情報化調査」によれば、携帯電話又はPHSを現在利用している人において、「初めて加入」は40.6%、解約経験者等(「違う会社から換えた」、「同会社で換えた(番号は変更せず)」又は「同会社で換えた(解約再加入)」)の合計は56.1%となっている。また、「同会社で換えた(番号は変更せず)」又は「同会社で換えた(解約再加入)」が合計で35.4%を占めており、「違う会社から換えた」が20.7%であることから、現在利用している会社で次の契約をしたケースが若干多い。ただし、年齢別にみると、10代では、「同会社で換えた」合計が22.6%であるのに対し、「違う会社から換えた」は25.8%である(図表1))。  現在利用している携帯電話又はPHSを選択した理由としては、「通話可能エリアが広い」(44.6%)といった基本機能、「電話機が小型、又は軽量である」(31.1%)、「電話機の色や、デザインがよい」(26.2%)といった電話機の魅力、「月々の料金が安い」(25.9%)、「購入価格が安い」(24.6%)といった料金・価格に関する項目が上位に挙がっている。これに対し、今後の携帯電話又はPHS変更の際の選択理由としては、「月々の料金が安い」が68.3%を占め、次いで「通話可能エリアが広い」(60.5%)、「つながりやすく、切れにくい」(49.7%)、「音がよい」(42.4%)、「購入価格が安い」(40.1%)の順になっており、「月々の料金が安い」が順位を上げているほか、「つながりやすく、切れにくい」、「音がよい」といった品質面も重視されていることが分かる(図表2))。  携帯電話又はPHSの今後の変更方法に関しては、携帯電話とPHS利用者とでは傾向が異なる。携帯電話利用者では、「今と同会社で新しい携帯電話等にする(番号は変更せず)」を選択する人が64.4%を占めている。一方、PHS利用者は、「今と同会社で新しい携帯電話等にする(番号は変更せず)」を選択する人の割合が36.3%で少なくなり、「会社を換えて新しい携帯電話等にする」という意向を持った人が32.5%を占める(図表3))。