4 モバイルインターネットアクセス 携帯電話がインターネットを一層身近な存在に  現在、インターネットが急速に普及している中、パソコンによらず携帯電話やPHS単体でのインターネット利用の需要が高まりつつある。携帯電話等単体では、従来から電子メールサービスがインターネット経由で利用されていたが、11年2月に、多彩な携帯電話専用のウェブサイトにアクセスできる文字情報サービスであるiモードの提供がNTTドコモグループによって開始された。NTTドコモグループでは、12年夏以降、800MHz帯の携帯電話機種にiモード機能を標準装備する予定である。また、その他の事業者からも、携帯電話専用のウェブ上での文字情報サービスが提供されており、11年度末現在、iモード、EZweb/EZaccess、J-スカイの合計は、749.9万契約となっている(図表1))。各事業者により提供されている主な文字情報サービスは、以下のとおりである。 1)iモード(NTTドコモグループ)  携帯電話からインターネットに接続して電子メールの送受信やiモード専用のホームページの閲覧ができるほか、ニュース等の各種情報サービス、銀行振り込みなどが行える。iモードの月額基本料は300円である。iモードの特徴は、ウェブの記述言語であるHTML(Hyper Text Markup Language)と親和性の高い、コンパクトHTML(C-HTML)を採用したことによりコンテンツ作成が容易である点であり、12年2月末現在、一般サイト数は5,761サイトとなっている。また、パケット通信を用いるため、通話時間ではなく送受信したデータ量で課金され、1パケット(128バイト)当たり、0.3円となっている。 2)EZweb/EZaccess(DDI-セルラーグループ、ツーカーグループ、日本移動通信)  EZweb/EZaccessとは、電子メールの送受信、各種情報サイトへのアクセス、個人情報の管理を可能とする携帯電話向けインターネットサービスで、DDI-セルラーグループ及びツーカーグループではEZweb、日本移動通信ではEZaccessと呼んでいる。EZweb/EZaccessは、国際業界標準のモバイル端末向けインターネット接続用プロトコルであるWAP(Wireless Application Protocol)に対応し、コンテンツ記述言語には、HDML(Handheld Device Markup Language)/WML(Wireless Markup Language)を採用している。通信料金は回線交換型では、接続直後のみ1分3円、その後は1分10円である。12年1月にパケット通信が導入され、1パケット(128バイト)当たり0.27円となっている。 3)J-スカイ(J-フォングループ)  J-スカイは、電子メール機能のJ-スカイウォーカーとウェブ接続機能のJ-スカイウェブの総称であり、11年12月にサービス提供を開始した。接続サービスの月額基本料は無料であり、記述言語としてHTML形式をベースとして独自に開発したMML(Mobile Markup Language)を使用している。特徴としては、最大全角3,000文字相当の電子メールの送受信ができ、画像添付もできる。通信料金は送信では1リクエストで1KB毎に2円、受信では1リプライで2KB毎に2円かかる。  以上のようなサービスで提供されるコンテンツの需要について、「携帯電話等におけるショートメッセージ・サービスの利用動向調査」によれば、「天気予報」が14.6%と最も高く、次いで「ニュース配信」が12.9%となっている。今後の利用意向については、「チケット予約」が40.1%で最も高く、「天気予報」が34.9%、「乗換え案内」が32.4%と続いている(図表2))。  どのコンテンツについても、今後の利用意向は高く、こうしたサービスを通じての取引(モバイルコマース)が拡大していくことが予想される(1-3-1(5)参照)。