3 利用環境整備 (1)情報セキュリティ対策 不正アクセス行為の禁止等に関する法律が12年2月に施行  近年、インターネットに代表されるように、国民生活、社会経済活動のネットワーク化の進展とともに、ネットワークを通じて他人のID、パスワードを入力するなどしてコンピュータに不正に侵入する、いわゆる「不正アクセス」行為が社会問題化している。中央省庁及びその関連機関等についても、12年1月から2月にかけて集中的にホームページが書き換えられる等の被害があった。  こうした不正アクセス行為に対応するため政府においても、1)法制度の検討、2)ハッカー対策等の基盤整備、3)サイバーテロ対策を課題として11年9月、内閣に内閣官房副長官を議長とする「情報セキュリティ関係省庁局長等会議」が設置され、情報セキュリティ政策について政府全体として総合的な対策の推進を図っており、郵政省としてもその検討に積極的に貢献してきた(12年2月29日「高度情報通信社会推進本部」の下に「情報セキュリティ対策推進会議」が設置されたことにより、同会議は廃止。)。同会議では12年1月に「ハッカー対策等の基盤整備に係る行動計画」を取りまとめており、具体的な措置として、政府部内における取組の強化、民間等における取組の推進のほか、12年12月を目途に実施状況についてフォローアップを行うこととしている(図表)。  また、不正アクセス行為に対応するための「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(郵政省、警察庁及び通商産業省)が、11年8月に公布、一部を除き12年2月から施行されているほか、12年度税制改正において中小企業者等が不正アクセス対策のためにファイアウォール装置等を取得して事業の用に供した場合、国税及び地方税が軽減される不正アクセス対策促進税制が創設された。  郵政省では、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」の施行に当たり、(社)テレコムサービス協会等の電気通信事業者団体に対して、いわゆるハッカー対策等のための措置として、セキュリティ向上に向けた適切な対策を講じること等を要請し、また、11年度から不正アクセス発信源追跡技術に関する研究開発等、技術的な側面からの対策を開始したほか、12年2月から「電気通信事業におけるサイバーテロ対策検討会」を開催し、電気通信分野のサイバーテロ対策及びサイバーテロが発生した場合の緊急対応体制等について検討を開始した。また、同年3月から「情報通信利用に係るセキュリティ保護に関する検討会」を開催し、高度情報通信社会において重要な各種の情報通信の利用面でのセキュリティ保護のための対応方策や利用技術の面から必要となる措置について検討を開始した。