(2)情報リテラシー 10代、50代、60代の情報リテラシーの向上が課題  近年の著しい情報通信技術の発達に伴い、社会のあらゆる分野で情報化が急速に進んでおり、21世紀の高度情報通信社会においては、情報機器の操作ができること、主体的に情報及び情報手段の選択ができること、情報を収集・活用する能力を持つことが重要な課題となっている。  ここでは、9年度に実施した「情報リテラシーアンケート」結果と比べて、11年度に情報リテラシーがどれだけ向上したかを「個人の情報リテラシーに関する調査」から概観する(注9)。  全体をみると、平均点が6.55点から6.71点と上がっていることから、情報リテラシーは向上していることが分かる。得点分布をみると、低得点者(1〜3点)の比率は前回より若干増加したものの、中得点者(4〜8点)が減少し、高得点者が増加している(図表1))。  男女別にみると、男性は高得点者(9〜11点)の割合は変わらないものの、低得点者の割合が増えており、平均点は7.33点から7.09点に下がっている(図表2))。一方、女性は低得点者の割合にほとんど変化が見られないが、高得点者が増加し、平均点は5.77点から6.33点に上がっている(図表3))。  年齢別にみると、11年度は10代(6.22点)と50代(5.84点)、60代(4.38点)の平均点は全体の平均点(6.71点)を下回っており、これらの人の情報リテラシーの向上が課題であると考えられる。9年度と比較すると、50代、60代の平均点が下がり、情報リテラシーが低下していることがわかる。その他の年齢層では、平均点は上がっており、リテラシーは向上している。特に30代、40代のリテラシーの向上が大きい(図表4))。  また、「個人の情報リテラシーに関する調査」では、情報リテラシーを使用できる機器のレベルに応じて、1)情報基礎リテラシー、2)パソコンリテラシー(パソコン活用能力)、3)ネットワークリテラシー(ネットワーク活用能力)に大きく分類している。  まず、情報基礎リテラシー(5点満点)をみると、低得点者(1点以下)が若干増え、5点満点の得点者が若干減少したが、11年度の平均点は3.60点(対前回比0.08点減)となっており、大きな変化は見られない(図表5))。  次に、パソコンリテラシー(4点満点)をみると、低得点者(1点以下)が30.3%から35.8%と増えており、高得点者(3点以上)の割合も49.9%から57.2%と増えている。パソコンリテラシー全体の平均は2.35点から2.52点と上がってはいるものの、9年度と比較するとパソコンを利用できる人とできない人との格差が広がっている(図表6))。  ネットワークリテラシー(2点満点)をみると、2点満点の高得点者が19.5%から25.5%と増え、0点が67.8%から66.0%と若干減少をしており、ネットワークリテラシーの平均点は、0.52点から0.60点に増加している。しかしながら、両年度において、6割以上が0点となっていることは依然として変わらない(図表7))。