会議資料・開催案内等

情報通信審議会 情報通信技術分科会(第26回)議事録


 

 
 
第1   開催日時及び場所
  平成16年6月30日(水)  14時00分〜14時57分
  於、総務省8階第一特別会議室


第2   出席した委員等(敬称略)
(1)   委員
   齊藤 忠夫(分科会長)、原島 博(分科会長代理)、川田 隆資、
酒井 善則、清水 英一、畑 文雄、土居 範久、土井 美和子、
中川 正雄、根元 義章
   (以上10名)

第3   出席した関係職員
(1)   大臣官房 鬼頭 達男(技術総括審議官)
(2)   情報通信政策局 
  武井 俊幸(技術政策課長)
(3)   総合通信基盤局 
  有冨 寛一郎(総合通信基盤局長)、江嵜 正邦(電気通信事業部長)、
  稲田 修一(電波政策課長)、児玉 俊介(電気通信技術システム課長)
  富永 昌彦(移動通信課長)、山内 健生(衛星移動通信課長)、
  米子 房伸(衛星移動通信課企画官)
(4)   事務局 福岡 徹(情報通信政策局総務課長)

第4   議題

(1) 「電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策」のうち「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」について
【平成15年11月27日諮問第2015号】

(2) 「船上地球局による高速・大容量海上衛星通信システムの技術的条件」について
【諮問第2016号】

(3) 「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「移動体識別システム(UHF帯電子タグシステム)の技術的条件」について
【平成14年9月30日諮問第2009号・審議再開】

(4) 委員会の所掌の変更について


開会

齊藤分科会長  それでは、時間でございますので、情報通信技術分科会の第26回の会議ということで、開催させていただきます。本日は、私、齊藤が本日の議事進行を務めさせていただきたいと思います。
  きょうは、委員15名中10名がご出席ということでございますので、定足数を満たしております。
  それから、本日は公開で会議を行います。傍聴者の方々は「留意事項」をお守りいただきまして、静粛に傍聴くださいますようにお願い申し上げます。
  また、本日の会議の模様はインターネットにより中継されておりますので、ご了承いただきます。
  それでは、お手元の議事次第に従いまして、進行させていただきたいと存じます。
  きょうは全体として、答申案1件、諮問案件1件、報告案件1件、委員会の所掌の変更の1件、合計4つでございます。

議題

(1) 「電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策」のうち「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」について

齊藤分科会長  最初の議題でございますが、諮問第2015号、「電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策」のうち「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」ということでございます。これについて、ご審議いただきたいと存じます。
  調査・検討をしてくださいました、緊急通報機能等高度化委員会の土居主査がお見えでございます。土居委員から検討内容の報告をお願いいたします。よろしくお願いします。
土居委員  はい、土居でございます。諮問第2015号、「電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策」のうち「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」につきまして、本諮問事項に関する調査検討を行っておりました緊急通報機能等高度化委員会としての報告を簡単に説明させていただきたいと思います。
  お手元に2つの資料がございますが、横長の資料1−1が報告の概要を示したものでございます。資料1−2が報告の全体になっております。資料1−2のほうは詳細にわたりますので、横長の資料1−1のほうで説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  諮問の理由にもございましたように、携帯電話の普及に伴いまして、緊急通報全体に占める携帯電話からの通報の割合が急増しております。具体的な数字は後ほどご紹介いたしますけれども、特に110番通報では、携帯電話からの通報が半数以上に達している状況でございます。緊急通報受理機関にとりまして、通報者の速やかな位置特定は迅速、確実な対応のためにきわめて重要でありまして、携帯電話からの緊急通報において、通報者の位置を通知する機能の早期実現が期待されているところでございます。
  表紙をめくっていただきますと、まず第1ページでございますが、「検討の背景」とございます。総務省の「電気通信事業における重要通信確保の在り方に関する研究会報告」、あるいは、「e-Japan重点計画−2003」におきましても、位置情報通知機能の実現が提言されておりまして、こうした背景等もございまして、昨年11月に本審議会に技術的条件の検討が諮問されたものでございます。
  次に2ページでございますが、緊急通報における携帯電話の利用状況を示しております。真ん中の一番上のほうでございますけれども、2002年、110番通報の全件数約890万件のうち、52%に当たります約464万件が携帯電話等から行われております。同様に119番につきましても、約858万件のうち17%、海保でございますが、118番通報につきましては、約84万件のうち40%が携帯電話から行われているという現状でございます。
  緊急通報におきましては、緊急車両を現場に一刻も早く駆けつけさせるために通報者の速やかな位置特定が必要でございます。それを3ページの緊急通報における位置特定の必要性にまとめております。上半分に示す携帯電話の場合、地理不案内である場合だけではなく、知り慣れた場所でも、正確な住所までは知らないとか、気が動転していたり、危機に瀕しているという理由から、通報者が即座に自分の位置を把握し、指令台に伝えることは困難な場合が多く、位置通報の仕組みをシステムとして実現することが必要になっております。そのため、リアルタイムで高精度な測位を可能とするための技術の検討が必要となっているわけでございます。
  位置情報通知機能を実現する上で、警察、消防、海上保安といった各緊急通報受理機関から要求条件を示していただきまして、それを共通化いたしました上で技術的な実現方式を検討いたしました。
  4ページ目が位置情報通知機能にかかる主要な要求条件でございます。位置情報につきまして、測位精度は半径15m、送出タイミングは緊急通報時の初期段階としております。前者は、警察官等が人混みで見渡せる範囲として、半径15mとしているいうことでございます。後者は緊急車両の速やかな駆けつけのためには初期段階で位置を特定する必要があるということによっております。携帯電話事業者のネットワークでは、測位方式は測位精度を満足する限りにおいて任意、ただし、可能なかぎり短時間で測位ができるものとし、指令台側の接続インタフェースは、携帯電話事業者や測位方式によらず共通といった要求条件を挙げております。
  指令台につきましては、位置情報は音声通話が接続された指令台と同一の指令台に通知されるなどとしております。このほか、位置情報は個人情報に当たるため、利用者が位置情報を通知したくないときには、それができるような仕組みが必要でございます。このため、利用者の意思確認として位置情報の通知、非通知の通話ごとの操作方法は、電話番号の通話ごとの操作方法と連動するといった要求条件を掲げております。こうした要求条件を踏まえまして、位置情報通知機能にかかる技術的条件を取りまとめました。
  まず、5ページでございますが、この5ページは、ネットワーク構成の技術的条件でございます。音声通話と位置情報通知を並行して行うため、音声通話のネットワークと位置情報通知のネットワークは別々といたしまして、無線アクセス区間では別々の通信チャネルより同時並行的に行うとしております。実際に無線アクセス区間におきましてこうした通信が可能となりますのは、第三世代携帯電話からでございます。したがいまして、今回の位置情報通知機能につきましては、第三世代携帯電話、及びそれ以降の携帯電話が対象となるということになります。
  続きまして6ページでございますが、6ページは測位方式の技術的条件でございます。測位精度の要求条件、半径15mメートルを実現可能な測位方式として、GPS測位方式を基本方式と位置づけております。この場合、端末の開発動向等を踏まえますと、さきにも述べましたように、位置情報通知機能は第三世代携帯電話、及びそれ以降で実現していくのが現実的ということになります。
  なお、このGPS測位方式でございますが、これは現時点で利用可能な衛星測位方式としてこのように記述しているということでございまして、同等の測位精度等を有します他の衛星測位方式も将来的には想定されるわけでございますので、その場合、そうした新たな衛星測位方式も基本方式として位置づけております。
  また、GPS測位が十分に行われない場合におきましては、別の方式により測位を行うことができるように「複数基地局測位方式」、または「セルベース測位方式」のいずれか1つ以上をあわせて具備するということにしております。
  次に7ページの位置情報の構成でございますが、これにつきましては、緯度、経度、精度情報、及び指令台におきます音声通話と位置情報との結びつけのための電話番号を必須といたしまして、高度及び高度精度につきましては任意としております。
  次の8ページでございますが、測位・通知のタイミングでございます。これは、音声通話の発呼を契機に測位を起動し、測位は音声通話と並行して行い、測位完了後、直ちに位置情報通知を行うとしております。また、発呼から指令台への位置情報通知完了までの時間は、GPS測位がスムーズに行われた場合におきまして15秒以内としております。
  次の9ページでございますが、通報サーバ・送信方式について、でございます。通報サーバは、位置情報を音声通話が接続されました指令台の位置情報受信装置に送信するとし、そのための加入者交換機との連携の仕方を定めております。送信方式につきましては、要求条件に合うように指令台との接続インタフェースは携帯電話事業者や測位方式によらず共通であることが必要でありまして、具体的には、国際標準化されておりますMLPと呼ばれますプロトコルのうち、通報サーバ側の起動により位置情報を送信する方式を用いることといたしております。
  最後に10ページの利用者の意思確認の方法でございますが、総務省が定めております「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」、あるいはその見直しの方向性も踏まえまして、一般の通話で位置情報通知を原則非通知としていましても、緊急通報の場合には、位置情報を原則通知することとし、通話ごとに通知を阻止する操作、具体的には、現在、ナンバーディスプレイで電話番号非通知の識別番号として使用されている184番を付加した場合のみ通知を行わないとしております。110番を例に、それをまとめたものが下の表になっております。
  これまで説明してまいりました技術的条件を実装した技術方式の一例を、次の11ページに示しております。ちなみに、説明の中でも申し上げましたように、測位の起動は音声通話の発呼を契機に行われますが、そうした要求を端末側からかける方式、ネットワーク側からかける方式、両方あり得まして、携帯電話事業者により異なりますが、この例は、図の中央付近に示されているとおり、加入者交換機から、すなわち、ネットワーク側から測位要求をかけている方式でございます。
  12ページ、位置情報取得機能にかかわる技術的条件を示しております。さきにご説明いたしましたように、184番を付加した場合等は電話番号、位置情報ともに指令台側に通知されません。しかし、人の命、あるいは体等に差し迫った危険があり、通報先の要請により逆探知を行う場合、その他の違法性阻却事由がある場合に、指令台側の操作で位置情報を取得できる機能につきましても、緊急通報受理機関より固定電話と同様、必要であるとされました。
  具体的な技術的条件といたしましては、指令台と通報サーバとの間の送受信方式はMLPといいますプロトコルのうち、指令台側からの要求により位置情報を送信する仕組みを用いることといたしまして、移動機と測位サーバとの間の測位・位置情報送信の仕組みは位置情報通知機能におけるものと共通な方式となっております。
  次に、当委員会では、位置情報通知機能の導入スケジュールについても取りまとめております。緊急通報受理機関、携帯電話事業者、移動機メーカーに対しましてアンケートを行いまして、その結果を参考にして取りまとめたものでございますが、その概要が13ページの導入スケジュールでございます。
  まず、位置情報通知機能の開始に当たっては、緊急通信、緊急通報受理機関では指令台側の受信設備の構築やオペレーターの研修等の準備が必要でございますし、携帯電話事業者では、ネットワーク側システムの構築や、対応移動機の提供といった準備が必要になるわけでございます。そうした準備期間を考慮いたしまして、当該機能の開始時期につきましては、2007年4月を目標とするとしております。普及スケジュールに関しましては、2007年4月以降、新規に提供する第三世代携帯電話については、原則としてGPS測位方式により対応することを目標とするとしております。
  また、ネットワークの改修により、2007年4月には、その時点で利用されているすべての移動機において、少なくとも代替方式により、位置情報通知機能に対応するとしております。さらに、GPS測位方式に対応する移動機につきましては、先ほどもお話ししましたように、新規提供機種ではGPS測位方式に原則対応することや、新規加入や機種交換を通じまして、その普及を進め、2007年4月の開始から2年後の2009年4月には普及率50%、さらに2年後の2011年4月には90%とすることを目標としております。
  次の14ページ、上半分でございますが、位置情報通知機能を円滑に実施するため、緊急通報受理機関及び携帯電話事業者は、位置情報通知機能の開始時期、開始地域、移動機の操作方法、位置情報の精度、移動機ごとの対応可否等について周知を行う必要がございます。
  14ページの下半分でございますが、ここには今後の課題といたしまして、今後の技術開発等により実現が期待されるものということで2点、挙げております。1つは、屋内からの緊急通報における測位精度の向上ということで、GPS測位方式以外の室内に適した高精度な測位方式の利用についても検討するということでございます。もう1つは、携帯電話からのメールによります緊急通報につきましても、位置情報通知を可能とするもというものでございます。
  最後に、本報告に基づき、今後、携帯電話事業者、緊急通報受理機関、移動機メーカー等におきまして導入に向けて取り組みが進められ、広く利用されるようになることを期待している次第でございます。
  以上、私からの説明を終わらせていただきます。
齊藤分科会長  はい、ありがとうございました。ただいまのご説明でございますが、ご意見、ご質問はございませんでしょうか。
根元委員  非常に大事なことだと思いまして、早急にこういうサービスが提供されるものだと思います。2つほど質問させていただきたいのですが、位置を公開しないということで184の110と押して、途中で心変わりをして、自分の位置を知らせてもいいというときには、そのモードを解除できるのでしょうか。というのは、多分、自分が今、どこにいるか知らせたくなということですね、184は。ところが、事故がものすごく大きいので、やはり知らせたほうがいいと利用者が考えて、そのモードから脱却できるのか。
土居委員  今の固定電話ではどうなっていますか。
齊藤分科会長  どうぞ。
児玉電気通信技術システム課長  固定電話では、正直、私も承知していないのですが、今のご質問に対しまして2つ方法がありまして、1つは、会話を並行してやっていますので、今、「184」で出さなかったけれども、強制的に警察のほうから指令台のボタンを押すことによって情報がわかるというのが1つあります。
  もう1つは、一たんそうやった後で、今おっしゃったように、位置を、もう1回改めて、時間がたっているので送り返すとか、あるいは、今先生がおっしゃったように、もう一度、「184」ではないやり方にするということについては、今回の検討の中では、基本的には事業者の任意にするということにしています。つまり、緊急通報だけではなくて、他の位置情報サービスにいろいろ同じ仕組みを使おうということを前提に事業者の方々は考えられていますので、そういう意味では、ソフトの部分が追加になりますけれども、そういう柔軟なやり方をやりたいという事業もいらっしゃるようですので、そういう意味では、事業者によって扱いがひょっとしたら異なるかもしれません、システムを最終的につくるときは。ただ、今回の技術的条件は、そこまでは特に強制的にこうするのだということにはしていないという状況です。
根元委員  はい、了解しました。あと、もう1つですが、事業者にかなりの設備負担があるような気がするんですが、そのことはどうなんでしょうか。事業者が全部できるんでしょうか、それとも、国が、ある程度、アシストしなければいけないんでしょうか。
児玉電気通信技術システム課長  費用負担の問題については、基本的には、この技術分科会の中、委員会の中では審議しておりませんが、現在の固定電話でも基本的に緊急通報受理機関と電気通信事業者の間でどの部分を負担するという整理をしてやってきております。ですから、国なりの補助云々ではなくて、基本的には、利用する機関、ただ、緊急通報受理機関という場合は、これはもう予算ですから、結局、税金で国が出していることになるわけですけれども、そういう意味では、先ほどのネットワーク構成の中で、基本的に、携帯事業者のネットワークの中のものは携帯事業者で、その外側のもの、例えば、指令台の設備であるとか、そういうものは、まさに今後、予算要求等をしていって、必要な予算を取ってくることになろうかと思います。
根元委員  はい、どうもありがとうございます。
児玉電気通信技術システム課長  それから、もう1つ付け加えますと、先ほどおっしゃいましたとおり、あるサーバについては緊急通報用だけのサーバになるかもしれませんけれども、この、全体のシステムの構築としては、携帯事業者としては、緊急通報以外のさまざまな多様なサービスにも使えるプラットフォームとしてつくりますので、そういう意味では、このために特化した部分はきわめて限定されるというふうに聞いております。
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。
根元委員  はい、ありがとうございました。
齊藤分科会長  ほかには何かございますか。どうぞ。
土井委員  2点ほど教えていただきたいのですが、2007年4月からすべての移動機において代替方式なども加えて当該機能に対応するというお話でしたが、代替方式、合わせると3方式、提案されているのですけれども、既に世の中に出ているものすべてが、この3方式で対応できるのかどうかということを、技術的な興味なのですが、教えていただきたいということと、あと、もう1つ、その場合に、セルベースですと、かなり精度が悪く、最悪の場合ですと1kmとか、その程度になります。そのような場合でも、緊急通報ということで言うと、どの程度役に立つのかなというのは、ちょっと難しいかなと思うんですけれども、そのようなところ、技術的な質問になるのですけれども、ちょっと教えていただければと思います。
児玉電気通信技術システム課長  まず、最初のご質問で、2007年の話ですけれども、これは、新しくGPSが搭載された端末については、当然、その方式でやります。それ以外のものについては、端末のほうをいじるわけではなくて、ネットワークの中をいじるだけですので、それは、携帯事業者が2007年4月までにネットワークの改修を行って、それで複数基地局方式かセル方式か、これは個々の携帯事業者によって違いますけれども、どちらかで端末が今どこにいるか。そしてそれを警察なら警察のほうに知らせるというネットワーク側の改修を行うことになりますので、あらゆる端末というよりも、端末の操作は何も変わることなく、ネットワーク側の改修だけで対応ができるということです。
  それから、実際に事業者のほうで、複数基地局とセルベースとどちらを使うかということについては、まだ最終的に確定していないようですけれども、私の聞いているところでは、事業者によってはセル方式で行くと。方式的に、基地局間の同期がとれている、とれていない、いろいろなシステムがあります、ワイドバンドCDMAとCDMA2000の違い、そういうことから、複数基地局についても検討している事業者があって、ひょっとしたら、セルベースと複数基地局、事業者によって異なるかもしれません。ただ、セルベースの場合も、実際にはセクターアンテナといって、例えば、アンテナが3つあって、セクターごとに分かれています。1つの中を3つぐらいに分割してあるとすると、そちらのところまでの情報は取れますので、そういう意味では、セルとは言うものの、その中のさらに小さな単位であるセクターという単位で情報を送るというのが、今の事業者の考えでございます。
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。どうぞ。
酒井委員  例えば、IP電話何かですと、こういった緊急通報機能を持っている、持っていないで番号を変えたり、いろいろな意味でグレードをつけたりしています。この場合、例えば、GPSを搭載しているほうが、はるかにそういった意味の精度はよくて、電話としての緊急通報性はあると思いますけれども、このあたりは、どうなんでしょうか。何らかのグレード的なことを考えるのか、それとも、それはまあ、それぞれの端末の、売られる方のほうの宣伝で、これはいろいろな機能を持っていますということで宣伝にお任せするのか、どちらなのでしょうか。
児玉電気通信技術システム課長  グレードといいますと、優先とか、扱いを……。
酒井委員  まあ、今さら番号を変えるわけにはいかないと思うんですけれども。
児玉電気通信技術システム課長  ええ。先ほどネットワークがありましたけれども、音声通報とデータを送るチャネル、これが同時並行であると。音声通報のほうは、今でも110番、119番、118番は緊急通報については重要通信扱いですので、ほかの通信に比べると、輻輳等があった場合でも規制をしないということになっています。あとは、データチャネルのほうにつきましては、基本的には、音声に比べてパケットのほうは輻輳にも強いわけですので……。
酒井委員  済みません、ちょっと、そういう意味ではなくて、例えば、こういうGPS測位まで持っている電話機は非常に緊急通報性もあるので、クラスAの電話機、しょうがないかもしれませんけれども、IP電話ですと番号が違いますよね。
児玉電気通信技術システム課長  ああ、050ですね。
酒井委員  ええ、明らかに差があるわけですけれども、そういったような形の、格上の電話機だという扱いになるのか、それとも、そうじゃなくて、それは民間のほうの、一般の宣伝にお任せする形になるのか、どちらでしょうか。
児玉電気通信技術システム課長  まず、今回、検討しているのは、IP電話ではない現状のものなんですけれども、こういう機能を持っているからグレードを高くするという考え方は、この技術分科会の審議の中では、特に議論しておりません。本当にそれがいいのかどうかということになりますと、事業者のほうでも、いろいろな端末を提供していくことになって、なおかつ、2007年4月以降は、新しいものは全部、GPSが入ってくることになると、結局、それは全部、グレードとしてはみんな一緒になってくるわけなので、そのあたりの中間段階をどうするかということだと思いますが、そのあたりの必要性は今まで出てきていなかったことなのですが、もし、そういう必要性について、今後、ニーズがあれば、検討していかなければいけない課題かもしれません。
齊藤分科会長  よろしゅうございましょうか。どうぞ。
土居委員  それと、パーセンテージを申し上げましたが、基本的には、これは努力目標でして、私みたいなずぼらなのは、相変わらず古い携帯を持っているわけですので、そういうようなことまでを含めて、全部何とかをせよということになりますとなかなか難しいという点も1つはございます。もう1つ、IP電話に関しましては、現在、また別の作業班を設置して検討をしていただいておりますので、これに関しましては、そのうちご報告させていただきます。
齊藤分科会長  ほかに何かございますか。ちょっと、私、質問したいんですけれども、携帯交換局と受理機関とのリンクというのは、昔は消防署が違うとか、どこにつないでいいかわからないとか、非常にたくさん数があるとかいう問題、がいっときありましたね、あれは今はもう解決しているんですか。つまり、すべての消防署には4社ともつながっていると思ってよろしいですか。
児玉電気通信技術システム課長  現状では、代表消防本部制といって、全国で、たしか230ぐらいのところに一たん、119番は入ります。そこで受けて、これはどこの管轄だということがわかった上で転送することになっています。したがって、非常に時間がかかっているということが問題でして、消防庁のほうでは、今、全国900カ所の消防署に直接、ユーザーがかけたときに回線が張れるような、いわゆる直接受信方式というものに向けて動いておりまして、再来年度ぐらいまでにそのあたりの整備が完了するということですので、まだ、今、一、二年の間は、場合によっては、119番にかけたけれども、そこでまた転送されて少し時間がかかるという場合もある。この2007年4月に位置情報が通知される時期になると、今のものはすべて直接受信方式に移っていますので、そうするともう直に入るということになります。
齊藤分科会長  そのバックグラウンドは、もう2007年には間に合うということですね。
児玉電気通信技術システム課長  そうですね、はい。
齊藤分科会長  もう1つ、同じようなサービスが既にありますよね、たとえば、auさんがやっている携帯ヘルプネット、そういうのとこれはどういう関係になるんですか。あれは一度、auさんのヘルプセンターへ行って、そこから転送するんですかね。これとどういう関係になるんでしょうか。
児玉電気通信技術システム課長  あれは、ヘルプネットという会社がお客さんに、毎月、一定のお金を出していただいて会員になっているわけです。その会員の方が、例えば、何か道路で事故があったときに、ヘルプネットのほうに連絡をして、その結果……。
齊藤分科会長  たしか、ボタン一つで行くんですよね。これは「119」を押さなきゃいけないけど、向こうは何か赤ボタンか何かがあって。
児玉電気通信技術システム課長  ああ、そうですか、ちょっとそれは承知していませんが。
齊藤分科会長  そうなっているみたいですよ、特別の電話機で、違いますか。
児玉電気通信技術システム課長  端末の、ボタンかどうかわかりませんけれども、一たん、ヘルプネットのほうのセンターにお客さんが通信をして、その結果をヘルプネットが知らせるということで、介在をしているということなんですね。そういう意味では、こういうことが直接できるようになったときに、サービスをどういうふうに持っていくかというのは、1つ、考えなければいけないことかもしれません。
齊藤分科会長  まあ、ボタン一つでできるということと、もしかして、介在センターが会員サービスをやるというような付加価値がつけられるかもしれないと。それがなければこっちにかわっていくと、そういうようなことですね。これは会員制じゃなくて、だれでも使えるんだから、そこが違うんだと。はい。よろしゅうございますか。
児玉電気通信技術システム課長  ちょっとよろしいですか。最初に根元委員からご質問があった件で、資料1−2の本体のほう、こちらの35ページをあけていただきたいと思います。35ページの下の2行、「そのため」というところからですけれども、「そのため、電話番号や位置情報の通知、非通知について様々な組合わせパターンを選択可能とする実現方式として、ダイヤル操作後に移動機の端末画面やボタン操作により通話ごとの意思確認を行う操作方法も併せて具備する方法が考えられる」と、これが表の3−2にありますとおり、例えば、下のダイヤル操作の3つ目のところ、網かけしてあるところで、「184・110後に測位実施操作」というものがございます。これがまさにご指摘の点で、「184」を押した後に、送りたいねというときには、そういう操作方法も可能になるようなことが事業者によっては考えられるため、こういう具備する方法が考えられるということで紹介しております。
齊藤分科会長  はい、ありがとうございました。ほかには何かございませんか。もしよろしければ、本件については資料1−3という答申案がお配りしてありますが、答申案どおり答申したいと思いますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
齊藤分科会長  それでは、案のとおり答申することにいたします。どうもありがとうございました。土居先生、どうもありがとうございました。
土居委員  ありがとうございました。
齊藤分科会長  それでは、ただいまの答申につきまして、総務省より今後の行政上の措置等についてご説明を伺えるということでございますので、よろしくお願いいたします。
有冨総合通信基盤局長  ただいまは、「電気通信事業における緊急通報機能等の高度化方策」のうち「携帯電話からの緊急通報における発信者位置情報通知機能に係る技術的条件」について、一部答申をいただきました。まことにありがとうございました。
  冒頭、土居先生のほうから報告書のご説明がありましたけれども、まさに、これだけ携帯電話が普及してまいりますと、携帯電話からの緊急通報という割合が非常に多いということでありまして、これをどうやってきちんとその位置を把握するかということが警察のような緊急通報受理機関にとっては大変重要なことであるということです。したがって、今回、こういうことに関する機能について早期に実現するという、その期待にこたえるということが実現できるわけでございます。
  ネットワークの構成とか、測位方式といった、位置情報通知機能の技術的条件についておまとめいただきましたので、またその導入のスケジュール、2007年4月というようなスケジュールもお示しをいただきましたので、これに基づきまして、携帯事業者、それから各緊急通報受理機関、こういったことについて体制が整うべく、積極的に取り組んでいただけるものというふうに期待しております。
  また、こうした位置情報の通知機能、この基盤でございますが、これは単に緊急通報だけではなくて、それ以外にも使えるということでございまして、携帯電話を利用した多種多様な位置情報関連のサービスも発展していくであろうというふうにも期待しているところでございます。
  総務省といたしましては、こういった大きな流れの中での緊急通報の位置情報、こういったものについて円滑に導入できるような環境を図るために、関係規定の整備等、必要な施策につきましては積極的に検討を進めてまいる所存でございます。
  大変ご熱心にご審議をいただきました情報通信技術分科会の委員の皆様と、また土居主査をはじめ、緊急通報機能等高度化委員会でのご検討にかかわっていただきました委員、専門委員の方々のご尽力に対しまして、改めて、この場をかりまして御礼を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
齊藤分科会長  どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 
(2)

「船上地球局による高速・大容量海上衛星通信システムの技術的条件」について
【諮問第2016号】


齊藤分科会長  次の議題でございます、諮問2016号、「船上地球局による高速・大容量海上衛星通信システムの技術的条件」について、ご審議いただきます。
  総務省からご説明をお願いいたします。
山内衛星移動通信課長  それでは、諮問第2016号、「船上地球局による高速・大容量海上衛星通信システム」に関しまして、その技術的条件のご審議をお願いする件につきまして、ご説明させていただきます。
  今、資料の1−3までございましたが、その下に、ちょっと資料のつけ方が悪くて申しわけございません。諮問書の写しがついている5枚物のペーパーがあると思います。そのペーパーを2枚めくっていただきまして、右肩上に「資料2」と書いてものがございますので、それをごらんいただきながら説明をお聞きいただければと思います。
  まず、1の諮問理由でございます。皆様方、もう既によくご承知のとおり、陸上のほうでは、光ファイバー、ADSL、無線LANなど、高速・大容量通信を実現する環境整備が急速に進んでございます。ところが、その一方で、海上の分野におきましては現在、どのようなものがあるかと申しますと、世界的には、1.5GHzギガヘルツから1.6GHzギガヘルツの周波数帯、いわゆるLバンドを使用したインマルサットの移動衛星通信システム、それから、我が国の周辺海域におきましては、2.5から2.6GHzギガヘルツの周波数帯、Sバンドを使用いたしました移動衛星通信システムがございまして、音声、FAX、あるいはデータ伝送といったことが行われてございますけれども、特にデータ通信の伝送速度を見ますと、いずれも最大で64Kキロbpsということになってございまして、高速・大容量通信とは言いがたいという状況になってございます。
  しかしながら、最近では、海上におきましても、陸上における利用環境の進展を受けまして、インターネット接続、画像伝送、あるいはイントラネット接続等において、こうした高速・大容量通信のニーズというものが非常に高まってまいってございます。実は、そういった状況の中で、昨年、開催されました世界無線通信会議、WRC03でございますが、この場におきまして、海上通信における高速・大容量通信を可能とするシステムでございます船上地球局、「ESV」と言っておりますが、船上地球局に関する審議が行われました。そして、その結果といたしまして、一定の技術規定、あるいは運用規定に従うという条件のもとで、5.9Hzギガヘルツから6.4GHzギガヘルツの周波数帯、Cバンド、あるいは14から14.5GHzギガヘルツの周波数帯、Kキロuバンドを使用する固定衛星業務のネットワーク内において、こうした船上地球局を運用するということが可能になったものでございます。
  そのイメージは、最後のページにポンチ絵がございますので、これをごらんいただければと思います。概要はここにお示ししたとおりでございまして、船上地球局と人工衛星局、これを介しまして、地球局との間で通信を行って、インターネット等への接続を行うというものでございます。通信速度をごらんいただきますと、現在で、最大64Kキロbpsということになっておりますが、これが最大で60Mメガbpsというところまで行ける。さらに、今後の技術向上等によりましては、さらに高速化が可能というようなことになってございます。
  これによりまして、この右上のところにも書いてございますように、アプリケーションといたしましては、インターネットの接続、それから、画像、高画質のリアルタイム映像の伝送、IP電話、あるいはイントラネットへのアクセス、こういったことが可能になるであろうということでございます。
  ただ、このシステム自体は、実は全く新しいものを今回、導入するというものではなくて、先生方、既にご存じの、陸上におきますVSAT、それから、昨年ご審議をいただきました、航空分野におきますCBB、コネクション・バイ・ボーイング、このシステムがございますが、こうしたものの海上版というふうに受けとめていただければと思います。
  2ページ前に戻っていただきまして、こうしたシステム、ESVの船上地球局のシステムを導入することによりまして、先ほど申し上げましたように、客船の乗客がインターネット接続サービスを受けられるとか、あるいは、貨物管理等の海運の分野への利用もできるというようなことから、これまでに比べまして飛躍的に船舶における通信環境が大きく進展するのではないかというふうに期待しているところでございます。
  それから、関係者、事業者からは、来年の春ぐらいからのサービス開始を計画しているという声もございますので、私どもといたしましては、本年11月ごろに、本システムに関する技術的条件につきまして、この分科会で答申をいただきまして、その後、電波管理審議会のほうで省令等のご審議等をいただきまして、改正を進めていきたいというふうに考えてございます。
  簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。
齊藤分科会長  はい、ありがとうございました。ただいまのご説明でございますが、何かご意見、ご質問はございますか。どうぞ。
根元委員  対象となる船は日本なんでしょうか、日本領海内の船というふうに理解してよろしいのでしょうか。それとも、公海上も含むのでしょうか。
米子衛星移動通信課企画官  はい、今のご質問ですけれども、今回のこのシステムは、日本のみならず、全世界にまたがるものでございます。
齊藤分科会長  日本船籍の船に適用するんですね、そうすると、世界、どこへ行ってもいいと。
米子衛星移動通信課企画官  ええ、そうでございます。最終的に、我が国は、日本の国籍の船につきましては免許をしなければいけませんので、そのために技術基準のご審議をお願いするものです。
齊藤分科会長  はい、ありがとうございます。これはCBBと同じ考えですね。日本の飛行機、日本の船がこれをやるときには、こういうものがないといけないと。ほかには何かございますか。
  特にございませんようでしたら、とこれは船舶環境においてブロードバンド環境を実現するということで、国際的にも重要なことだと思っておりますので、本件の説明を了承しまして、諮問の審議を進めるということにしたいと思います。
  本件は、後の議題で、移動衛星通信システム委員会の所掌の変更が提案されておりますが、所掌の変更が決定されれば、当該委員会において調査、検討し、その結果を報告いただきまして、当分科会で審議の上、答申の議決をすると、そういう手順になるかと思いますので、また、よろしくお願いいたします。
 
(3)

「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「移動体識別システム(UHF帯電子タグシステム)の技術的条件」について
【平成14年9月30日諮問第2009号・審議再開】

齊藤分科会長  その次の議題でございます、資料3にございますが、「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「移動体識別システム(UHF帯電子タグシステム)の技術的条件」につきまして、小電力の無線システム委員会の審議が再開した旨のご報告をいただきました。それでは、事務局から、ご説明ください。
富永移動通信課長  それでは、資料3に基づきましてご説明させていただきます。
  「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」ということで、既に諮問させていただいております小電力無線システム委員会におきまして、今回、移動体識別システム、UHF帯の電子タグシステムということで、技術的条件を審議いただくものでございます。したがって、審議開始となるものでございます。その背景につきましては、1のところで説明しておりますが、1枚めくっていただきまして、こちらの資料でご説明させていただきたいと思います。この資料の上のほうに電子タグの絵がかいてございます。左から、電子タグのマークということで、六角形の中抜きのマークがございまして、食品ですとか、薬、書籍に張られているということで、電子タグの構造は、ICチップとアンテナからなっているものでございまして、一番最近出た、非常に小さいものですと、0.4mmミリメートル四方の電子タグが実用化されているようでございます。
  この電子タグと、中ほどにございますリーダ/ライタとの間で、電波でやりとりをすることによって情報の読み取り、書き込みをやるというものでございます。実際に電子タグ自身の中に、ある程度、情報を入れ混んで、電子タグとリーダだけ間でやりとりをして情報を読み取るという使い方も可能でございますし、電子タグには、物の、あるいは、その物が張ってある電子タグの識別子だけが入っている状態で、リーダ/ライタからは電波を出して識別子をいただいて、その識別子をもとにネットワークを介してデータベースにアクセスして、膨大なデータベースから情報を読み取ってくる、そういう使い方もできるわけでございます。今後、ユビキタスネットワーク社会が構築、進展いたしますと、電子タグが非常に多方面で利用されることになりましょうし、また、ネットワークを高度に利活用するというシーンがさまざまに出てくるものと考えられます。
  電波でやりとりをする部分でございますけれども、下のほうに参りまして、現在、日米欧で共通に利用できる周波数が3つございます。135KHzキロヘルツ、13.56MHzメガヘルツ、2.45GHzギガヘルツ、この3つ日米欧で共通に使用できる周波数帯ということで、既に、この主な利用用途の中にございますような、さまざまな用途で利用されているわけでございます。
  近年、この周波数に加えまして、新たなアプリケーションを模索したい、それから、10mメートル程度までの長距離の通信をやってみたいという期待が高まってまいりました。こういう、電子タグの高度利活用に対する大きな関心の高まりということに対応いたしまして、総務省といたしましては、昨年の4月から今年の3月まで、調査研究会を開催してまいりました。ユビキタスネットワーク時代における電子タグの高度利活用に関する調査研究会ということで、無線部分の利活用も含めまして、ネットワーク全体としてどういう高度利活用ができるのかという視点から、さまざまなご議論をいただきました。
  座長は、たまたまでございますが、本分科会長でございます齊藤先生に座長をやっていただいております。その中で幾つかご提言がございまして、少し、タイトルだけ読み上げさせていただきますと、電子タグの高度利活用のための研究開発を推進すべきというのが、まず、ございます。それから、利用者参加型実証実験を通じた社会コンセンサスを醸成すべきというものがございます。それから、安心して利用できるルールを整備すべし、それから、戦略的に標準化活動を推進すべきというものがございます。それとともに、周波数につきましては、950MHzメガヘルツ近辺等の新たな周波数の利用を検討すべしということで、UHF帯の検討をやってみなさいという話でございまして、具体的には、800〜900MHzメガヘルツ帯の中から、日本として適用可能であろうと考えられます950MHzメガヘルツ近辺の周波数。それから、もう1つ、周波数がございまして、ワールドワイドにアマチュアに利用されております433MHzメガヘルツという周波数、こちらのほうにつきましては、ワールドワイドで共用ということを前提にということです。その2つの周波数について実証実験をやりなさい、それから、制度化を検討しなさいというような提言でございました。
  今回はそういうご議論を受けまして、この情報通信審議会の中でUHF帯電子タグシステムについて技術的条件を検討いただくということでございます。
  1枚目に戻りまして、3の審議体制でございますが、既存の小電力の無線システム委員会、これは中川先生が主査でございますが、その中で審議を行っていただきたいと思っております。答申を希望する時期は平成16年内ということで、本年内に答申をいただきまして、それをもとに電波監理審議会で規則の整備をしたいという形でございます。以上でございます。
齊藤分科会長  はい、ありがとうございました。ただいまのご説明につきまして、何かご意見、ご質問はございませんでしょうか。よろしゅうございますか。10mメートルぐらいにするのには何ミリワットぐらい出す必要がありますか。その場合この小電力の中に入るのでしょうか。
富永移動通信課長  はい。実は、現存のシステム、制度ですと2つございまして、小電力ということで、10ミリワット以下で使うというやり方と、もう1つ、構内で利用していただくということで、こちらのほうは、ある程度、自由がございます。構内利用でございますと、かなりの距離まで行けるのではないかと思っておりまして、これはまだ実証実験の中で、それぞれのシーンに応じてどれぐらいの飛距離が出るとかということは検討していただかなければいけないわけですが、数メートルは出るのではなかろうかと言われております。
齊藤分科会長  はい、ありがとうございます。これは、国際的には国際流通なんかですと、こういうものが随分あると思いますが、これは、タグが動作するための電力を送らなければいけないから、なかなか厳しいところがあると思いますが、できるだけ使いやすいシステムになりますように、よろしくご審議いただければと思います。ほかには何かございますか。もし、ご意見、ご質問がないようでございましたら、この報告を了承したいと存じますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」の声あり)
齊藤分科会長  それでは、報告を了承するということで、よろしくご審議をお願いしたいと思います。

  (4)委員会の所掌の変更について

齊藤分科会長  それでは、最後の議題でございます。先ほどちょっと出てきましたが、委員会の所掌の変更について、審議を願います。
  事務局からご説明をお願いいたします。
福岡情報通信政策局総務課長  お配りしてございます資料4をごらんいただきたいと思います。この分科会決定の第3号ということで、委員会の設置に関する規定でございます。
  これは、先ほど諮問がございました、「船上地球局による高速・大容量海上衛星システムの技術的条件」について調査審議をいただくに当たりまして、これも分科会長からお話がございましたとおり、既に設置されております移動衛星通信システム委員会で行っていただくことが、その調査審議の効率的には、審議遂行という意味で適当であると考えております。
  ところが、この資料をごらんいただきましたとおり、下の現行のところをごらんいただきますと、当委員会の所掌事項に、「非静止衛星を利用する移動衛星通信システム」というふうに書いてございまして、今回のこの諮問の内容からいたしまして、静止衛星を利用する場合につきましても対応できますように、この「非静止衛星を利用する」という部分を削除させていただきたいという提案でございます。よろしくご審議をお願いいたします。
齊藤分科会長  ということでございますが、何かこの件につきまして、ご質問、ご意見はございますか。何か、私が伺ったところによると、この所掌事項は、その昔は「非衛星システム」というのはなくて、何年か前についたと、また取ると、こういうことですね。そういうことのようでございます。必要な技術がいろいろ進歩とともに変わりますので、必要に応じて、その昔は「静止衛星」しかなくて、そのうちに「非静止衛星」ができてきて、また再び「静止衛星」でもいろいろできるようになったと、技術の進歩というのはそういうものでございますが、この所掌事項を変更して適切にご議論いただくというのがよろしいのではないかと思いますが、よろしゅうございますか。
  それでは、本件、資料4の改正案どおり所掌事項を変更する、移動衛星通信システム委員会の所掌事項の中で、「非静止衛星」という文言を削除するということで、当分科会決定の第3号の一部を改正するという手続きでございますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
齊藤分科会長  それでは、案のとおり改正することにいたします。どうもありがとうございました。


閉会

齊藤分科会長  以上で本日の議題と終了でございます。委員の皆様から何か特に伺うことはございますか。事務局からは何かございますか。
福岡情報通信政策局総務課長  特にございません。
齊藤分科会長  はい。それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。
  次回の分科会は7月29日(木)の午後2時ということでございます。これ、間違いはないですね。
福岡情報通信政策局総務課長  はい、29日(木)で間違いございません。
齊藤分科会長  いかがでございますか、急に変わって困るとか。(笑)私は何とか変えられますが。ちょっと、再度……。
福岡情報通信政策局総務課長  はい、再度、皆様方に事務局のほうから確認をして、状況をお伺いします。基本的には、現時点におきましては、この29日でお願いしたいと事務局としては考えております。
齊藤分科会長  とりあえず、26日になるかもしれないので、皆さんの手帳からは、しばらくキャンセルをしないでおいてくださいということでよろしいですか。
福岡情報通信政策局総務課長  はい、再度、皆様方に確認をさせていただきます。その上で決定いたしまして、お知らせを申し上げます。よろしくお願いいたします。
齊藤分科会長  はい、それでは、そういうことでございますので、至急、調整いただきまして、1カ月先のことですから、今週中ぐらいにご都合を聞いていただいてお決めいただくということでよろしくお願いいたします。
  それでは、きょうは、以上で閉会いたします。どうもありがとうございました。
―― 了 ――


 本分科会にて配付された資料をご覧になりたい方は、総務省にて閲覧及び
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  担当: 総務省情報通信政策局総務課情報通信審議会係 飯島
  電話 03−5253−5694
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