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意見提出者一覧 接続ルールの見直しに関する追加的意見募集の結果
 

接続ルールの見直しに関する意見書


平成13年2月9日


総務大臣殿

郵便番号
105-0001
(ふりがな)
住  所
とうきょうとみなとくとらのもん
東京都港区虎ノ門3−8−21
(ふりがな)
氏  名
いー・あくせす  かぶしきがいしゃ
イー・アクセス株式会社
(ふりがな)

だいひょうとりしまりやくしゃちょう   せんもと さちお
代表取締役社長       千本 倖生 

 

 別紙のとおり提出します。




別紙


電気通信事業法の一部を改正する法律附則第15条を踏まえた
接続ルールの見直しに関する弊社の意見


  1. はじめに
     今回、電気通信事業法の一部を改正する法律附則第15条を踏まえた接続ルールの見直しに対して、弊社が意見を述べさせていただく機会を与えていただきましたことに感謝の意を表します。
     以下、弊社の意見を述べさせていただきます。

  2. 各論点に対する意見
    1 光ファイバ設備について地域毎に異なる接続料を設定することの是非
     1)
    地域毎に異なる接続料を設定することの是非
    • 昨年10月の接続ルール見直しの際に、全国一律料金とする義務が発生した場合にはコストの回収もれが生じるなどの意見が出されたとされているが、接続料は適正な接続料算定方式に基づいて接続年度毎に算定されるのであるから、回収もれは生じないと考えます。特に、長期増分方式ではなく現行の実際原価方式で算定する場合は、NTT東西の非効率性も含まれた実際の費用を全て回収できるしくみになっており、何ら問題はないと考えます。
    • 接続ルール見直しにかかる第1次答申では、接続義務があるのは既に光ファイバが存在している場合のみとしています。それは遊休設備の活用であり、それにより過剰な利益を指定電気通信事業者が得ないためにもなるべく実際にかかったコストに見合った接続料金、すなわち可能な限り最小地域での地域毎料金とすべきであると考えます。
    • また、電話等の利用者料金が地域毎の料金となるといった議論や懸念については、光ファイバ接続料金の地域格差の是非とはまったく別の問題であると考えます。NTTが光ファイバの接続料金に地域格差を設けることにより、直ちに電話等の利用者料金に格差が生じることは想像しがたく、ユニバーサルサービス義務のあるNTT地域会社の料金設定の在り方や、ローカルから都市部への内部補助の問題等により検討すべき問題と考えます。

     2)
    仮に地域毎に異なる接続料を設定した場合の接続料算定の考え方、その他ルールのあり方
    • 地域毎に異なった接続料金を設定することに対し、「不当な差別的取り扱い」にあたるのではないかという懸念が出されていますが、誰に対する「不当な差別的取り扱い」なのかを明確にする必要があると考えます。地域毎に光ファイバの接続料金を設定することが、利用者に対して「不当な差別的取り扱い」に当るかどうかについては、前述した通り、それが即地域での料金格差につながるという確証がないのであれば、それには当らないと考えます。事業者に対して「不当な差別的取り扱い」になるかどうかについては、管路や局舎のコロケーション費用において地域格差がすでに容認されており、光ファイバのみを取り立てて差別的にあたるとすることは合理的でないと考えます。
    • また、ダークファイバがアンバンドルされた意義は、競争を促進することにあると理解しています。政策立案において効率性と公平性とのバランスが要求されることは当然ですが、過度に公平性を重視する余り、競争促進と言う本来の目的を達成できず、長期的に利用者の利益が損なわれることがない様、お願いいたします。
    • 「地域」の単位は、都道府県単位は最低限必要と考えます。単位としては会計上設備が区分可能な最小限単位とするべきです。
    • 具体的な額は、実際費用方式または長期増分方式で決めるべきと考えます。しかしここで重要なのは、現在はどちらの方式をとっても光とメタルの分計はされていません。NTT東西には光・メタル別の取得原価、簿価、減価償却費の会計数値があるにもかかわらず、現算定では光はメタルの10倍のコストがかかるという想定により算定しています。メタルのみ使うサービス、光のみ使うサービス、メタルと光を混在して使うサービスと3つに費用と回線数を区分して、原価を算定すべきです。

     3)
    その他
    • 他事業者がNTT東西の光ファイバとの接続を円滑に行うことができるために、情報の開示と手続の透明化が図られることが重要と考えます。特に、NTTグループの事業者が利用に当って他事業者よりも優位な立場にならないよう、情報開示については詳細かつ迅速に行われることを要望いたします。

    2 定額の接続料の具体的な算定方式
     1)
    従来からの従量制の接続料に加えて選択的な定額制の接続料を設定するとした場合、その範囲(GC、ZC等の機能、等)をどうするか
    • NTT地域会社が提供している定額制のサービスについては、すべて定額料による接続料金を設定すべきであると考えます。現在のところ、MA(タイムプラス・テレホーダイ・アイアイプラン)及び隣接GC(エリアプラス)が該当すると考えます。

     2)
    定額の接続料の具体的な算定方法をどうするか(平均保留秒数等の考え方)
    • 接続料金は、NTTの定額料金サービス毎に、サービス料金から営業費等接続料金において控除されるコストを比率により控除した額とすべきであると考えます。このような料金設定を行えば、NTT地域会社がコスト割れを生じるような反競争的な料金を設定することに対する歯止めになると考えます。

    3 公衆網における事業者向け割引料金の具体的な考え方
     1)
    事業者向け割引料金を設定するサービスの範囲(電話、ISDN、データ伝送等)等の範囲をどこまでとするか
    • 全ての利用者向けサービスに事業者向け割引料金を設定するべきだと考えます。それにより、それらのサービスへの新規参入が容易になり、競争が促進され、消費者もさまざまな選択肢をもつことが可能となるからです。

     2)
    通話料のみではなく、電話等の基本料についても、事業者向け割引料金の対象とするか否か
    • 電話等の基本料についても、NTT東西ではなく、他事業者が再販を行い加入を促進する場合もあることから、電話等の基本料についても事業者向け割引料金の対象とすべきであると考えます。

    6 その他
     1)
    NTTコミュニケーションズのボトルネック設備の公平な取り扱いについて
    • 新規に参入した第二種DSL事業者は、DSLAMを設置したGC局から弊社のNOC(ネットワークオペレーションセンター)との間の伝送路は、NTT地域の指定電気通信設備に依存せざるを得ないのが実情ですが、実際は弊社では、NTTコミュニケーションズが提供するATMメガリンクを利用しています。その理由は、NTTコミュニケーションズのみが、県内での伝送路を持たないにもかかわらず、NTT地域のATMメガリンクを利用する場合よりも大幅に安い料金で提供しているためであり、結果的に弊社は指定電気通信事業者でないNTTコミュニケーションズに、ボトルネック設備を依存しています。
    • 一方でNTTコミュニケーションズは、NTT地域会社の提供するDSLサービスや自らが出資するDSL事業者等によるDSLサービスを利用することにより、DSL市場に参入しており、情報流用や、差別的な取り扱いを行う懸念があります。
    • 従いまして、NTT地域だけでなく、NTTコミュニケーションズに対しても、ボトルネック設備を提供する場合において、情報流用の防止や公平な取り扱いを担保するための方策がとられることを要望いたします。

     2)
    DSLAMが指定電気通信設備かどうかの扱いについて
    • 接続ルールの見直し一次答申では、DSLAMについては代替性の観点から指定電気通信設備の範囲外とされていますが、しかしながら、DSLサービスは、ボトルネック設備である加入者回線と一体で提供されるサービスであり、またDSLAMはNTT地域会社の局舎に設置されるため、NTT地域会社と他DSL事業者との間の公平なコロケーション条件等、競争条件の確保が今後より必要になると考えます。従いまして、DSLAMについては、改めて指定電気通信設備とするよう要望いたします。

     3)
    情報の公開について
    • 接続ルール整備の前提として、ボトルネック設備を有するNTT地域会社との公正有効競争の確保が必要であります。NTT地域会社は加入者回線回線を独占しており、公正有効競争を確保するためには、加入者回線情報の公開が必須であります。具体的には、NTT地域会社は同社のADSLサービスを顧客に案内する際に、加入者回線が光収容であるか、また現在ISDNを利用している回線がアナログ回線に同番移行できるか等を電話受付窓口にて回答できる体制を構築しておりますが、同等の情報は現時点において他事業者に公開されておりません。これは公正有効競争の観点からも大きな問題であると認識しており、一刻も早い情報公開が必要であります。
    • また、ADSLサービスを申込むにあたっては、名義人及び名義人住所を記入する必要がありますが、マイラインにおいては名義人のみであり、名義人住所を記入する必要はありません。申し込まれる方のなかには正確な名義人あるいは名義人住所を把握していない場合があり、回線の開通が遅れる大きな原因となっています。開通までの手続の円滑化のために、NTT地域会社に、マイラインと同様に名義人住所の記入は不要としてもらうことを要望いたしましたが、それはできないとの回答をいただいております。何故ADSLサービスでは名義人住所が必要な一方、マイラインでは不要であるのか、経緯含め検証する必要があるとともに、今後のADSLサービス普及のためにも名義人に係る情報の他事業者への公開に向けた議論が必要であります。

     4)
    サービス取扱いに係る公平性の確保について
    • ISDN利用者がADSLサービスに加入する際に、NTT地域会社のADSLサービスと他事業者のADSLサービスでは、現時点で以下のような差異が生じており、公正有効競争の観点からも重大な疑念が生じております。本件についても一刻も早い公平性の確保が必要であります。
      《NTT地域会社の場合》
      ISDN利用者は、ISDNからADSLサービスへ直接移行できる。つまり、ISDNからアナログへの工事とアナログからADSLサービスへの工事を同時に実施している。
      《他事業者の場合》
      ISDN利用者は、まずNTT地域会社へISDNからアナログへの工事を申込み、他事業者へアナログからADSLサービスへの工事を申込むこととなるため、ISDN⇒アナログ⇒ADSLといった段階を踏まなければならない。インターネット接続を利用される顧客においては、ISDNからADSLへ直接移行できず、アナログを利用する期間が生じざる得ない。
    • NTT地域会社の提供する保安器の一部の機器では、当該機器が設置されていることによりADSLサービスが断となる現象が生じております。この回線断を避けるためには保安器の交換が必要でありますが、この保安器の交換に関する費用をどうするかに関して、NTT地域会社はDSL事業者が負担すべきとの考えですが、現在の電話基本料の検証含め、広く議論を行う必要があります。また、当該現象が既に生じている暫定的な顧客対応においても、NTT地域会社が提供するADSLサービスの場合、無償で交換し、他事業者が提供するADSLサービスの場合、有償となるような差別的な事態とならないよう、オープンな議論が不可欠であります。

    以 上


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