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意見書

平成１３年７月２７日

情報通信審議会
電気通信事業部会長　殿
郵便番号 １６３−８００３
（ふりがな） とうきょうとしんじゅくくにししんじゅく２ちょうめばんごう
住　　所 東京都新宿区西新宿二丁目３番２号
（ふりがな） けいでぃーでぃーあいかぶしきがいしゃ
氏　　名 ケイディーディーアイ株式会社
（ふりがな） おのでらただし          
代表取締役社長　　小野寺　正






情報通信審議会議事規則第５条及び接続に関する議事手続規則第２条の規定により、平成１３年７月６日付け情審通第１４３条で公告された接続約款の変更案に関し、別紙のとおり意見を提出します。







別紙





東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社の指定電気通信設備に関する接続約款の変更案に対する意見等について



   今回補正申請が行われた接続約款の変更案「光ファイバ設備等の接続料の設定等」につきまして、補正申請前の「光ファイバ設備及び地域ＩＰ網の接続料等」に対する再意見（平成１３年６月２２日）」等も踏まえ、以下のとおり意見を述べさせて頂きます。



１．施設保全費のメタル･光ファイバの加入者回線への分計について
【ＮＴＴ東西再意見】
（１７ページ）
   市内線路の施設保全費を光・メタル別に分計する際に用いた芯線長は以下のとおりです。


施設保全費の光・メタル分計に用いた芯線長
    芯線長 構成比
光ケーブル １０ ３．１％
（芯線長：芯百万ｋm ）        
メタルケーブル ３１７ ９６．９％
（対数長：対百万km ）        
【弊社意見】
施設保全費をメタル設備と光ファイバの加入者回線設備に分計する際、総芯線長という設備量が配賦基準に用いられていますが、「ＮＴＴ東西再意見書」（１７ページ）によると総芯線長を算定するにあたり、メタルについては１対（２芯）を単位としているにもかかわらず、光ファイバについては１回線が一対（２芯）であるものについても回線数を２倍にし、全て１芯を単位とされております。

メタルは対数で光ファイバは芯数で計算すると仮に対数・距離が同じであっても、光ファイバはメタルの２倍のコスト（施設保全費のみならず、同費用の支出額比で配賦される共通費・管理費も同じ）を負担することになり公平性が損なわれています。したがってコストを公平に配賦するという観点から、メタルも対数ではなく芯線単位とし、現行のメタルの芯線長を２倍にするか、逆に、光ファイバを芯線単位ではなく対数（回線）単位に変更する等の修正が必要です。


２．効率的な設備投資の検証について
【弊社意見】
光ファイバ設備の原価の算定については、「接続ルールの見直しについて（第一次答申）」におて、長期増分費用方式の適用の是非は今後の状況を見て判断することとし、当面は実際費用方式により「適正な原価算定」を行うこととされています。また、第二次答申の「考え方３」においては「光ファイバ設備に係る接続料は合理的な範囲で低廉化を行うべきであり、管路等に限らず接続料の原価算定にあたって算入すべきコストは必要最小限とすべきである」との見解が示されております。

接続約款案では低廉化の工夫として７年間の将来原価方式が採用されておりますが、予測期間が長いということは、非効率な部分が原価に入りこむ危険性も大きいという側面も持ち合せております。したがって、光ファイバ設備の効率的な投資が行われることを前提として原価が算定されているかを検証し、必要最小限のコストのみが将来原価に算入されるようにすべきと考えます。
（１）投資タイミングの適正化
【弊社意見】
  「網使用量算定根拠」（１２ページ）の「�宗ノ繕盪残衫繕眄瀋蠅忙藩僂靴寝鸚�数」と「ＮＴＴ東西再意見書」（１７ページ）の芯線長をもとにして、光ファイバ、メタルの芯線長をそれぞれの換算後芯線数で除すると、１対（光は１芯）あたりの長さは光ファイバが約４０ｋｍ、メタルは約４．７ｋｍとなります。加入者回線の距離が光ファイバとメタルでそれ程差は無いと想定されますので、光ファイバの長さをメタルと同じと仮定して芯線使用率（未使用芯線を含んだ総芯線数に対する稼動芯線数の比率）を推定すると１１年度の光ファイバの芯線使用率は約１０％となります。

  一般論として設備投資が需要に対してリニアではなく、段階的（階段状）に行われることは理解しておりますが、原価の算定上、需要曲線に対して年度毎に適正な量の設備投資が行われる想定（計画）になっているか各年度の芯線使用率を基準にした検証が必要と考えます。検証の結果、芯線使用率が低い、即ち需要曲線を無視した先行投資を原価算定に組み込んでいると判断される場合には相当するコスト・レートベースの控除や、光ファイバの設備量が直接的あるいは間接的に配賦基準（芯線長比、芯線数比、取得額比等）に用いられているコストの是正が必要と考えます。
（２）芯線使用率の向上
【ＮＴＴ東西再意見】（１９ページ）
  （略）
  なお、平成１９ 年度には加入者光ファイバの芯線使用率は現在のメタル回線並みの約６ 割になると想定しております。
【弊社意見】
  「ＮＴＴ東西再意見書」によると、必要な光ファイバの設備量（投資額）を決定するうえで、芯線使用率については平成１９年度に現在のメタル回線並みの約６割を想定しているようですが、長年の歴史的結果として、約６割となっているメタルの使用率ではなく、効率の良い投資を今後は行うことを前提として原価を算定すべきであり、少なくとも８割程度の芯線使用率を想定し、期間全体の設備投資の効率を上げるべきと考えます。なお、光ファイバについては当面の間は全家庭に引込むわけではなく、需要に応じて敷設するため、最終的には約６割とされるメタルの使用率よりも当然ながら高くなるものと考えられます。


３．将来原価方式における算定期間中の料金見直しについて
【ＮＴＴ東西再意見】
（１ページ）
  本来、将来原価方式は、算定期間を通算してコストを回収する方式であり、算定期間中は料金を見直さないことが基本と考えますが、今後の需要やコストが今回の算定の前提と大きく乖離した場合には、料金見直しの検討も必要と考えます。
（１４ページ）
  今回の接続料算定における費用予測の際には、「ＮＴＴ グループ３ ケ年経営計画」については、現在具体的な施策内容等についての調整を行っている最中であるため織り込んでおりませんが、今後の物品調達コストの低減、直近の単価にもとづく効率的設備投資、一般物件費の伸びの抑制など、一定の効率化を織り込んだ算定を行っております。
  本来、将来原価方式は、算定期間を通算してコストを回収する方式であり、算定期間中は料金を見直さないことが基本と考えますが、今後の需要やコストが今回の算定の前提と大きく乖離した場合には料金見直しの検討も必要と考えます。
【弊社意見】
  将来原価方式は、算定期間を通算してコストを回収する方式ではありますが、今回算定を行った条件（コストや需要等）は今後変化していくものと考えられます。「ＮＴＴ東西再意見書」（１ページ）においても、「今回の前提と大きく乖離する場合には、料金見直しの検討も必要と考えます。」とあります。

  「ＮＴＴ東西再意見書」（１４ページ）によれば、原価算定において、形式的にはとしては一定の効率化が織り込まれているものの、『ＮＴＴグループ３ヶ年経営計画』は具体的施策内容が調整の最中という理由から反映されておりません。このような将来原価の算定に大きな影響を及ぼす要素が適正に反映されていない料金を７年間据え置くということは不合理であり、同経営計画確定後には、速やかに料金算定に反映させるべきと考えます。

  また、定期的な見直しについては、今後の需要の伸びや技術の進歩によるコストの低下も考えられますので、少なくとも１年毎にコストの見直しを行い、ｅ−Ｊａｐａｎ重点計画の主旨を鑑みて、算定期間中であっても料金の見直しが必要と考えます。


４．屋内配線の加算額
【ＮＴＴ東西再意見】
（ＮＴＴ東５０ページ、ＮＴＴ西４７ページ）
  屋内配線は端末設備であるため、ユーザ料金を準用しております。
【弊社意見】
  ＮＴＴ東西再意見書にて、屋内配線の加算額は、端末設備である事から、ユーザ料金を準用するとされ、何故端末設備である場合はユーザ料金準用となるのかは示されておりません。一方、「電気通信事業法施行規則及び接続料規則の一部改正等〜光ファイバ設備のアンバンドル等〜（平成１３年３月１６日）」においては以下のとおり、屋内配線に関するルールが示されております。

  「電気通信事業法施行規則及び接続料規則の一部改正等〜光ファイバ設備のアンバンドル等〜（平成１３年３月１６日）」
  「ＮＴＴ 東日本・西日本の端末系伝送路設備との接続を円滑に行うために必要な、現に設置されている屋内配線についてその提供を義務付け、そのルールを整備する必要は認められることから、電気通信事業法施行規則第２３ 条の４ 第２ 項においてこの関連の規定を設けることが適当と考えられる。」

  このように、提供を義務づけられた設備である事から料金を約款準用にするにしても、営業費等、ＮＴＴ東西がエンドユーザに提供する場合にのみ発生するコストの控除を行い、契約約款に規定する料金に割引を行う事が必要と考えます。


５．工事費
【ＮＴＴ東西再意見】
  （ＮＴＴ東５１ページ、ＮＴＴ西４８ページ）
  接続約款に規定する工事費及び手続費の額は、作業単金に作業時間を乗じて算定した実費により設定していますが、今回新たに追加した構内伝送路設備設置工事費等については、弊社のユーザサービスの場合と同一の作業内容により実施するものであり、現に回収すべきコストにも差がないことから、ユーザ約款に規定している額を準用することとしており、事業者向けの接続料金としても公正妥当な金額であると考えます。
【弊社意見】
  ＮＴＴ東西再意見書にて、ＮＴＴ東西のユーザに提供する場合と回収すべきコストに差がないとありますが、営業費等、ＮＴＴ東西がエンドユーザに提供する場合に固有に発生するコストはないのでしょうか。その検証のため、ユーザ料金のコストの内訳の公開を要望します。なお、仮にコストに差がないため、ユーザ料金と同一になる場合、その他のコストベースで算定されている接続料金と同様に毎年見直しを行い、接続料金のみならず、ユーザ料金も見直される事になります。


６．ＧＣ以下伝送路の費用内訳について
【ＮＴＴ東西再意見】
  （３１ページ）
ＧＣ以下伝送路の費用内訳
（略）
【弊社意見】
  再意見書にて内訳が公開されておりますが、「端末系交換設備」に限定して公開しているようにも見受けられます。その他の区分ににおけるＧＣ以下伝送路費用の有無を明確にすると共に、もしその他の区分にも存在するならば開示を要望します。


７．芯線数比での賦課について 【ＮＴＴ東西網使用料算定根拠】
（１４ページ）
　（略）
算定根拠（別紙２）「光回線端末回線伝送機能の固定資産明細表」の線路設備（市内線路）
　（略）
【弊社意見】
  算定根拠によると、直接賦課と芯線数比での配賦を行っているようです。項目によって、芯線長であったり、芯線数であったりしておりますが、その基準や考え方について明示して頂きたい。


８．設備管理運営費の算定に用いた係数等
【ＮＴＴ東西再意見】
（２０ページ）
　平成１９ 年度までの費用の算定については、以下の伸び率等をもとに算定しております。
人件費については、平成１２ 年度実績見込み及び平成１３ 年度事業計画をもとにした人件費伸び率に取得固定資産の伸びを考慮し、算定期間における年平均で２.０ ％程度の人件費変動率を用いて算定しております。
　また物件費については、ＣＰＩ （消費者物価指数変動率）に、一般物件費の伸びの一定の抑制である効率化及び取得固定資産の伸びを考慮し、さらにグループ会社へ業務を委託している事業化分の作業委託費の一定の効率化を織り込んで、年平均７.８ ％程度の伸びを見込んで算定しております。
　なお、会社間取引については、平成１１ 年７ 月の会社再編成以後、持株会社との間で行われることとなった、グループ経営運営費、研究開発負担金の取引分について個別に算定しているものであります。
　取得固定資産伸び率については年平均８.１ ％程度、正味固定資産伸び率については年平均６.５％程度となっており、減価償却費及び固定資産除却費の算定で用いている設備別正味固定資産伸び率については線路設備は８.３ ％程度、土木設備は４.５ ％程度、その他の設備は概ね７.１ ％程度となっております。
【弊社意見】
  再意見書にて、ＮＴＴ東西から一応の開示はありますが、一部しか開示されていなかったり、「概ね」、「程度」という表現により不明確となっております。以下の項目について改めて開示を要望します。
「人件費伸び率」、「ＣＰＩ」、「取得固定資産伸率」、「正味固定資産伸率」、「効率化」、「事業化」、「会社間取引」
　また、「効率化」、「事業化」の具体的内容、会社間取引の具体的な加味の方法について開示を要望します。
９．Ｂフレッツの料金について
  平成１３年６月１２日に意見募集が行われました「Ｂフレッツサービス」については各装置毎にアンバンドルされて装置毎に利用可能となっておりますが、複数事業者での共同利用（分岐回線単位での利用）については規定されておりません。
　ＯＬＴ〜加入者宅までを１回線単位（１分岐単位）での接続を可能とすると、各装置を複数事業者での共同利用が可能となります。そうする事により、装置の収容効率も上昇し、回線単価がより低コストになると考えられます。本利用形態は、現在の申請案において、事業者が装置を占用して利用するとされている「ＯＬＴ」を、回線単位（少なくともＯＮＵ単位とする）で利用できるようにし、「スプリッタ」、「クロージャ」や光信号端末回線伝送機能について、１分岐当たりの料金を設定する事で可能になると思われます。高速アクセス回線の普及の推進にも大きく寄与すると考えられますので１回線単位での利用を可能として頂きたいと考えます。



以上






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