情報通信はおもしろい

白壁 角崇(平成17年入省)
総合通信基盤局 電波部 電波政策課 企画係
電波法制に関する検討・整備


 このコラムを見ているみなさんは、総務省に対してどんな思いを持っているでしょうか。1)総務省は何をやっているところなんだろう?2)総務省でどんな人が働いているんだろう?3)総務省で働きたい!といった思いが多いのでしょうか。

 あと数ヶ月で入省3年目を迎えようとしている私にとって、学生の立場でこのコラムを楽しく読んでいたのは、今から4、5年前の話になります。当時は、1)と思って総務省のホームページにアクセスしたことをきっかけに、総務省のホームページの中をあれやこれやと見ているうちに2)と思い、そんな時にこのコラムを見つけ、過去のコラムにも遡っていろいろな方のコラムを読んでいるうちに3)という思いが少しずつ出てきた頃でした。
 それからは実際に働いている方から直接話を聞いてみたいと思い、業務説明会に参加したり、総務省で働いている先輩から話を聞いたりしました。そうしているうちに「総務省で働きたい!」という思いが強くなり、総務省の門を叩きました。

 今回、このコラムを書く立場になると、何を書けば良いものかと悩んでしまいますが、まだまだ入省2年目の日々勉強中の身ですので、自分なりに情報通信や総務省の宣伝ができればと思います。

 情報通信分野というのは、世の中にある数多くの分野の中でも非常に変化が速く、技術が日進月歩で発展していく分野の1つです。当然ながら、情報通信に関わる制度や仕組みもその変化に合わせて、あるいは変化の先を見通して変わっていかなければなりません。だからこそ私たちには常に視野を広く持ち、様々な話題に興味や関心を持ち、情報収集や勉強に努力を惜しまないことが求められています。

 情報通信分野の変化の速さを身近なもので分かり易く伝えるために、携帯電話を例に挙げたいと思います。
 今から数十年前に携帯電話が世の中に登場した当時、それはほんの一部の人たちが使っているだけの高級品でした。普段の生活の中で携帯電話を見かけることは、ほとんどなかったのではないかと思います。その後、年月を経て、携帯電話を使っている人を街で頻繁に見かけたり、周りの友達が携帯電話を持ち始めたりと、携帯電話を身近に感じるようになったのは、ちょうど私が高校生の頃でした。ただし、その頃の携帯電話は、まだまだ今よりも重くて厚く、画面は小さいモノクロ画面で、機能は通話がメインでした。
 それから10年も経たないうちに、携帯電話は爆発的に普及し、携帯電話を使っている小学生やお年寄りを見かけることも多くなりました。携帯電話自体は、とても軽くて薄いものになり、画面は大きなカラー画面が当たり前になりました。機能を見ても、驚くほど多くの機能が搭載されています。携帯電話を使ってメールをやり取りし、写真を撮り、音楽やラジオを聴き、ゲームで遊び、テレビを視聴し、通信販売やコンビニで買い物し、駅の改札では定期券や切符として、空港では飛行機のチケットとして使うこともできます。みなさんの中には「携帯電話がない生活は考えられない」という人がいるかもしれませんが、そう思えるほど携帯電話はより身近で便利な、私たちの生活に欠くことのできないものになりました。
 果たして、今から10年前に現在の携帯電話の姿を予見していた人がどれだけいたでしょうか。

 そう考えてみると、今から10年後や20年後の情報通信分野の将来がとても楽しみです。情報通信の発展によって、世の中が現時点では想像もできないくらい便利で快適になることを、1人のユーザとしても期待しています。当然ながら、そういった世の中になるように、将来のビジョンを描き、その実現に向けて制度を整備したり、新たな技術の開発のために研究開発を推進したりしていくことが私たちの使命でもあります。

 現在の私の仕事は、電波利用のための現行の制度において、改善すべき点や新たに制度化すべき点がないかを検討し、実際に改善・制度化していくというものです。携帯電話のユーザなど、電波を使っている人たちにとって、より有益な制度を作るために、過去の資料や専門書を調べたり、上司や他課の人たちと議論を重ねたりしています。また、電波を使っている人たちから要望を聞いたり、専門の有識者の方々から意見を伺ったりもしています。実際の仕事は地道な作業も多く、時には苦労することもありますが、自分が関わったものが世の中に出ていくときには、非常に大きなやり甲斐を感じます。

 世の中には多種多様な仕事があり、みなさんがどういった仕事をするのかは、みなさん自身の意志であり、私が決められることではありません。ただ1つ私から言えることは、これから自分の将来の進路を考えようとしている人にも、情報通信に興味はあるが、どう関わっていこうかと考えている人にも、総務省で働くことを希望し公務員試験に向けて勉強を頑張っている人にも、総務省での仕事は、自信を持ってお薦めできる大変おもしろい仕事である、ということです。
 1人でも多くの方が情報通信に興味を持ち、総務省を希望され、将来一緒に仕事ができることを楽しみにしています。



白壁 角崇・執筆者近影
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白壁 角崇・執務風景
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白壁 角崇・職場風景
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