情報通信行政というお仕事について

谷口 宏樹(平成17年入省)
総合通信基盤局 電気通信事業部 電気通信技術システム課 企画係
情報通信ネットワークにおける技術基準に関する業務、次世代ネットワーク関連業務等


 私は、平成17年4月に総務省に入省し、総合通信基盤局電気通信事業部電気通信技術システム課というところに勤務しています。入省して約2年間弱、この電気通信技術システム課において、情報通信ネットワークにおける安全性・信頼性の向上に関する業務や技術基準に係る業務、さらに近い将来実現されるであろう次世代ネットワークに向けて関連する様々な業務を担当してきました。
 入省当初は情報通信ネットワークにおける安全性・信頼性の向上に関する業務として、災害や事故・障害等が発生した際にその影響範囲や原因を把握し、コミュニケーション手段として日常生活の一部として必要不可欠な存在となっているネットワークの信頼性を確保するために、制度の見直しや政策に生かしていくという業務の一端をしていました。
 その後、現在は、情報通信ネットワークにおける技術基準について、健全にネットワークが進展していくよう、様々なサービスを提供しつつもネットワークにおいてそれぞれの通信会社(電気通信事業者)が最低限守るべき技術基準について検討するという業務を担当しています。通信の秘密や相互接続時の他のネットワークの影響など、守らなければならないことはたくさんあります。今後、ネットワークのIP化が進展し、これまでの技術基準では対応できないものや、そもそも想定されていないサービスが登場してくることも考えられ、またさらに利用者においても多種多様な利用形態の上でネットワークを利用することになり、それらに対応したものが必要になっているのかもしれません。既に各所においてネットワークのIP化はなされており、そのパケット通信という特性を生かして、様々なサービスが期待されています。その可能性をつぶしてしまわない制度が必要とされているのです。
 国内や海外においてもNGN(Next Generation Network)と呼ばれる次世代のネットワーク環境が、おそらく平成22年(2010年)頃には実現すると考えられています。私は技術基準の業務に関連して、この次世代ネットワークに関連する業務も担当させてもらっており、各種研究会等担当しています。将来を見越した仕事であり、とても楽しい部分はあるものの、様々なイメージ、要望等をどうやってまとめていくのかといった大変さもあります(大変なのはこれだけではありませんが。)。
 情報通信ネットワークにおいて、今後どのような形態のサービスが登場するかは分かりません。将来の情報通信ネットワークは予想を超えた状況になっているかもしれません。おそらく電話というサービスが登場したとき、離れていても近くにいるように話をすることができるということに感動したのだと思います。将来のネットワークにおいては、豊かなコミュニケーションができるようになり、さらなる感動が待っているかもしれません。このように将来どうなるか分からず、いい意味で予想を裏切られる激動の状況下において、国の行政の一員として仕事ができるということは、通常得られない様々な経験ができ、この仕事をしていく上でやりがいのひとつとなっています。
 今後この仕事を通じて、豊かなコミュニケーションをより身近にできるような社会インフラとしての情報通信ネットワークのさらなる利活用を実現するために、微力ながらも関わっていければと思います。

(平成19年1月)



谷口 宏樹・執筆者近影
執筆者近影
谷口 宏樹・執務風景
執務風景
谷口 宏樹・職場風景
職場風景
谷口 宏樹・フィリピンにて
フィリピンにて