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2005年8月5日(号外)

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 □□□☆  総務省発情報メルマガ 号外 2005年8月5日発行
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 ◆◆◆ 総務大臣コラム 麻生太郎の「あっ、そうだろう!」 ◆◆◆

      之を知らしむべし −パブリック・コメント手続−       

 こんにちは、総務大臣の麻生太郎です。
 いつも総務省メールマガジンをご愛読いただきありがとうございます。
 「民は之に由らしむべし之を知らしむべからず」という、論語の有名な言葉
があります。「民はただ施政に従わせればよく、理由や意図を説明する必要は
ない。」という解釈で、国民に政策の説明を必ずしもきちんとしてこなかった
日本の政治・行政を批判するのによく使われています。広辞苑では、「人民を
為政者の方策に従わせることはできるが、その理由を理解させることは難しい。
」が本当の意味としていますが、どちらの意味にせよ、孔子の時代ならいざ知
らず、現代においては、これでは困ります。政府は政策をきちんと説明しなけ
ればならないし、国民にもそれを理解する努力をお願いしなければなりません。
 今回は、政策を説明し、政策に対し意見を伺う制度、「意見公募手続(パブ
リック・コメント)」についてお話したいと思います。

 国会では、御存知のように郵政民営化法案に注目が集まっていますが、その
他にも重要な法案がいくつも審議されています。私の担当でいえば、行政手続
法の一部改正法が、去る6月22日の参議院本会議で可決・成立しました。
 これは、役所が政令や省令といった「ルール」を作るときに、「意見公募手
続」を義務付ける法律です。横文字で「パブリック・コメント」といえば御存
知の方も多いでしょう。国会では毎年多数の法律が作られますが、これら法律
の執行に必要となる技術的なことや手続などの細かなルールは、政令や省令と
いう形で役所が定めるように委ねられているのが普通です。例えば、放送法で
は、テレビ局の開設免許を審査するときの基準の一部など、細かいところは総
務省令で定めなさい、となっています。つまり、政令や省令といった「ルール
」が、国民に直接影響を与える場合が多いんです。
 こういうルールを作る時、政府は、これまでも、審議会や公聴会で幅広い意
見を聴く場合もありました。しかし、普通の場合、政省令の案を事前に公表し
たり、国民の意見を聴いたりするようには成ってはいなくて、役所だけで決め
るというのが通常だったんです。さらに、役所はルールを作った考え方も理由
も説明する仕組みにはなっていませんでした。これでは良くないということで、
平成11年からは、政府は閣議決定で、いわば自主的に、許認可などの規制に
関するルールについて、パブリック・コメントを実施することにしたんです。
 今回の行政手続法の一部改正は、この手続を法律で厳格に決めて、役所に義
務付けたものです。つまり、(1)政令・省令などの案の作成・ホームページ
等での公開、(2)原則として30日以上の期間の意見公募、(3)提出され
た意見の考慮、(4)必要な修正後、政令・省令などの制定、(5)提出され
た意見及びそれについての考え方の整理・公表という流れの手続の中で、役所
にきちんと説明させ、国民もそれに対して意見を言うことができるようにした
んです。
 役人諸君にしてみれば、「政令・省令などの案の作成や関係者との調整だけ
でも大変なのに、たくさんの国民の意見を聴かなければならないなんて面倒く
さいな。」というのが本音かもしれませんが、国民の意見は大切です。「なる
ほど、役人だけでは気が付かなかったなぁ。」と思うことも必ずあるはずです。
国民に「之を知らしむ」ためにしっかり手続を行うようにしてください。

 以前、本欄で政策評価に触れた際、「行政を…監視するのは究極的には主権
者である皆さん方国民の役割です。」と書きました。パブリック・コメントも
また、行政にもの申し、行政を監視するツールの一つです。是非、活用してく
ださい。また、論語が書かれた時代とは違って、現代はインターネット社会で
す。この手続に関する情報が、インターネットで簡単に得られるようにしてい
きます。なお、現在政府が行っているパブリック・コメントの案件一覧は、総
務省のホームページからもリンクしていますので、是非御覧の上、御意見をお
寄せください。

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