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2005年8月23日(号外)

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 □□□☆  総務省発情報メルマガ 号外 2005年8月23日発行
 □□☆□     総務省ホームページ http://www.soumu.go.jp/
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 ◆◆◆ 総務大臣コラム 麻生太郎の「あっ、そうだろう!」 ◆◆◆

             情報リテラシー

 いつも総務省メールマガジンをご愛読いただきありがとうございます。
 学校の夏休みも残り少しになりました。昭和20年代30年代の夏休みとい
えば、日が暮れるのを忘れて、朝から晩まで虫を捕ったり、川で遊んだり、自
然の中で遊んだものでした。
 学校の夏休みといえば、宿題があります。自由研究に取り組んでいる子ども
達も多いと思います。自由研究で何か調べようと思えば、図書館に行ったもの
でした。皆さんの市町村にある図書館で本を探し、それでもなければ大きな図
書館に行って調べ物をします。今は、それが随分と様変わりしました。インタ
ーネットを使えば、何でも調べられるようになったのです。
 遊びも外で遊ぶことが少なくなったようです。大都市では遊ぶ場所が少なく
なった、ということもあるかもしれません。テレビゲームで遊んだり、インタ
ーネットに夢中になったりする子ども達も多いはずです。
 インターネットの利用者は、7948万人になりました。一日当たりの利用
時間は一人平均37分、テレビの3時間31分には及びませんが、新聞の31
分を昨年上回りました。世代別利用割合で見ると、10代(13歳〜19歳)
の90.7%の方が利用しています。この世代の一日平均の利用時間は1時間
48分になります。
 インターネットは便利なものですが、情報の質は玉石混合です。インターネ
ットをうまく使うには、たくさんある情報の中から本当に意味ある情報、信頼
できる情報を選ばなければいけません。今日は、「情報リテラシー」について
少し触れてみたいと思います。

 「リテラシー(literacy)」というのは、「読み書きをする能力」と訳され
ます。元々は、文字の読み書きができること、「識字」を意味します。「情報
を読み書きする能力」とはどういうことだと思いますか。今は、様々な情報が
氾濫していますし、簡単にその情報を取りに行くことができるようになりまし
た。でも、その情報の中で、どういった情報をどうやって選ぶか、選んだ情報
をどう理解するか、が重要になっています。「情報リテラシー」は、単にパソ
コンが操作できる、ということだけではありません。一人一人が主体的に情報
を取捨選択して、必要な情報を使いこなす、ということで、「主体的に」とい
うことが重要になります。

 インターネットを規制しろ、という声があります。実際、社会問題になる例
も増えています。出会い系サイトをきっかけとした誘拐・殺人、自殺サイト、
賭博、詐欺など。つい数ヶ月前も、インターネットで爆弾の作り方を調べて高
校の教室に投げ込んだ、という事件が話題になりました。ただ、犯罪そのもの
なら規制もできますが、インターネットを一律に規制するのはどうでしょうか。
表現の自由、通信の秘密、という憲法上認められた権利の問題があります。悪
いサイトだけ規制すればよい、という意見もあるかもしれませんが、どこまで
が悪いサイトで、どこからが悪くないサイトか、という線引きはそう簡単には
できません。インターネットは国境という概念がありませんから、一部の国だ
けで取り組んでも仕方ないという技術的な問題もあります。何よりも、インタ
ーネットの一部の悪い面だけをとらえて、インターネットの良い面も使えなく
することになりかねません。

 結局、国、プロバイダー、利用者のそれぞれがインターネットをうまく使う
ために取り組まなければいけない、ということになります。
 政府では、フィルタリングソフトの開発、利用者の啓発、児童ポルノといっ
た違法なサイトの摘発といったことをしています。プロバイダーも、違法情報
をサイトから削除したり、利用者に注意事項を周知したり、といった取り組み
をしています。

 では、使う人は何をしなければいけないのか。
 まず、インターネットは便利なだけでなく、罠もいっぱいある、ということ
も頭に入れて使う、ということです。つまり、「自己防衛」。政府やプロバイ
ダーもそれぞれやっていますが、あくまで使う人をサポートするものでしかあ
りません。
 例えば、フィルタリングソフトを使う、迷惑メール対策に長くて複雑なアド
レスに変更する、フィッシング詐欺とかワンクリック詐欺とかについて知識を
仕入れる、ウィルスのついたメールの見分け方や対処方法を頭にいれる等があ
ります。
 子ども達がインターネットを使うときにも、インターネットのルールやマナ
ーがあるということを頭に入れてください。総務省のホームページの「キッズ
・ページ」に詳しくでていますので、ご活用いただければと思います。
 http://www.kids.soumu.go.jp/netiquette/index.html
 いくつか例をあげますと、
(1) インターネットは文字でのやりとりが中心です。直接会うのと違って
   表情は伝えられません。書いた側にとっては何も問題がないと思われる
   文章であっても、それを読んだ相手側にとっては、不愉快に感じたりす
   ることもあります。電子メールや掲示板などのメッセージは、送る前に、
   相手の気持ちになって一度読んでから送るようにします。 
(2) インターネットの中には誤った情報もあります。そこが信頼できるサ
   イトか考えてみたり、複数のサイトから情報を集めて比べてみたりする
   ことが大切です。

 普通の社会で守らなければならないルールやマナーは、親や先生が教えます。
ネットの社会は、普通の社会と少し違ったルールやマナーがあります。インタ
ーネットは便利なものですし、是非うまく使ってほしいと考えています。特に、
これからの日本を支える子ども達には、ネットを使いこなして、自分の生活を
便利に良いものにするのはもちろん、活力ある日本を作る原動力となって欲し
い。だから、そのためのルールやマナーを子どものうちからきちんと学んでほ
しいし、教えていただきたいと思っています。

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