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2005年8月29日(号外)

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 □□□☆  総務省発情報メルマガ 号外 2005年8月29日発行
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 ◆◆◆ 総務大臣コラム 麻生太郎の「あっ、そうだろう!」 ◆◆◆

          未来への羅針盤 ― 国勢調査

 こんにちは、総務大臣の麻生太郎です。
 いつも総務省メールマガジンをご愛読いただきありがとうございます。
 まもなく総選挙の投票日です。私は全国各地を応援のため飛び回っていて、
大変多忙な毎日を過ごしています。しかし、総務大臣としては、所管している
行政に1日の停滞も許されません。選挙期間中も着実に将来を見据えた諸施策
を進めています。今日はその一つ、国勢調査についてお話しします。
 「少子高齢化」という言葉を聞かない日はありません。出生率の低下、高齢
者のいる世帯の増加、未婚率の上昇など、我が国の社会や個人の生活は確実に
変化しています。また、将来推計人口によると、日本の人口は2006年をピ
ークに減少に転じると見込まれています。ただ、私はいつも言っているのです
が、「少子高齢化社会」を暗いイメージでとらえる必要はありません。「活カ
ある高齢化社会」、「好老社会」を築いていけばいいんです。そのためには、
少子高齢化や人口減少の状況を的確に把握し、行政に反映していかなければな
りません。この基礎となるのが、10月1日に実施される国勢調査です。
 国勢調査は、調査員が皆さんの世帯に調査票をお配りし、記入していただい
た後に回収します。「記入するのが面倒くさいなぁ。」「プライバシーが漏れ
るような気がしていやだなぁ。」という声も聞きます。国勢調査ではありませ
んが、私が会社を経営していた頃、お役所からたくさん調査票が送られてきて、
担当社員が悲鳴を上げていました。
 しかし、国勢調査の調査結果は皆さんの身近なところで役立っているんです。
今日はそのことをお話しして、調査への協力をお願いしたいと思います。
 例えば、老人ホームや老人福祉センター等を建てる場合、国勢調査結果から
わかる人口や世帯の分布、年齢別や、世帯のタイプ別の地域人口構造に関する
情報が不可欠です。また、防災対策を考える上でも、国勢調査結果から得られ
る地域別の人口の分布・密度などの情報が不可欠です。さらに、国勢調査の結
果は、地方交付税の配分、都道府県・市町村議会の議員定数の決定、衆議院小
選挙区の区割りの見直しなどにも利用されます。いかに重要な調査であるかが
御想像いただけたでしょうか。
 この際ですから、少しうんちくをかたむけておきましょう。国勢調査は英語
ではPopulation Census(人ロセンサス)と言います。この「センサス」の語
源は、古代ローマにおいて市民の登録(人口調査)や財産の評価などを行う役
人であると言われています。古代ローマ時代から「国勢調査」が行われていた
わけです。その後、欧米諸国では既に18世紀の初めから近代的な国勢調査が
行われるようになりました。
 日本でも、今から126年前、明治12年(1879年)には、現在の山梨
県で、国勢調査の原型とも言うべき「甲斐国現在人別調」が行われました。明
治35年(1902年)には「国勢調査ニ関スル法律」が制定され、大正9年
(1920年)に記念すべき第1回の国勢調査が行われました。
 国勢調査に続き、大正末期からは各種経済統計調査が実施され始め、日本の
統計制度は発展し始めたのですが、その後の戦争の影響により壊滅的な打撃を
受けてしまいました。私の祖父である吉田茂が、当時、内閣総理大臣として戦
後の統計制度の再建に尽カしたのですが、これに関して面白いエピソードがあ
ります。敗戦直後、祖父がマッカーサー元帥に対して「450万トンの食糧を
緊急輸入しないと国民が餓死してしまう。」と訴えました。結局、6分の1以
下の70万トンしか輸入できなかったのですが、餓死者は出ませんでした。こ
れについて、「日本の統計はいい加減で困る。」と怒って抗議してきたマッカ
ーサーに対して、祖父は「もし日本の統計が正確だったら、無茶な戦争などし
ていなかった。」とジョークで切り返したそうです。
 最後に一つ。本年4月からの個人情報保護法等の施行を受け、国勢調査にお
ける個人情報の保護についても心配している方が少なくないと思いますが、国
勢調査員を始め調査関係者には統計法に基づく守秘義務があります。調査票は
厳重に管理され、集計後には溶解処分されます。また、プライバシー意識の高
まりに配慮し、世帯の希望により、調査票の封入提出が選択できるようにして
いるので、世帯の皆さんには安心して回答いただければと思います。
 国勢調査は、国全体の姿を把握し、将来を見通す上で不可欠な「羅針盤」な
んです。私も国民の一人としてしっかりと調査票の記入を行いますので、皆さ
んも御協カをよろしくお願いいたします。

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