平成17年5月30日

2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)及び1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)の技術的条件
情報通信審議会からの一部答申

  総務省は、本日、情報通信審議会(会長:庄山 悦彦 株式会社日立製作所 代表執行役 執行役社長)から、平成7年7月24日付け諮問第81号「携帯電話等の周波数有効利用方策」のうち、「2GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000(TDD方式)の技術的条件」及び「1.7GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000(FDD方式)の技術的条件」に関する一部答申を受けました。

1 経緯  
    第三世代移動通信システム(IMT-2000)については、平成13年10月にW-CDMA方式が、平成14年4月にCDMA2000方式がそれぞれ導入され、既に加入者数は3,035万(平成17年3月末)となり、第2世代から第3世代への移行が進みつつあります。
  また、総務省は、平成15年10月に公表した「周波数の再編方針」において、中期的(5年以内)には1.7GHzギガヘルツ帯等を中心に、約330〜340MHzメガヘルツ幅の周波数を移動通信システム用として確保するよう再編を検討することとしています。
  このような状況から、IMT-2000の技術の進展について調査を行うとともに、2010〜2025MHzメガヘルツを使用するIMT-2000のTDD方式及び1.7GHzギガヘルツ帯を使用するIMT-2000のFDD方式について、隣接する周波数を使用する他システムとの共用条件や無線諸元等の技術的条件を、平成15年11月から情報通信審議会情報通信技術分科会において御審議いただいていたところです。
  本日、同審議会から、「2GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000(TDD方式)の技術的条件」及び「1.7GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000(FDD方式)の技術的条件」に関する一部答申を受けたものです。

2 一部答申の概要
    別添のとおりです。
  なお、一部答申(全文)については、準備が整い次第、総務省ホームページ(http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/index.html)に掲載します。

3 今後の予定
    総務省では、本一部答申を踏まえ、2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)及び1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)の導入に向け、技術基準の策定等を進めていく予定です。

連絡先 総合通信基盤局電波部移動通信課
担当 松井課長補佐、中谷システム開発係長、廣田官
住所 〒100-8926
東京都千代田区霞が関2-1-2 中央合同庁舎2号館
電話 (直通)03-5253-5893 (代表)03-5253-5111 内線 5893
FAX      03-5253-5946
E-mail imt-2000_atmark_ml.soumu.go.jp
(スパムメール防止のため、「_atmark_」を@に直して入力して下さい。)




別添

情報通信審議会 一部答申の概要


    他システムとの共用検討
  2GHzギガヘルツ帯(TDD方式)及び1.7GHzギガヘルツ帯(FDD方式)におけるIMT-2000の技術的条件の検討に当たって、他システムとの共用検討を実施。
(1)   2GHzギガヘルツ帯(2010〜2025MHzメガヘルツ)TDD方式と他システムとの共用検討
  IMT-2000のTDD方式(今後、国際標準となる見込みのある方式を含む。)として、TD-CDMA、TD-SCDMA、TD-SCDMA(MC)、iBurst及びPHSの5方式を対象にそれぞれ検討。
  図:2GHz帯(2010〜2025MHz)TDD方式と他システムとの共用検討
(2)   1.7GHzギガヘルツ帯(FDD方式)と他システムとの共用検討
  次の組合せのうち、干渉の影響が2GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000よりも大きくなる組合せ(2367)について検討。
  図:1.7GHz帯(FDD方式)と他システムとの共用検討
  共用条件
  他の無線局に干渉の影響を与えないように、必要な対策を講ずること。
  【対策例】
   ○ 設置場所の選択
   図:共用条件 【対策例】 設置場所の選択

  ○ フィルタの追加等
   図:共用条件 【対策例】 フィルタの追加等
  技術的条件
(1)   2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)の技術的条件
  各TDD方式の技術仕様を踏まえ、無線諸元等を規定。
  各TDD方式のスプリアス発射の強度の許容値については、IMT-2000のFDD方式及びPHSの周波数帯域を保護するための許容値を規定。
  その他、他の無線局に干渉の影響を与えないように、基地局及び移動局の人工衛星局に対する干渉波電力の総和が-200dBW/kHzを超えないようにネットワークの構築及び運用を行うこと、設置場所の選択、フィルタの追加等の必要な対策を講ずることを規定。
(2)   1.7GHzギガヘルツ帯IMT-2000(FDD方式)の技術的条件
  送信周波数間隔、周波数の許容偏差、変調方式等については、800MHzメガヘルツ帯及び2GHzギガヘルツ帯におけるIMT-2000の技術的条件、国際標準化動向等を踏まえ規定。
  スプリアス発射の強度の許容値については、2GHzギガヘルツ帯IMT-2000(TDD方式)及びPHSの周波数帯域を保護するための許容値を規定。
  その他、他の無線局に干渉の影響を与えないように、設置場所の選択、フィルタの追加等の必要な対策を講ずることを規定。