本年度の実証実験は、IPv6に関するネットワーク運用上の技術的検証を行うとともに、IPv6による地方公共団体の様々なユビキタスネットワークシステム構築に向けたモデルを検証することで、IPv6の普及を加速していきます。
平成17年度の実証実験としては、以下のアプリケーションの実証を予定しています。(地名は必ずしも実施主体を示すものではなく、主に実験の実施を予定している地域を示すものです。)
- 住民相談サービス(台東区)
平成16年度実証実験成果を活用し、更なる職員負担の軽減、運用コストの削減を実施し、実用に直結する住民相談システムを構築し、住民サービスを効率化する。
- 議会中継サービス(台東区)
IPv6の特徴であるマルチキャスト配信を本格活用し、高画質動画配信を行う議会中継システムを実現。あわせて、リアルタイムアプリケーションにおける優先制御、品質安定化技術の検証を実施する。
- 在宅ケア支援サービス(旭川市)
IPv6を利用した情報送信を行い、ケア端末を遠隔制御する宅内ケアサービスの実現とともに、IPv6移動体端末による訪問サービスを実施する。
- 住民向け情報提供サービス(大阪市)
IPv6を利用した情報送信を行い、住民向け情報提供サービスを構築する。
- セキュリティタウンにおけるIPv6マルチサービス(川崎市)
IPv6のもつ複数の接続を同時に制御する機能およびIPv6の各種設定簡素化機能を利用し、防犯対策のための映像情報配信を安全に実施するためのセキュリティタウン・サービスを実施する。
- ミュージックタウン(沖縄県)
IPv6を利用した複数のISPを経由する動画マルチキャストを実現する。
- 学校ソリューションにおけるIPv6マルチサービス(東京都)
IPv6のもつ複数の接続を同時に制御する機能を利用し、個人情報保護を適切に行う形で、学校向けセキュリティーサービスを実証する。
- ビルファシリティ管理(東京都)
複数の文化施設等において豊富なIPv6アドレスを利用することにより、遠隔でエレベーター等の設備情報を監視する。また遠隔データによる省エネルギー分析を実施する。
その他、IPv6を利用した各種サービスとして、1)災害対策システム、2)地域デジタルミュージアム、3)地域医療ネットワーク、4)学校間映像配信、5)自然再生監視、6)LPガステレメータリング、7)環境モニタリング等も実施予定です。
また、これらの成果をIPv6への具体的な移行方法やIPv6の利活用方法に関するガイドラインにまとめ公表する予定です。
総務省は、あらゆる人や物が結びつくユビキタスネットワーク社会実現のため、IPインフラの高度化を推進していきます。
(参考資料)
IPv6移行平成17年度実施概要(PDF)
|