団体名等 | 取組の概要 |
ヌップク川をきれいにする会 (北海道 帯広市(おびひろし)) 昭和61年5月設立 (1986) 会員の推移 ・設立当時 男 20名 女 10名 ・現在 男 20名 女 10名 資金調達状況 会員カンパのみ |
1 設立の経緯 開拓の洗礼を免れた小さな森と川が巨大なゴミ箱となっている様子を見かね、3ヶ月もの間仕事を放り出して河川清掃に没頭したのが始まり。 近年の農地拡大で森林が減り、上流にはダムが出来、川の水量がどんどん減り続けていく現実の中で、新たな危機感を持ち、「水を増やすにはまず木を増やすこと」を合い言葉に河畔林の再生・創造を始めている。 2 主な活動 ○河川の清掃と親水行事 設立当時は川に投げ入れられたゴミを回収し、泥をすくい出した。ゴミを故意に投げ捨てる人がいなくなった今、風などで飛んでくるゴミを拾い、河岸に木杭を打ち土盛りをして遊歩道、花壇を作っている。 ○行政との対話 川の復元工事に際して、水量の確保というテーマから行政と定期的に意見を交換している。 ○植樹活動 水量確保という大きなテーマに向け、雑木林の幼木を河川敷に植樹している。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・河川清掃により生活環境が改善され、「川は地域の庭である」という発想のもと作業も苦にならず、川で楽しむ遊び心を皆が持ち始め、老人や子供も喜んでいる。 ・ヌップク川を含む豊かな自然環境を求めて、都会から居住する人が増えた。 ・北海タイムス社の北の生活「暮らしが絵になるマチづくり」で表彰。 4 その他特記事項 ・河畔林再生は場所が限定され大規模な展開が望めないため、農地法などのハードルがあるが当面30ヘクタール規模の森を創ることを検討している。 |
菅地域振興会 (熊本県 矢部町(やべまち)) 昭和47年4月設立 (1972) 会員の推移 ・設立当時 男 286名 女 305名 ・現在 男 131名 女 139名 資金調達状況 地区住民の負担金(年4,000円/戸) |
1 設立の経緯 菅地域は矢部町の中心部へ車で30分の山間部にあり、全戸が加入する団体として昭和47年(1972)発足し、これまでの「陳情型」の住民組織から脱却し「住民自立型」による地域経営に取り組もうという意識で活動している。 2 主な活動 ○地域をよく知る 活動に際しては、まず地域をよく知ることが大切であるとの意識のもと、子供達を交えたウォッチングを実施し、「自分たちで行うこと」と「行政にお願いすること」を整理し、主体的に実行に移している。 ○迫田のオーナー制 農村の原風景の保全と都市との交流を目的に、都市の住民に休耕田を貸し出す「迫田のオーナー制」を実施し、年間を通じた農作業体験の提供により、素朴な人間性、山里の自然など地域住民との交流を促進している。 参加者数:17家族(50名)、オーナー会費:690,000円/年 ○手作り新聞「かけはし」 毎月手作りの新聞「かけはし」を発行し、地域の情報を発信している。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・迫田のオーナー制によりオーナーである都市住民との交流はもとより、各種マスコミに取り上げられ、都市住民が農山村に関心を持つきっかけになっている。 ・オーナーの声:フル回転で働いてきた社会人人間は、自然の中で自分を見つめ直したらどうか。久しぶりに日本の原風景に帰った思いだ。 ・平成8年度「美しい日本のむら景観コンテスト」全国農業共同組合中央会長賞受賞 |
信州風樹文庫ふうじゅの会 (長野県 諏訪市(すわし)) 平成6年3月設立 (1994) 会員の推移 ・設立当時 男 105名 女 196名 ・現在 男 178名 女 301名 資金調達状況 賛助会員による協賛金 |
1 設立の経緯 2万冊に及ぶ岩波書店戦後の書籍を備蓄した新・信州風樹文庫が平成5年(1993)10月に開館したのを契機に、この文化的価値をもとに地域文化の拠点として発展させようと、地域を越えた広範な住民の参加により設立された。 2 主な活動 ○講演会(11回) 岩波書店の協力により井出孫六など岩波文化人が講師となり講演会を開催し、地方から世界を覗くことができる講演会に毎回多くの市民が参加している。 ○風の樹講座(年6回、計30回) 地域に潜在する研究者・知識人に発表の場を提供していくと伴に、市民の糧にしようと、無料で諏訪盆地全域にケーブルテレビで講座を放送している。 ○世界につどう 「世界」の論文集の読書会を、議論好きな諏訪市民で実施している。 ○上社の杜音楽祭(4回) 諏訪大社上社の杜で、演奏者だけでも200名を越える音楽会を開催。この結果地元地区に景観条例が締結され、さらに上社の杜まちづくり委員会が出来た。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・日本に唯一ここだけという特異性、活動実績とその背後に有する高い文化性により、市内外の人々がこの文庫を訪れるようになった。 ・読書会には遠く東京や名古屋からも参加している。 ・講演会、風の樹講座、上社の杜音楽祭については毎回ケーブルテレビで放映され、地域の文化活動を刺激し、活性化させている。 ・反響(市民がこれだけの研究をしているとは驚きだ。岩波文化が地域に根付いた姿を見た。田舎にいても世界に目が向いている。) |
赤泊演劇研究会 (新潟県 赤泊村(あかどまりむら)) 平成4年8月設立 (1992) 会員の推移 ・設立当時 男 37名 女 13名 ・現在 男 32名 女 19名 資金調達状況 個人会費、寄付金、補助金 |
1 設立の経緯 平成4年(1992)2月に村で開催された地域づくり会議に、地域発表として20名程で民話劇を上演したのがきっかけ。本年で7年目となり、春の定期公演は、村に春を告げる催しのひとつになっている。 2 主な活動 ○演劇で村づくり 長い時間をかけて工夫してきた村の暮らしや生きていくための戒めなど、先人の知恵を代弁してくれる民話を、春・秋の年2回行われる民話劇定期公演を中心に演劇を通して情報発信している。 ○すべてが村民参加の手作り 役者も裏方も会員に限らず、太鼓の会、ママさんコーラス、古民謡保存会、語り部の会をはじめ保育所の園児まで、村民すべてが対象となっておりこれまで出演した小中学生は200人を越えている。脚本、演出、舞台美術、音響、照明なども全て村民総参加の手作りの素人舞台が特徴となっている。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・春・秋の年2回行われる民話劇定期公演は、村外からも多くの人が訪れ、大入り満員である。 ・平成7年(1995)4月、NHK衛星第2で同劇団のステージが全国放送され、全国より激励や感動をつづった便りが多く寄せられた。例えば、「地方には文化がある。その文化を地域の人が真剣に考え次の世代に伝えようと必至になっている活動は、過疎に悩む全国の仲間の励みになる。何よりも保育所の園児から老人会まで同じステージに立つことが世代間の交流の原点です。ユニークなのは、台詞が標準語でなくすべて赤泊弁であるのが面白い。」など。 |
願泉寺シアター (大阪府 貝塚市(かいづかし)) 昭和63年6月設立 (1988) 会員の推移 ・設立当時 男 6名 女 2名 ・現在 男 30名 女 15名 資金調達状況 一人一灯募金による提灯募金、公演の入場料 |
1 設立の経緯 江戸時代より願泉寺の寺内町として発展した歴史を有した貝塚市の歴史と文化の魅力を再発見し、それを生かした文化活動を行うことにより、貝塚を全国にアピールしようとして結成された。 2 主な活動 ○一人一灯募金 公演時に願泉寺境内に掲げる提灯を一灯1万円で購入してもらい、募金者の名前を提灯に記入するユニークな募金活動で活動資金を調達している。現在、提灯会員は700名であり、願泉寺シアターのサポーター的役割を担っている。 ○古典芸能・クラシック音楽の公演 寺の本堂を劇場として活用し、数々の公演を実施している。 (例)蝋燭能(6回)、ぼっかん寄席(8回)、ぼっかんミュージックサロン(7回)、その他中国京劇喜劇団など。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・一人一灯募金によるシアター運動は、企画・運営の全てがボランティア会員による手作りであり、行政や企業の援助を一切受けず市民自らがまちづくりを進めた実績は、市民の大きな自信となっている。 ・願泉寺シアターを通じて多くの住民が地域の歴史、伝統、文化を自ら再発見し、市内の他の地域でもシアターを設立しようとの気運が生まれつつある。 ・貝塚市が、ふるさと創生事業として地域のイメージアップと市民意識の高揚を目標に進めている地域CI活動(コスモス・アイデンティティ運動)の原動力となっている。 4 その他特記事項 余剰金をシアター基金として街並み保全、市民運動等に活用する予定。 |
秋田トライアスロン芭蕉レース象潟大会実行委員会 (秋田県 象潟町(きさかたまち)) 昭和63年4月設立 (1988) 会員の推移 ・設立当時 男 30名 女 6名 ・現在 男 96名 女 14名 資金調達状況 参加登録料、企業協賛金、補助金等 |
1 設立の経緯 奧の細道300年を迎えた昭和62年(1987)、芭蕉ゆかりの象潟の地域性をアピールできるものがないか商工青年部の3人の役員がアイディアを持ち寄り酒を飲み交わして考え出したのがきっかけとなりトライアスロン大会を実施した。 2 主な活動 ○秋田トライアスロン芭蕉レース象潟大会の実施 ・参加選手数の推移 第1回:121人、第5回:431人、第10回:448人 ・ボランティア数 第1回:350人、第5回:1,500人、第10回:1,880人 ・宿泊先の斡旋 ボランティアが安価に宿泊先を斡旋し、車中泊やテント宿泊者も出ない。 ・ボランティアの中から運営委員会の部長、副部長に登用する象潟方式により、地域の人材と担い手を育成している。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・手作りの大会運営により約2,000人のボランティアが自ら積極的に参加。 ・参加選手を受け入れる旅館をはじめ、数々の協賛企業が大会を支援している。 ・町も「町民総健康の町づくり」を施策のテーマとして設定した。 ・第10回大会より、日本トライアスロン連合東北選手権を兼ね、東北で最も充実した大会であると認められている。 ・今年9月の千葉県幕張市で行われた「東京湾横断道路開通記念トライアスロン大会」が芭蕉レースを参考にした手作り大会として実施された。 ・旅館・観光土産店・一般商店の約6割が前年度より売上げがアップした。 ・第2回秋田県地域づくり活動表彰最優秀表彰 |
(株)大島造船所 (長崎県 大島町(おおしまちょう)) 昭和48年2月設立 (1973) 会員の推移 ・設立当時 男 664名 女 17名 ・現在 男 960名 女 26名 資金調達状況 会社資金 |
1 設立の経緯 昭和45年(1970)の鉱山閉山により活力を失った町の企業誘致により同社の進出が決定し、初代社長の「地域あっての企業である」との経営哲学により、大島町が推進した内発的振興「島の中から自らの力で島おこし」に支援している。 2 主な活動 ○景勝地「内浦湾」の保存 同社進出の際の工場用地として埋立造成の予定であった地を、貴重な自然景観の保全の観点から工場区域から除外し同社で整備した。 ○工場緑化、環境美化 工場内に「鎮守の森」を整備し、また「一社員一木運動」を展開している。 ○第三セクターによる産業おこし 島の内から自らの力で活力をと、地域資源を活用した焼酎づくり、地ビール、海草類の加工事業、完熟トマト栽培を行う第三セクターに出資・運営面等積極的に参画し、特産品や雇用の場の創出に貢献している。 ○大島アイランドホテルの開設 町策定の「長崎遊学島」構想に基づき推進しているリゾート地づくりの拠点施設を、同社の関連会社が開設し、一般町民に大浴場を開放するなど、地域住民の健康・保養センター的な役割を果たしている。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・同社及び関連会社が一体となって実施してきた先駆的事例として近隣町の地域づくりに大きな波及効果を与えている。 ・特産品と呼べるものがなかった本町において、焼酎、完熟トマト、地ビール等の特産品が生まれ、雇用の場の創出等による効果が大きい。 |
グループエリカ (宮城県 松島町(まつしままち)) 平成3年3月設立 (1991) 会員の推移 ・設立当時 女 16名 ・現在 女 23名 資金調達状況 年会費、各種イベントでの謝礼等 |
1 設立の経緯 松島町中央公民館主催のボランティア講座の受講生が講座終了後に、「出来ることから始めよう」等をスローガンに地域福祉の推進を目的に結成した。 2 主な活動 ○視覚障害者のためのボランティア活動 行政の広報誌や文学書等の朗読テープの作成・配布、代読・代筆サービス、町営バス時刻表やカラオケ歌詞等の点訳サービスをはじめ、松島の観光パンフレットの点訳版の作成による松島の魅力の発信にも寄与している。 ○聴覚障害者のためのボランティア活動 要約筆記通訳や手話を活かしたサービスの提供、町民文化祭等での手話コーラスの披露など。 ○各種団体への協力 社会福祉協議会事業への支援、マラソン大会へのボランティア参加など。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・観光パンフレットの点訳、広報誌の朗読サービスなど、健常者からは思いつきにくいものを障害者の立場に立ったサービスとして提供し、マスコミ等に多数取り上げられている。 ・資格を特に持たない主婦層でも気軽にボランティアを実践できることを実証し難しく考えがちな福祉問題について町民の意識を変える契機となっている。 ・女性ならではの繊細さを活かし、障害者の心をいやすだけではなく、地域住民にも共感を与えている。 ・平成9年度「宮城地域づくり大賞」宮城県知事表彰 |
南条熱中塾 (福井県 南条町(なんじょうちょう)) 平成5年2月設立 (1993) 会員の推移 ・設立当時 男 7名 女 0名 ・現在 男 11名 女 0名 資金調達状況 塾員会費、町補助金、バザー等売上金 |
1 設立の経緯 生活サイクルのほとんどを他市町村に依存し、自分の町が「眠りに帰る町」となっていた現実に気付き、ふるさとを見つめ直し南条町をアピールするため、「潤いと活力ある南条」=「心の豊かさを実感できる社会」=「夢のあるくらし」を目指して熱中してみようと結成した。 2 主な活動 ○町民に主体を置いた魅力あるイベントの企画・実施 南条桜まつり(4月)、「あなたの家にサンタがやってくる」(12月)など ○地域特産品の開発・提言・推奨 薬用効果も有する「はすうどん」、「はすもち」の特産品化に貢献。 ○潤いのあるまちづくりへの提言・町首脳や各種団体との意見交換 町首脳・町内外団体との懇談会開催、先進地視察研修の実施及び町への提言、活動事例発表の実施など。 ○各種審議会の委員就任 南条町行政改革推進委員、南条町名誉町民選考委員、歴史街道越前戦国ルート整備プラン策定推進協議会委員、はすまつり企画委員、南条文化会館審議委員 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・平成10年(1998)に行われた第8回地域づくり団体全国研修交流会福井大会では開催に際して同塾が主管となり企画・運営を進め、県下の他の地域づくり団体と協力して分散研修交流方式を採用し、小規模市町村においても全国大会が開催できることが実証でき高い評価を受けた。 ・特に「はすうどん」についてはマスコミ等の反響が大きく、町の温泉施設で特産品として料理されたり、お土産としても大変好評を得ている。 ・南条町長表彰(まちづくり運動実践優良団体表彰:平成10年3月) |
篠山クラブ (愛媛県 一本松町(いっぽんまつちょう)) 昭和50年4月設立 (1975) 会員の推移 ・設立当時 男 20名 女 0名 ・現在 男 40名 女 0名 資金調達状況 会費、町等助成金、草刈り請負、寄付金 |
1 設立の経緯 霊峰「篠山」の麓の愛媛県側と高知県側の地区を合わせて篠南(ささな)地区と呼ぶ場所で、「県境を越えて助け合い、互いの未来を考えよう」と結成。 2 主な活動 ○県境篠山騒動どろんこサッカー大会 稲刈り後の田んぼに水を引き入れ、室町時代の予土国境争い「篠山騒動」の歴史的事実を現代風に「騒いで動いて楽しもう」と解釈し実施している。 平成3(1991)年:16チーム参加、観客:500人 平成6(1994)年:32チーム参加、観客:2,000人 平成9(1997)年:50チーム参加、観客:2,500人 ○篠山登山道の「清掃登山」 アケボノツツジの開花に合わせ、4月末に実施している。 ○伝統芸能・文化の継承 400年以上前より篠山神社の秋祭りで踊っている町無形文化財の「正木花取り踊り」の伝承を行っている。 3 取り組みの成果、地域に与えている影響 ・どろんこサッカー大会は全国TVでも放送されるなどマスコミに大きく取り上げられており、県境の町一本松町の名を全国に広めることができた。 ・篠山クラブそのものが両県にまたがっており、日常的に高知県との交流が行われている他、サッカー大会を通じての地域間交流も盛んになった。 ・活動が地区の自然や歴史にもとづいた地域に根ざした活動であるため、地区住民全員の共感を得るとともに、まちづくりの気運が起こってきた。 ・平成8年「ふるさと愛媛創造賞」受賞(愛媛県知事表彰) |