携帯電話の基地局の鉄塔は、大きくは2つのケースに分類されます。一つは、基地局が単独で30mから40m程度の高さがある場合、もう一つは、マンションなど建物の屋上の鉄柱にアンテナを付けている場合です。
前者については、その付近に近づいても高さが十分にあるため、地面における電力値は相当弱められ、基準値の何千分の一程度以下になっています。したがって、鉄塔の下にいるから電波が強いのではないかと心配する必要はありません。
後者については、以下の図をご参照ください。
電波は指向性があるため、この図では200m先の地点を中心に電波が進んでいます。この場合でも建物の直下では、電波の強さ(電力値)は基準値をはるかに下回り、約2千分の1程度になっています。
電波の強さ(電界強度)に関する測定データについて下図に示します。基準値をはるかに下回り、基地局から近いほど電波が強いわけではないことが分かります。
スマートフォンは第3.5世代携帯電話として位置付けられており、使用する周波数帯の幅やトータルでの出力も第3世代携帯電話と変わりません。最近調査された第3世代、第3.5世代携帯電話の医療機器への影響については、下表のとおりです。
調査項目 | 植込み型心臓ペースメーカ | 植込み型除細動機 |
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W-CDMA(1.7GHz帯・HSDPA・イーモバイル)(平成19年度) | 影響なし | 影響なし |
CDMA2000 1xEV-DO Rev.A(2GHz帯)(平成19年度) | 1cm | 影響なし |
W-CDMA(1.7GHz及び2GHz帯・HSUPA・FOMA/イーモバイル)(平成21年度) | 影響なし | 影響なし |