北海道地方非常通信協議会 会報第34号
有珠山噴火における情報伝達に関する状況
虻田町総務部総務課防災係
平成12年3月28日、午前0時に北海道胆振支庁からの連絡は、有珠山に異変が起きているというものでした。
それから数日間、関係機関から山頂噴火を予測した情報が伝達されました。
山頂噴火による危険区域は、平成7年度に近隣5市町村で作成した防災マップ(ハザードマップ)により明らかになっており、3月30日にはこの区域内の避難を完了させることができました。
当町は、行政防災無線(同報系)の整備について検討を進めている最中であったため、避難の伝達手段としては、町職員はもちろんのこと、消防職員、警察の協力により各戸訪問、広報車及び町内各自治会長を通じての伝達など、人海戦術による手段となりました。
避難完了の翌日、3月31日の最初の噴火は、午後1時30分に西山ろく(山ろく噴火)で発生しました。
 JR洞爺駅前から撮影(3月31日最初の噴火)
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当初の予想を覆し、噴煙は住宅地に近いところから上昇したため避難区域を広げる必要があり、役場内部は、一時的にパニック状態となり、これに報道関係者や町民からの問い合わせの電話が殺到したことも拍車をかけ、避難の伝達はスムーズさを欠きました。
幸い事故もなく避難は31日の午後6時頃に完了しましたが、予想のつかない自然災害の恐ろしさを改めて認識させられるとともに、緊急的な人海戦術による情報の伝達には限界があることを実感させられました。
以上の体験から、当町において関係機関の協力を得て、一斉伝達手段である行政防災無線機器を借用する形で4月27日より個別受信機の配付、5月1日から運用を開始しました。
現在、この機器を活用し、札幌管区気象台からの火山観測情報をもとに週1回、有珠山の活動状況の定時放送を行っているほか、大雨による泥流発生が予測される場合の国道などの交通規制の情報伝達を行っており、観光地「洞爺湖温泉」がある当町では、瞬時に一斉伝達が可能な行政防災無線を有効に活用しているところであります。
当町では、復興に向けた各種取組に着手しており、その一部を担う行政防災無線(屋外拡声器)が平成12年度実施として正式に決定しており、災害に強い街づくりを進めているところであります。
今回の噴火災害においては、多くの方々のご支援ご協力をいただきましたが、情報伝達関連におきましては北海道をはじめ、北海道電気通信監理局、自治省消防庁など多くの関係機関にご尽力をいただきました。
この場をお借りして厚くお礼申し上げます。