第5章 KDDの在り方

1 NTTの再編成に先立ち、早期に、国内通信業務の提供を認める。

2 KDD法については、KDD以外の事業者によりKDDにそん色な
 い対地が安定的に確保された段階で、廃止する方向で検討を行う。
       (1) 国際通信市場におけるKDDの役割     国際通信専業の特殊法人として、次のような役割を果たしてきた。    (ア) ユニバーサルサービスの確保     -> 全対地のほぼ半分に当たる約110対地(トラヒックは全体の1%      未満)はKDDのみが提供    (イ) 緊急時の対応(緊急時における国際通信の確保)    (ウ) 国際情報通信基盤の整備(光海底ケーブル建設等)        (2) 国際通信市場をめぐる環境変化    (ア) 国際通信分野における世界的連携    (イ) 国内/国際の相互参入の進展(国内衛星通信事業者の国際通信サー     ビスの開始等)    (ウ) 国際通信分野の一層の競争の進展(非インテルサット衛星を用いた     外国資本のNCC2社の我が国国際通信市場への参入)    (エ) 国際系NCCの対地拡大    (オ) 国際情報通信基盤の整備(NCCによるケーブル敷設等)        (3) KDDの業務範囲、KDD法の在り方    (ア) 上記のような環境変化を踏まえれば、KDDの在り方についても見     直しを行うことが求められる。    (イ) KDDについては、国内・国際の相互参入を促進する観点から、ま     た、ボトルネック設備を有していないという事情にかんがみ、NTT     の再編成に先立ち、早期に、国内通信業務(長距離通信、移動体通信     等)の提供を認めるべきである。    (ウ) KDD法についても、長距離NTTの国際通信市場への参入やNC     Cの今後の対地拡大の状況を踏まえ、KDD以外の事業者によりKD     Dにそん色ない対地が安定的に確保された段階で、廃止する方向で検     討を行うべきである。    (エ) なお、KDD法の廃止を検討する際には、我が国及び国民の安全の     確保等についての十分な配慮が必要である。