平成5年版通信白書の発表に当たって
今年は、昭和28年に、日本で初めてテレビジョン放送が開始されてから、ちょうど40年を迎える記念すべき年に当たります。
今日では、通信衛星を始めとする情報通信網の整備などにより、映像情報が国境を越え、世界中で起きている出来事を瞬時に、しかもリアルに家庭において接することが可能になっています。
また、映像メディアは、コンピュータグラフィックスや仮想現実などの新しい映像技術の登場や情報通信との融合を通じて、娯楽、文化のみならず産業、医療及び教育等、幅広い領域で活用されるようになりました。しかも、従来、見ることができなかった事物が視覚化され、仮想体験ができる時代となっています。そして、今後の社会の発展に大きな貢献を果たしていくことに期待が寄せられています。
今回の通信白書におきましては、このような状況を踏まえ、映像系の情報通信環境が著しく変化している現代を「映像新時代」と位置づけました。
郵政省といたしましては、今後とも、豊かさとゆとりが実感できる生活大国の構築などに向け、情報通信の一層の発展に積極的に取り組んでまいる決意であります。
この白書が、我が国の情報通信の現状並びに情報通信政策に対する国民の皆様のご理解を深める上で、一助となれば誠に幸いに存じます。
平成5年6月
郵政大臣 小 泉 純 一 郎
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