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情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会(第4回)議事要旨



1.日時   平成14年4月26日(金)14時00分〜14時40分

2.場所   合同庁舎2号館(総務省)3階 共用301会議室

3.出席者
(1)委員(50音順、敬称略)
    伊東 晋、大久保利之、黒川和美、齋藤義男、志村近史
(2)総務省
    中田情報通信政策局総合政策課長、泉総合政策課企画官ほか

4.議事概要
 事務局より、「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」報告書(案)について説明し、続いて意見交換が行われた。報告書(案)について、表記の修正等については座長に一任することとされ、構成員により承認された。

5.主な議論
コスト分析結果が今回の算定方式で基準に達する具体的な事例を示すなど、コスト分析を地方にも分かりやすい形にする必要がある。
過去のコスト分析結果の事例をデータベース化しておくことも地域からの具体的問合せに対応するためには検討すべきではないか。


 【配付資料】
資料1 「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」第3回議事要旨
資料2「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」報告書(案)の概要
資料3「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」報告書(案)(PDF)





情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会(第4回)

平成14年4月26日(金)
午後2時〜
中央合同庁舎2号館
共用第301会議室

議事次第

1.開会
2.「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」報告書案について
3.その他

<配付資料>

資料1 「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」第3回議事要旨
資料2「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」報告書(案)の概要
資料3「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」報告書(案)(PDF)





資料2


「情報通信ネットワークのコスト分析に関する研究会」報告書(案)の概要



第1章 コスト分析を導入する背景

1.情報通信基盤の社会資本性の認知
        平成3年度より、公的資金により情報通信ネットワークを整備する事業を開始。
平成13年度より、情報通信ネットワーク整備を公共事業として整備開始。情報通信ネットワークが21世紀の社会資本として認知される。

2.政策評価導入の動き
        平成13年1月より政策評価制度を全政府的に導入。平成14年度から法律に基づき実施。
公共事業関係省庁は、総理指示を踏まえ公共事業に対する費用対効果分析の活用を平成10年度から開始。

3.情報通信ネットワークへのコスト分析の必要性
        21世紀の社会資本である情報通信ネットワーク整備についても、事業の効率的・効果的実施を図る必要があり、その際にできるだけ客観的な費用対効果分析を行う観点から、コスト分析(費用便益分析)の導入を図ることが望ましい。


第2章 コスト分析を導入するための課題

1.社会資本としての情報通信ネットワークの特徴
        情報通信ネットワークには、時間と空間を超越する効果がある。
ネットワーク単独ではなく、その上で提供されるアプリケーションと一体となって効果を発揮する。
IT分野は技術革新が激しい。
IT分野は民間主導が原則であり、公的主体がネットワークを整備する場合には当原則との調和が必要。

2.情報通信ネットワークにコスト分析を導入する際の課題
        波及効果の大きい情報通信ネットワークの整備効果(便益)を全て測定することは困難。
効率性のみを追求し過ぎると、デジタル・ディバイドを拡大させる可能性がある。
技術革新等を踏まえた客観的な評価基準を作るのが難しい。
便益測定のための作業に労力がかかるが、民法テレビ難視聴解消事業は総事業費が1千万円に満たない小規模なものも多い。


第3章 具体的検討

1.分析手法の種類・特色
        具体的な分析手法として、代替法、消費者余剰計測法、ヘドニック法、CVM(仮想的市場法)、トラベルコスト法を適用することが想定される。

2.情報通信ネットワークに対する各評価手法の適用
        情報通信ネットワーク整備に対してコスト分析を行う場合には、現時点では代替法を中心とし、必要に応じ他の手法も補完的に用いることが妥当である。

3.具体的評価手順
        地域イントラネット基盤施設整備事業については、
1)自治体の行政手続等をオンライン化することでデータの送受信が可能となる便益(情報流通便益)、
2)地域イントラネットの一部を民間に開放することで、高速インターネット接続サービスの提供が可能となる便益(高速インターネット利用便益)
3)地域イントラネットを利用した公的アプリケーションに係る便益(行政情報提供便益、学校情報化便益)
を想定し、代替法により費用便益分析を実施する。
移動通信用鉄塔施設整備事業については、便益を受ける客体を居住者、就業者、観光客及び通過客とする。各客体について携帯電話を利用できる便益(受発信便益)を想定し、代替法により費用便益分析を実施する。なお、通話内容から得られる便益(通話便益)については、便益の計測について引き続き検討を進める。
民放テレビ・ラジオ放送難視聴等解消施設整備事業については、1)民放テレビ・ラジオを視聴することができる便益(視聴便益)、2)放送される番組内容から得られる便益(番組便益)を想定し、代替法により費用便益分析を実施する。


第4章 運用にあたっての留意事項

1.分析を実施する機会の拡大
        実際の政策評価プロセスの中でコスト分析を積極的に導入することが必要。
事前評価だけでなく、事後評価や再評価にもコスト分析を活用することを検討する必要。
評価モデルをより適切なものに改良していく努力が必要。

2.具体的な分析を踏まえた最終判断のあり方
        地域イントラネット基盤施設整備事業は他の公共事業にならい、B/Cが1.5以上であることを採択の条件とするのが適当。
移動通信用鉄塔施設整備事業及び民放テレビ・ラジオ放送難視聴等解消施設整備事業については、B/Cが1.0を下回る場合は、新規採択を認めるべきでない。
事業の適切な執行に向け、コスト分析以外の手法も活用して総合的に評価することが必要。

3.対象地域・国民へのフォロー体制の強化
        対象地域に対し、コスト分析の目的・概要について十分説明し、コスト分析を実施する必要性について理解を得ることが必要。
具体的な事例を示すなど、コスト分析が誰でも簡便に実施できるようにすることが必要。
地域特有の便益が算定可能であればこれを全体便益に加算できるよう配慮することが必要。

        具体的なコスト分析の手順を示したマニュアルを報告書に添付



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